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番外編 ミステリアスな同期生とデート・IF【クリスマス編】

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 ――もしも、伊山 洋一とのクリスマスデート争奪戦(早い者勝ち)の勝者が神崎かんざき 礼奈れいなだったら……

 ☆ ☆ ☆

 夜の街、俺は神崎さんとクリスマス一色に染められた景色を眺めながら歩く。

 神崎さんはさっきからものすごい勢いでスマートフォンを操作しているけれど、今日1日の経験からして、彼女の行動は今俺とのデートを楽しんでくれているということを意味していると思う。多分。

 そろそろスマホが鳴りそうだな……。俺はポケットからスマートフォンを取り出した。

 予想通り、ピコンっと俺のスマホの通知が鳴り、隣を歩いている神崎さんからのメッセージが届く。

《れいな》洋一くん、見て見て! ケーキ屋さん٩(๑>∀<๑)۶

 顔をあげると確かにケーキ屋さんがある。神崎さん、ケーキ買いたいのかな……。
 
 そう思い、俺は神崎さんに問いかけるのだが……

「神崎さん、ケーキ買いたいの?」

「別にケーキなんて興味ないわ」

 神崎さんは不機嫌そうにツンっと顔を背けてしまう。

 どうすりゃいいんだよおぉぉぉぉ!!!

 ……と、数時間前の俺だったら悲鳴をあげていたと思う。けれど、今日1日神崎さんとのデートという名の特殊訓練を受けた俺にはわかる。

 こういうときの神崎さんは嘘を言っているのだと。

「じゃあ、俺買ってくるね」

「だ、だから興味ないって……待って!」

 俺がケーキ屋に突き進んでいくと、神崎さんもついてきた。ニヤリ、作戦通り。

「えーと、神崎さんは何のケーキが――」

 何のケーキが好き? と聞こうとして、俺は言葉を失った。

 選択肢が提示されたとき、どうしたら神崎さんの本音を見抜けるんだ!?

 YESかNOの2択なら対策はバッチリなのに!

 ――ピコンッ!

《れいな》わぁ、どのケーキも美味しそうだね(*ノˊᗜˋ*)ノワーイ

《伊山 洋一》どれが一番好き?

《れいな》洋一くん♡

 くそぅ! 唯一のヒントもここにきて機能しなくなった! というかケーキのことを訊いたんだけど……。

 いや、待てよ……。

「神崎さん、チョコレートケーキ好き?」
「別に」
「ショートケーキは?」
「別に」
「モンブランは?」

「わたし、モンブラン大っ嫌いなの」

 ……これだな。

「じゃあ、モンブランを1つと――」

「べ、別にわたしはモンブランとか好きじゃないんだからね!?」

 ――帰宅後、神崎さんから一件のメッセージが届いた。

《れいな》大好きなモンブラン♡ワーε٩( >∀< )۶зーイ 洋一くんありがとう♡
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