26 / 508
第2章 オストマルク王立学園
第25話 フローラ姫とミルト皇太子妃
しおりを挟む
フローラ王女の治療を行ってから三日後、わたしとミーナちゃんはウンディーネおかあさんと一緒に再び精霊の泉を訪れた。
今回は事前に伝えてあったようで。泉の前に王様が待ち受けていた。
本当にフットワーク軽いな、この王様。
王様の案内で、フローラ王女の部屋を訪れると、壮年の美男美女とフローラ王女が姿勢を正して待っていた。
「泉の精霊様、こちらが私の長男のトロイ、フローラの父親でこの国の皇太子です。
その隣にいるのが、フローラの母親で皇太子妃のミルトです。」
王様が、壮年の二人を紹介してくれた。フローラ王女の両親なんだ。
「フローラ、こちらがこの国の王祖様の育ての親であられる泉の精霊様だ。
それと、一緒におられるのがフローラの治療をしてくれたティターニア様とミーナ様だ。
ご挨拶をなさい。」
王様が、わたし達の紹介をしてくれた。わたし達を様付けしてよぶ必要ないのに。
「泉の精霊様、ティターニア様、ミーナ様、フローラでございます。
この度は、わたくしが危ないところお救いいただき有り難うございました。」
「うむ、礼儀正しい良い子だ。しっかりとヴァイスハイトの血を受け継いでいるようであるな。
これからも、心清く成長するのであるぞ。
それで今日ここを訪れた用件であるが、フローラ、お前に精霊の力を借りるすべを授けようと思ってな。
具体的なやり方は、この二人に教えてもらうとよい。
チビ共、これ以降フローラの前に姿を現すことを許可する、同時にフローラの望みに従い力を貸すことも許す。」
「可愛い…、こちらも精霊様ですか?」
「そうだぞ、今見えるようになった精霊達は、普段からお前を慕って傍におったのだが、人と関わりを持たないという精霊の掟に従い姿を隠していたのだ。
そのクラスの精霊は自分と相性の良い者にしか見えない。
逆に言うと、今お前が見える精霊はお前と相性が良いという事だ、色々と力を貸してくれるだろう。」
フローラ王女に見えているのは十五体くらいか?
ミーナちゃんと同じくらいと思ってミーナちゃんを見たら、倍くらいに増えていた。
ここにいるおチビたちは、ミーナちゃんと相性が良いらしい、名前をつけるの大変だ。
「これが、精霊…?」
そのときあらぬ方向から声がした。
声の方向を見ると、おチビが三体、ミルト皇太子妃にしがみついている。
ミルト皇太子妃の頭に光の精霊が一体、肩の上に水の精霊が一体、ふくらはぎに木の精霊が一体しがみついて離れそうにない。
「ほう、これは驚いた。ずいぶんと懐かれているではないか。
よいよい、お前達、ミルトの力になってやると良い。
ミルトよ、予定外ではあるがおぬしにも精霊の力を借りる素養があったようだ。
三体と数は少ないが、良い属性のものなので仲良くなれば色々と便利だぞ。」
確かに、光と水の精霊さんの力を借りればたいていの怪我や病気は治せるし、水と木の精霊さんの力を借りれば作物の実りは保証されたようなものだ。
まあ、一体ずつじゃ、そんな大きなことは出来ないけどね。
**********
今は、フローラ王女の部屋には、フロ-ラ王女、ミルト皇太子妃、ミーナちゃん、そしてわたしがいる。
これから精霊さんにお願いをする練習だ。
その前に、
「フローラ王女様、わたしのことはターニャとお呼びください。様付けは不要です。」
「わたしもミーナとお呼びください。平民の私が王族の方に様付けされるなど恐れ多いです。」
ミーナちゃんの言うとおり、王女様に様付けされてしまうと何か落ち着かない。
「いえ、ティターニア様も、ミーナ様も王祖様と同格のお方、とても呼び捨てになど出来ませんわ。」
「でも、そういう意味なら、フローラ王女様もウンディーネおかあさんの加護を貰ったんだから王祖様と同格だよ。
だったら、わたしはフローラちゃんって呼ぶから、わたしのことはターニャって呼んで。」
「そうおっしゃるのでしたら、ターニャちゃん、ミーナちゃんと呼ばせていただきます。」
こうしてお互いの呼び方を決めて、さっそく精霊の力の使い方の練習を始めた。
ミーナちゃんの教えたとこと同じ、一番大事なのはおチビちゃん達と仲良くなって意思の疎通に齟齬をなくすこと。
自分のやりたいことをはっきりおチビちゃんに伝えられないと、思ったとおりの結果にならないから。
それと、おチビちゃんにご褒美としてあげるマナの放出の仕方、最初はこれが難しい。
ミーナちゃんのときと同じように、わたしはフローラちゃんの手を取って指先からわたしのマナを流し込んでマナの感覚を掴んでもらい、マナを引き上げることにより外に放出する感覚を掴んでもらった。
同じ事をミルト皇太子妃にもしてみたが、驚くことにミルト皇太子妃は一発で出来るようになってしまった。
さすがに三体のおチビちゃんにべったり懐かれていただけあって、マナの放出を覚えるとあっという間に精霊の力を使いこなしていた。
「皇太子妃様、凄いです。もう蕾の花を咲かせることが出来るんですね。」
フローラちゃんがマナの放出を出来るようになったので、今日の練習を終わりにしようかと思っていたところで、ミルト皇太子妃が花瓶に挿してある花の蕾を咲かせて見せた。
「ミーナちゃん、皇太子妃様なんて固いです。泉の精霊様をウンディーネおばさまと呼んでいるですから、私のこともミルトおばさまと呼んでください。」
皇太子妃を賞賛したミーナちゃんに対する返答はこれだった。
さすがにミーナちゃんは躊躇ったが押しの強い皇太子妃に押し切られて『ミルトおばさま』と呼ぶことになってしまった。
************
練習を終えてみんなで談笑していたら、ウンディーネおかあさんが王様と一緒に戻って来た。
「ターニャ、ミーナ、今度の休日に精霊神殿で奉仕活動として、病気と怪我の治療を行うぞ。
当然、フローラにも精霊神殿の看板娘として参加してもらうから、それまでに治癒術を仕込んでおくのだぞ。」
いきなりですね、ウンディーネおかあさん。
どうしたのか訊いてみると、例の精霊神殿への嫌がらせの件を王様から聞いたらしい。
ウンディーネおかあさんも少し精霊神殿の権威を回復しようと思ったそうだ。
精霊神殿を祀っている王家の姫が、王祖様が使っていたという奇跡の力を使って見せれば宣伝効果が抜群と踏んだようだ。
ウンディーネかあさんの無茶振りで、わたし達は次の休日に精霊神殿で奉仕活動をすることになった。
ところで、ミルトおばさまが、やる気満々なのですが良いのでしょうか?
今回は事前に伝えてあったようで。泉の前に王様が待ち受けていた。
本当にフットワーク軽いな、この王様。
王様の案内で、フローラ王女の部屋を訪れると、壮年の美男美女とフローラ王女が姿勢を正して待っていた。
「泉の精霊様、こちらが私の長男のトロイ、フローラの父親でこの国の皇太子です。
その隣にいるのが、フローラの母親で皇太子妃のミルトです。」
王様が、壮年の二人を紹介してくれた。フローラ王女の両親なんだ。
「フローラ、こちらがこの国の王祖様の育ての親であられる泉の精霊様だ。
それと、一緒におられるのがフローラの治療をしてくれたティターニア様とミーナ様だ。
ご挨拶をなさい。」
王様が、わたし達の紹介をしてくれた。わたし達を様付けしてよぶ必要ないのに。
「泉の精霊様、ティターニア様、ミーナ様、フローラでございます。
この度は、わたくしが危ないところお救いいただき有り難うございました。」
「うむ、礼儀正しい良い子だ。しっかりとヴァイスハイトの血を受け継いでいるようであるな。
これからも、心清く成長するのであるぞ。
それで今日ここを訪れた用件であるが、フローラ、お前に精霊の力を借りるすべを授けようと思ってな。
具体的なやり方は、この二人に教えてもらうとよい。
チビ共、これ以降フローラの前に姿を現すことを許可する、同時にフローラの望みに従い力を貸すことも許す。」
「可愛い…、こちらも精霊様ですか?」
「そうだぞ、今見えるようになった精霊達は、普段からお前を慕って傍におったのだが、人と関わりを持たないという精霊の掟に従い姿を隠していたのだ。
そのクラスの精霊は自分と相性の良い者にしか見えない。
逆に言うと、今お前が見える精霊はお前と相性が良いという事だ、色々と力を貸してくれるだろう。」
フローラ王女に見えているのは十五体くらいか?
ミーナちゃんと同じくらいと思ってミーナちゃんを見たら、倍くらいに増えていた。
ここにいるおチビたちは、ミーナちゃんと相性が良いらしい、名前をつけるの大変だ。
「これが、精霊…?」
そのときあらぬ方向から声がした。
声の方向を見ると、おチビが三体、ミルト皇太子妃にしがみついている。
ミルト皇太子妃の頭に光の精霊が一体、肩の上に水の精霊が一体、ふくらはぎに木の精霊が一体しがみついて離れそうにない。
「ほう、これは驚いた。ずいぶんと懐かれているではないか。
よいよい、お前達、ミルトの力になってやると良い。
ミルトよ、予定外ではあるがおぬしにも精霊の力を借りる素養があったようだ。
三体と数は少ないが、良い属性のものなので仲良くなれば色々と便利だぞ。」
確かに、光と水の精霊さんの力を借りればたいていの怪我や病気は治せるし、水と木の精霊さんの力を借りれば作物の実りは保証されたようなものだ。
まあ、一体ずつじゃ、そんな大きなことは出来ないけどね。
**********
今は、フローラ王女の部屋には、フロ-ラ王女、ミルト皇太子妃、ミーナちゃん、そしてわたしがいる。
これから精霊さんにお願いをする練習だ。
その前に、
「フローラ王女様、わたしのことはターニャとお呼びください。様付けは不要です。」
「わたしもミーナとお呼びください。平民の私が王族の方に様付けされるなど恐れ多いです。」
ミーナちゃんの言うとおり、王女様に様付けされてしまうと何か落ち着かない。
「いえ、ティターニア様も、ミーナ様も王祖様と同格のお方、とても呼び捨てになど出来ませんわ。」
「でも、そういう意味なら、フローラ王女様もウンディーネおかあさんの加護を貰ったんだから王祖様と同格だよ。
だったら、わたしはフローラちゃんって呼ぶから、わたしのことはターニャって呼んで。」
「そうおっしゃるのでしたら、ターニャちゃん、ミーナちゃんと呼ばせていただきます。」
こうしてお互いの呼び方を決めて、さっそく精霊の力の使い方の練習を始めた。
ミーナちゃんの教えたとこと同じ、一番大事なのはおチビちゃん達と仲良くなって意思の疎通に齟齬をなくすこと。
自分のやりたいことをはっきりおチビちゃんに伝えられないと、思ったとおりの結果にならないから。
それと、おチビちゃんにご褒美としてあげるマナの放出の仕方、最初はこれが難しい。
ミーナちゃんのときと同じように、わたしはフローラちゃんの手を取って指先からわたしのマナを流し込んでマナの感覚を掴んでもらい、マナを引き上げることにより外に放出する感覚を掴んでもらった。
同じ事をミルト皇太子妃にもしてみたが、驚くことにミルト皇太子妃は一発で出来るようになってしまった。
さすがに三体のおチビちゃんにべったり懐かれていただけあって、マナの放出を覚えるとあっという間に精霊の力を使いこなしていた。
「皇太子妃様、凄いです。もう蕾の花を咲かせることが出来るんですね。」
フローラちゃんがマナの放出を出来るようになったので、今日の練習を終わりにしようかと思っていたところで、ミルト皇太子妃が花瓶に挿してある花の蕾を咲かせて見せた。
「ミーナちゃん、皇太子妃様なんて固いです。泉の精霊様をウンディーネおばさまと呼んでいるですから、私のこともミルトおばさまと呼んでください。」
皇太子妃を賞賛したミーナちゃんに対する返答はこれだった。
さすがにミーナちゃんは躊躇ったが押しの強い皇太子妃に押し切られて『ミルトおばさま』と呼ぶことになってしまった。
************
練習を終えてみんなで談笑していたら、ウンディーネおかあさんが王様と一緒に戻って来た。
「ターニャ、ミーナ、今度の休日に精霊神殿で奉仕活動として、病気と怪我の治療を行うぞ。
当然、フローラにも精霊神殿の看板娘として参加してもらうから、それまでに治癒術を仕込んでおくのだぞ。」
いきなりですね、ウンディーネおかあさん。
どうしたのか訊いてみると、例の精霊神殿への嫌がらせの件を王様から聞いたらしい。
ウンディーネおかあさんも少し精霊神殿の権威を回復しようと思ったそうだ。
精霊神殿を祀っている王家の姫が、王祖様が使っていたという奇跡の力を使って見せれば宣伝効果が抜群と踏んだようだ。
ウンディーネかあさんの無茶振りで、わたし達は次の休日に精霊神殿で奉仕活動をすることになった。
ところで、ミルトおばさまが、やる気満々なのですが良いのでしょうか?
41
お気に入りに追加
2,315
あなたにおすすめの小説

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる