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第12章 三度目の夏休み
第313話 森は自然にできたのです
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「良いのではありませんか、死んだ土地が自然な姿に戻るだけですから。」
いつからわたし達の会話を聞いていたのだろう。気が付くとわたし達の後ろにハイジさんが立っていた。
そしてハイジさんはこう続けたの。
「学園の授業で習いました。
本来、荒地があるとそこに植物の種子が風や鳥の糞などで運ばれてきて、そこで芽吹き、いつしか荒地が草原に、草原が森林に遷移していくものだと。
こんな荒地のままであり続けているほうが異常なのです。
自然の摂理に任せて森に戻るのに誰の許可が要るのですか?」
ああ、自然に生えてきたことにしてしまうのね。
わたしがやったんだと声高に言わなければ問題ないということかな。
「それって、普通百年単位のことですよね、一年位でできてしまって問題にならないのですか。」
リタさんの指摘にハイジさんはしれっと言った。
「自然がすることを問題にしてもしょうがないですよ。
誰がこの現象に人為的なものが介在していると証明するのですか。」
意訳すると、『シラを切り通そう、どうせ誰も証明できないのだから。』と言う事ですね、了解です。
「アーデルハイト殿下がそれで良いとおっしゃるなら、私はこれ以上申しませんが…。」
リタさんは半ば呆れ気味に呟いた。
リタさんとの話に区切りを付けたハイジさんがわたしに向かって言う。
「ターニャちゃん、私やお母様のために色々と配慮していただき有り難うございます。
ただ、くれぐれも無茶はしないでくださいね。
私達のためにターニャちゃんが犠牲になるようなことがあると申し訳が立ちません。」
「この前、ヴィクトーリアさんと話したとき一刻も早く帝国へ戻りたいと言っていたの。
でも、この瘴気の状態ではまた病気がぶり返すからと言って止めたんだ。
ヴィクトーリアさんは子供が捨てられ、捨てられた子供が酷い扱いを受けるような帝国の現状に心を痛めているの。早く帝国に戻ってそういう状況を変えたいと言っていたの。
わたしは子供だからそういうことのお手伝いは出来ない。
だから、せめてヴィクトーリアさんが健康な体で仕事に励めるように支援できればと思ったの。」
もっとも、それだけが理由じゃないけどね。この大陸の瘴気が減れば精霊達が喜ぶからね。
そのためには、瘴気の濃い帝国の状況を何とかするのが一番効果的なんだ。
「なるほど、それでちょくちょく帝国へ来るために転移の拠点を作る訳ですね。
確かに、長期の休みの期間でもないのに、この村に頻繁に顔を出すと不審に思われますものね。
フェイ様たちの転移術についてはあまり人に知られない方が良いですからね。」
今までの話を聞いていたリタさんがわたしの計画に納得がいったように頷いていた。
**********
ロッテちゃんの村を出たわたし達は街道の分岐で北へ進路を変え、瘴気の森に沿って北上する。
車窓から見る外の様子は昨年とは様変わりになっている。
昨年は車窓から見る東側には荒野が広がりその先に黒い瘴気を孕んだ瘴気の森が広がっていたの。
でも、今は荒地があった場所には青々とした森が広がっており、車窓からは瘴気の森が全く見えなくなっている。
「本当に森が続いているのですのね、ここが昨日まで荒地だったとは信じられませんわ。」
ハイジさんが呟いたが、みんな同じ思いだったらしく、ウンウンと頷いている。
そうこうしているうちに、わたし達は隣村に着いた。男しか住んでいないむさくるしい村だ。
魔導車を降りると、今日の魔獣狩りを終えて帰ってきたのだろう、男達が武具の手入れをしているのが見えた。
村のリーダーのハンスさんがわたしに気付いて声をかけてきた。
「おう、お嬢ちゃん、久し振りだな、元気にしていたかい。」
「ええ、ハンスさんもお元気そうで何よりです。」
「おうよ、お嬢ちゃんのおかげで、俺も村の連中もすこぶる元気だぜ。
お嬢ちゃんが一年前に森を作ってから一人も瘴気中毒に罹る者がいないんだ。
それだけじゃねえぜ、俺もそうだけど、みんな体調が良くなったもんだから、魔獣狩りで怪我をすることが減ったよ。
森で薪が拾えるようになったんで、オストエンデまで行った時に薪を買わんで良くなったろう。
おかげで、今まで薪を買っていた分だけ食い物と酒を多く買い込めるようになったんだ。
腹いっぱい食べて、酒をかっ食らえば元気にもならぁな。」
上機嫌なハンスさんはそう言って豪快に笑った。飲みすぎると体に悪いよ…。
「あれから、『黒の使徒』の連中が何か言ってきませんでしたか?」
「ああ、今年の春に来たぞ、その辺中の村にいちゃもんを付けて回ったんじゃないか。
なんか、『森を放置するなどけしからん、伐採させろ』って言うんだ。
まるで意味が解らないので断ったら、いきなり火を放とうとするんだぜ。
慌てて奴らを袋叩きにしたんだが、何なんだあいつらは。頭がおかしいんじゃないのか。」
『黒の使徒』の連中を袋叩きにして追い払ったってのは、やっぱりこの村だったか。
「ところで、お嬢ちゃんがここにいるってことは、あれはお嬢ちゃんのしわざかい?」
ハンスさんが目の前に広がる森を指差して言った。
「そうですけど、何か問題ありましたか。
瘴気の森へ行く道は塞いでいないはずですが。」
「問題どころか、大助かりだぜ。
あの森を歩いていると体調が良くなるし、瘴気の森もいつもより息苦しさが減ったんだよ。
それだけじゃないぜ、魔獣の動きがいつもより明らかに遅いし、火を放つ魔獣なんか魔力切れを起こした感じでフラフラしていて火を放つことはなかったし、良いこと尽くめだ。
しかも、魔獣狩りを終えて帰って来る時だって何時もなら瘴気が体に染み付いた感じなのに、今日は森を抜ける間にそれが綺麗サッパリ消えているんだぜ。」
おかしいな、普通の森にそんな劇的な効果は無いはずだけど…。
すると、フェイさんが耳元で囁いた。
「ターニャちゃん、おそらくこの村の者が瘴気の森へ向かう途中の森が、たまたま精霊の森にあたっているのだと思います。」
ああ、なるほど、精霊が森に近付く濃い瘴気を浄化しているんだ。
ハンスさんたちには幸運だったね。
「それは、何よりです。
ところで、あの森は自然にできたものとしてもらえませんか。
わたし達が造ったと言うとまた『黒の使徒』の連中に目の敵にされてしまいますから。」
わたしはハンスさんに、あの森はあたし達とは無関係ということで通すように、お願いしたの。
「そうだな、お嬢ちゃん達が造ってくれたと言うのは俺達の胸の中にしまっておくよ。
あんな連中にお嬢ちゃんが狙われるのはイヤだからな。
でも、お嬢ちゃん達はこの辺境じゃ『白い聖女様』って呼ばれて有名人だ。
『黒の使徒』の連中にはくれぐれも気をつけるんだぜ。」
ハンスさんはわたしのお願いを快く聞き入れてくれ、わたし達の身の安全に気遣ってくれた。
いつからわたし達の会話を聞いていたのだろう。気が付くとわたし達の後ろにハイジさんが立っていた。
そしてハイジさんはこう続けたの。
「学園の授業で習いました。
本来、荒地があるとそこに植物の種子が風や鳥の糞などで運ばれてきて、そこで芽吹き、いつしか荒地が草原に、草原が森林に遷移していくものだと。
こんな荒地のままであり続けているほうが異常なのです。
自然の摂理に任せて森に戻るのに誰の許可が要るのですか?」
ああ、自然に生えてきたことにしてしまうのね。
わたしがやったんだと声高に言わなければ問題ないということかな。
「それって、普通百年単位のことですよね、一年位でできてしまって問題にならないのですか。」
リタさんの指摘にハイジさんはしれっと言った。
「自然がすることを問題にしてもしょうがないですよ。
誰がこの現象に人為的なものが介在していると証明するのですか。」
意訳すると、『シラを切り通そう、どうせ誰も証明できないのだから。』と言う事ですね、了解です。
「アーデルハイト殿下がそれで良いとおっしゃるなら、私はこれ以上申しませんが…。」
リタさんは半ば呆れ気味に呟いた。
リタさんとの話に区切りを付けたハイジさんがわたしに向かって言う。
「ターニャちゃん、私やお母様のために色々と配慮していただき有り難うございます。
ただ、くれぐれも無茶はしないでくださいね。
私達のためにターニャちゃんが犠牲になるようなことがあると申し訳が立ちません。」
「この前、ヴィクトーリアさんと話したとき一刻も早く帝国へ戻りたいと言っていたの。
でも、この瘴気の状態ではまた病気がぶり返すからと言って止めたんだ。
ヴィクトーリアさんは子供が捨てられ、捨てられた子供が酷い扱いを受けるような帝国の現状に心を痛めているの。早く帝国に戻ってそういう状況を変えたいと言っていたの。
わたしは子供だからそういうことのお手伝いは出来ない。
だから、せめてヴィクトーリアさんが健康な体で仕事に励めるように支援できればと思ったの。」
もっとも、それだけが理由じゃないけどね。この大陸の瘴気が減れば精霊達が喜ぶからね。
そのためには、瘴気の濃い帝国の状況を何とかするのが一番効果的なんだ。
「なるほど、それでちょくちょく帝国へ来るために転移の拠点を作る訳ですね。
確かに、長期の休みの期間でもないのに、この村に頻繁に顔を出すと不審に思われますものね。
フェイ様たちの転移術についてはあまり人に知られない方が良いですからね。」
今までの話を聞いていたリタさんがわたしの計画に納得がいったように頷いていた。
**********
ロッテちゃんの村を出たわたし達は街道の分岐で北へ進路を変え、瘴気の森に沿って北上する。
車窓から見る外の様子は昨年とは様変わりになっている。
昨年は車窓から見る東側には荒野が広がりその先に黒い瘴気を孕んだ瘴気の森が広がっていたの。
でも、今は荒地があった場所には青々とした森が広がっており、車窓からは瘴気の森が全く見えなくなっている。
「本当に森が続いているのですのね、ここが昨日まで荒地だったとは信じられませんわ。」
ハイジさんが呟いたが、みんな同じ思いだったらしく、ウンウンと頷いている。
そうこうしているうちに、わたし達は隣村に着いた。男しか住んでいないむさくるしい村だ。
魔導車を降りると、今日の魔獣狩りを終えて帰ってきたのだろう、男達が武具の手入れをしているのが見えた。
村のリーダーのハンスさんがわたしに気付いて声をかけてきた。
「おう、お嬢ちゃん、久し振りだな、元気にしていたかい。」
「ええ、ハンスさんもお元気そうで何よりです。」
「おうよ、お嬢ちゃんのおかげで、俺も村の連中もすこぶる元気だぜ。
お嬢ちゃんが一年前に森を作ってから一人も瘴気中毒に罹る者がいないんだ。
それだけじゃねえぜ、俺もそうだけど、みんな体調が良くなったもんだから、魔獣狩りで怪我をすることが減ったよ。
森で薪が拾えるようになったんで、オストエンデまで行った時に薪を買わんで良くなったろう。
おかげで、今まで薪を買っていた分だけ食い物と酒を多く買い込めるようになったんだ。
腹いっぱい食べて、酒をかっ食らえば元気にもならぁな。」
上機嫌なハンスさんはそう言って豪快に笑った。飲みすぎると体に悪いよ…。
「あれから、『黒の使徒』の連中が何か言ってきませんでしたか?」
「ああ、今年の春に来たぞ、その辺中の村にいちゃもんを付けて回ったんじゃないか。
なんか、『森を放置するなどけしからん、伐採させろ』って言うんだ。
まるで意味が解らないので断ったら、いきなり火を放とうとするんだぜ。
慌てて奴らを袋叩きにしたんだが、何なんだあいつらは。頭がおかしいんじゃないのか。」
『黒の使徒』の連中を袋叩きにして追い払ったってのは、やっぱりこの村だったか。
「ところで、お嬢ちゃんがここにいるってことは、あれはお嬢ちゃんのしわざかい?」
ハンスさんが目の前に広がる森を指差して言った。
「そうですけど、何か問題ありましたか。
瘴気の森へ行く道は塞いでいないはずですが。」
「問題どころか、大助かりだぜ。
あの森を歩いていると体調が良くなるし、瘴気の森もいつもより息苦しさが減ったんだよ。
それだけじゃないぜ、魔獣の動きがいつもより明らかに遅いし、火を放つ魔獣なんか魔力切れを起こした感じでフラフラしていて火を放つことはなかったし、良いこと尽くめだ。
しかも、魔獣狩りを終えて帰って来る時だって何時もなら瘴気が体に染み付いた感じなのに、今日は森を抜ける間にそれが綺麗サッパリ消えているんだぜ。」
おかしいな、普通の森にそんな劇的な効果は無いはずだけど…。
すると、フェイさんが耳元で囁いた。
「ターニャちゃん、おそらくこの村の者が瘴気の森へ向かう途中の森が、たまたま精霊の森にあたっているのだと思います。」
ああ、なるほど、精霊が森に近付く濃い瘴気を浄化しているんだ。
ハンスさんたちには幸運だったね。
「それは、何よりです。
ところで、あの森は自然にできたものとしてもらえませんか。
わたし達が造ったと言うとまた『黒の使徒』の連中に目の敵にされてしまいますから。」
わたしはハンスさんに、あの森はあたし達とは無関係ということで通すように、お願いしたの。
「そうだな、お嬢ちゃん達が造ってくれたと言うのは俺達の胸の中にしまっておくよ。
あんな連中にお嬢ちゃんが狙われるのはイヤだからな。
でも、お嬢ちゃん達はこの辺境じゃ『白い聖女様』って呼ばれて有名人だ。
『黒の使徒』の連中にはくれぐれも気をつけるんだぜ。」
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