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第二三章 時は緩やかに流れて…
第812話 にっぽん爺と会って驚いてたよ…
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ハテノ辺境伯のお屋敷から辺境の街に戻ったおいら達はその足でにっぽん爺のお屋敷に向かったの。
屋敷に着いて早々、ライム姉ちゃんをにっぽん爺に引き合わせることになったのだけど。
部屋の中で出迎えてくれたにっぽん爺とカズミ姉ちゃんを目にして。
「……。」
ライム姉ちゃんは呆然とした表情で言葉を失ってたの。
「ライム様、どうかなされましたか?」
カズミ姉ちゃんが心配そうに声を掛けると。
「あっ、ぼうっとしてしまい失礼しました。
そちらがカズト様で御座いますか?
ミント公爵様と親しい間柄の。」
「はい、私の実父でもあるカズト・ツチヤで間違いございませんが。
何か、気になることでも?」
「いえ、カズト様は六十歳過ぎと伺っていたものですから。
余りのお若いことに驚きまして…。」
カズミ姉ちゃんと並ぶと普通に父娘にしか見えないにっぽん爺に違和感を感じているとみたい。
普通なら祖父と孫に見えてもおかしくない年の差だからね。
「これもマリア様のおかげです。
マリア様に若返りの妙薬を戴いて、私と出会った頃の姿に戻りました。
数日前までは老齢のため、命の灯火が消えようとしてたのですよ。」
そんな説明をしたミントさんは、頬を赤らめて「あっちの方も若返って嬉しい。」とか呟いてた。
「予想外のことで、なんと申し上げて良いのやら…。」
若返りの薬と聞いて、ライム姉ちゃんはまさに言葉を失ったって雰囲気だったよ。
そんなライム姉ちゃんに…。
「ハテノ辺境伯様であられますか。
カズト・ツチヤと申します。
お目に掛かれて光栄です。」
と挨拶をするにっぽん爺。
「これはとんだご無礼を、驚きの余り言葉に詰まってしまい…。
本日は突然訪問いたしまして申し訳ございません。
この地の領主を務めているライム・ド・ハテノと申します。」
惚けているところへ声を掛けられて、ライム姉ちゃんは慌てて挨拶を返してた。
「驚くのは無理もございません。
実際、数日前までは加齢のため起き上がるのも困難でした。
いつお迎えが来てもおかしくないありさまだったのです。」
タロウを保護したことに感謝したマリアさんが、そのお礼として薬を与えてくれたと明かしたんだ。
にっぽん爺から幼子二人を残して逝くことが心残りだと聞き、一番の贈り物をくれたと。
「そんな事情があったのですか…。
マリア様は本当に人知を超えた力をお持ちなのですね。」
にっぽん爺の言葉に、ライム姉ちゃんはいたく感心していたよ。
「人知を超えたりはしていませんよ。
アレはまさに人知の結晶です。
後千年位知識を磨けば、この世界でもきっと作れます。
そのための『カレッジ』の創設ですもの。」
まるで人ならざる者みたいなライム姉ちゃんの評価に、マリアさんはあくまで人の力だと訂正してたよ。
**********
にっぽん爺が若がえったって話題で呆然としてたライム姉ちゃんだけど。
「そうでした。
本日は、その『カレッジ』のお話をするためにお伺いしました。」
マリアさんからカレッジ創設って言葉を聞いて、本題を思い出したみたい。
「これは、とんだお手数をお掛けし申し訳ございません。
わざわざご領主様に足を運んで頂かなくとも。
何方か事務方を寄こしてくだされば良かったのに。」
にっぽん爺は大したことでは無いように言うのだけど。
「いいえ、そんな訳には参りません。
その創設に当たり屋敷を提供してくださるとの事ではございませんか。
図書館にしても、元々はカズト様個人が譲り受けた書物を寄贈してくださるそうですし。
領地に多大な貢献をして戴くのですから、領主の私が出向くのは当然のことです。」
「そんな大げさな…。
提供するのは、元々空き家となっている屋敷ですし。
書物だって私一人では持て余してしまいます。
知識は多くの人で共有してこそ意味があるのですから。
広く門戸を開くのは当然のことですよ。」
「いいえ、大げさではございません。
改めてカズト様のご厚情に深く感謝致します。
と同時に、今度の計画、領主として出来る限りの支援を約束いたします。」
まあ、こんなやり取りがあって、図書館とカレッジの計画の打ち合わせが始まったんだ。
「この屋敷は…。」
かつて手放した別邸を目にして感慨深げなライム姉ちゃん。
「はい、ここが図書館とカレッジの創立予定地です。
ご領主様の別邸として使われていたそうですね。
ここの建物はこのまま活用する計画です。
とても堅固かつ荘厳な造りで、全く劣化していませんので。」
華麗な庭園をそのまま保存したとしても、敷地に十分に増築の余地があるのもポイントだとにっぽん爺は言ってたよ。
建物が手狭になったら、新たな建物を建設できるからって。
幾何学模様に整備された美しい庭園はそのまま残して、施設利用者の憩いの場にしたいんだって。
「このお屋敷、ずっと手入れして下さっていたのですね。
もう五十年も空き家となっていたはずなのに…。
全然、朽ちた様子が御座いませんわ。」
「はい、建物もお庭も、とても良い造りです。
朽ち果てさせては貴重な文化財の喪失になりますから。
ミント様からお伝えしていると思いますが。
今後、この施設の維持管理をお任せしてもよろしいでしょうか。」
「もちろんです。
代々の領主が維持してきたお屋敷ですもの。
喜んでお引き受けします。」
このお屋敷と図書館の蔵書は、施設完成後、辺境伯家に寄贈されることになったよ。図書館とカレッジとしての利用に用途を限定するとの条件付きで。
**********
施設の開設に当たっては詰めることが沢山あり、数年掛かりになるかも知れないそうだけど。
その日は、にっぽん爺とマリアさんで練っていた構想をライム姉ちゃんに説明したんだ。
「なあ、爺さんよ。
カレッジって、要は大学みてえなもんだろう。
何で、いきなり大学なんだ?
普通、小学校から創るもんじゃないのか?」
マリアさんの旦那ってことで、話を聞いていたタロウがそんなことを尋ねたの。
「それは、マリアさんから寄贈された書物の活用方法から派生した計画だからのう。
第一、日本の高校生レベルまでなら、独学で学ぶことが出来るだろうし。
チューターを置いておけば十分だろう。」
大学レベルの教養を独学で身に着けるのは難しいだろうと、にっぽん爺は言ったんだ。
まあ、『第三の試練』が惑星テルルのハイスクール卒業程度の知識レベルだと聞いているんだけど。
現に護衛騎士のタルトやトルテ、それに見た目脳筋のジェレ姉ちゃんまで独学でクリアしているし。
ウニアール国では全ての貴族の子息子女に、三つの試練クリアを義務付けているからね。
『第三の試練』突破レベルなら、やる気さえあれば独学で突破できるんだろうね。
「それだけじゃないのよ。
何故、ダーリンの故郷では小学校が必要だったの?」
そこへマリアさんが口を挟んだの。
「何故って? そう言えば何故だ?」
マリアさんの問い掛けにタロウは首を傾げていたよ。
「お爺ちゃんと話をしてて分ったのだけど。
ダーリンの故郷では、初等教育が始まったのってそんな昔のことでは無いんだってね。
精々、百年か百五十年くらい前のことだと聞いたわ。」
「そうだよ。地球の初等教育は歴史的に見て産業革命以降だからね。
それに対して、大学は千年の歴史があるんだ。」
マリアさんの言葉も、にっぽん爺の言葉もタロウへの問い掛けの答えになっていないよね。
どう言うことだろう。
「それ以前は、知識は王侯貴族や一部の裕福層が独占していたんだ。
平民の大部分は読み書きも出来ない状態だったんだよ。」
「そうなんだ。そんなこと知らなかったぜ。」
「ところが、産業革命後の企業の大規模化に伴い困ったことが起きたんだ。」
「何が困ったんだ?」
「親方と徒弟数人の小規模工房なら全て口頭で指示できるけど。
何百人もの職工に口頭指示は出来んだろう。
そこで書面で指示しようとしたのだが、識字率の低さが障害となったのさ。
大部分の職工は作業指示書が読めないのだから。
加えて大量生産、大量消費、貨幣経済浸透に伴い計算能力も必要となった。」
「爺さん、分ったぜ。
小学校ってのは、元々は読み書き計算を教えるための必要だったんだ。」
「そうだよ。
一部の裕福階級が知識を独占している時代は、中等教育まではお抱えの家庭教師から学んでいたのだ。
そして、高等教育のみ優秀な教授陣を揃えた少数の大学に通って学んでいた。
ところが、産業革命以降、知識の大衆化が要求されて初等教育学校が必要となったのさ。」
「惑星テルルでも似たような歴史を辿ったの。
初等教育機関は多人数に読み書き計算を教える必要から創られたのよ。」
にっぽん爺とマリアさんがそこまで言ったところで、おいらにも最初のマリアさんの問い掛けの答えが分かったよ。
「そっか、マリア姐さんの遺伝子操作の賜物か。
この大陸の人間は、生まれつき読み書き計算が出来るから。
産業革命期のような初歩の小学校は要らないんだ。」
うん、タロウ、多分それで正解。
屋敷に着いて早々、ライム姉ちゃんをにっぽん爺に引き合わせることになったのだけど。
部屋の中で出迎えてくれたにっぽん爺とカズミ姉ちゃんを目にして。
「……。」
ライム姉ちゃんは呆然とした表情で言葉を失ってたの。
「ライム様、どうかなされましたか?」
カズミ姉ちゃんが心配そうに声を掛けると。
「あっ、ぼうっとしてしまい失礼しました。
そちらがカズト様で御座いますか?
ミント公爵様と親しい間柄の。」
「はい、私の実父でもあるカズト・ツチヤで間違いございませんが。
何か、気になることでも?」
「いえ、カズト様は六十歳過ぎと伺っていたものですから。
余りのお若いことに驚きまして…。」
カズミ姉ちゃんと並ぶと普通に父娘にしか見えないにっぽん爺に違和感を感じているとみたい。
普通なら祖父と孫に見えてもおかしくない年の差だからね。
「これもマリア様のおかげです。
マリア様に若返りの妙薬を戴いて、私と出会った頃の姿に戻りました。
数日前までは老齢のため、命の灯火が消えようとしてたのですよ。」
そんな説明をしたミントさんは、頬を赤らめて「あっちの方も若返って嬉しい。」とか呟いてた。
「予想外のことで、なんと申し上げて良いのやら…。」
若返りの薬と聞いて、ライム姉ちゃんはまさに言葉を失ったって雰囲気だったよ。
そんなライム姉ちゃんに…。
「ハテノ辺境伯様であられますか。
カズト・ツチヤと申します。
お目に掛かれて光栄です。」
と挨拶をするにっぽん爺。
「これはとんだご無礼を、驚きの余り言葉に詰まってしまい…。
本日は突然訪問いたしまして申し訳ございません。
この地の領主を務めているライム・ド・ハテノと申します。」
惚けているところへ声を掛けられて、ライム姉ちゃんは慌てて挨拶を返してた。
「驚くのは無理もございません。
実際、数日前までは加齢のため起き上がるのも困難でした。
いつお迎えが来てもおかしくないありさまだったのです。」
タロウを保護したことに感謝したマリアさんが、そのお礼として薬を与えてくれたと明かしたんだ。
にっぽん爺から幼子二人を残して逝くことが心残りだと聞き、一番の贈り物をくれたと。
「そんな事情があったのですか…。
マリア様は本当に人知を超えた力をお持ちなのですね。」
にっぽん爺の言葉に、ライム姉ちゃんはいたく感心していたよ。
「人知を超えたりはしていませんよ。
アレはまさに人知の結晶です。
後千年位知識を磨けば、この世界でもきっと作れます。
そのための『カレッジ』の創設ですもの。」
まるで人ならざる者みたいなライム姉ちゃんの評価に、マリアさんはあくまで人の力だと訂正してたよ。
**********
にっぽん爺が若がえったって話題で呆然としてたライム姉ちゃんだけど。
「そうでした。
本日は、その『カレッジ』のお話をするためにお伺いしました。」
マリアさんからカレッジ創設って言葉を聞いて、本題を思い出したみたい。
「これは、とんだお手数をお掛けし申し訳ございません。
わざわざご領主様に足を運んで頂かなくとも。
何方か事務方を寄こしてくだされば良かったのに。」
にっぽん爺は大したことでは無いように言うのだけど。
「いいえ、そんな訳には参りません。
その創設に当たり屋敷を提供してくださるとの事ではございませんか。
図書館にしても、元々はカズト様個人が譲り受けた書物を寄贈してくださるそうですし。
領地に多大な貢献をして戴くのですから、領主の私が出向くのは当然のことです。」
「そんな大げさな…。
提供するのは、元々空き家となっている屋敷ですし。
書物だって私一人では持て余してしまいます。
知識は多くの人で共有してこそ意味があるのですから。
広く門戸を開くのは当然のことですよ。」
「いいえ、大げさではございません。
改めてカズト様のご厚情に深く感謝致します。
と同時に、今度の計画、領主として出来る限りの支援を約束いたします。」
まあ、こんなやり取りがあって、図書館とカレッジの計画の打ち合わせが始まったんだ。
「この屋敷は…。」
かつて手放した別邸を目にして感慨深げなライム姉ちゃん。
「はい、ここが図書館とカレッジの創立予定地です。
ご領主様の別邸として使われていたそうですね。
ここの建物はこのまま活用する計画です。
とても堅固かつ荘厳な造りで、全く劣化していませんので。」
華麗な庭園をそのまま保存したとしても、敷地に十分に増築の余地があるのもポイントだとにっぽん爺は言ってたよ。
建物が手狭になったら、新たな建物を建設できるからって。
幾何学模様に整備された美しい庭園はそのまま残して、施設利用者の憩いの場にしたいんだって。
「このお屋敷、ずっと手入れして下さっていたのですね。
もう五十年も空き家となっていたはずなのに…。
全然、朽ちた様子が御座いませんわ。」
「はい、建物もお庭も、とても良い造りです。
朽ち果てさせては貴重な文化財の喪失になりますから。
ミント様からお伝えしていると思いますが。
今後、この施設の維持管理をお任せしてもよろしいでしょうか。」
「もちろんです。
代々の領主が維持してきたお屋敷ですもの。
喜んでお引き受けします。」
このお屋敷と図書館の蔵書は、施設完成後、辺境伯家に寄贈されることになったよ。図書館とカレッジとしての利用に用途を限定するとの条件付きで。
**********
施設の開設に当たっては詰めることが沢山あり、数年掛かりになるかも知れないそうだけど。
その日は、にっぽん爺とマリアさんで練っていた構想をライム姉ちゃんに説明したんだ。
「なあ、爺さんよ。
カレッジって、要は大学みてえなもんだろう。
何で、いきなり大学なんだ?
普通、小学校から創るもんじゃないのか?」
マリアさんの旦那ってことで、話を聞いていたタロウがそんなことを尋ねたの。
「それは、マリアさんから寄贈された書物の活用方法から派生した計画だからのう。
第一、日本の高校生レベルまでなら、独学で学ぶことが出来るだろうし。
チューターを置いておけば十分だろう。」
大学レベルの教養を独学で身に着けるのは難しいだろうと、にっぽん爺は言ったんだ。
まあ、『第三の試練』が惑星テルルのハイスクール卒業程度の知識レベルだと聞いているんだけど。
現に護衛騎士のタルトやトルテ、それに見た目脳筋のジェレ姉ちゃんまで独学でクリアしているし。
ウニアール国では全ての貴族の子息子女に、三つの試練クリアを義務付けているからね。
『第三の試練』突破レベルなら、やる気さえあれば独学で突破できるんだろうね。
「それだけじゃないのよ。
何故、ダーリンの故郷では小学校が必要だったの?」
そこへマリアさんが口を挟んだの。
「何故って? そう言えば何故だ?」
マリアさんの問い掛けにタロウは首を傾げていたよ。
「お爺ちゃんと話をしてて分ったのだけど。
ダーリンの故郷では、初等教育が始まったのってそんな昔のことでは無いんだってね。
精々、百年か百五十年くらい前のことだと聞いたわ。」
「そうだよ。地球の初等教育は歴史的に見て産業革命以降だからね。
それに対して、大学は千年の歴史があるんだ。」
マリアさんの言葉も、にっぽん爺の言葉もタロウへの問い掛けの答えになっていないよね。
どう言うことだろう。
「それ以前は、知識は王侯貴族や一部の裕福層が独占していたんだ。
平民の大部分は読み書きも出来ない状態だったんだよ。」
「そうなんだ。そんなこと知らなかったぜ。」
「ところが、産業革命後の企業の大規模化に伴い困ったことが起きたんだ。」
「何が困ったんだ?」
「親方と徒弟数人の小規模工房なら全て口頭で指示できるけど。
何百人もの職工に口頭指示は出来んだろう。
そこで書面で指示しようとしたのだが、識字率の低さが障害となったのさ。
大部分の職工は作業指示書が読めないのだから。
加えて大量生産、大量消費、貨幣経済浸透に伴い計算能力も必要となった。」
「爺さん、分ったぜ。
小学校ってのは、元々は読み書き計算を教えるための必要だったんだ。」
「そうだよ。
一部の裕福階級が知識を独占している時代は、中等教育まではお抱えの家庭教師から学んでいたのだ。
そして、高等教育のみ優秀な教授陣を揃えた少数の大学に通って学んでいた。
ところが、産業革命以降、知識の大衆化が要求されて初等教育学校が必要となったのさ。」
「惑星テルルでも似たような歴史を辿ったの。
初等教育機関は多人数に読み書き計算を教える必要から創られたのよ。」
にっぽん爺とマリアさんがそこまで言ったところで、おいらにも最初のマリアさんの問い掛けの答えが分かったよ。
「そっか、マリア姐さんの遺伝子操作の賜物か。
この大陸の人間は、生まれつき読み書き計算が出来るから。
産業革命期のような初歩の小学校は要らないんだ。」
うん、タロウ、多分それで正解。
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