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第15章 四度目の夏、時は停まってくれない
第422話 これから嫁ぐ人には、笑顔で嫁いで欲しい…
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おかあさんからしばらくは大量にマナを消費するようなことはしないように言われてしまった。
言い付けを守って、わたしはこの夏は西部地区での活動を断念したの。
目覚めた翌日一日を安静にしていたわたしは、次の日精霊の森を出てリタさんを迎えにポルトへ向かった。
ポルト公爵邸に着くとリタさんが出迎えてくれたの。
「首尾はどう?」
わたしが尋ねると、リタさんはにこっと笑った。
「ええ、上手くいきました。今は貴族の令嬢に擬態するため頑張って勉強していますよ。」
そう言って、わたし達をソフィちゃんの許へ案内してくれたの。
扉を開けて通されたリビング、そこには……、姫モドキがいた。
わたしの目に映るのは、純白のサマードレスを身に纏い、ぎこちなく動くソフィさんの姿。
「似合わねぇ……。」
思わず、心の呟きが外に漏れちゃったよ。
「余計なお世話ですわ。
それは私自身が一番感じています。」
ソフィちゃんが自嘲するように言ったの。
いけない、へこましてしまったかと反省していると。
「ソフィさん、そのまま姿勢を正して立ってみてください。」
不意に投げ掛けられたハイジさんの言葉に反応してその場で直立姿勢になるソフィちゃん。
背筋を伸ばしたソフィちゃんをくまなく観察するとハイジさんは言った。
「ソフィさんはスタイルが良いのね、そうやって姿勢を正しているととても綺麗よ。
それに、凜としていてとても気品を感じるわ。
ターニャちゃんが似合わないと感じたのは、動作がぎこちないからだわね。
自然に振る舞えるようになれば、ちゃんと貴族のお嬢様に見えるから自信を持ちなさい。」
ハイジさんは、公爵邸に移ったソフィちゃんが一挙手一投足に注意を受けていると分かったそうだ。
貴族の所作は細かいところが平民と違うので、直そうと思うとぎこちなくなるのは仕方がないのだと教えてくれたの。
そして、慣れてくれば意識しなくても自然に振る舞えるようになるとソフィちゃんを励ましていた。
**********
ソファーに腰を落ち着けたわたしは訊いてみたの。
「ここにいるということは、ケントニスさんの許に嫁ぐ決心が付いた見たいね。
でも良いの?
ソフィちゃんはわたしと同い歳だよね、わたしは結婚なんて全く想像できないけど。
それに、ケントニスさんって凄い年上だよ。」
そう、わたしは男の人を好きになったことがないし、好きという気持ち自体が良くわからない。
それは、ハンナちゃんが好きとかミーナちゃんが好きとかというのとは全く違う気持ちなのだよね。
「ええ、私は初めてケントニス様にお会いした時から心を惹かれていました。
私の心がケントニス様と共にありたいと渇望するのです。
それが叶うのであれば、どんな困難であろうと立ち向かう覚悟はできています。
歳の差なんて関係ない、それでも好きになってしまったのだから。」
ソフィちゃんは毅然として言った、そこにさっきのような自信無さ気な様子は微塵も見られない。
「そうですか、では私もソフィさんのことを皇族の一員として歓迎しましょう。
しかし、あなたの選んだ道は茨の道ですよ。
お兄様から聞き及んでいるかもしれませんが、現在帝国は崩壊の危機にあります。
私達が一つ舵取りを間違えれば、帝国はたちどころに滅びを迎えるでしょう。
国が滅ぶ時の為政者の末路は悲惨なものです。
お兄様や私と共に断頭台に上がる覚悟があると考えてよろしいのですね。」
ハイジさんのそれは、脅しでもなんでもなかったの。
ハイジさんなりの冷静な分析の結果なのだと思う、帝国の各地を回って、帝国という国家が滅びに瀕していると危機感を感じたみたい。
ハイジさんは、今ならまだ降りることが出来るとソフィちゃんに警告しているのだと思う。
「アーデルハイト様、今の帝国の状況やケントニス様の立ち位置については詳しく聞いております。
それでも、ケントニス様は帝国の孤児の問題を解決したい、私達の様な不幸な子供を放置するような国家に未来はないとおっしゃいました。
その真摯な姿勢に心を打たれたのです、私は少しでも力になりたいと思うのです。
もし、志半ばで国が滅びるのならば、共に逝く覚悟はできています。」
うーん、十二歳の子供の言うセリフではないね。
だいたい、これから結婚しようと言うのにその悲壮な覚悟はいかがなものか。
もう少し、幸せいっぱい、夢いっぱいであって欲しいと思うよ。
ハイジさんも、ハイジさんだ。
わたしはいつも言っているじゃない、帝国は滅びないって。
「ええい、辛気臭い!
大丈夫、帝国は滅びないし、みんなが断頭台に上る事も無いよ。
大船に乗ったつもりでわたしに任せておいて!」
わたしは改めて二人の前で宣言した、だって帝国の枠組みは壊すわけにはいかないのだから。
「ターニャちゃん……。」
言葉の真意を問うようにハイジさんがわたしを見つめている。
「わたしは帝国が嫌い。
わたしが捨てられたのが、生みの親が食べ物に事欠いたからなのか、わたしが『色なし』だったからなのか、どっちが原因か分からない、もしかしたら両方揃ったからかもしれない。
でも、どちらにせよ帝国の施政が良くないから、わたしは捨てられたの。
だから帝国が大っ嫌い。
でもね、枠組みとしての帝国は絶対に必要なの。」
どうしてなのかは分からない、でも事実として大陸西部は何千年もの間戦乱の時代が続いたの。
そもそも、ヴィクトーリアさんの先祖達が帝国に合流したのも戦乱を収めるため。
ヴィクトーリアさんの派閥は元々戦争を嫌い、話し合いで解決しようとしていた国々だったそうだ。
でも、周辺の国は話し合いに応じず、武力により利害関係の解決を望む国ばかりだったという。
それに失望し、帝国に合流して大陸西部の統一を目指したのだと聞いている。
国民性などそんなに簡単に変わるものではない。
帝国の枠組みが無くなれば、再び大陸西部は小国に分立し争いを始めるだろう。
わたしは、人と人とが争い、殺しあうのを見たくはない。
なにより、わたしが甦らせた大地が、戦争によって再び踏み荒らされるのを見たくはないの。
そのためには国を分裂させてはいけないと思うの。
大陸西部が一つにまとってくれるなら、別に帝国にこだわる必要はないのだけど……。
多分無理だ、そんなリスクを冒すくらいなら帝国の枠組みの中で為政者を変える方が良いと思う。
幸いなことに、わたしはハイジさん、ヴィクトーリアさんの人柄はよく知っている。
この人達なら、安心して帝国の未来を委ねることが出来ると思っている。
『黒の使徒』の馬鹿共を排除すれば、最初だけ国土の復興の手助けをしてあげれば、後はハイジさん達が上手くやってくれると思うの。
だから、わたしは帝国の立て直しに力を貸すの。
「帝国から『黒の使徒』とその息のかかった貴族たちを排除すれば、帝国は立て直せるよ。
ソフィちゃんが帝国に嫁ぐのはまだ何年も先だもの。
その頃までには、帝国は良い方向へ向かっていると思う。
ソフィちゃんは、未来に希望を持って安心して嫁げば良いと思うよ。
そして、帝国の孤児達を、虐げられている人達を助けてあげて、きっとできるから。」
これは慰めでもなんでもないよ、わたしはそう確信しているから。
リタさんの話では、ソフィちゃんが嫁ぐのは早くても十五歳になってから、通常であれば十七、八歳になってからだそうだ。それなら、猶予は三年から五年ある。
わたしは、後二年もあれば『黒の使徒』を排除できると思っている。
魔晶石と穀物、それまで独占してきた二つの大きな収益源を失い、ハンデルスハーフェンをはじめ主要な港町での利権を失った『黒の使徒』は、組織を維持するために過去の蓄積を取り潰す段階に入っていると思う。
もうそろそろ詰みの段階に入っていると思うんだ。
わたしがそんなことを話すと二人の表情が緩み、場の空気が少し穏やかになった気がした。
**********
話が一段落したので、リタさんを連れて王都へ戻ろうとした時のこと。
「ターニャちゃん、申し訳ないのだけど一つお願いできないかしら。
実は、ソフィちゃん、今までの苦労が手に出ていて、ボロボロなの。
庶民と貴族の違いって所作もそうだけど、やっぱ手に出るのよね。
ターニャちゃんの術でソフィちゃんの手を白魚のような手に出来ないかしら。」
貴族は水仕事などしないから手がスベスベで綺麗らしい。
そう言われて、改めてハイジさんの手を見ると確かに綺麗だ。
「わかった、でも、わたし、この間しくじっちゃっておかあさんから術を使うことを止めれているんだ。
フェイさんにお願いするね。」
わたしはフェイさんにお願いして、ソフィちゃんの手に『癒し』を施してもらった。
さすが上位精霊、フェイさんの施す『癒し』の効果は絶大で、あっという間にソフィちゃんの手は瑞々しい潤いを取り戻していた。
リタさんはソフィちゃんの手を見て満足そうに頷き、
「フェイ様、有り難うございました。
おかげさまで、何処に出しても恥ずかしくない、貴族の娘らしい手になりました。」
とフェイさんにお礼を述べて、懸案事項は全て片付いたと言った。
それじゃあ、帰るとしますか。
言い付けを守って、わたしはこの夏は西部地区での活動を断念したの。
目覚めた翌日一日を安静にしていたわたしは、次の日精霊の森を出てリタさんを迎えにポルトへ向かった。
ポルト公爵邸に着くとリタさんが出迎えてくれたの。
「首尾はどう?」
わたしが尋ねると、リタさんはにこっと笑った。
「ええ、上手くいきました。今は貴族の令嬢に擬態するため頑張って勉強していますよ。」
そう言って、わたし達をソフィちゃんの許へ案内してくれたの。
扉を開けて通されたリビング、そこには……、姫モドキがいた。
わたしの目に映るのは、純白のサマードレスを身に纏い、ぎこちなく動くソフィさんの姿。
「似合わねぇ……。」
思わず、心の呟きが外に漏れちゃったよ。
「余計なお世話ですわ。
それは私自身が一番感じています。」
ソフィちゃんが自嘲するように言ったの。
いけない、へこましてしまったかと反省していると。
「ソフィさん、そのまま姿勢を正して立ってみてください。」
不意に投げ掛けられたハイジさんの言葉に反応してその場で直立姿勢になるソフィちゃん。
背筋を伸ばしたソフィちゃんをくまなく観察するとハイジさんは言った。
「ソフィさんはスタイルが良いのね、そうやって姿勢を正しているととても綺麗よ。
それに、凜としていてとても気品を感じるわ。
ターニャちゃんが似合わないと感じたのは、動作がぎこちないからだわね。
自然に振る舞えるようになれば、ちゃんと貴族のお嬢様に見えるから自信を持ちなさい。」
ハイジさんは、公爵邸に移ったソフィちゃんが一挙手一投足に注意を受けていると分かったそうだ。
貴族の所作は細かいところが平民と違うので、直そうと思うとぎこちなくなるのは仕方がないのだと教えてくれたの。
そして、慣れてくれば意識しなくても自然に振る舞えるようになるとソフィちゃんを励ましていた。
**********
ソファーに腰を落ち着けたわたしは訊いてみたの。
「ここにいるということは、ケントニスさんの許に嫁ぐ決心が付いた見たいね。
でも良いの?
ソフィちゃんはわたしと同い歳だよね、わたしは結婚なんて全く想像できないけど。
それに、ケントニスさんって凄い年上だよ。」
そう、わたしは男の人を好きになったことがないし、好きという気持ち自体が良くわからない。
それは、ハンナちゃんが好きとかミーナちゃんが好きとかというのとは全く違う気持ちなのだよね。
「ええ、私は初めてケントニス様にお会いした時から心を惹かれていました。
私の心がケントニス様と共にありたいと渇望するのです。
それが叶うのであれば、どんな困難であろうと立ち向かう覚悟はできています。
歳の差なんて関係ない、それでも好きになってしまったのだから。」
ソフィちゃんは毅然として言った、そこにさっきのような自信無さ気な様子は微塵も見られない。
「そうですか、では私もソフィさんのことを皇族の一員として歓迎しましょう。
しかし、あなたの選んだ道は茨の道ですよ。
お兄様から聞き及んでいるかもしれませんが、現在帝国は崩壊の危機にあります。
私達が一つ舵取りを間違えれば、帝国はたちどころに滅びを迎えるでしょう。
国が滅ぶ時の為政者の末路は悲惨なものです。
お兄様や私と共に断頭台に上がる覚悟があると考えてよろしいのですね。」
ハイジさんのそれは、脅しでもなんでもなかったの。
ハイジさんなりの冷静な分析の結果なのだと思う、帝国の各地を回って、帝国という国家が滅びに瀕していると危機感を感じたみたい。
ハイジさんは、今ならまだ降りることが出来るとソフィちゃんに警告しているのだと思う。
「アーデルハイト様、今の帝国の状況やケントニス様の立ち位置については詳しく聞いております。
それでも、ケントニス様は帝国の孤児の問題を解決したい、私達の様な不幸な子供を放置するような国家に未来はないとおっしゃいました。
その真摯な姿勢に心を打たれたのです、私は少しでも力になりたいと思うのです。
もし、志半ばで国が滅びるのならば、共に逝く覚悟はできています。」
うーん、十二歳の子供の言うセリフではないね。
だいたい、これから結婚しようと言うのにその悲壮な覚悟はいかがなものか。
もう少し、幸せいっぱい、夢いっぱいであって欲しいと思うよ。
ハイジさんも、ハイジさんだ。
わたしはいつも言っているじゃない、帝国は滅びないって。
「ええい、辛気臭い!
大丈夫、帝国は滅びないし、みんなが断頭台に上る事も無いよ。
大船に乗ったつもりでわたしに任せておいて!」
わたしは改めて二人の前で宣言した、だって帝国の枠組みは壊すわけにはいかないのだから。
「ターニャちゃん……。」
言葉の真意を問うようにハイジさんがわたしを見つめている。
「わたしは帝国が嫌い。
わたしが捨てられたのが、生みの親が食べ物に事欠いたからなのか、わたしが『色なし』だったからなのか、どっちが原因か分からない、もしかしたら両方揃ったからかもしれない。
でも、どちらにせよ帝国の施政が良くないから、わたしは捨てられたの。
だから帝国が大っ嫌い。
でもね、枠組みとしての帝国は絶対に必要なの。」
どうしてなのかは分からない、でも事実として大陸西部は何千年もの間戦乱の時代が続いたの。
そもそも、ヴィクトーリアさんの先祖達が帝国に合流したのも戦乱を収めるため。
ヴィクトーリアさんの派閥は元々戦争を嫌い、話し合いで解決しようとしていた国々だったそうだ。
でも、周辺の国は話し合いに応じず、武力により利害関係の解決を望む国ばかりだったという。
それに失望し、帝国に合流して大陸西部の統一を目指したのだと聞いている。
国民性などそんなに簡単に変わるものではない。
帝国の枠組みが無くなれば、再び大陸西部は小国に分立し争いを始めるだろう。
わたしは、人と人とが争い、殺しあうのを見たくはない。
なにより、わたしが甦らせた大地が、戦争によって再び踏み荒らされるのを見たくはないの。
そのためには国を分裂させてはいけないと思うの。
大陸西部が一つにまとってくれるなら、別に帝国にこだわる必要はないのだけど……。
多分無理だ、そんなリスクを冒すくらいなら帝国の枠組みの中で為政者を変える方が良いと思う。
幸いなことに、わたしはハイジさん、ヴィクトーリアさんの人柄はよく知っている。
この人達なら、安心して帝国の未来を委ねることが出来ると思っている。
『黒の使徒』の馬鹿共を排除すれば、最初だけ国土の復興の手助けをしてあげれば、後はハイジさん達が上手くやってくれると思うの。
だから、わたしは帝国の立て直しに力を貸すの。
「帝国から『黒の使徒』とその息のかかった貴族たちを排除すれば、帝国は立て直せるよ。
ソフィちゃんが帝国に嫁ぐのはまだ何年も先だもの。
その頃までには、帝国は良い方向へ向かっていると思う。
ソフィちゃんは、未来に希望を持って安心して嫁げば良いと思うよ。
そして、帝国の孤児達を、虐げられている人達を助けてあげて、きっとできるから。」
これは慰めでもなんでもないよ、わたしはそう確信しているから。
リタさんの話では、ソフィちゃんが嫁ぐのは早くても十五歳になってから、通常であれば十七、八歳になってからだそうだ。それなら、猶予は三年から五年ある。
わたしは、後二年もあれば『黒の使徒』を排除できると思っている。
魔晶石と穀物、それまで独占してきた二つの大きな収益源を失い、ハンデルスハーフェンをはじめ主要な港町での利権を失った『黒の使徒』は、組織を維持するために過去の蓄積を取り潰す段階に入っていると思う。
もうそろそろ詰みの段階に入っていると思うんだ。
わたしがそんなことを話すと二人の表情が緩み、場の空気が少し穏やかになった気がした。
**********
話が一段落したので、リタさんを連れて王都へ戻ろうとした時のこと。
「ターニャちゃん、申し訳ないのだけど一つお願いできないかしら。
実は、ソフィちゃん、今までの苦労が手に出ていて、ボロボロなの。
庶民と貴族の違いって所作もそうだけど、やっぱ手に出るのよね。
ターニャちゃんの術でソフィちゃんの手を白魚のような手に出来ないかしら。」
貴族は水仕事などしないから手がスベスベで綺麗らしい。
そう言われて、改めてハイジさんの手を見ると確かに綺麗だ。
「わかった、でも、わたし、この間しくじっちゃっておかあさんから術を使うことを止めれているんだ。
フェイさんにお願いするね。」
わたしはフェイさんにお願いして、ソフィちゃんの手に『癒し』を施してもらった。
さすが上位精霊、フェイさんの施す『癒し』の効果は絶大で、あっという間にソフィちゃんの手は瑞々しい潤いを取り戻していた。
リタさんはソフィちゃんの手を見て満足そうに頷き、
「フェイ様、有り難うございました。
おかげさまで、何処に出しても恥ずかしくない、貴族の娘らしい手になりました。」
とフェイさんにお礼を述べて、懸案事項は全て片付いたと言った。
それじゃあ、帰るとしますか。
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