心霊整体師 東條ちずる

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高校3年生の出来事

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  「榎本さん、どうして学校に登校してこないのですか?」
  「うん。この間、榎本の家に行ってきたんだけど、お母さん泣いてらしてね。今は、精神内科に通っているん
   だそうだ。それで、卒業間もないけど、とても学校へは通える状態ではないので、学校を辞めさせねばなら
   ないって。それでその日は、榎本に会うことも出来なかったんだ。」
  「せんせい。榎本さんのお母様は、礼さんがどんな状態になっているかを、教えて下さらなかったのですか?」
  「いや、そこはちゃんと聞いてきたよ。何でも、突然笑っていたかと思うと、いきなり泣いたりして。また訳の
   分からない言葉を一人ごとのように話をしていたり、時々39度の熱が2~3日続ずいたり、修学旅行から
   帰って来た時からおかしくなってしまったと。それに、原因がわからなくって、お医者もお手上げだと言って
   いるそうだよ。本当に榎本はどうしてしまったんだろうか?」
ちずるは緒方から話を聞かされ、空しかった。何故なら、自分のクラスメートを助けるすべがないからである。そんな気持ちのまま、家に帰宅すると、ちずるはなみえにただいまも言わずに神棚の部屋に、真っ直ぐ向かった。ちずるは神棚の前に座ると、クラスメートの榎本をどうしたら救うことが出来るのか尋ねてみた。しかし、その時は何も応えてもらえなかったが、その夜、夢の中に美しい姿の女性が現れて、ちずるにこう言った。
  「ちずる。私はそなたを守護する守護神ソナである。そなたは、私の星から役目を持って人間の五体を授かり、
   この世に生まれてきたのです。これから色々な体験を重ね、自分の能力を知る事でしょう。それから、そな
   たの頼みし友の事だが、そなたの力はまだじゅぶんでわないゆえ、我等守護神の力で何とかする故、案ずる
   ではない。」
そう語ると守護神は、笑みを浮かべ消えていった。ちずるはその後、何と無く目が覚めてしまい、ベットの横に置いてある時計を見ると、夜中の3時、夜が明けるまでにはまだ、時間があった。しかし、ちずるは、その後横になるも、眠る事も出来ないまま、朝を迎えた。そして、また次の夜も、ちずるの守護神は夢に現れて、こう語っていた。榎本礼にとりついた魂は、自らの命を経った女性で、死んだ後、生きているのか、死んでいるのかもわからないまま自分が死に選んだ支笏湖辺りを彷徨っていたのだった。その時、たまたまちずる達修学旅行生を見て、自分と波長のあった榎本礼に目を付けたようだ。その為、礼はあのように訳の分からない行動をとるようになった。そして、守護神はちずると約束した通り、榎本礼にとりついた魂を戒め、霊界へと浄化させたので、礼は少しずつ良くなると告げられた。その後ちずるは、また夜中目が覚めてしまい、何と無く夜空を眺めたくなって、布団から起き上がると、カーテンを開けて夜空の星々を見つめ手を合わせこう呟いた。
  
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