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第9章 王都の冬
第228話 怒るルーナちゃんのお父さん
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お風呂から上がってわたしの寝室、ルーナちゃんにはわたしの寝室の予備のベッドを使ってもらうことにしたの。
「ねぇ、ルーナちゃん。今更なんだけど、お見合いすっぽかしちゃって良かったの?
お父さん、怒っているんじゃない?」
「大丈夫だよ!このくらいのことはしょっちゅうだし、親父は怒りが続かない人だから。
今日はカンカンに怒っているだろうけど、きっと、すぐにおさまるから。
二、三日したらお見合いをすっぽかしたことなんてコロッと忘れているよ。」
わたしがルーナちゃんのことを心配して尋ねると、当人はそう言って能天気に笑っている。
…本当に大丈夫なのかな、この子?。
わたしの心配をよそに、隣のベッドでは既にルーナちゃんがスヤスヤと寝息を立てている。
この子、大物だわ…。
一晩明けて次の朝、朝食を済ませてリビングで寛いでいると扉がノックされた音が響いた。
応対に出ていたフェイさんが戻って来て言う。
「寮監が見えられて、この部屋にルーナさんが訪ねて来ていないかとお尋ねですが。」
「寮監の先生が?」
「寮監の先生、もう外出から戻られたのか」と思いながら、開け放たれた扉の前まで行くとそこには寮監の先生と共に何とか怒りを抑えているというのがありありとした表情の紳士がいた。
**********
「この馬鹿娘が!見合いの当日にトンズラするとは何事だ!
おかげで俺は凄い恥をかいたのだぞ!
伯爵様自ら御子息と共にいらしたのに、おまえが姿をくらましたので大そうご立腹だったぞ。」
ああ、相当格上の家とのお見合いだったんだね。それで、さすがに堪忍袋の緒が切れたと…。
「ええっ、イヤだよ、王都の宮廷貴族だなんて堅苦しい。
結婚するなら、ボクはうちやラインちゃんちみたいな田舎貴族の家がいいな。
だいたい、お見合いなんかまだ早いって言っているじゃないか。」
部屋に入るなり頭に拳骨を落とされたルーナちゃんは、涙目になりながらも果敢に言い返した。
「俺だって本音を言えば見合いなんかまだ早いと思ってる。
でも日頃のおまえの行いを見ていると焦りもするぞ、こんながさつな娘、嫁の貰い手があるのかと。
せっかく、今年の冬は方々からお見合いの話しがあったのだ、この機会に良い縁を結べればと思うのが親心というものだろう。
見合いがイヤだと言うなら日頃の行いを改めて少しはお淑やかになるのだな。
とにかく帰るぞ、これからドゥム伯爵のところに昨日のお詫びに行かねばならないからな。
全く、逃げ出した挙句、部屋に入れずに人様の部屋に転がり込むとは情けない…。」
うん?ドゥム伯爵?どこかで聞いたような…。
わたしが首を傾げているとフェイさんが耳元で囁いた。
「昨年の冬、ミルトさんに粗相をした方ですよ。
懇意にしていた商人に泣き付かれて資金援助してましたが、結局潰れてしまったので相当焦げ付いたはずです。
今頃金策に走っている頃ではないかと…。」
ああ、王家の森を開発しようとして色々と暗躍していた人か…。
「あのお、子供が口を挟むことではないかと思いますが、そのお見合いは無かった事にしたほうがよろしいかと。」
わたしがそう言うとルーナちゃんのお父さんからは案の定予想通りの言葉が返ってきた。
「先日はこの馬鹿娘をホテルまで送っていただいた上に、昨晩は泊めて頂き感謝する。
しかし、これは当家の中の話、口出しを止めてもらおう。」
まあ、至極当然の言葉だよね、でも話しておいた方がおじさんのためでもあるし…。
「口出しするつもりはないのですけど、ドゥム伯爵家が左前なのは王都の貴族の間では結構有名な話ですよ。ご存知ありませんか?」
わたしがそういった途端、ルーナちゃんのお父さんは真剣な顔で尋ねてきた。
「それは、本当のことか?ルーナ、おまえは知っていてすっぽかしたのか?」
ルーナちゃんを思いっきり首を横に振っている、本来なら子供が知っている訳ないものね。
「本当のことですよ。何なら事情に詳しい大人を紹介しますよ。
それと、ルーナちゃんに聞いても無駄なことはおじさんが一番良くわかっているのではありませんか?」
「君の話を信じない訳ではないが、子供のことだ間違った情報を鵜呑みにしているのかもしれん。
その大人というのを紹介してもらおうか、こちらも詳しい情報が知りたい。
俺は田舎貴族なんで王都の情報には正直なところ明るくないんだ。
実は俺も伯爵の方から見合い話を持ち掛けてくるというのは話がうますぎるとは思ってたんだ。」
今まだ九時前か…、宮中行事はだいたい十時頃からだと言っているから今は大丈夫かな?
あ、そうそう、ついでに一つ聞いておこう。
「ねえ、おじさん、お見合いの話がいくつも来ていると言ってたけど、お相手の貴族の家名を教えてもらえませんか?」
わたしはそう言ってルーナちゃんのお父さんの前に紙とペンを差し出した。
ルーナちゃんのお父さんは、不審に思いつつも教えてくれるようで、ペンを取って書き始める。
その間にわたしは魔導通信機を取り出して。
「おはようございます。今忙しいですか?あ、大丈夫?良かった!
ちょっとお聞きしたいことがあるのですけど、今から読み上げる家名を聞いて何か思い当たりませんか?」
わたしはそう言って、ルーナちゃんのお父さんは書いた家名を読み上げた。
すると案の定、思った通りの答えが通信機の向こうから帰ってきた。
「ええっと、急いでお伝えした方が良いと思うのでこちらに来てもらえませんか?
たぶん重要な情報だと思います。
もし、都合が付くなら精霊の泉にフェイさんに迎えに行ってもらいます。えっ、大丈夫?
じゃあ、これから迎えに行ってもらいます。」
魔導通信機の通話を終えたわたしは、ルーナちゃんのお父さんに告げる。
「今、連絡が取れました。すぐに来てくれるそうですよ。
少しの時間、お茶でも飲んで待っていましょう。」
ソールさんが淹れてくれたお茶を飲みながら待つことしばし、浴室の扉からミルトさんがフェイさんに伴われて現われた。
「…皇太子妃殿下?」
宮中行事前なのか正装姿で現れたミルトさんに驚くルーナちゃんのお父さん。
今日はティアラまで着けているのね。
「あら、アルムート男爵、珍しいわね。
先日は新年の挨拶、大儀でした。」
「事情に詳しい大人の人を連れてきました。」
泡を食っているルーナちゃんのお父さんにわたしは言った、ちょと驚かせすぎたかな…。
***********
「それでターニャちゃん、大事な話って何かな?
宮中行事を抜け出してきたのだからそれなりの成果がないと拙いのよ。
私個人としては退屈な行事をすっぽかせたので有り難いのだけどね。」
ミルトさんに問われて、わたしはルーナちゃんに来ていた見合いの件を説明した。
「まず一つ、ドゥム伯爵家の件は紛れもない事実よ、いつ破産してもおかしくない状況ね。
貴族の間では周知の事実だけど他言無用ね、不用意な一言が切欠で一気に破綻するかもしれないからね。
今は支援してくれる貴族を探しているところなのよ、信用不安の噂が流れちゃうとどこも支援してくれなくなるから。」
ミルトさんの答えに驚くルーナちゃんのお父さん、おじさんの驚きはミルトさんの答えそのものよりも、それをわたしが知っていたこととわたしがミルトさんを気軽に呼び出したことの方にあるみたい。
だって、得体が知れないものを見るような目でわたしを見ているのだもの。
「でも、ターニャちゃん、プッペ一味から金を受け取っていた貴族の名簿、よくわかったわね。
私、教えていたかしら?」
えっ、聞いてないよ。今年急に見合い話が出てきたという話とドゥム伯爵家の名前が出たのでもしかしてと思っただけだよ。
「でも呆れたわね、あいつら金蔓がなくなったので今度はお金を持っていそうな地方貴族にたかろうと言うの?
本当に取り潰してやりたいわ。
教えてくれて有り難うターニャちゃん、これなら宮中行事をすっぽかした言い訳が十分立つわ。」
ミルトさんは、犯罪の捜査中なので詳しくは説明できないと言いつつも、家名が上がった貴族はある犯罪組織から資金援助を受けており、その組織が摘発されて資金繰りに窮しているとルーナちゃんのお父さんに説明してくれた。
あいつら、収入に見合わない贅沢をしていたので元から借金が有ったらしい。
プッペ一味から受け取ったお金を借金返済に充てれば良かったのに、継続的に入ってくるのを期待して借金はそのままで贅沢を続けたそうだ。
その結果、プッペ一味が一網打尽にされて借金返済の目途が立たなくなったみたい。
どうやら、今度は堅実にお金を貯めていると目される地方貴族を血縁に取り込んで資金援助を受けるつもりだったようだ。
「私は王宮へ戻って、他の地方貴族にも同様の話が持ち掛けられていないか至急調査させるわ。
善良な地方貴族があいつらの食い物にされるのは絶対に食い止めないとね。」
そう言ってミルトさんは帰って行った。
**********
取り残されたルーナちゃんのお父さん…。
わたしを見て、奇妙なモノを見るような目で
「なんなのだ、君は?」
と言った。
詳しい話はしなかったよ、時間がかかるもの、面倒くさい…。
「今回は君のおかげで、王都の不良貴族に引っかからないで済んだよ、感謝する。
これからもルーナと仲良くしてやってくれ。
しかし、都会は怖いな、物知らずな田舎者を食い物にする貴族がいるとは思わなかったよ。」
そういってルーナちゃんのお父さんは帰って行った。
あっ、ルーナちゃん、一緒に帰らなくて良かったの? もう見合い話なくなったよ…。
「ねぇ、ルーナちゃん。今更なんだけど、お見合いすっぽかしちゃって良かったの?
お父さん、怒っているんじゃない?」
「大丈夫だよ!このくらいのことはしょっちゅうだし、親父は怒りが続かない人だから。
今日はカンカンに怒っているだろうけど、きっと、すぐにおさまるから。
二、三日したらお見合いをすっぽかしたことなんてコロッと忘れているよ。」
わたしがルーナちゃんのことを心配して尋ねると、当人はそう言って能天気に笑っている。
…本当に大丈夫なのかな、この子?。
わたしの心配をよそに、隣のベッドでは既にルーナちゃんがスヤスヤと寝息を立てている。
この子、大物だわ…。
一晩明けて次の朝、朝食を済ませてリビングで寛いでいると扉がノックされた音が響いた。
応対に出ていたフェイさんが戻って来て言う。
「寮監が見えられて、この部屋にルーナさんが訪ねて来ていないかとお尋ねですが。」
「寮監の先生が?」
「寮監の先生、もう外出から戻られたのか」と思いながら、開け放たれた扉の前まで行くとそこには寮監の先生と共に何とか怒りを抑えているというのがありありとした表情の紳士がいた。
**********
「この馬鹿娘が!見合いの当日にトンズラするとは何事だ!
おかげで俺は凄い恥をかいたのだぞ!
伯爵様自ら御子息と共にいらしたのに、おまえが姿をくらましたので大そうご立腹だったぞ。」
ああ、相当格上の家とのお見合いだったんだね。それで、さすがに堪忍袋の緒が切れたと…。
「ええっ、イヤだよ、王都の宮廷貴族だなんて堅苦しい。
結婚するなら、ボクはうちやラインちゃんちみたいな田舎貴族の家がいいな。
だいたい、お見合いなんかまだ早いって言っているじゃないか。」
部屋に入るなり頭に拳骨を落とされたルーナちゃんは、涙目になりながらも果敢に言い返した。
「俺だって本音を言えば見合いなんかまだ早いと思ってる。
でも日頃のおまえの行いを見ていると焦りもするぞ、こんながさつな娘、嫁の貰い手があるのかと。
せっかく、今年の冬は方々からお見合いの話しがあったのだ、この機会に良い縁を結べればと思うのが親心というものだろう。
見合いがイヤだと言うなら日頃の行いを改めて少しはお淑やかになるのだな。
とにかく帰るぞ、これからドゥム伯爵のところに昨日のお詫びに行かねばならないからな。
全く、逃げ出した挙句、部屋に入れずに人様の部屋に転がり込むとは情けない…。」
うん?ドゥム伯爵?どこかで聞いたような…。
わたしが首を傾げているとフェイさんが耳元で囁いた。
「昨年の冬、ミルトさんに粗相をした方ですよ。
懇意にしていた商人に泣き付かれて資金援助してましたが、結局潰れてしまったので相当焦げ付いたはずです。
今頃金策に走っている頃ではないかと…。」
ああ、王家の森を開発しようとして色々と暗躍していた人か…。
「あのお、子供が口を挟むことではないかと思いますが、そのお見合いは無かった事にしたほうがよろしいかと。」
わたしがそう言うとルーナちゃんのお父さんからは案の定予想通りの言葉が返ってきた。
「先日はこの馬鹿娘をホテルまで送っていただいた上に、昨晩は泊めて頂き感謝する。
しかし、これは当家の中の話、口出しを止めてもらおう。」
まあ、至極当然の言葉だよね、でも話しておいた方がおじさんのためでもあるし…。
「口出しするつもりはないのですけど、ドゥム伯爵家が左前なのは王都の貴族の間では結構有名な話ですよ。ご存知ありませんか?」
わたしがそういった途端、ルーナちゃんのお父さんは真剣な顔で尋ねてきた。
「それは、本当のことか?ルーナ、おまえは知っていてすっぽかしたのか?」
ルーナちゃんを思いっきり首を横に振っている、本来なら子供が知っている訳ないものね。
「本当のことですよ。何なら事情に詳しい大人を紹介しますよ。
それと、ルーナちゃんに聞いても無駄なことはおじさんが一番良くわかっているのではありませんか?」
「君の話を信じない訳ではないが、子供のことだ間違った情報を鵜呑みにしているのかもしれん。
その大人というのを紹介してもらおうか、こちらも詳しい情報が知りたい。
俺は田舎貴族なんで王都の情報には正直なところ明るくないんだ。
実は俺も伯爵の方から見合い話を持ち掛けてくるというのは話がうますぎるとは思ってたんだ。」
今まだ九時前か…、宮中行事はだいたい十時頃からだと言っているから今は大丈夫かな?
あ、そうそう、ついでに一つ聞いておこう。
「ねえ、おじさん、お見合いの話がいくつも来ていると言ってたけど、お相手の貴族の家名を教えてもらえませんか?」
わたしはそう言ってルーナちゃんのお父さんの前に紙とペンを差し出した。
ルーナちゃんのお父さんは、不審に思いつつも教えてくれるようで、ペンを取って書き始める。
その間にわたしは魔導通信機を取り出して。
「おはようございます。今忙しいですか?あ、大丈夫?良かった!
ちょっとお聞きしたいことがあるのですけど、今から読み上げる家名を聞いて何か思い当たりませんか?」
わたしはそう言って、ルーナちゃんのお父さんは書いた家名を読み上げた。
すると案の定、思った通りの答えが通信機の向こうから帰ってきた。
「ええっと、急いでお伝えした方が良いと思うのでこちらに来てもらえませんか?
たぶん重要な情報だと思います。
もし、都合が付くなら精霊の泉にフェイさんに迎えに行ってもらいます。えっ、大丈夫?
じゃあ、これから迎えに行ってもらいます。」
魔導通信機の通話を終えたわたしは、ルーナちゃんのお父さんに告げる。
「今、連絡が取れました。すぐに来てくれるそうですよ。
少しの時間、お茶でも飲んで待っていましょう。」
ソールさんが淹れてくれたお茶を飲みながら待つことしばし、浴室の扉からミルトさんがフェイさんに伴われて現われた。
「…皇太子妃殿下?」
宮中行事前なのか正装姿で現れたミルトさんに驚くルーナちゃんのお父さん。
今日はティアラまで着けているのね。
「あら、アルムート男爵、珍しいわね。
先日は新年の挨拶、大儀でした。」
「事情に詳しい大人の人を連れてきました。」
泡を食っているルーナちゃんのお父さんにわたしは言った、ちょと驚かせすぎたかな…。
***********
「それでターニャちゃん、大事な話って何かな?
宮中行事を抜け出してきたのだからそれなりの成果がないと拙いのよ。
私個人としては退屈な行事をすっぽかせたので有り難いのだけどね。」
ミルトさんに問われて、わたしはルーナちゃんに来ていた見合いの件を説明した。
「まず一つ、ドゥム伯爵家の件は紛れもない事実よ、いつ破産してもおかしくない状況ね。
貴族の間では周知の事実だけど他言無用ね、不用意な一言が切欠で一気に破綻するかもしれないからね。
今は支援してくれる貴族を探しているところなのよ、信用不安の噂が流れちゃうとどこも支援してくれなくなるから。」
ミルトさんの答えに驚くルーナちゃんのお父さん、おじさんの驚きはミルトさんの答えそのものよりも、それをわたしが知っていたこととわたしがミルトさんを気軽に呼び出したことの方にあるみたい。
だって、得体が知れないものを見るような目でわたしを見ているのだもの。
「でも、ターニャちゃん、プッペ一味から金を受け取っていた貴族の名簿、よくわかったわね。
私、教えていたかしら?」
えっ、聞いてないよ。今年急に見合い話が出てきたという話とドゥム伯爵家の名前が出たのでもしかしてと思っただけだよ。
「でも呆れたわね、あいつら金蔓がなくなったので今度はお金を持っていそうな地方貴族にたかろうと言うの?
本当に取り潰してやりたいわ。
教えてくれて有り難うターニャちゃん、これなら宮中行事をすっぽかした言い訳が十分立つわ。」
ミルトさんは、犯罪の捜査中なので詳しくは説明できないと言いつつも、家名が上がった貴族はある犯罪組織から資金援助を受けており、その組織が摘発されて資金繰りに窮しているとルーナちゃんのお父さんに説明してくれた。
あいつら、収入に見合わない贅沢をしていたので元から借金が有ったらしい。
プッペ一味から受け取ったお金を借金返済に充てれば良かったのに、継続的に入ってくるのを期待して借金はそのままで贅沢を続けたそうだ。
その結果、プッペ一味が一網打尽にされて借金返済の目途が立たなくなったみたい。
どうやら、今度は堅実にお金を貯めていると目される地方貴族を血縁に取り込んで資金援助を受けるつもりだったようだ。
「私は王宮へ戻って、他の地方貴族にも同様の話が持ち掛けられていないか至急調査させるわ。
善良な地方貴族があいつらの食い物にされるのは絶対に食い止めないとね。」
そう言ってミルトさんは帰って行った。
**********
取り残されたルーナちゃんのお父さん…。
わたしを見て、奇妙なモノを見るような目で
「なんなのだ、君は?」
と言った。
詳しい話はしなかったよ、時間がかかるもの、面倒くさい…。
「今回は君のおかげで、王都の不良貴族に引っかからないで済んだよ、感謝する。
これからもルーナと仲良くしてやってくれ。
しかし、都会は怖いな、物知らずな田舎者を食い物にする貴族がいるとは思わなかったよ。」
そういってルーナちゃんのお父さんは帰って行った。
あっ、ルーナちゃん、一緒に帰らなくて良かったの? もう見合い話なくなったよ…。
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