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その後の2人
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「……リーナ……サリーナ」
私の名前を呼ぶ、愛しい人の声。
(これは……夢?)
「夢じゃないよサリーナ、だから起きて。今日は婚礼の儀の日だ。つまり、結婚式当日だよ」
「結婚式!?」
“結婚式”というワードが聞こえた瞬間、眠気なんか簡単に吹き飛んで、勢いよくとび起きた。
ベッドに肘をつけながら愛おしそうに私の様子を見つめるデュアン様の視線に気づいて、私は真っ赤になった。
「本当にサリーナはかわいいね。これで花嫁のドレスを着たら、もっとかわいくなるんだろうなあ。………結婚式なんて取り止めて、今日は1日中ドレス姿で俺と過ごすってのはだめかな?」
「──っ!!」
私の頬や耳が、瞬時に赤く染まっていく。
デュアン様と婚約してからというもの、デュアン様は私に対して甘い。
ものすんごーーく、下手すりゃ砂糖の10倍は甘いってくらいに、甘い。
「サリーナ、目覚めのキスはしてくれないの?」
「目覚め……の、キス!!!?」
驚きすぎて、大声を出してしまった。
反射的に自分の口をバッと押さえて周りを見渡す。
は、はしたなかったかな……。
そんな私を、デュアン様はクスクスと笑う。
くうっ、これ完全に遊ばれてる……!!
でも、それが嫌ではなくて、心地いいと感じるのだから本当に不思議だ。
「………そういえばデュアン様。私に、その…プ、プロ……プロポーズして下さった時に、『周りを認めさせるために勲章を獲得した』とおっしゃっていましたよね。それで、何年も忙しそうになさっていたのですか?」
デュアン様は何年も話していなかった私に急に話しかけ、急にプロポーズしてきたのだ。
「ああ、それもあるけど、父上と約束していたんだ。『父上が認めるまでは、サリーナに話しかけないこと』……とね。父上は父上なりに、サリーナのことを心配していたんだ。だから父上に認められるまで、何年もかかってしまったよ」
デュアン様がちょっとだけ疲れたような表情を見せた。
「旦那様が……」
じわっ、と目に涙が浮かんできた。
危ない危ない、また泣きそうになってしまった。
「そして、あの日、やっと父上に認められることができた。だから、一目惚れした初恋の君に、俺はすぐに結婚を申し込んだんだ」
「デュアン様……」
素直に嬉しいと感じると同時に、デュアン様をとても愛おしいと感じた。
だから、この人生で1番幸せな日になるであろう今日に、どうしてもデュアン様に私の想いを伝えたかった。
「……デュアン様、大好きです。本当に本当に大好きです。デュアン様が私の初恋で、一目惚れした人で、私の愛するただ1人の人です。今この瞬間も、デュアン様が愛おしいと感じています。……愛しています、デュアン様」
「サリーナ……ああ、俺もだ」
そう言って、デュアン様は私に触れるだけのキスをした。
しかし、そういうことに全く慣れていない私は、すぐに真っ赤になる。
「かわいい。このまま続きをしていたいくらいだが、生憎もう時間だ。この続きは、今日の夜だな」
「よっ、よよ、夜……!?」
不敵に笑うデュアン様に、僅かに身の危険を感じたが、それさえもデュアン様を愛しく思う気持ちに変わっていく。
「そういえば、今日は結婚式だというのに、サリーナは俺ではなく、他の男のことを考えていたよな?」
「ほ、他の、男?……て、旦那様ですよ!?」
「仮に父親でも、他の男だ。サリーナみたいないけない子には、ちゃーんとお仕置きをしなくちゃね」
「~~~~!!!?」
お、お仕置き……!?
今度は確実に身の危険を感じて後ずさった。
しかし、デュアン様はそんな私の行動を良しとせず、私の腕を引いて引き寄せると……。
「初夜だからね、たっぷりとかわいがってあげる。しっかりと覚悟しておいてね、サリーナ」
最大に甘さを含んだ声で、耳元で囁かれ、思わずゾクッとした。
人生最高の日になる、甘い1日の始まりです──。
私の名前を呼ぶ、愛しい人の声。
(これは……夢?)
「夢じゃないよサリーナ、だから起きて。今日は婚礼の儀の日だ。つまり、結婚式当日だよ」
「結婚式!?」
“結婚式”というワードが聞こえた瞬間、眠気なんか簡単に吹き飛んで、勢いよくとび起きた。
ベッドに肘をつけながら愛おしそうに私の様子を見つめるデュアン様の視線に気づいて、私は真っ赤になった。
「本当にサリーナはかわいいね。これで花嫁のドレスを着たら、もっとかわいくなるんだろうなあ。………結婚式なんて取り止めて、今日は1日中ドレス姿で俺と過ごすってのはだめかな?」
「──っ!!」
私の頬や耳が、瞬時に赤く染まっていく。
デュアン様と婚約してからというもの、デュアン様は私に対して甘い。
ものすんごーーく、下手すりゃ砂糖の10倍は甘いってくらいに、甘い。
「サリーナ、目覚めのキスはしてくれないの?」
「目覚め……の、キス!!!?」
驚きすぎて、大声を出してしまった。
反射的に自分の口をバッと押さえて周りを見渡す。
は、はしたなかったかな……。
そんな私を、デュアン様はクスクスと笑う。
くうっ、これ完全に遊ばれてる……!!
でも、それが嫌ではなくて、心地いいと感じるのだから本当に不思議だ。
「………そういえばデュアン様。私に、その…プ、プロ……プロポーズして下さった時に、『周りを認めさせるために勲章を獲得した』とおっしゃっていましたよね。それで、何年も忙しそうになさっていたのですか?」
デュアン様は何年も話していなかった私に急に話しかけ、急にプロポーズしてきたのだ。
「ああ、それもあるけど、父上と約束していたんだ。『父上が認めるまでは、サリーナに話しかけないこと』……とね。父上は父上なりに、サリーナのことを心配していたんだ。だから父上に認められるまで、何年もかかってしまったよ」
デュアン様がちょっとだけ疲れたような表情を見せた。
「旦那様が……」
じわっ、と目に涙が浮かんできた。
危ない危ない、また泣きそうになってしまった。
「そして、あの日、やっと父上に認められることができた。だから、一目惚れした初恋の君に、俺はすぐに結婚を申し込んだんだ」
「デュアン様……」
素直に嬉しいと感じると同時に、デュアン様をとても愛おしいと感じた。
だから、この人生で1番幸せな日になるであろう今日に、どうしてもデュアン様に私の想いを伝えたかった。
「……デュアン様、大好きです。本当に本当に大好きです。デュアン様が私の初恋で、一目惚れした人で、私の愛するただ1人の人です。今この瞬間も、デュアン様が愛おしいと感じています。……愛しています、デュアン様」
「サリーナ……ああ、俺もだ」
そう言って、デュアン様は私に触れるだけのキスをした。
しかし、そういうことに全く慣れていない私は、すぐに真っ赤になる。
「かわいい。このまま続きをしていたいくらいだが、生憎もう時間だ。この続きは、今日の夜だな」
「よっ、よよ、夜……!?」
不敵に笑うデュアン様に、僅かに身の危険を感じたが、それさえもデュアン様を愛しく思う気持ちに変わっていく。
「そういえば、今日は結婚式だというのに、サリーナは俺ではなく、他の男のことを考えていたよな?」
「ほ、他の、男?……て、旦那様ですよ!?」
「仮に父親でも、他の男だ。サリーナみたいないけない子には、ちゃーんとお仕置きをしなくちゃね」
「~~~~!!!?」
お、お仕置き……!?
今度は確実に身の危険を感じて後ずさった。
しかし、デュアン様はそんな私の行動を良しとせず、私の腕を引いて引き寄せると……。
「初夜だからね、たっぷりとかわいがってあげる。しっかりと覚悟しておいてね、サリーナ」
最大に甘さを含んだ声で、耳元で囁かれ、思わずゾクッとした。
人生最高の日になる、甘い1日の始まりです──。
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