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第15章 四度目の夏、時は停まってくれない
第405話 百聞は一見にしかずと言いますが…
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さて、ハルクさんとデニスさんを村へ連れて行くことになったのだけど、デニスさんは商会の中にある来客用の部屋に泊まって明日行こうと言う。
どうやら、今日別件で用があるという訳ではなく、今日行くと途中で夜になると思っているらしい。
わたしとハイジさんは時間が無いからと、心配するデニスさんを半ば強引に魔導車に乗せて村に向かったの。
「これから村に向かって本当に今日中に着くのですか、今日はここに泊まっていかれたらどうですか。」
出発前はそうこぼしていたデニスさんだったけど……。
「これは、何と言う速さだ、これは一時間にどのくらい進めるのですか?」
「普通に走ってだいたい一シュタットくらいかな、路面状況が良くて広い街道なら一日で十五シュタットくらい進めるよ。」
「一日十五シュタットですか?それならば、一泊するのが無駄だと言うのも納得です。
しかし、ターニャちゃんは凄いものをお持ちですな。
確かにそれであれば、神出鬼没の『白い聖女様』の噂も納得です。」
東部辺境ではわたしが、有り得ない日に有り得ない場所に、出没していると噂になっているそうだ。
さすがに、村を出るときとか村に入るときはゆっくり走っているからね、人がいて危ないもの。
村を出てこんな速さで進んでいるとは誰も思うまい、現にデニスさんすら知らなかったのだから。
そんな話をしている間に、わたし達はヤスミンちゃんの村に着いた。
そして、村の入り口で呆然と立ち尽くすハルクさん。
「嘘だ…、俺がガキの時に戻ったみたいじゃねえか。
そうだよ、俺がガキの頃は鬱蒼とした森に囲まれたこんな村だったんだ…。」
シュケーさんの言う通り元々この規模の森だったのだね、でも感傷に浸っている時間は無いんだ。
「ほら、お父さん、何をぼさっとしているの。畑を見に行くのでしょう。」
ヤスミンちゃんがせっつくように言って、ハルクさんの手を引いて歩き出した。
畑に行くとご婦人方が大豆とソバの収穫作業をしていた。
「あら、村長さん、もう帰ってきたのかい、本当に早かったね。
どうだい、みてごらんよ。そこのお嬢ちゃんが畑を生き返らせてくれたんだ。
今年の冬越しは、このソバと大豆で十分だよ。
それに一昨日採った芋もたくさんあるから腹を空かせる心配はないよ。」
一人のご婦人がハルクさんに気付いて声を掛けてくれたの。
その声を聞いて、目の前に広がる光景を見て再び固まってしまうハルクさん。
「嘘だろう…、あの荒地でこれだけの実りを付けるだなんて信じられない…。
たしかに、ソバや大豆は強い作物だけど、それにしても限度があるだろう……。」
そう言ってハルクさんはその場にしゃがみ込み、一摘まみの土を手に取った。
「黒い…、それにしっとりとしている。確かにこの土は生きている…。
信じられない…、親父が死んだといった土がこんなに活き活きとしているなんて……。」
土の感触を確かめ感慨深げに呟くハルクさん、その横でデニスさんが言う。
「これは凄いですな。帝国で、しかも、荒廃した西部地区でこんな見事な農地を拝めるなんて。
ターニャちゃんが今まで東部辺境に造ってきた自給自足用の農地ではなく、本格的な産業としての農地なのですね。」
ハルクさんも、デニスさんも、ソバと大豆の作柄のよさに目を見張っていた。
これが種蒔きから実りまで一日も掛からずに出来たと聞いて今度は呆れていたよ。
そして、やってきました小麦畑の候補地、目の前に広がる区画整然とした広大な農地。
今は、表土の流出防止と土地の涵養のため蒔いたシロツメクサが咲き誇っている。
再び土を手に取ったハルクさんは、その土を観察しながら言った。
「まだ信じられないが、確かにこの土ならいい収穫が期待できる。
本当に、また小麦の栽培が出来る日が来るなんて夢にも思わなかった。
嬢ちゃん、全然信用しないで悪かったな。」
どうやら、実際に土に触れてみてわたしの言うことを信用する気になったようだ。
そして、最後、小麦畑の中を流れる用水路に沿って、森の池まで歩いてきた。
「本当に池まで昔の通りだ、俺がガキの頃、夏になると池で水浴びをしたものだ。
それに魚がいっぱい獲れたんだ。
川魚は泥臭いと言うけど、この池は水がきれいだったおかげか泥臭くないんだ。
塩焼きにして食べると美味くてな…。」
ここから流れ出る用水路は何処につながっているのだろうか。
自然の河川や湖に繋がっていればそのうち魚も遡上してくると思うけど…。
とりあえず、今は無理かな、一昨日出来たばかりだから。
ハルクさんがわたし達のことを信用してくれたようなので、村に戻ってきたのだが…。
むらの一角に出来た野菜畑に驚き、復活した井戸に驚き、野菜畑に姿を変えた裏庭に驚きで、ハルクさんは驚いてばかりだった。
その度に立ち尽くすものだから、ヤスミンちゃんがずっと手を引いていた。
**********
そして、ヤスミンちゃんの家の応接室。
「今見てもらった通り、農地の整備は終りました。
でも、わたしが手伝えるのはここまでです。
小麦作りをこの村の産業とする以上は、この村のみんなで小麦の栽培に取り組んでもらわないといけません。
ハルクさんにはそのための段取りと作業の指揮をお願いしたいのです。
これこそ、村長の仕事ですよね。」
小麦を本格的に栽培するためには男手が必要なので村に帰ってきてもらわないといけいない。
それに、村の人の生活を考えると植え付けが終わったら収穫まで再び出稼ぎに出てもらわないとならないだろう。
そういったことを勘案して年間の栽培計画を立てて、それに基づき段取りを付けてもらわないといけない。
それは、村長であるハルクさん以外にはできないことであり、秋の蒔き時まで二月を切っている今となっては一刻も早く帰ってきて欲しいと伝えたの。
「それと、デニスさんに種籾の手配はお願いしてあります。
代金も支払い済みなので心配しなくても大丈夫です。
それと、勝手で申し訳ありませんが、小麦の余剰分をデニスさんの商会に買い取ってもらう商談を持ちかけています。
それについては、村長であるハルクさんの領分ですのでデニスさんとよく話し合ってください。」
運搬のことを考えるとハンデルスハーフェンに販売するしか他に選択肢はないこと、現状はあの港町で穀物商を営んでいるのはデニスさんしかいないことも説明しておいたよ。
それとハルクさんが隊商を組織していて大きな輸送部隊を持っていることも。
「それと、もう一つ、今わたし達は『黒の使徒』という無法者の集団と戦っています。
先日、わたし達は連中の収益源の一つである穀物市場から連中を締め出しました。
失った市場シェアの回復のためこの村に目を付ける心配があります。
デニスさんは『黒の使徒』との戦いの協力者で、とても信頼できる方です。
ですから、お二人には是非手を取っていただきたいのです。
因みに、『黒の使徒』というのは、先代にここの森を伐採させた連中ですよ。」
わたしは『黒の使徒』に恨みを持っていた先代の息子のハルクさんならわかってれると思い、そう結んだの。
わたしが一通り説明をしハルクさんからの返答を待とうとしたら、デニスさんが先に口を開いた。
「ターニャちゃん、さっきの種籾の件だけど。
今、小麦畑を見て考えを変えたよ。
種籾代はいらないよ、ここの小麦を一手に引き受けられるだけで大儲けだ。
この上ターニャちゃんから種籾代までもらったら商人の沽券に関るよ。
私はこの村が一大穀倉地帯になると確信したよ。
種籾代は先行投資だ、もちろんその分買い叩くとか阿漕な真似はしないから安心して良いよ。
どうだろう、ハルクさん、手を結びませんか。
さっきターニャちゃんが言った通り、この村とハンデルスハーフェンの間の輸送もこちらで引き受けますよ。」
さっきから黙ってわたしの話を聞いていたハルクさんだったが、デニスさんから水を向けられて答えたの。
「あれだけ立派な畑を見せられて、ここまでお膳立てしてもらったら嫌とは言えないじゃないか。
正直、自分の娘と同じ年頃の子供に一切合財世話になるのは気が引けるがここは甘えておこう。
俺は明日から村長の仕事に復帰するぞ。
ティターニアさんが整えてくれて畑、来年の麦秋には実った小麦で黄金色に染めてみせるぜ。
デニスさんにも世話になるぜ、これからよろしく頼む。」
ハルクさんは村長の仕事に復帰することを決意し、その後はデニスさんと具体的な商談となった。
デニスさんは今晩この屋敷に泊まり、わたし達が明日ハンデルスハーフェンに送って行く事になったの。
わたし達のそのまま、この村には戻らず西部の他の村に回ることになる。
とりあえず、話がまとまって良かったよ。
どうやら、今日別件で用があるという訳ではなく、今日行くと途中で夜になると思っているらしい。
わたしとハイジさんは時間が無いからと、心配するデニスさんを半ば強引に魔導車に乗せて村に向かったの。
「これから村に向かって本当に今日中に着くのですか、今日はここに泊まっていかれたらどうですか。」
出発前はそうこぼしていたデニスさんだったけど……。
「これは、何と言う速さだ、これは一時間にどのくらい進めるのですか?」
「普通に走ってだいたい一シュタットくらいかな、路面状況が良くて広い街道なら一日で十五シュタットくらい進めるよ。」
「一日十五シュタットですか?それならば、一泊するのが無駄だと言うのも納得です。
しかし、ターニャちゃんは凄いものをお持ちですな。
確かにそれであれば、神出鬼没の『白い聖女様』の噂も納得です。」
東部辺境ではわたしが、有り得ない日に有り得ない場所に、出没していると噂になっているそうだ。
さすがに、村を出るときとか村に入るときはゆっくり走っているからね、人がいて危ないもの。
村を出てこんな速さで進んでいるとは誰も思うまい、現にデニスさんすら知らなかったのだから。
そんな話をしている間に、わたし達はヤスミンちゃんの村に着いた。
そして、村の入り口で呆然と立ち尽くすハルクさん。
「嘘だ…、俺がガキの時に戻ったみたいじゃねえか。
そうだよ、俺がガキの頃は鬱蒼とした森に囲まれたこんな村だったんだ…。」
シュケーさんの言う通り元々この規模の森だったのだね、でも感傷に浸っている時間は無いんだ。
「ほら、お父さん、何をぼさっとしているの。畑を見に行くのでしょう。」
ヤスミンちゃんがせっつくように言って、ハルクさんの手を引いて歩き出した。
畑に行くとご婦人方が大豆とソバの収穫作業をしていた。
「あら、村長さん、もう帰ってきたのかい、本当に早かったね。
どうだい、みてごらんよ。そこのお嬢ちゃんが畑を生き返らせてくれたんだ。
今年の冬越しは、このソバと大豆で十分だよ。
それに一昨日採った芋もたくさんあるから腹を空かせる心配はないよ。」
一人のご婦人がハルクさんに気付いて声を掛けてくれたの。
その声を聞いて、目の前に広がる光景を見て再び固まってしまうハルクさん。
「嘘だろう…、あの荒地でこれだけの実りを付けるだなんて信じられない…。
たしかに、ソバや大豆は強い作物だけど、それにしても限度があるだろう……。」
そう言ってハルクさんはその場にしゃがみ込み、一摘まみの土を手に取った。
「黒い…、それにしっとりとしている。確かにこの土は生きている…。
信じられない…、親父が死んだといった土がこんなに活き活きとしているなんて……。」
土の感触を確かめ感慨深げに呟くハルクさん、その横でデニスさんが言う。
「これは凄いですな。帝国で、しかも、荒廃した西部地区でこんな見事な農地を拝めるなんて。
ターニャちゃんが今まで東部辺境に造ってきた自給自足用の農地ではなく、本格的な産業としての農地なのですね。」
ハルクさんも、デニスさんも、ソバと大豆の作柄のよさに目を見張っていた。
これが種蒔きから実りまで一日も掛からずに出来たと聞いて今度は呆れていたよ。
そして、やってきました小麦畑の候補地、目の前に広がる区画整然とした広大な農地。
今は、表土の流出防止と土地の涵養のため蒔いたシロツメクサが咲き誇っている。
再び土を手に取ったハルクさんは、その土を観察しながら言った。
「まだ信じられないが、確かにこの土ならいい収穫が期待できる。
本当に、また小麦の栽培が出来る日が来るなんて夢にも思わなかった。
嬢ちゃん、全然信用しないで悪かったな。」
どうやら、実際に土に触れてみてわたしの言うことを信用する気になったようだ。
そして、最後、小麦畑の中を流れる用水路に沿って、森の池まで歩いてきた。
「本当に池まで昔の通りだ、俺がガキの頃、夏になると池で水浴びをしたものだ。
それに魚がいっぱい獲れたんだ。
川魚は泥臭いと言うけど、この池は水がきれいだったおかげか泥臭くないんだ。
塩焼きにして食べると美味くてな…。」
ここから流れ出る用水路は何処につながっているのだろうか。
自然の河川や湖に繋がっていればそのうち魚も遡上してくると思うけど…。
とりあえず、今は無理かな、一昨日出来たばかりだから。
ハルクさんがわたし達のことを信用してくれたようなので、村に戻ってきたのだが…。
むらの一角に出来た野菜畑に驚き、復活した井戸に驚き、野菜畑に姿を変えた裏庭に驚きで、ハルクさんは驚いてばかりだった。
その度に立ち尽くすものだから、ヤスミンちゃんがずっと手を引いていた。
**********
そして、ヤスミンちゃんの家の応接室。
「今見てもらった通り、農地の整備は終りました。
でも、わたしが手伝えるのはここまでです。
小麦作りをこの村の産業とする以上は、この村のみんなで小麦の栽培に取り組んでもらわないといけません。
ハルクさんにはそのための段取りと作業の指揮をお願いしたいのです。
これこそ、村長の仕事ですよね。」
小麦を本格的に栽培するためには男手が必要なので村に帰ってきてもらわないといけいない。
それに、村の人の生活を考えると植え付けが終わったら収穫まで再び出稼ぎに出てもらわないとならないだろう。
そういったことを勘案して年間の栽培計画を立てて、それに基づき段取りを付けてもらわないといけない。
それは、村長であるハルクさん以外にはできないことであり、秋の蒔き時まで二月を切っている今となっては一刻も早く帰ってきて欲しいと伝えたの。
「それと、デニスさんに種籾の手配はお願いしてあります。
代金も支払い済みなので心配しなくても大丈夫です。
それと、勝手で申し訳ありませんが、小麦の余剰分をデニスさんの商会に買い取ってもらう商談を持ちかけています。
それについては、村長であるハルクさんの領分ですのでデニスさんとよく話し合ってください。」
運搬のことを考えるとハンデルスハーフェンに販売するしか他に選択肢はないこと、現状はあの港町で穀物商を営んでいるのはデニスさんしかいないことも説明しておいたよ。
それとハルクさんが隊商を組織していて大きな輸送部隊を持っていることも。
「それと、もう一つ、今わたし達は『黒の使徒』という無法者の集団と戦っています。
先日、わたし達は連中の収益源の一つである穀物市場から連中を締め出しました。
失った市場シェアの回復のためこの村に目を付ける心配があります。
デニスさんは『黒の使徒』との戦いの協力者で、とても信頼できる方です。
ですから、お二人には是非手を取っていただきたいのです。
因みに、『黒の使徒』というのは、先代にここの森を伐採させた連中ですよ。」
わたしは『黒の使徒』に恨みを持っていた先代の息子のハルクさんならわかってれると思い、そう結んだの。
わたしが一通り説明をしハルクさんからの返答を待とうとしたら、デニスさんが先に口を開いた。
「ターニャちゃん、さっきの種籾の件だけど。
今、小麦畑を見て考えを変えたよ。
種籾代はいらないよ、ここの小麦を一手に引き受けられるだけで大儲けだ。
この上ターニャちゃんから種籾代までもらったら商人の沽券に関るよ。
私はこの村が一大穀倉地帯になると確信したよ。
種籾代は先行投資だ、もちろんその分買い叩くとか阿漕な真似はしないから安心して良いよ。
どうだろう、ハルクさん、手を結びませんか。
さっきターニャちゃんが言った通り、この村とハンデルスハーフェンの間の輸送もこちらで引き受けますよ。」
さっきから黙ってわたしの話を聞いていたハルクさんだったが、デニスさんから水を向けられて答えたの。
「あれだけ立派な畑を見せられて、ここまでお膳立てしてもらったら嫌とは言えないじゃないか。
正直、自分の娘と同じ年頃の子供に一切合財世話になるのは気が引けるがここは甘えておこう。
俺は明日から村長の仕事に復帰するぞ。
ティターニアさんが整えてくれて畑、来年の麦秋には実った小麦で黄金色に染めてみせるぜ。
デニスさんにも世話になるぜ、これからよろしく頼む。」
ハルクさんは村長の仕事に復帰することを決意し、その後はデニスさんと具体的な商談となった。
デニスさんは今晩この屋敷に泊まり、わたし達が明日ハンデルスハーフェンに送って行く事になったの。
わたし達のそのまま、この村には戻らず西部の他の村に回ることになる。
とりあえず、話がまとまって良かったよ。
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