257 / 508
第9章 王都の冬
第256話【閑話】職が見つかりました
しおりを挟む
事態が飲み込めずに呆けている私にミルト様は言った。
「ごめんなさいね。まだ良く事情が飲み込めないようね。
順を追って説明するわ。」
ミルト様の説明では、以前から私を王宮にスカウトしたいと思っていらしたそうです。
どうやら、若様が殺人未遂事件を起こしたときに見せた私の特技に目を着けられたようでした。
でも、アロガンツ伯爵のところから引き抜く訳にもいかず、手をこまねいていたらしい。
四日前に宿無しとなった私に会った時、勧誘するチャンスだと思われたみたいです。
ミルト様は、私を侍女とするため急ぎ私の身元調査をしたらしいです。
なんでも、王族の側に仕える者の周りに性質の悪い人がいると困るからだそうです。
私の交友関係や両親と兄弟そしてその交友関係が調査されたみたい。
あまり気持ち良いものではないですが、王族の側に侍る人を雇うのだからしかたがないのだと私も思います。
身元調査の担当者は私の母校にも行き学生時代の成績の記録も手に入れたらしい。
そして、その時私も知らない事実を入手したそうです。それが今回のことに繋がったようですね。
「私は近い将来皇后になるの、その時私の片腕となって働いてくれる女性官僚が欲しいのよ。
でも、あなたは中等国民学校卒でしょう、女性官僚にするのは叶わないと思っていたの。
だから、最初は私の侍女として採用しようと思っていたのよ。
ところが、あなたの学生時代のことを調べたら、高等文官試験いけるんじゃないかと思ってね。」
侍女は身の回りのお世話をする人で、身元調査さえクリアすれば試験なしで採用できるらしい。
一方で、女性官僚、略して女官は仕事面の補佐をする人で、登用試験を合格しなければならないそうです。
そして、私に母校に行った担当者が恩師から聞かされた話しとは…。
「あなた、学生時代、先生から補習授業を受けていたでしょう、かなりの頻度で。
先生は、『あなたには勉強の方が不足している』と言っていた様だけど、あなたは誤解していたみたいね。」
「はい、先生からは私は勉強不足だからもっと勉強しなければいけないと言われて、三年間ほぼ毎日二時間程度の補習を受けていました。
それが何の誤解なんでしょう。」
「先生は、中等学校で教える内容では優秀なあなたには物足りないだろうという意味で言っていたみたいなの。
先生は本当はあなたに高等国民学校に進んで欲しかったみたいなのだけど、あなたの家庭があまり裕福ではないのをご存知でしたので勧めなかったそうよ。
その代わりに補習授業をしていたのだって、あの補習授業の内容は高等学校のもの。
しかも、高等国民学校のモノではなく、王立学園高等部の履修内容だそうよ。」
な、なんだってえ…、何で教科書に書いてないのかと思ってたらそういうことでしたか。
その話しを聞いてミルト様は、私に高等文官試験を受けさせようと思ったらしい。
合格すればミルト様付きの女官として採用される手はずになっているそうです。
「あなたの先生ね、実は王宮の中ではとっても有名な方なのよ。
あの方、平民出の官僚の中では二番目に出世した方なの。
フェアメーゲン氏が宰相にまでなって立志伝中の人物になっちゃったので影に隠れちゃったけどね。
平民で、王宮の課長にまでなったのはフェアメーゲン氏とあの方の二人だけよ。
あの方も、もう少し王宮にいれば局長になって男爵位が貰えたかも知れないのにね。
後進を育てたいと言って、王宮を辞めて学校の先生になっちゃったの。
それで、あなたが卒業するときにも本当は王宮の登用試験を受けさせたかったみたい。
でも、その頃のあなたは、『玉の輿に乗って、めざせ有閑マダム』って言って憚らなかったでしょう。
あの方は、生徒の希望を尊重する人だから、無理強いせずにあなたの希望に沿って貴族家の使用人の仕事を紹介したそうよ。
貴族家にお勤めしていれば良いご縁があるかもって。」
は、恥ずかしい…、そんな事まで知られていたのですか…。
ええ、確かに言っていましたとも、『玉の輿に乗って、めざせ有閑マダム』と。
でも、それは今でも変わっていないのです。
ここでそれを主張しておかねば取り返しのつかないことになりそうですね。
王宮の官僚は確かに高給取りらしいですが、この国で一番働かされる職業としても有名です。
私の夢はお金持ちと結婚してあくせくせずのんびりと暮らすこと、決して馬車馬のように働くことではないのです。
「ミルト様、恐れながら申し上げます。
私は学生の頃からの『玉の輿に乗って、めざせ有閑マダム』と言う心情は変わっておりません。
確かに私は良い職場に勤めたいと思ってはおりますが、それはあくまでも良縁を結ぶため。
決してバリバリのキャリアウーマンになるつもりはないのです。
王宮の官僚、ましてやミルト様付きの女官など、私には荷が重過ぎます。」
ここまで言えばミルト様も諦めてくれるでしょう。
法の遵守が信条のミルト様だ、私の職業選択の自由を侵してまで無理強いをすることはないはず。
「そうそれは残念ね、私も無理強いはしたくないわ。
ところであなたの身元調査書を拝見したわ、まあ、これを読んだから今日のことになったのだけど。
あなたの男性関係の欄、見事なほど空白ね。
普通お年頃の女性の調査をすると一つくらいは何か書いてあるのだけど、清々しいほど潔白なのね。
『玉の輿に乗って、めざせ有閑マダム』という割には良縁に恵まれていないようだけど。
あなた、今年で十九歳よね、もうそろそろお友達でお嫁に行く人がいるのじゃない?」
ギクッ、それを言われるとぐうの音も出ない…。
「私の下に来れば良縁を結んであげるわ。嘘はつかないわよ。
身元のしっかりした人で、人柄が良くて、お金持ちの殿方、年齢も容姿もあなたの希望に沿うように探してあげるわ。
ねえ、伯父様。」
「いや、ミルト、嘘ではないが…。」
ミルト様に話しを振られた侯爵様は一瞬言い淀んだ後、私に言いました。
「リタさんと言ったかね。
皇太子妃殿下のおっしゃられることに嘘はない、もしそなたが王宮に出仕すると言うのであれば身元のしっかりしたそなたの希望に沿った者を紹介しよう。
もっともこれは、そなたの為という訳でもないのだ。」
侯爵様によると、王族の側に仕える者が伴侶を選ぶときには、王の許可が要るそうです。
それは、王族の側に仕える者に性質の悪い者を寄せ付けないためらしいです。
伴侶が王族の側に仕えるものという立場を利用して、悪いことを企むような輩を排除するためですね。
それで、この手続きが意外と面倒臭いようです。
で、実際どう運用されているかというと、伴侶を探すのを王族に丸投げしてしまうそうです。
そうすると、王族が人事局に希望に沿う者を紹介するように指示を出し、複数の候補が上がってくるそうです。
候補に実際に会ってみて、一番希望に合致する者を伴侶に選べるのですって。
この場合、伴侶選びは両性の合意ではなく、王族に仕える者の側に選択権があるそうです。
こんなところにも、身分制度が利いているのですね…。
お相手は人事局が探してくると言うことは当然王宮に仕える人でしょう。
それは、家柄もよくて、お金持ちでしょう、だって大部分は貴族の家の生まれなのですから。
それに、貴族達には美形が多い、いくらでも美形の伴侶を選べる立場にあったから。
平民の私に紹介されてくるのだから、お相手は家を継ぐことが出来ない貴族の次男坊以下もしくは平民の官僚でしょう。
それなら、身分は平民のまま、貴族の家風やしきたりに悩まされることもないはず。
王宮の官僚は高給取りです。
私も働くことになると『有閑マダム』の夢は遠退きますが、夫婦共高級取りで老後は悠々自適になるはず。
老後、ポルト辺りに家を買い求めて海を眺めて素敵な旦那様とのんびり暮らす。…いいかも。
『玉の輿に乗って、めざせ有閑マダム』という初志と言うには情けない私の気持ちが揺らいでいた時に、ミルト様が言いました。
「そうそう、赤ちゃんが出来たら、ちゃんと二年間の産休もあげるわ、基本給だけになるけど有給よ。
有給で二年も休めて、元の役職で職場復帰できるなんてこんな職場他にはないわよ。
どお、考え直す気にならないかしら?」
このとき、頭の中で私の軟弱な初志が音を立てて崩れ去りました。
「是非、ミルト様の下でお世話になりたいと思います。
誠心誠意仕えさせて頂きますのでよろしくお願いします。」
そうミルトさんに返答したとき、学生時代に聞いた恩師の言葉が私の頭の中をよぎりました。
「何かを決断させるとき、こちらに都合の良い条件だけを並べ立てて、その場で決断を迫るのは詐欺の常套手段ですから気を付けるのですよ。
そういう時は、一旦家に持ち帰って落とし穴がないか冷静に考えてみることです。」
私の目の前には満足そうに微笑むミルト様の顔がありました。
ミルト様に限って私を騙す事なんかないですよね…。
「ごめんなさいね。まだ良く事情が飲み込めないようね。
順を追って説明するわ。」
ミルト様の説明では、以前から私を王宮にスカウトしたいと思っていらしたそうです。
どうやら、若様が殺人未遂事件を起こしたときに見せた私の特技に目を着けられたようでした。
でも、アロガンツ伯爵のところから引き抜く訳にもいかず、手をこまねいていたらしい。
四日前に宿無しとなった私に会った時、勧誘するチャンスだと思われたみたいです。
ミルト様は、私を侍女とするため急ぎ私の身元調査をしたらしいです。
なんでも、王族の側に仕える者の周りに性質の悪い人がいると困るからだそうです。
私の交友関係や両親と兄弟そしてその交友関係が調査されたみたい。
あまり気持ち良いものではないですが、王族の側に侍る人を雇うのだからしかたがないのだと私も思います。
身元調査の担当者は私の母校にも行き学生時代の成績の記録も手に入れたらしい。
そして、その時私も知らない事実を入手したそうです。それが今回のことに繋がったようですね。
「私は近い将来皇后になるの、その時私の片腕となって働いてくれる女性官僚が欲しいのよ。
でも、あなたは中等国民学校卒でしょう、女性官僚にするのは叶わないと思っていたの。
だから、最初は私の侍女として採用しようと思っていたのよ。
ところが、あなたの学生時代のことを調べたら、高等文官試験いけるんじゃないかと思ってね。」
侍女は身の回りのお世話をする人で、身元調査さえクリアすれば試験なしで採用できるらしい。
一方で、女性官僚、略して女官は仕事面の補佐をする人で、登用試験を合格しなければならないそうです。
そして、私に母校に行った担当者が恩師から聞かされた話しとは…。
「あなた、学生時代、先生から補習授業を受けていたでしょう、かなりの頻度で。
先生は、『あなたには勉強の方が不足している』と言っていた様だけど、あなたは誤解していたみたいね。」
「はい、先生からは私は勉強不足だからもっと勉強しなければいけないと言われて、三年間ほぼ毎日二時間程度の補習を受けていました。
それが何の誤解なんでしょう。」
「先生は、中等学校で教える内容では優秀なあなたには物足りないだろうという意味で言っていたみたいなの。
先生は本当はあなたに高等国民学校に進んで欲しかったみたいなのだけど、あなたの家庭があまり裕福ではないのをご存知でしたので勧めなかったそうよ。
その代わりに補習授業をしていたのだって、あの補習授業の内容は高等学校のもの。
しかも、高等国民学校のモノではなく、王立学園高等部の履修内容だそうよ。」
な、なんだってえ…、何で教科書に書いてないのかと思ってたらそういうことでしたか。
その話しを聞いてミルト様は、私に高等文官試験を受けさせようと思ったらしい。
合格すればミルト様付きの女官として採用される手はずになっているそうです。
「あなたの先生ね、実は王宮の中ではとっても有名な方なのよ。
あの方、平民出の官僚の中では二番目に出世した方なの。
フェアメーゲン氏が宰相にまでなって立志伝中の人物になっちゃったので影に隠れちゃったけどね。
平民で、王宮の課長にまでなったのはフェアメーゲン氏とあの方の二人だけよ。
あの方も、もう少し王宮にいれば局長になって男爵位が貰えたかも知れないのにね。
後進を育てたいと言って、王宮を辞めて学校の先生になっちゃったの。
それで、あなたが卒業するときにも本当は王宮の登用試験を受けさせたかったみたい。
でも、その頃のあなたは、『玉の輿に乗って、めざせ有閑マダム』って言って憚らなかったでしょう。
あの方は、生徒の希望を尊重する人だから、無理強いせずにあなたの希望に沿って貴族家の使用人の仕事を紹介したそうよ。
貴族家にお勤めしていれば良いご縁があるかもって。」
は、恥ずかしい…、そんな事まで知られていたのですか…。
ええ、確かに言っていましたとも、『玉の輿に乗って、めざせ有閑マダム』と。
でも、それは今でも変わっていないのです。
ここでそれを主張しておかねば取り返しのつかないことになりそうですね。
王宮の官僚は確かに高給取りらしいですが、この国で一番働かされる職業としても有名です。
私の夢はお金持ちと結婚してあくせくせずのんびりと暮らすこと、決して馬車馬のように働くことではないのです。
「ミルト様、恐れながら申し上げます。
私は学生の頃からの『玉の輿に乗って、めざせ有閑マダム』と言う心情は変わっておりません。
確かに私は良い職場に勤めたいと思ってはおりますが、それはあくまでも良縁を結ぶため。
決してバリバリのキャリアウーマンになるつもりはないのです。
王宮の官僚、ましてやミルト様付きの女官など、私には荷が重過ぎます。」
ここまで言えばミルト様も諦めてくれるでしょう。
法の遵守が信条のミルト様だ、私の職業選択の自由を侵してまで無理強いをすることはないはず。
「そうそれは残念ね、私も無理強いはしたくないわ。
ところであなたの身元調査書を拝見したわ、まあ、これを読んだから今日のことになったのだけど。
あなたの男性関係の欄、見事なほど空白ね。
普通お年頃の女性の調査をすると一つくらいは何か書いてあるのだけど、清々しいほど潔白なのね。
『玉の輿に乗って、めざせ有閑マダム』という割には良縁に恵まれていないようだけど。
あなた、今年で十九歳よね、もうそろそろお友達でお嫁に行く人がいるのじゃない?」
ギクッ、それを言われるとぐうの音も出ない…。
「私の下に来れば良縁を結んであげるわ。嘘はつかないわよ。
身元のしっかりした人で、人柄が良くて、お金持ちの殿方、年齢も容姿もあなたの希望に沿うように探してあげるわ。
ねえ、伯父様。」
「いや、ミルト、嘘ではないが…。」
ミルト様に話しを振られた侯爵様は一瞬言い淀んだ後、私に言いました。
「リタさんと言ったかね。
皇太子妃殿下のおっしゃられることに嘘はない、もしそなたが王宮に出仕すると言うのであれば身元のしっかりしたそなたの希望に沿った者を紹介しよう。
もっともこれは、そなたの為という訳でもないのだ。」
侯爵様によると、王族の側に仕える者が伴侶を選ぶときには、王の許可が要るそうです。
それは、王族の側に仕える者に性質の悪い者を寄せ付けないためらしいです。
伴侶が王族の側に仕えるものという立場を利用して、悪いことを企むような輩を排除するためですね。
それで、この手続きが意外と面倒臭いようです。
で、実際どう運用されているかというと、伴侶を探すのを王族に丸投げしてしまうそうです。
そうすると、王族が人事局に希望に沿う者を紹介するように指示を出し、複数の候補が上がってくるそうです。
候補に実際に会ってみて、一番希望に合致する者を伴侶に選べるのですって。
この場合、伴侶選びは両性の合意ではなく、王族に仕える者の側に選択権があるそうです。
こんなところにも、身分制度が利いているのですね…。
お相手は人事局が探してくると言うことは当然王宮に仕える人でしょう。
それは、家柄もよくて、お金持ちでしょう、だって大部分は貴族の家の生まれなのですから。
それに、貴族達には美形が多い、いくらでも美形の伴侶を選べる立場にあったから。
平民の私に紹介されてくるのだから、お相手は家を継ぐことが出来ない貴族の次男坊以下もしくは平民の官僚でしょう。
それなら、身分は平民のまま、貴族の家風やしきたりに悩まされることもないはず。
王宮の官僚は高給取りです。
私も働くことになると『有閑マダム』の夢は遠退きますが、夫婦共高級取りで老後は悠々自適になるはず。
老後、ポルト辺りに家を買い求めて海を眺めて素敵な旦那様とのんびり暮らす。…いいかも。
『玉の輿に乗って、めざせ有閑マダム』という初志と言うには情けない私の気持ちが揺らいでいた時に、ミルト様が言いました。
「そうそう、赤ちゃんが出来たら、ちゃんと二年間の産休もあげるわ、基本給だけになるけど有給よ。
有給で二年も休めて、元の役職で職場復帰できるなんてこんな職場他にはないわよ。
どお、考え直す気にならないかしら?」
このとき、頭の中で私の軟弱な初志が音を立てて崩れ去りました。
「是非、ミルト様の下でお世話になりたいと思います。
誠心誠意仕えさせて頂きますのでよろしくお願いします。」
そうミルトさんに返答したとき、学生時代に聞いた恩師の言葉が私の頭の中をよぎりました。
「何かを決断させるとき、こちらに都合の良い条件だけを並べ立てて、その場で決断を迫るのは詐欺の常套手段ですから気を付けるのですよ。
そういう時は、一旦家に持ち帰って落とし穴がないか冷静に考えてみることです。」
私の目の前には満足そうに微笑むミルト様の顔がありました。
ミルト様に限って私を騙す事なんかないですよね…。
5
お気に入りに追加
2,315
あなたにおすすめの小説

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる