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ちずる誕生の秘話
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ある日、まさるの祖母のきぬが、新婚夫婦の部屋を訪れた。
「なみえさん。入ってもいいかね」
「はい。お入りください。」
と言われてきぬは扉を開けて中に入ってきた。
「なみえさん。どうも私は、椅子が苦手でね。床に座らせてもらっていいかしらね。」
するとなみえは、大きめのクッションを取り出して、床に置いた。
「床は、冷えますからことて悪かったね。でもこの座布団とても座りごごちがいいのね。」
「はい。低反発のクッションなんです。」
「そうなの。今は、本当に良い物がどんどん出てきているんだね。」
「はい。」
「あのね。今から私が言う事は、年寄りのたわいもない話しだと思って聞いてもらってもいいからね。
私はね。なみえさん、あんたがこの東條家に嫁いできてくれるの、首を長くして待っていたんだよ。」
「え、あの、私がこの東條家に来る前から私を知っておいでだったのでしょうか?」
「そうだよ。あんたの事は何でも知ってるよ。それで、今話すことはあんたのお腹の中にいるお子の事
なんだよ。その子はとてつもない霊能力を備わって生まれて来るお子なんだよ。これからあんたは、2人の
女の子が授かる。でも、その能力を持って生まれるのは今あんたのお腹にいるお子なんだ。それでね、今は
信じられないかもしれないけど、そのお子が3歳になった時、この子の能力が芽生え始める。その時あんた
は真実を知ることになる。その時はこの子を、守ってやってほしい。もっと話すことがあるけど、今はなにを
言っても信じられないだろうからね。私の話はお終い。それではお邪魔しました。」
そうきぬはなみえに言い伝えると、自分の離れにある部屋へと戻っていった。きぬが部屋を出ていった後、なみえは椅子に腰かけたまま、啞然としていた。そうして、心の声で、(霊能力者と言う人達は、どのような形で、自分達の事が見えているのだろうか)遥かに信じがたい事だと呟いていた。何故なら、なみえはごく普通の家庭で生まれ育ってきているので、霊能とは無縁の人間であったからだ。ただきぬに関しては、東條家に嫁いで来たその日、きぬの元に、頻繫に人が出入りしているので、不思議に思ったなみえは、まさるにどうして叔母さんの所に沢山の人が訪ねて
「なみえさん。入ってもいいかね」
「はい。お入りください。」
と言われてきぬは扉を開けて中に入ってきた。
「なみえさん。どうも私は、椅子が苦手でね。床に座らせてもらっていいかしらね。」
するとなみえは、大きめのクッションを取り出して、床に置いた。
「床は、冷えますからことて悪かったね。でもこの座布団とても座りごごちがいいのね。」
「はい。低反発のクッションなんです。」
「そうなの。今は、本当に良い物がどんどん出てきているんだね。」
「はい。」
「あのね。今から私が言う事は、年寄りのたわいもない話しだと思って聞いてもらってもいいからね。
私はね。なみえさん、あんたがこの東條家に嫁いできてくれるの、首を長くして待っていたんだよ。」
「え、あの、私がこの東條家に来る前から私を知っておいでだったのでしょうか?」
「そうだよ。あんたの事は何でも知ってるよ。それで、今話すことはあんたのお腹の中にいるお子の事
なんだよ。その子はとてつもない霊能力を備わって生まれて来るお子なんだよ。これからあんたは、2人の
女の子が授かる。でも、その能力を持って生まれるのは今あんたのお腹にいるお子なんだ。それでね、今は
信じられないかもしれないけど、そのお子が3歳になった時、この子の能力が芽生え始める。その時あんた
は真実を知ることになる。その時はこの子を、守ってやってほしい。もっと話すことがあるけど、今はなにを
言っても信じられないだろうからね。私の話はお終い。それではお邪魔しました。」
そうきぬはなみえに言い伝えると、自分の離れにある部屋へと戻っていった。きぬが部屋を出ていった後、なみえは椅子に腰かけたまま、啞然としていた。そうして、心の声で、(霊能力者と言う人達は、どのような形で、自分達の事が見えているのだろうか)遥かに信じがたい事だと呟いていた。何故なら、なみえはごく普通の家庭で生まれ育ってきているので、霊能とは無縁の人間であったからだ。ただきぬに関しては、東條家に嫁いで来たその日、きぬの元に、頻繫に人が出入りしているので、不思議に思ったなみえは、まさるにどうして叔母さんの所に沢山の人が訪ねて
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