221 / 508
第9章 王都の冬
第220話 王都の孤児院
しおりを挟む
年が明けてから早三日、ルーナちゃんをホテルに送った時から止むことなく雪は降り続いている。雪景色がきれいなどと言ってられない状況だ、だって積雪は既にわたしの背丈を越えているし…。
外に出ることは諦めて大人しく部屋に篭っていようと思っていたら魔導通信機の呼び出し音が鳴った。
けたましい音に何事かと思ったよ、着信は初めてなんだけどこんなやかましい音がするんだ…。
「おはよう、ターニャちゃん、今大丈夫かな?」
通信機の向こうからミルトさんの声がする。わたしがおはようの挨拶を返し、問題ないことを告げるとミルトさんは用件を話しだした。
「マリアさんから助けを求められているの。
王都の孤児院で性質の悪い風邪が流行りだしたみたいなのよ。
年明け数日で保護している子供の過半数が感染しちゃって手に負えないらしいの。
申し訳ないけど、手伝ってもらえないかな。
私もフローラを連れて行くつもりなんだけど、宮中行事があって午前中は抜けられないのよ。」
もちろん、ハイと答えたよ。部屋に篭っていてもやることもないし、何よりミーナちゃんが凄く乗り気だから。
両親をなくしてから酷い叔父さんのせいでつらい思いをしたミーナちゃんは、親のない子がどんなに大変かを知っているのでこういうことには積極的なんだ。
ミルトさんからの通信からほどなくして、マリアさんが王宮から送られてきた。
わたし達はマリアさんの案内で王都の孤児院に向かうことになった。
**********
大雪の中をわたし達を乗せた魔導車は歩くよりはましという速度でノロノロと走っていく。
その間、わたしはマリアさんから王都の孤児院について聞いていた。
この国は、王祖ヴァイスハイトが孤児であったと伝えられており、ヴァイスハイトが孤児の保護に力を注いだこともあって、身寄りのない子供に対する対応が行き届いていると言われている。
この国では、身寄りのない子を受け入れる施設は全て国営で一般の人が行う事を認めていないそうだ。それは、身寄りのない子供を食い物にするような施設が出来るのを防止するためらしい。
施設は孤児院と養育院の二系列に分かれており、捨て子や両親がさしたる財産を残さずに亡くなった子を受け入れているのが孤児院、両親が十分な財産を持っていた子が身寄りをなくした場合に受け入れているのが養育院だそうだ。
養育院は、ミーナちゃんが経験したような心無い親族によって相続財産が不当に奪われる事態を防ぐのが目的らしい。
親の残した財産を親族その他に不当に奪われることを防ぐため、相続財産を国が管理してその財産を使って身寄りをなくした子が成人するまで保護する施設だそうだ。
もちろん、その子が成人して施設を出るときに余剰資産があれば返還されるのだって。
つまり、養育院は親が残した自分の財産で成人するまで生活する場所だね。
一方で孤児院は国の予算、つまりは国民の税金で営まれている。
実際は、国の予算だけではなく、王立学園の学園祭の売上金みたいな寄付金も孤児院の大きな財源らしい。王家や貴族からの寄付も大きいらしいよ。
養育院と孤児院の大きな違いは、生活面では養育院はある程度の資産を持つ子供が保護されているためそれなりの贅沢も許されるのに対して、孤児院は子供の待遇が一律で贅沢は許されないこと。
贅沢は許されないと言ってもそれで子供達が世間から蔑まれることが無いように、常に平均的な暮らしが出来るようにと予算措置はされているそうだ。
もっと大きな違いは教育面で、養育院は中等国民学校まで通える資産があることを前提に受け入れているようで、基本的には中等国民学校までは卒業することになっている。
一方で、孤児院の子供は義務教育である初等国民学校までだそうだ。もっとも、成績が優秀な子には奨学金で中等、高等国民学校に通う道も開かれているそうだがそういう子供は少ないらしい。
そんな事を教えてもらっている間にわたし達は王都に外れにある孤児院に到着した。
孤児院は王都の南側の住宅街の外れにあり、広い敷地に平屋建の木造の建物が数棟建っている。木造の建物は結構しっかりとした造りで、農村の村長のお屋敷よりもずっと立派に見える。
別棟は、冬場の運動施設と初等国民学校を卒業した後職業訓練を行う施設らしい。
**********
正面玄関から孤児院の中に入るときちんと清掃が行き届いており、清潔な環境で孤児達が暮らしているのがわかった。
マリアさんが職員室へわたし達の到着を伝えに行くと人の良さそうな初老の婦人が出てきて言った。
「まあまあ、可愛らしい治癒術師さんたちね。
おはようございます。私はヘラ、この孤児院の院長です。
今日は大雪の中わざわざ来てもらって有り難う、とても助かるわ。」
ヘラさんは挨拶のあと、風邪の状況について教えてくれた。
年明け初日に発熱で動けなくなる子が出てから、今日までの三日間で三十人の子供が高熱を出し、頭痛やのどの痛みを訴えているらしい。
去年、ポルトへ行く途中の町で診た風邪ひきさんと同じ症状だね。
この孤児院に住む孤児は全部で六十四人、全員が二人部屋で生活しているそうだ。
いま、風邪をひいている子供は全員自室で寝ているらしい。
冬場、この施設の子供たちは暖炉の薪を節約するため、昼間は談話室に集まっているそうだ。
六十人以上の子供が入れる広さがある部屋らしいが、暖炉の火によって部屋は乾燥しており、多くの子供が一ヶ所に集まっている。
うん、一人が風邪を持ち込んだら、みんなうつっちゃうね…。
昨年、フェイさんから教えてもらったんだ、このタイプの風邪は目に見えない小さな生き物が体の中に入り込んで悪さをしているんだって。
その小さな生き物は咳に混じって人から人へ感染するという。とっても軽いので乾燥していると回りに飛び散りやすい一方で、湿気が多いと飛び散り難くなりうつりにくくなるそうだ。
マリアさんはヘラさんに談話室を乾燥させすぎないようにと注意をし、壁際に濡れた布を掛けておくとか、洗濯物を談話室に干すのも良いと助言していた。
わたしとミーナちゃんは風邪をひいて寝込んでいるこの寝室を回って治療を施していく。
わたしは光のおチビちゃん達に風邪をひいた子の体の中から風邪の症状を引き起こしてい小さな生物を消し去るように『浄化』の術を使うようにお願いする。
そして、それが終ったら風邪で弱った体力を回復させるための『癒し』を水のおチビちゃん達に施してもらう。
この二つを組み合わせて施すことにより、風邪の治療を行っていく。
何とかお昼前には、風邪をひいた子全員の治療を終えて職員室に戻ることが出来たよ。
職員室に向かって歩いていると途中にあった掲示板に、
『外から帰ってら手を洗ってうがいをしましょう』
と書いた紙がデカデカと掲げられていた。マリアさん、精霊神殿から持ってきたんだね…。
全員の治療が終わったことを伝えるために職員室に入ると、その応接では院長が身なりの良いおばあちゃんと話をしているところだった。
そのおばあちゃんはわたし達が風邪の治療をしていたところを見ていたようで、わたし達に向かって言った。
「あんたら、小さいのに凄いね、感心したよ。
どっちでも良いから、良かったら私のひ孫のところに嫁に来ないかい。」
はあぁ…?
外に出ることは諦めて大人しく部屋に篭っていようと思っていたら魔導通信機の呼び出し音が鳴った。
けたましい音に何事かと思ったよ、着信は初めてなんだけどこんなやかましい音がするんだ…。
「おはよう、ターニャちゃん、今大丈夫かな?」
通信機の向こうからミルトさんの声がする。わたしがおはようの挨拶を返し、問題ないことを告げるとミルトさんは用件を話しだした。
「マリアさんから助けを求められているの。
王都の孤児院で性質の悪い風邪が流行りだしたみたいなのよ。
年明け数日で保護している子供の過半数が感染しちゃって手に負えないらしいの。
申し訳ないけど、手伝ってもらえないかな。
私もフローラを連れて行くつもりなんだけど、宮中行事があって午前中は抜けられないのよ。」
もちろん、ハイと答えたよ。部屋に篭っていてもやることもないし、何よりミーナちゃんが凄く乗り気だから。
両親をなくしてから酷い叔父さんのせいでつらい思いをしたミーナちゃんは、親のない子がどんなに大変かを知っているのでこういうことには積極的なんだ。
ミルトさんからの通信からほどなくして、マリアさんが王宮から送られてきた。
わたし達はマリアさんの案内で王都の孤児院に向かうことになった。
**********
大雪の中をわたし達を乗せた魔導車は歩くよりはましという速度でノロノロと走っていく。
その間、わたしはマリアさんから王都の孤児院について聞いていた。
この国は、王祖ヴァイスハイトが孤児であったと伝えられており、ヴァイスハイトが孤児の保護に力を注いだこともあって、身寄りのない子供に対する対応が行き届いていると言われている。
この国では、身寄りのない子を受け入れる施設は全て国営で一般の人が行う事を認めていないそうだ。それは、身寄りのない子供を食い物にするような施設が出来るのを防止するためらしい。
施設は孤児院と養育院の二系列に分かれており、捨て子や両親がさしたる財産を残さずに亡くなった子を受け入れているのが孤児院、両親が十分な財産を持っていた子が身寄りをなくした場合に受け入れているのが養育院だそうだ。
養育院は、ミーナちゃんが経験したような心無い親族によって相続財産が不当に奪われる事態を防ぐのが目的らしい。
親の残した財産を親族その他に不当に奪われることを防ぐため、相続財産を国が管理してその財産を使って身寄りをなくした子が成人するまで保護する施設だそうだ。
もちろん、その子が成人して施設を出るときに余剰資産があれば返還されるのだって。
つまり、養育院は親が残した自分の財産で成人するまで生活する場所だね。
一方で孤児院は国の予算、つまりは国民の税金で営まれている。
実際は、国の予算だけではなく、王立学園の学園祭の売上金みたいな寄付金も孤児院の大きな財源らしい。王家や貴族からの寄付も大きいらしいよ。
養育院と孤児院の大きな違いは、生活面では養育院はある程度の資産を持つ子供が保護されているためそれなりの贅沢も許されるのに対して、孤児院は子供の待遇が一律で贅沢は許されないこと。
贅沢は許されないと言ってもそれで子供達が世間から蔑まれることが無いように、常に平均的な暮らしが出来るようにと予算措置はされているそうだ。
もっと大きな違いは教育面で、養育院は中等国民学校まで通える資産があることを前提に受け入れているようで、基本的には中等国民学校までは卒業することになっている。
一方で、孤児院の子供は義務教育である初等国民学校までだそうだ。もっとも、成績が優秀な子には奨学金で中等、高等国民学校に通う道も開かれているそうだがそういう子供は少ないらしい。
そんな事を教えてもらっている間にわたし達は王都に外れにある孤児院に到着した。
孤児院は王都の南側の住宅街の外れにあり、広い敷地に平屋建の木造の建物が数棟建っている。木造の建物は結構しっかりとした造りで、農村の村長のお屋敷よりもずっと立派に見える。
別棟は、冬場の運動施設と初等国民学校を卒業した後職業訓練を行う施設らしい。
**********
正面玄関から孤児院の中に入るときちんと清掃が行き届いており、清潔な環境で孤児達が暮らしているのがわかった。
マリアさんが職員室へわたし達の到着を伝えに行くと人の良さそうな初老の婦人が出てきて言った。
「まあまあ、可愛らしい治癒術師さんたちね。
おはようございます。私はヘラ、この孤児院の院長です。
今日は大雪の中わざわざ来てもらって有り難う、とても助かるわ。」
ヘラさんは挨拶のあと、風邪の状況について教えてくれた。
年明け初日に発熱で動けなくなる子が出てから、今日までの三日間で三十人の子供が高熱を出し、頭痛やのどの痛みを訴えているらしい。
去年、ポルトへ行く途中の町で診た風邪ひきさんと同じ症状だね。
この孤児院に住む孤児は全部で六十四人、全員が二人部屋で生活しているそうだ。
いま、風邪をひいている子供は全員自室で寝ているらしい。
冬場、この施設の子供たちは暖炉の薪を節約するため、昼間は談話室に集まっているそうだ。
六十人以上の子供が入れる広さがある部屋らしいが、暖炉の火によって部屋は乾燥しており、多くの子供が一ヶ所に集まっている。
うん、一人が風邪を持ち込んだら、みんなうつっちゃうね…。
昨年、フェイさんから教えてもらったんだ、このタイプの風邪は目に見えない小さな生き物が体の中に入り込んで悪さをしているんだって。
その小さな生き物は咳に混じって人から人へ感染するという。とっても軽いので乾燥していると回りに飛び散りやすい一方で、湿気が多いと飛び散り難くなりうつりにくくなるそうだ。
マリアさんはヘラさんに談話室を乾燥させすぎないようにと注意をし、壁際に濡れた布を掛けておくとか、洗濯物を談話室に干すのも良いと助言していた。
わたしとミーナちゃんは風邪をひいて寝込んでいるこの寝室を回って治療を施していく。
わたしは光のおチビちゃん達に風邪をひいた子の体の中から風邪の症状を引き起こしてい小さな生物を消し去るように『浄化』の術を使うようにお願いする。
そして、それが終ったら風邪で弱った体力を回復させるための『癒し』を水のおチビちゃん達に施してもらう。
この二つを組み合わせて施すことにより、風邪の治療を行っていく。
何とかお昼前には、風邪をひいた子全員の治療を終えて職員室に戻ることが出来たよ。
職員室に向かって歩いていると途中にあった掲示板に、
『外から帰ってら手を洗ってうがいをしましょう』
と書いた紙がデカデカと掲げられていた。マリアさん、精霊神殿から持ってきたんだね…。
全員の治療が終わったことを伝えるために職員室に入ると、その応接では院長が身なりの良いおばあちゃんと話をしているところだった。
そのおばあちゃんはわたし達が風邪の治療をしていたところを見ていたようで、わたし達に向かって言った。
「あんたら、小さいのに凄いね、感心したよ。
どっちでも良いから、良かったら私のひ孫のところに嫁に来ないかい。」
はあぁ…?
5
お気に入りに追加
2,314
あなたにおすすめの小説

俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?
八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ
『壽命 懸(じゅみょう かける)』
しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。
だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。
異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる