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番外編 ボーイッシュな同期生とデート・その後【クリスマス編】
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七瀬 美緒とのデート。その帰り道――
☆ ☆ ☆
駅前のケーキ屋さんでケーキを買い、俺たちは一緒に電車で帰ることにした。
俺と七瀬さんの最寄り駅は同じところだったようで、それなら朝も一緒に電車でくればよかったな……とか考えてハッとする。
いかん、これ完全に恋人相手に思うやつじゃないか!? 俺と七瀬さんはデートこそしたけど恋人同士じゃないんだ。思い上がり、ダメ、絶対!
「ねぇ伊山くん、最寄り駅が同じなら朝も一緒にくればよかったね」
えっ……!
「そ、そうだね!」
ま、まさか七瀬さんも俺と同じことを……いやだめだ落ち着け俺、単に社交辞令的な意味合いという可能性もある。うぬぼれ、ダメ、絶対!
車内はクリスマスということもあり混んでいたが、駅をまたぐに連れ人が少なくなり、俺たちは並んで座席に座ることができた。
電車が揺れるたびに腕や脚が触れ合い、温もりを感じる。その度にその手を握れたらもっと暖かいのかな……なんていう甘酸っぱい感情が浮かぶ。
「今日は楽しかったなぁ~」
そんなふうに呟きながらも、七瀬さんは少し疲れているように見えた。さっきまでの満員電車がこたえたのだろう
「七瀬さん、疲れてない?」
「ありがとう、大丈夫。でもちょっと眠いかな……」
確かに目がトローっとしていて眠そうだ。
「眠ってても大丈夫だよ。着いたら起こすから」
「ほんと? じゃあ、少し甘えちゃおうかな……」
そう言うと七瀬さんはこちらへと寄りかかり、俺の肩に顔をうずめてきた。
た、確かに眠っていいとは言ったけど、そうやって眠るの!?
七瀬さんの柔らかい肌の感触や体温が、俺の身体へと染みわたってくる。心臓の鼓動がドキドキと高鳴っているのを感じる。
「伊山くんあったかい。いい匂いがする」
「は、恥ずかしいからやめて!」
「えへへ、ごめん……」
というか七瀬さんの方こそ……甘くて心地の良い香りが漂ってくる。しかもときどき茶髪のショートヘアが頬に触れてきてなんだかくすぐったい。
俺はまるでその甘い感覚に引き寄せられるように、そっと七瀬さんの手を握った。彼女も、何も言わず握り返してきた。
彼女の手はひんやりとしていて、なのになぜか暖かくて……。
やがて七瀬さんは夢の世界へと入って行ったようだが、手は握りしめたままだった。なんだか幸せそうな顔をしている。それを見て、俺も幸せを感じる。
やがてアナウンスが俺たちの最寄り駅に到着することを告げる。
ずっとこのまま停まらなければいいのに。そうすればずっとこの温もりを感じていられるのに。
甘くも苦い感情を噛み締めながら、俺は電車の窓に映る駅のイルミネーションを見つめていた。
やがて外のひんやりとした風が、上気した俺たちの頬を優しくなでた。
☆ ☆ ☆
駅前のケーキ屋さんでケーキを買い、俺たちは一緒に電車で帰ることにした。
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いかん、これ完全に恋人相手に思うやつじゃないか!? 俺と七瀬さんはデートこそしたけど恋人同士じゃないんだ。思い上がり、ダメ、絶対!
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「今日は楽しかったなぁ~」
そんなふうに呟きながらも、七瀬さんは少し疲れているように見えた。さっきまでの満員電車がこたえたのだろう
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「ありがとう、大丈夫。でもちょっと眠いかな……」
確かに目がトローっとしていて眠そうだ。
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「ほんと? じゃあ、少し甘えちゃおうかな……」
そう言うと七瀬さんはこちらへと寄りかかり、俺の肩に顔をうずめてきた。
た、確かに眠っていいとは言ったけど、そうやって眠るの!?
七瀬さんの柔らかい肌の感触や体温が、俺の身体へと染みわたってくる。心臓の鼓動がドキドキと高鳴っているのを感じる。
「伊山くんあったかい。いい匂いがする」
「は、恥ずかしいからやめて!」
「えへへ、ごめん……」
というか七瀬さんの方こそ……甘くて心地の良い香りが漂ってくる。しかもときどき茶髪のショートヘアが頬に触れてきてなんだかくすぐったい。
俺はまるでその甘い感覚に引き寄せられるように、そっと七瀬さんの手を握った。彼女も、何も言わず握り返してきた。
彼女の手はひんやりとしていて、なのになぜか暖かくて……。
やがて七瀬さんは夢の世界へと入って行ったようだが、手は握りしめたままだった。なんだか幸せそうな顔をしている。それを見て、俺も幸せを感じる。
やがてアナウンスが俺たちの最寄り駅に到着することを告げる。
ずっとこのまま停まらなければいいのに。そうすればずっとこの温もりを感じていられるのに。
甘くも苦い感情を噛み締めながら、俺は電車の窓に映る駅のイルミネーションを見つめていた。
やがて外のひんやりとした風が、上気した俺たちの頬を優しくなでた。
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