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ちずるの誕生
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「お義母さん。そんなに怒らんといてください。血圧上がりますよ。普段看護師さんは、夜勤交代なので、疲れ
てはるんでしょうから。実は私の叔母が看護師なんです。だから仕事の不満を時々私の家に帰ては、母に
愚痴をこぼしていました。」
「あら、叔母さん看護師さんなんだ。結婚式の時あまりお話しをする暇なかったので、わからなかったけど。」
なみえのその言葉で、秋の心はなんとなく落ち着いたような気がした。
「そんならお義母さん。私少し運動してきますね。」
「うーん、まあ、なみちゃんがそう言うなら、行ってきなさい。」
なみえは、秋にそう言うと、病室を出ていった。病室から数分歩くと階段がある。まずは3階に上り、3階から1階まで下りて行くといった事を何度となく繰り返した。すると、一瞬陣痛らしき痛みが襲ってきた。慌ててなみえは病室に戻り、ベットに横たわりお腹をさすっていると、痛みは直ぐに治まった。そんな様子を見ていた秋がなみえに声を掛けた。
「なみちゃん、痛むの?」
「なんか1階まで降りたら、急に痛みが来たので病室に戻ってきました。今は、お腹をさすったら治ったので
大丈夫です。」
「そう。ならいいけど。院長先生はまだまだだって言っていたからね。」
「はい。」
そんなやり取りをしている間にもう、夕食の時間となった。食事を運んで来てくれた看護師が、ふと、秋にきずいて
「付き添いの方の夕飯は、頼まれていませんでしたので、出ないのですが、どうなさいますか?」
「あ、予約するの忘れていました。この近くにスーパーがあったみたいなので、そこに行って買ってきます。」
「そうですか。なら、そうしてください。」
秋は看護師が病室を出た後、夕食を買いに行ってくるとなみえに告げ、病院を後にした。その間、なみえは食事に手を付けず秋の帰りを待っていた。すると、またお腹の痛みが襲ってきた。なみえはベットに横になり、お腹をさすってみると、痛みはまた治まった。やがて、夕食を買え終わって病院に戻って来た秋は、病室に入るなり、なみえがお腹の痛みを堪えながら、腰をさすり、ベットに半立している姿に驚いた。
てはるんでしょうから。実は私の叔母が看護師なんです。だから仕事の不満を時々私の家に帰ては、母に
愚痴をこぼしていました。」
「あら、叔母さん看護師さんなんだ。結婚式の時あまりお話しをする暇なかったので、わからなかったけど。」
なみえのその言葉で、秋の心はなんとなく落ち着いたような気がした。
「そんならお義母さん。私少し運動してきますね。」
「うーん、まあ、なみちゃんがそう言うなら、行ってきなさい。」
なみえは、秋にそう言うと、病室を出ていった。病室から数分歩くと階段がある。まずは3階に上り、3階から1階まで下りて行くといった事を何度となく繰り返した。すると、一瞬陣痛らしき痛みが襲ってきた。慌ててなみえは病室に戻り、ベットに横たわりお腹をさすっていると、痛みは直ぐに治まった。そんな様子を見ていた秋がなみえに声を掛けた。
「なみちゃん、痛むの?」
「なんか1階まで降りたら、急に痛みが来たので病室に戻ってきました。今は、お腹をさすったら治ったので
大丈夫です。」
「そう。ならいいけど。院長先生はまだまだだって言っていたからね。」
「はい。」
そんなやり取りをしている間にもう、夕食の時間となった。食事を運んで来てくれた看護師が、ふと、秋にきずいて
「付き添いの方の夕飯は、頼まれていませんでしたので、出ないのですが、どうなさいますか?」
「あ、予約するの忘れていました。この近くにスーパーがあったみたいなので、そこに行って買ってきます。」
「そうですか。なら、そうしてください。」
秋は看護師が病室を出た後、夕食を買いに行ってくるとなみえに告げ、病院を後にした。その間、なみえは食事に手を付けず秋の帰りを待っていた。すると、またお腹の痛みが襲ってきた。なみえはベットに横になり、お腹をさすってみると、痛みはまた治まった。やがて、夕食を買え終わって病院に戻って来た秋は、病室に入るなり、なみえがお腹の痛みを堪えながら、腰をさすり、ベットに半立している姿に驚いた。
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