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第9章 王都の冬
第253話【閑話】宿無し娘と高級ホテル
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私は皇太子妃のミルト様に誘われるまま、精霊神殿の応接室でお茶をご馳走になっている。
なんと、ミルト様手ずから入れてくださったお茶です。
受け取るときに緊張でカップを落としそうになりました。
美味しいお茶ですね、きっと私達使用人では口にすることの出来ない高級茶葉なんでしょう。
「ミルトおばちゃん、お茶お替りちょうだい。」
「はいはい、待っててね、今淹れてあげるから。」
しかし、なんなんだろうあの幼女は、皇太子妃様をおばちゃん呼ばわりした上に、お茶を汲ませている。
ミルト様も顔を綻ばせてかいがいしく幼女に接しているし…。
ミルト様は幼女にお茶を入れると、私の前に腰を下ろした。
「お待たせしてごめんなさいね。お茶冷めちゃったかしら?
淹れ直しましょうか。」
とんでもない、そんな恐れ多いことお願い出来ません。
「いえ、もう十分にいただきましたから。」
「あらそう、寒い中歩いていたので体が冷えているかと思ったのだけど、遠慮しないでいいのよ。」
そう言われたからといってお替りできるほど私の神経は図太くないですよ…。
「いえ、この応接室は暖房が効いていて暖かいので体の冷えはすっかり取れました。」
「そう、それはよかったわ。
それで、リタさん、あなたこんな大雪の降る中でそんな大荷物を抱えてどこへ行く気なの?」
ミルト様は私にお茶を勧めるのを止めて、私をここに誘った本題に入った。
「いえ、何処かへ行くのではなく、ホテルへ宿泊しようとしていたのです。
実は、職場を解雇されまして、住み込みの職場だったもので今日から宿無しなんです。」
私がそう言うと脇から口を挟んだ少女がいた。
「あっ、アロガンツ家の破産手続き、今日から始まったんだ。
リタさん、大雪の日で災難だったね。」
この少女、たしかターニャちゃんって言ったっけ、何でそのこと知っているの?
私だってついさっき知らされたばかりなのに。
「まあ、そうでしたの大変でしたわね。それで、これからどうされるの。」
ミルト様の問い掛けに私はありのままを話すことにした、別に隠すことでもないし。
「当面はホテル暮らしで、職と借家探しですかね。
王都に実家はあるのですが、貧乏子だくさんで私が住むスペースが無いんです。
ホテル暮らしは私には贅沢かと思うのですが、職が決まらないと住む場所を決められないので。」
王都は広いので、職場の近くに貸家を借りないと通うのが大変だ。
通うのに毎日馬車に乗るとそれだけで給金がなくなってしまう。
それに、上手くいけば住み込みの仕事が見つかるかも知れないしね。
「それで、どこか勤め先のあてはあるの?」
なんか、近所の噂好きのおばちゃんに聞かれているみたい、これが近所のおばちゃんだったら翌日にはその辺中に知れ渡ってしまうんだろうな。
「いえ、今のところは。
卒業した学校へ行って良い求人がないか聞いてみようと思っています。
恩師がまだその学校に在職しているので多分相談に乗ってくれると思っているのですが。
幸い今までの給金が良かったからそれなりに蓄えはあるので、あまり焦ってはいないのです。」
「そうでしたの。学校はどちらを卒業なされたの?」
「王都の第二中等国民学校です。
うち貧乏で、両親の稼ぎでは義務教育しか受けられないと思っていたんですが、六つ年上の兄が『おまえは勉強が好きみたいだから中等学校まで行っておけ』と言ってお金を出してくれたのです。」
「まあ、いいお兄様ね。」
「はい、兄妹で女の子は私だけってこともあって、とても良くして貰っています。
ほんとにその兄には頭が上がりません。」
ミルト様は市井の者に話しを聞くのが好きなようで、しばらく私の話に耳を傾けていたが急に思い立ったように話題を変えた。
「そういえば、あなた、ホテルに泊まろうとしているって言っていたけど、部屋は確保してあるの?
今、王都は社交シーズンの真っ只中でそれなりのホテルは貴族の宿泊客でいっぱいよ。
わざわざ、中央広場まで来たということは、繁華街の安宿では身の危険を感じるからでしょう。」
しまった、私とした事が職を失った上に急かされる様に別邸を追い出されたので、あたふたしていてそんな常識的なことを忘れていた。
どうしよう、実家に行って台所の隅にでも寝ようか、繁華街の安宿よりは身の危険がないだけましかな…。
私が思案しているとターニャちゃんが言った。
「ねえ、ミルトさん、リタさんが可哀想だよ、わたし達がしたことのとばっちりで宿無しになったなんて。
何とかならない。」
「今回はターニャちゃんのせいではないでしょう。ターニャちゃんは私に付いて来ただけなんだから。
でもそうね、リタさんに関しては、わたしにも責任の一端はあるわね。」
何の話をしているのだろうか?
よくわからない会話の後、ミルトさんはペンと紙をカバンから取り出すとなにやら書き始めた。
しばらく、文章を綴った後、最後の署名を入れ、取り出した封筒につめるとテーブルの上に灯るロウソクの蝋で封緘し中指に嵌めた指輪を押し当てた。
そして、その封筒を私に差し出して言った。
「あなたがこれから行っても、多分、泊まれるホテルはないと思うわ。
これを上げるから持って行きなさい、急な賓客のために王族が確保してある部屋を使わせるように指示してあるわ。
これをフロントに出せば、すぐに部屋を用意してくれるはずだから。」
私は受け取った封筒の表書きを見て仰天した、そこには『ヴィーナヴァルトホテル 支配人へ』と書いてあった。もちろん裏にはミルト様の署名が、王家の紋章が入った封緘と共にある。
「こんな、恐れ多い物受け取れません。
ヴィーナバルトホテルの賓客用の部屋なんて私のような下々の者が泊まって良い部屋ではありません。
そもそも、多少の蓄えはあると言いましたが、ヴィーナヴァルトホテルなんて泊まった日には十日もせずに破産です。」
「あらイヤだ、その部屋は年間契約で王家が確保してある部屋で毎年一年分先払いしてあるからお金は要らないわよ。
使っても使わなくてもお金は払っているのだから、使わなければ損でしょう。
是非使ってちょうだい、私の懐が傷むわけでもないし…。
それにね、これはお詫びよ、あなたの職場を潰してしまったから。
アロガンツ家に直接引導を渡したのは私なのよ、その時この子も一緒に居たもんだから責任を感じちゃったみたいなの。
別にアロガンツ家を潰したことに良心の呵責はないけど、それで知り合いが路頭に迷うと思うと申し訳ないわ。
だから、そう恐縮しないで。」
ああ、この人達がアロガンツ家を潰したのか、納得だ。
アロガンツ家はこの二人に随分迷惑を掛けていたみたいだものね。
ターニャちゃんなんか殺されそうになったし、きっとミルト様の逆鱗に触れたんだろうね。
ここは、ミルト様のお心遣いに甘えることにした。
ヴィーナヴァルトホテルかぁ、王都の住人の憧れの的だよ、まさか泊まれるとは思ってもなかった。
しかも、何と学園の寮へ帰るターニャちゃん達がホテルまで魔導車で送ってくれると言うじゃない。
二年ほど前に初めて見たときから、一度乗ってみたかったんだターニャちゃんの魔導車。
ミルト様の御前を辞して、ターニャちゃんの魔導車でヴィーナヴァルトホテルへ。
すごい、馬車と違って全然揺れないの、静かだし。
街中なので馬車と変わらない速度だったが、乗り心地は段違いだった夢心地で乗っていたよ。
そして、目の前にそびえるヴィーナヴァルトホテル、私の知る限りでは王都で王宮の次に立派な建物だ。
正面エントランス前の車寄せに車をつけるとすぐにポ-ターさんが駆け寄ってきた。
私がターニャちゃんにお礼を言って車を降りるとポーターさんは私のトランクを手にフロントへ誘導してくれた。
なんか、貴族のお嬢様になったみたい。
そんな夢心地の私はフロントで驚愕することになった。
私がフロントにミルト様に手渡された封筒をフロントに出すと、フロントの男性職員は一瞬驚いた顔を見せると封筒の中身を確認した。そして言ったのだ。
「ロイヤルスイートルームを本日より一ヵ月間でございますね、確かに承りました。
お部屋はすぐにご用意できますので、ソファーに腰を掛けてお待ちいただけますか。」
いっ、一ヶ月!ヴィーナヴァルトに一ヶ月って普通に泊まったら私の給金何年分になるの?
私は、別のホテルを探すまでの間の数日の部屋を提供してもらえるのかと思っていた。
一ヶ月ってまさか、職を探している間ここに住めと言うの?
**********
リタさんがビックリして声を失っていた頃、精霊神殿の応接室。
「ターニャちゃん、やっぱり、戻ってきたわね。」
ミルトさんが戻って来た私に気付いて声をかけてきた。
そう、わたしは学園に戻らず、一旦精霊神殿に戻ってきたの。
「だって気になるじゃない。
ミルトさん、何でリタさんにホテルを紹介したの?
わたし、ミルトさんがあのままリタさんを王宮にお持ち帰りするんだと思っていた。」
「ターニャちゃん、大人の世界には色々と決まりごとがあるの。
普段、私が好き勝手に振る舞っているかのように見えるかもしれないけど、これでちゃんと規則は守っているのよ。
大丈夫よ、最終的にはターニャちゃんの思っている通りになるから。」
そう言ってミルトさんは笑った。
大人の世界って面倒くさいんだね。
なんと、ミルト様手ずから入れてくださったお茶です。
受け取るときに緊張でカップを落としそうになりました。
美味しいお茶ですね、きっと私達使用人では口にすることの出来ない高級茶葉なんでしょう。
「ミルトおばちゃん、お茶お替りちょうだい。」
「はいはい、待っててね、今淹れてあげるから。」
しかし、なんなんだろうあの幼女は、皇太子妃様をおばちゃん呼ばわりした上に、お茶を汲ませている。
ミルト様も顔を綻ばせてかいがいしく幼女に接しているし…。
ミルト様は幼女にお茶を入れると、私の前に腰を下ろした。
「お待たせしてごめんなさいね。お茶冷めちゃったかしら?
淹れ直しましょうか。」
とんでもない、そんな恐れ多いことお願い出来ません。
「いえ、もう十分にいただきましたから。」
「あらそう、寒い中歩いていたので体が冷えているかと思ったのだけど、遠慮しないでいいのよ。」
そう言われたからといってお替りできるほど私の神経は図太くないですよ…。
「いえ、この応接室は暖房が効いていて暖かいので体の冷えはすっかり取れました。」
「そう、それはよかったわ。
それで、リタさん、あなたこんな大雪の降る中でそんな大荷物を抱えてどこへ行く気なの?」
ミルト様は私にお茶を勧めるのを止めて、私をここに誘った本題に入った。
「いえ、何処かへ行くのではなく、ホテルへ宿泊しようとしていたのです。
実は、職場を解雇されまして、住み込みの職場だったもので今日から宿無しなんです。」
私がそう言うと脇から口を挟んだ少女がいた。
「あっ、アロガンツ家の破産手続き、今日から始まったんだ。
リタさん、大雪の日で災難だったね。」
この少女、たしかターニャちゃんって言ったっけ、何でそのこと知っているの?
私だってついさっき知らされたばかりなのに。
「まあ、そうでしたの大変でしたわね。それで、これからどうされるの。」
ミルト様の問い掛けに私はありのままを話すことにした、別に隠すことでもないし。
「当面はホテル暮らしで、職と借家探しですかね。
王都に実家はあるのですが、貧乏子だくさんで私が住むスペースが無いんです。
ホテル暮らしは私には贅沢かと思うのですが、職が決まらないと住む場所を決められないので。」
王都は広いので、職場の近くに貸家を借りないと通うのが大変だ。
通うのに毎日馬車に乗るとそれだけで給金がなくなってしまう。
それに、上手くいけば住み込みの仕事が見つかるかも知れないしね。
「それで、どこか勤め先のあてはあるの?」
なんか、近所の噂好きのおばちゃんに聞かれているみたい、これが近所のおばちゃんだったら翌日にはその辺中に知れ渡ってしまうんだろうな。
「いえ、今のところは。
卒業した学校へ行って良い求人がないか聞いてみようと思っています。
恩師がまだその学校に在職しているので多分相談に乗ってくれると思っているのですが。
幸い今までの給金が良かったからそれなりに蓄えはあるので、あまり焦ってはいないのです。」
「そうでしたの。学校はどちらを卒業なされたの?」
「王都の第二中等国民学校です。
うち貧乏で、両親の稼ぎでは義務教育しか受けられないと思っていたんですが、六つ年上の兄が『おまえは勉強が好きみたいだから中等学校まで行っておけ』と言ってお金を出してくれたのです。」
「まあ、いいお兄様ね。」
「はい、兄妹で女の子は私だけってこともあって、とても良くして貰っています。
ほんとにその兄には頭が上がりません。」
ミルト様は市井の者に話しを聞くのが好きなようで、しばらく私の話に耳を傾けていたが急に思い立ったように話題を変えた。
「そういえば、あなた、ホテルに泊まろうとしているって言っていたけど、部屋は確保してあるの?
今、王都は社交シーズンの真っ只中でそれなりのホテルは貴族の宿泊客でいっぱいよ。
わざわざ、中央広場まで来たということは、繁華街の安宿では身の危険を感じるからでしょう。」
しまった、私とした事が職を失った上に急かされる様に別邸を追い出されたので、あたふたしていてそんな常識的なことを忘れていた。
どうしよう、実家に行って台所の隅にでも寝ようか、繁華街の安宿よりは身の危険がないだけましかな…。
私が思案しているとターニャちゃんが言った。
「ねえ、ミルトさん、リタさんが可哀想だよ、わたし達がしたことのとばっちりで宿無しになったなんて。
何とかならない。」
「今回はターニャちゃんのせいではないでしょう。ターニャちゃんは私に付いて来ただけなんだから。
でもそうね、リタさんに関しては、わたしにも責任の一端はあるわね。」
何の話をしているのだろうか?
よくわからない会話の後、ミルトさんはペンと紙をカバンから取り出すとなにやら書き始めた。
しばらく、文章を綴った後、最後の署名を入れ、取り出した封筒につめるとテーブルの上に灯るロウソクの蝋で封緘し中指に嵌めた指輪を押し当てた。
そして、その封筒を私に差し出して言った。
「あなたがこれから行っても、多分、泊まれるホテルはないと思うわ。
これを上げるから持って行きなさい、急な賓客のために王族が確保してある部屋を使わせるように指示してあるわ。
これをフロントに出せば、すぐに部屋を用意してくれるはずだから。」
私は受け取った封筒の表書きを見て仰天した、そこには『ヴィーナヴァルトホテル 支配人へ』と書いてあった。もちろん裏にはミルト様の署名が、王家の紋章が入った封緘と共にある。
「こんな、恐れ多い物受け取れません。
ヴィーナバルトホテルの賓客用の部屋なんて私のような下々の者が泊まって良い部屋ではありません。
そもそも、多少の蓄えはあると言いましたが、ヴィーナヴァルトホテルなんて泊まった日には十日もせずに破産です。」
「あらイヤだ、その部屋は年間契約で王家が確保してある部屋で毎年一年分先払いしてあるからお金は要らないわよ。
使っても使わなくてもお金は払っているのだから、使わなければ損でしょう。
是非使ってちょうだい、私の懐が傷むわけでもないし…。
それにね、これはお詫びよ、あなたの職場を潰してしまったから。
アロガンツ家に直接引導を渡したのは私なのよ、その時この子も一緒に居たもんだから責任を感じちゃったみたいなの。
別にアロガンツ家を潰したことに良心の呵責はないけど、それで知り合いが路頭に迷うと思うと申し訳ないわ。
だから、そう恐縮しないで。」
ああ、この人達がアロガンツ家を潰したのか、納得だ。
アロガンツ家はこの二人に随分迷惑を掛けていたみたいだものね。
ターニャちゃんなんか殺されそうになったし、きっとミルト様の逆鱗に触れたんだろうね。
ここは、ミルト様のお心遣いに甘えることにした。
ヴィーナヴァルトホテルかぁ、王都の住人の憧れの的だよ、まさか泊まれるとは思ってもなかった。
しかも、何と学園の寮へ帰るターニャちゃん達がホテルまで魔導車で送ってくれると言うじゃない。
二年ほど前に初めて見たときから、一度乗ってみたかったんだターニャちゃんの魔導車。
ミルト様の御前を辞して、ターニャちゃんの魔導車でヴィーナヴァルトホテルへ。
すごい、馬車と違って全然揺れないの、静かだし。
街中なので馬車と変わらない速度だったが、乗り心地は段違いだった夢心地で乗っていたよ。
そして、目の前にそびえるヴィーナヴァルトホテル、私の知る限りでは王都で王宮の次に立派な建物だ。
正面エントランス前の車寄せに車をつけるとすぐにポ-ターさんが駆け寄ってきた。
私がターニャちゃんにお礼を言って車を降りるとポーターさんは私のトランクを手にフロントへ誘導してくれた。
なんか、貴族のお嬢様になったみたい。
そんな夢心地の私はフロントで驚愕することになった。
私がフロントにミルト様に手渡された封筒をフロントに出すと、フロントの男性職員は一瞬驚いた顔を見せると封筒の中身を確認した。そして言ったのだ。
「ロイヤルスイートルームを本日より一ヵ月間でございますね、確かに承りました。
お部屋はすぐにご用意できますので、ソファーに腰を掛けてお待ちいただけますか。」
いっ、一ヶ月!ヴィーナヴァルトに一ヶ月って普通に泊まったら私の給金何年分になるの?
私は、別のホテルを探すまでの間の数日の部屋を提供してもらえるのかと思っていた。
一ヶ月ってまさか、職を探している間ここに住めと言うの?
**********
リタさんがビックリして声を失っていた頃、精霊神殿の応接室。
「ターニャちゃん、やっぱり、戻ってきたわね。」
ミルトさんが戻って来た私に気付いて声をかけてきた。
そう、わたしは学園に戻らず、一旦精霊神殿に戻ってきたの。
「だって気になるじゃない。
ミルトさん、何でリタさんにホテルを紹介したの?
わたし、ミルトさんがあのままリタさんを王宮にお持ち帰りするんだと思っていた。」
「ターニャちゃん、大人の世界には色々と決まりごとがあるの。
普段、私が好き勝手に振る舞っているかのように見えるかもしれないけど、これでちゃんと規則は守っているのよ。
大丈夫よ、最終的にはターニャちゃんの思っている通りになるから。」
そう言ってミルトさんは笑った。
大人の世界って面倒くさいんだね。
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