28 / 56
小学校5年の怪
しおりを挟む
「貴方は、誰?」
そう、ちずるが話しかけても、女の子はただ黙ってちずるを見つめていた。
「どうして、ここにいるの?」
と、ちずるは話続々けた。すると女の子は、突然悲しい顔をしてちずるを見た。そんなやり取りをしていると、体育の時間の生徒達が体育館に続々と入ってきた。すると、今までいたはずの女の子の姿が何処にも見あたらない。そればかりか、体育館に入って来る生徒達は、ちずるの存在に気ずいていない。どうして私に皆気ずかないの?ちずるは何が何だか分からなくなって、自分の教室へと急いだ。教室に着いたちずるは、そーっと廊下の外窓から教室をのぞき込むと、もう一人の自分がちゃんと机に座っているのを見た。と、その時、自分の身体がもう一人の自分の身体に入っていく瞬間を感じていた。ちずるは、家に帰るなり、とても疲れて自分の部屋に入るなりベットの上で寝てしまった。夕飯の時間になっても降りてこないので、ちずるの事が心配になって、なみえはちずるの部屋を何度も覗きこんだが、ちずるはスヤスヤ寝ていた。なみえは起こすのもかわいそうだと思い、ちずるをそのまま寝かせたのだった。そんな夜。ちずるの今は亡き、曾祖母のきぬの夢を見ていた。夢の中できぬはこう言った。
「ちずる。お前が体験したことは、恐れることはないんだよ。この体験は幽体離脱と言ってね、神様とお前の
魂が一つになっていく事に、必要なんだよ。これからお前は、もっともっと、いろいろな事を体験する。その
度にお前の霊能力が強まってゆくんだ。そして、お前を守護して下さる方が、お前に沢山の事を教えてくださ
るから、その方の言うとうりにして行けば、今日、ちずるが見た魂の子供も、浄化して行く。ただ、まだちず
るは10歳だから、その魂を浄化させるにはまだまだ力不足だからね。後ろの方に任せておけば大丈夫だから
それでね。もし、これからも、何度となくちずるの前に現れたら、その時は、その子の話を聞いておあげ。
その事で、その子の魂は清められ、浄化されて行くから。怖らずに役目を果たすんだよ。わかったね。」
ちずるは何とも不思議な夢を見たせいか、真夜中に目が覚めてしまい、何だか怖くなって、自分の部屋を飛び出して母なみえの寝室に駆け込んだ。ちずるが部屋に入ると、なみえは寝ていた。ちずるはなみえの布団の側にすわると、寝ているなみえの身体を揺すぶった。
「ママ、ママ、起きて」
なみえはそんなちずるの声に目が覚めた。
そう、ちずるが話しかけても、女の子はただ黙ってちずるを見つめていた。
「どうして、ここにいるの?」
と、ちずるは話続々けた。すると女の子は、突然悲しい顔をしてちずるを見た。そんなやり取りをしていると、体育の時間の生徒達が体育館に続々と入ってきた。すると、今までいたはずの女の子の姿が何処にも見あたらない。そればかりか、体育館に入って来る生徒達は、ちずるの存在に気ずいていない。どうして私に皆気ずかないの?ちずるは何が何だか分からなくなって、自分の教室へと急いだ。教室に着いたちずるは、そーっと廊下の外窓から教室をのぞき込むと、もう一人の自分がちゃんと机に座っているのを見た。と、その時、自分の身体がもう一人の自分の身体に入っていく瞬間を感じていた。ちずるは、家に帰るなり、とても疲れて自分の部屋に入るなりベットの上で寝てしまった。夕飯の時間になっても降りてこないので、ちずるの事が心配になって、なみえはちずるの部屋を何度も覗きこんだが、ちずるはスヤスヤ寝ていた。なみえは起こすのもかわいそうだと思い、ちずるをそのまま寝かせたのだった。そんな夜。ちずるの今は亡き、曾祖母のきぬの夢を見ていた。夢の中できぬはこう言った。
「ちずる。お前が体験したことは、恐れることはないんだよ。この体験は幽体離脱と言ってね、神様とお前の
魂が一つになっていく事に、必要なんだよ。これからお前は、もっともっと、いろいろな事を体験する。その
度にお前の霊能力が強まってゆくんだ。そして、お前を守護して下さる方が、お前に沢山の事を教えてくださ
るから、その方の言うとうりにして行けば、今日、ちずるが見た魂の子供も、浄化して行く。ただ、まだちず
るは10歳だから、その魂を浄化させるにはまだまだ力不足だからね。後ろの方に任せておけば大丈夫だから
それでね。もし、これからも、何度となくちずるの前に現れたら、その時は、その子の話を聞いておあげ。
その事で、その子の魂は清められ、浄化されて行くから。怖らずに役目を果たすんだよ。わかったね。」
ちずるは何とも不思議な夢を見たせいか、真夜中に目が覚めてしまい、何だか怖くなって、自分の部屋を飛び出して母なみえの寝室に駆け込んだ。ちずるが部屋に入ると、なみえは寝ていた。ちずるはなみえの布団の側にすわると、寝ているなみえの身体を揺すぶった。
「ママ、ママ、起きて」
なみえはそんなちずるの声に目が覚めた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/mystery.png?id=41ccf9169edbe4e853c8)
ダブルネーム
しまおか
ミステリー
有名人となった藤子の弟が謎の死を遂げ、真相を探る内に事態が急変する!
四十五歳でうつ病により会社を退職した藤子は、五十歳で純文学の新人賞を獲得し白井真琴の筆名で芥山賞まで受賞し、人生が一気に変わる。容姿や珍しい経歴もあり、世間から注目を浴びテレビ出演した際、渡部亮と名乗る男の死についてコメント。それが後に別名義を使っていた弟の雄太と知らされ、騒動に巻き込まれる。さらに本人名義の土地建物を含めた多額の遺産は全て藤子にとの遺書も発見され、いくつもの謎を残して死んだ彼の過去を探り始めた。相続を巡り兄夫婦との確執が産まれる中、かつて雄太の同僚だったと名乗る同性愛者の女性が現れ、警察は事故と処理したが殺されたのではと言い出す。さらに刑事を紹介され裏で捜査すると告げられる。そうして真相を解明しようと動き出した藤子を待っていたのは、予想をはるかに超える事態だった。登場人物のそれぞれにおける人生や、藤子自身の過去を振り返りながら謎を解き明かす、どんでん返しありのミステリー&サスペンス&ヒューマンドラマ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
マクデブルクの半球
ナコイトオル
ミステリー
ある夜、電話がかかってきた。ただそれだけの、はずだった。
高校時代、自分と折り合いの付かなかった優等生からの唐突な電話。それが全てのはじまりだった。
電話をかけたのとほぼ同時刻、何者かに突き落とされ意識不明となった青年コウと、そんな彼と昔折り合いを付けることが出来なかった、容疑者となった女、ユキ。どうしてこうなったのかを調べていく内に、コウを突き落とした容疑者はどんどんと増えてきてしまう───
「犯人を探そう。出来れば、彼が目を覚ますまでに」
自他共に認める在宅ストーカーを相棒に、誰かのために進む、犯人探し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる