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第6話 嫌われていた妹から好かれる②
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明里の心は少しずつ動き始めている……なんて言ったが、少しどころじゃなかった。
次の日の朝、俺が家を出ようと靴をはいていると。
「あ、明里も、一緒に行く……」
なんと、ひょこひょことリビングから出てきた明里がそう言って靴を履き始めたのだ。
その後も、俺にくっついてくるように隣にピタッとくっついて歩く妹。
「あの、明里……?」
「な、なに、お兄ちゃん……」
明里は上目遣いでこちらを見上げてくる。
「ええと、俺と一緒に歩くの、嫌じゃない?」
俺は明里に嫌われているはずなのでそう言ったのだが、なぜか彼女はむぅっと頬をふくらませた。
「嫌じゃない……明里は、ずっとお兄ちゃんと一緒に学校行きたかった……」
寂しそうな表情をする明里を見てハッとした。
遥人はずっと妹に嫌われていると思って距離を置いていた。けれど、そこには大きなすれ違いがあったのではないか……。
俺はつい、哀愁漂う妹の顔を見ているうちに愛おしくなってしまい……
――なでなで……
「ふえっ!?」
明里の頭をなでていた。
それにしても、我が妹は本当に可愛い顔をしている。
丸顔でパッチリとした瞳。茶髪っぽいふわふわなショートボブ。ぴょこんと立っているアホ毛。
茶髪と言っても、明里は中学生でありながら髪を染めているイケイケのギャルというわけでも、不良少女というわけでもない。
うちの家系は生まれつき、比較的明るい髪色らしく、俺も彼女と同じような色合いの頭髪なのだ。
と、そんなことを考えていると……
「お、お兄ちゃん、頭なですぎ……! 明里のアホ毛、つぶれちゃう……」
「あっ、す、すまん……明里が可愛くてつい、な」
「かわいっ!? あう、うぅ……」
あっ、明里がオーバーヒートしてしまった……。
プシューッと頭から煙が出そうなほど顔を真っ赤にしている。
「お兄ちゃん、本当に、どうしちゃったの……? なんか、変……」
「昨日言っただろ? 俺は少しでも仲良くなれるように変わろうと思ってるって」
「それは、嬉しいけど……可愛い、とか……」
そんないじらしくて可愛い明里に癒されつつ、俺は高校に向かったのだった。
次の日の朝、俺が家を出ようと靴をはいていると。
「あ、明里も、一緒に行く……」
なんと、ひょこひょことリビングから出てきた明里がそう言って靴を履き始めたのだ。
その後も、俺にくっついてくるように隣にピタッとくっついて歩く妹。
「あの、明里……?」
「な、なに、お兄ちゃん……」
明里は上目遣いでこちらを見上げてくる。
「ええと、俺と一緒に歩くの、嫌じゃない?」
俺は明里に嫌われているはずなのでそう言ったのだが、なぜか彼女はむぅっと頬をふくらませた。
「嫌じゃない……明里は、ずっとお兄ちゃんと一緒に学校行きたかった……」
寂しそうな表情をする明里を見てハッとした。
遥人はずっと妹に嫌われていると思って距離を置いていた。けれど、そこには大きなすれ違いがあったのではないか……。
俺はつい、哀愁漂う妹の顔を見ているうちに愛おしくなってしまい……
――なでなで……
「ふえっ!?」
明里の頭をなでていた。
それにしても、我が妹は本当に可愛い顔をしている。
丸顔でパッチリとした瞳。茶髪っぽいふわふわなショートボブ。ぴょこんと立っているアホ毛。
茶髪と言っても、明里は中学生でありながら髪を染めているイケイケのギャルというわけでも、不良少女というわけでもない。
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と、そんなことを考えていると……
「お、お兄ちゃん、頭なですぎ……! 明里のアホ毛、つぶれちゃう……」
「あっ、す、すまん……明里が可愛くてつい、な」
「かわいっ!? あう、うぅ……」
あっ、明里がオーバーヒートしてしまった……。
プシューッと頭から煙が出そうなほど顔を真っ赤にしている。
「お兄ちゃん、本当に、どうしちゃったの……? なんか、変……」
「昨日言っただろ? 俺は少しでも仲良くなれるように変わろうと思ってるって」
「それは、嬉しいけど……可愛い、とか……」
そんないじらしくて可愛い明里に癒されつつ、俺は高校に向かったのだった。
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