278 / 508
第11章 王都、三度目の春
第277話 残念王子の側近は…
しおりを挟む
「なんだ、貴様は。余はまだ納得しておらんぞ。」
噛み付くトレナール王子にミルトさんが言う。
しかし、この王子誰彼かまわず噛み付くな、本当に自分より偉い人はいないと思っているのか…。
「私はこの子の後見人よ。
この子がイヤだと言っているのだから、諦めてお国に帰ってくださいな。
だいたい十八歳の青年が十歳の少女に婚姻を迫るなんて外聞がよろしくなくてよ。」
「ふざけ…」
トレナール王子が何か言いかけたところで、今度は公使が王子の口を塞いだ。ハンカチで物理的に…。
「これはこれは、皇太子妃殿下、私共の第三王子がご無礼なことを申しまして誠に申し訳ございません。
この王子はいささか言動に問題がございまして、本国でも蟄居を命じられていたはずなのですがどうやら逃亡してきたようでして。
後ほど正式な謝罪に伺いますので、この場は寛大な措置をお願いいたします。」
公使はミルトさんに平謝りだ、顔色も悪くしているし…。
自国の王子が大国の皇太子妃に暴言を吐いたのだから仕方がないか。
「そうですか、では、この子は私が後見人をしているので、今後この子に勝手に接触することを禁じます。
それを守っていただけるのであれば、この場は見逃しましょう。
それが破られた時には外交問題とさせていただきますので、そちらの王子には良く言い聞かせてくださいね。
あと、事情聴取がしたいので、そこにいる王子の側近をここに残していただけますか。」
「寛大なお言葉に感謝いたします。
今後このお嬢さんに接触することはないように王子にはきつく言って聞かせます。
で、側近をここへおいていけと言うお申し付けですが…。」
公使はそう言いながらエフォールさんの顔をうかがった。
きっと、本来なら口裏を合わせるため一旦全員で帰りたいところだろう、公使はエフォールさんを残しても問題ない人物かを考えているみたい。
「おまえ、もしかしてエフォールか?」
「はい、公使、お久し振りでございます。私のような者の名前を覚えていて頂けるとは光栄です。」
「おまえ、何でここにいる?
私はおまえのことを外務か、内務のそれなりのポストへ就けるように指示したはずなのだが。
よりによって外れ王子のお守り役なんていう閑職に置くとはどういうことだ。」
あれ、公使はエフォールさんと知り合いなのかな。
しかし、『外れ王子のお守り役』とか言ってるけど本人が目の前にいるんだよ、いいのそれ。
「あら、公使はその側近の方と知り合いなのかしら。」
「あ、皇太子妃様、勝手に話し込んでしまい失礼しました。
私は公使になる前、官吏登用の仕事をしておりまして、公使として赴任する直前に採用した者なのです。
官吏登用試験を受ける者としては珍しい平民でありながら、抜群の成績だったものでたまたま記憶に残っていたのです。
わかりました、この者であれば粗相はないと思いますのでここに残してまいりましょう。」
公使は、エフォールさんを迂闊に秘密を漏らしたり、無礼な対応をしたりする人物ではないと判断したようだね。
**********
「余は納得がいかん、まだ帰らぬぞ。」とか喚いているトレナール王子を引き摺るように公使が立ち去った寮の応接室、一人取り残されたエフォールさんが戸惑いの表情を見せている。
それはそうだ、今室内にいるのは皇太子妃のミルトさん、その侍女(実は女官)のリタさん、フローラちゃんにわたしと見事に女子供ばかりだもの。
取調官らしきものを呼んだ気配もないしね。
だいたい不法入国者一人に皇太子妃が自ら尋問するなんて思いもしないだろう。
「さて、改めて自己紹介するわね、私はこの国の皇太子の妃でミルトよ。
ここに至った経緯などを細かく聞きたいけど、まずはあなたのことを聞かせてもらえるかしら。
さっきの公使の話では、今のあなたの立場と公使が推した立場は違うようだけどその辺のことも聞きたいわ。」
エフォールさんは更に面食らっていた、わたしは最近まで知らなかったのだけど王族が直接声をかけることは諸外国では稀な事らしい。
他の国では近習、ミルトさんの場合ならリタさんの立場の人が声をかけるそうだ、そして返答もリタさんに対して行うらしい。
しかし、今リタさんの格好はどう見ても侍女であり近習には見えないし、質問はミルトさんから直接された、エフォールさんは直接ミルトさんに返答してよいものか迷っているみたい。
「どうしたの、何か答え難いことでもあるのかしら?」
ミルトさんに促されてエフォールさんが言う。
「あの、直答を許していただけるのでしょうか。」
「あら、面白いことを言うのね、私が質問しているのに私以外の誰に答えるというの。
細かいことは気にしないで良いから、早く話してくれる。」
ミルトさんにそういわれて安心したのかエフォールさんが話し始めた。
「私はエフォールと申します。私は平民でして、我が国では平民に家名はございません。
貿易商の三男に生まれまして、家業は兄が継ぐこととなっているため官吏を目指したのです。」
エフォールさんの家は貿易商なので外国の人が頻繁に出入りしているそうだ。
子供の頃から、家を訪れた人に外国の話を聞き海外の国に憧れを持ったみたい。
それで、外交官になりたくて官吏を目指したらしい。
私塾を卒業して官吏登用試験を受けて官吏になったのが三年前、そのときは公使の言ったとおり外務卿の下で三ヶ国連合の調整をする部署に配属されたとのこと。
なんでも、この部署は官吏の中でも花形らしく、従来貴族しか配属されていなかったそうだ。
その中で、メキメキと頭角を現したエフォールさんは貴族の中から疎まれるようになったみたい。
出る杭は打たれるってやつだね。
今から、二年前、トレナール王子が問題を起こして離宮に蟄居を命じられたとき、平民のエフォールさんが花形部署にいることを妬んだ貴族達の策略でトレナール王子の側近を押し付けられたとのこと。
官吏になってまだ二年目のエフォールさんは立場的には見習い同然で、何処に配置換えになっても文句言えない立場だったそうだ。
それに加えて、王族の側近というのは官吏の中でもかなり上の立場にあり、形式の上では大抜擢なためエフォールさんを可愛がってくれた外務の上司も文句言えなかったみたい。
「ところであなた、王国語が堪能だけどノルヌーヴォ王国の公用語は王国語と共通なのかしら。」
話が一旦途切れたところで、ミルトさんはエフォールさんが流暢に王国語の会話をこなす事に違和感を感じたみたい。
「いいえ、ノルヌーヴォ王国を始めとする三ヶ国連合は、西大陸の諸国と融合を図るため、西大陸共通語を公用語としております。
こちらの国の言葉とは全くと言って良いほど言語体系が異なります。」
エフォールさんの話では西大陸は地域によって方言はあるものの、何処の国も西大陸共通語を公用語にしているとのこと。
エフォールさんの場合、東大陸への憧れがあったことから、子供の頃から帝国語と王国語を独学で学んできたそうだ。
エフォールさんの家に出入りする帝国人や王国人を相手に会話の練習をしたんだって、凄いね。
あれ、そういえば、トレナール王子も流暢に王国語を話していたよ、全く違和感を感じなかったし。
どういうこと?
噛み付くトレナール王子にミルトさんが言う。
しかし、この王子誰彼かまわず噛み付くな、本当に自分より偉い人はいないと思っているのか…。
「私はこの子の後見人よ。
この子がイヤだと言っているのだから、諦めてお国に帰ってくださいな。
だいたい十八歳の青年が十歳の少女に婚姻を迫るなんて外聞がよろしくなくてよ。」
「ふざけ…」
トレナール王子が何か言いかけたところで、今度は公使が王子の口を塞いだ。ハンカチで物理的に…。
「これはこれは、皇太子妃殿下、私共の第三王子がご無礼なことを申しまして誠に申し訳ございません。
この王子はいささか言動に問題がございまして、本国でも蟄居を命じられていたはずなのですがどうやら逃亡してきたようでして。
後ほど正式な謝罪に伺いますので、この場は寛大な措置をお願いいたします。」
公使はミルトさんに平謝りだ、顔色も悪くしているし…。
自国の王子が大国の皇太子妃に暴言を吐いたのだから仕方がないか。
「そうですか、では、この子は私が後見人をしているので、今後この子に勝手に接触することを禁じます。
それを守っていただけるのであれば、この場は見逃しましょう。
それが破られた時には外交問題とさせていただきますので、そちらの王子には良く言い聞かせてくださいね。
あと、事情聴取がしたいので、そこにいる王子の側近をここに残していただけますか。」
「寛大なお言葉に感謝いたします。
今後このお嬢さんに接触することはないように王子にはきつく言って聞かせます。
で、側近をここへおいていけと言うお申し付けですが…。」
公使はそう言いながらエフォールさんの顔をうかがった。
きっと、本来なら口裏を合わせるため一旦全員で帰りたいところだろう、公使はエフォールさんを残しても問題ない人物かを考えているみたい。
「おまえ、もしかしてエフォールか?」
「はい、公使、お久し振りでございます。私のような者の名前を覚えていて頂けるとは光栄です。」
「おまえ、何でここにいる?
私はおまえのことを外務か、内務のそれなりのポストへ就けるように指示したはずなのだが。
よりによって外れ王子のお守り役なんていう閑職に置くとはどういうことだ。」
あれ、公使はエフォールさんと知り合いなのかな。
しかし、『外れ王子のお守り役』とか言ってるけど本人が目の前にいるんだよ、いいのそれ。
「あら、公使はその側近の方と知り合いなのかしら。」
「あ、皇太子妃様、勝手に話し込んでしまい失礼しました。
私は公使になる前、官吏登用の仕事をしておりまして、公使として赴任する直前に採用した者なのです。
官吏登用試験を受ける者としては珍しい平民でありながら、抜群の成績だったものでたまたま記憶に残っていたのです。
わかりました、この者であれば粗相はないと思いますのでここに残してまいりましょう。」
公使は、エフォールさんを迂闊に秘密を漏らしたり、無礼な対応をしたりする人物ではないと判断したようだね。
**********
「余は納得がいかん、まだ帰らぬぞ。」とか喚いているトレナール王子を引き摺るように公使が立ち去った寮の応接室、一人取り残されたエフォールさんが戸惑いの表情を見せている。
それはそうだ、今室内にいるのは皇太子妃のミルトさん、その侍女(実は女官)のリタさん、フローラちゃんにわたしと見事に女子供ばかりだもの。
取調官らしきものを呼んだ気配もないしね。
だいたい不法入国者一人に皇太子妃が自ら尋問するなんて思いもしないだろう。
「さて、改めて自己紹介するわね、私はこの国の皇太子の妃でミルトよ。
ここに至った経緯などを細かく聞きたいけど、まずはあなたのことを聞かせてもらえるかしら。
さっきの公使の話では、今のあなたの立場と公使が推した立場は違うようだけどその辺のことも聞きたいわ。」
エフォールさんは更に面食らっていた、わたしは最近まで知らなかったのだけど王族が直接声をかけることは諸外国では稀な事らしい。
他の国では近習、ミルトさんの場合ならリタさんの立場の人が声をかけるそうだ、そして返答もリタさんに対して行うらしい。
しかし、今リタさんの格好はどう見ても侍女であり近習には見えないし、質問はミルトさんから直接された、エフォールさんは直接ミルトさんに返答してよいものか迷っているみたい。
「どうしたの、何か答え難いことでもあるのかしら?」
ミルトさんに促されてエフォールさんが言う。
「あの、直答を許していただけるのでしょうか。」
「あら、面白いことを言うのね、私が質問しているのに私以外の誰に答えるというの。
細かいことは気にしないで良いから、早く話してくれる。」
ミルトさんにそういわれて安心したのかエフォールさんが話し始めた。
「私はエフォールと申します。私は平民でして、我が国では平民に家名はございません。
貿易商の三男に生まれまして、家業は兄が継ぐこととなっているため官吏を目指したのです。」
エフォールさんの家は貿易商なので外国の人が頻繁に出入りしているそうだ。
子供の頃から、家を訪れた人に外国の話を聞き海外の国に憧れを持ったみたい。
それで、外交官になりたくて官吏を目指したらしい。
私塾を卒業して官吏登用試験を受けて官吏になったのが三年前、そのときは公使の言ったとおり外務卿の下で三ヶ国連合の調整をする部署に配属されたとのこと。
なんでも、この部署は官吏の中でも花形らしく、従来貴族しか配属されていなかったそうだ。
その中で、メキメキと頭角を現したエフォールさんは貴族の中から疎まれるようになったみたい。
出る杭は打たれるってやつだね。
今から、二年前、トレナール王子が問題を起こして離宮に蟄居を命じられたとき、平民のエフォールさんが花形部署にいることを妬んだ貴族達の策略でトレナール王子の側近を押し付けられたとのこと。
官吏になってまだ二年目のエフォールさんは立場的には見習い同然で、何処に配置換えになっても文句言えない立場だったそうだ。
それに加えて、王族の側近というのは官吏の中でもかなり上の立場にあり、形式の上では大抜擢なためエフォールさんを可愛がってくれた外務の上司も文句言えなかったみたい。
「ところであなた、王国語が堪能だけどノルヌーヴォ王国の公用語は王国語と共通なのかしら。」
話が一旦途切れたところで、ミルトさんはエフォールさんが流暢に王国語の会話をこなす事に違和感を感じたみたい。
「いいえ、ノルヌーヴォ王国を始めとする三ヶ国連合は、西大陸の諸国と融合を図るため、西大陸共通語を公用語としております。
こちらの国の言葉とは全くと言って良いほど言語体系が異なります。」
エフォールさんの話では西大陸は地域によって方言はあるものの、何処の国も西大陸共通語を公用語にしているとのこと。
エフォールさんの場合、東大陸への憧れがあったことから、子供の頃から帝国語と王国語を独学で学んできたそうだ。
エフォールさんの家に出入りする帝国人や王国人を相手に会話の練習をしたんだって、凄いね。
あれ、そういえば、トレナール王子も流暢に王国語を話していたよ、全く違和感を感じなかったし。
どういうこと?
15
お気に入りに追加
2,315
あなたにおすすめの小説

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる