787 / 848
第二二章 チャラい王子としっかり者のお嫁さん達
第787話 絶対に敵に回しちゃダメな人だと思ったよ…
しおりを挟む
オベルジーネ王子の妃となることを、王様からあっさりと認められたクコさん。
大人の話になって退屈そうにするロコト君に気付くと、王様はお后様とペピーノ姉ちゃんを呼んだの。
やって来たお后様は孫のロコト君の来訪をことのほか喜び、ここでは退屈だろうと連れ出してくれたよ。
そして、残ったペピーノ姉ちゃんはと言うと。
「クコちゃん、やっとその気になってくれたのね。
お姉ちゃん、嬉しいわ。
いえ、違いましたわね。
これからはクコちゃんがお義姉さまなるのでしたね。
よろしくお願いします。お・ね・え・さ・ま。」
などと揶揄いつつ、クコさんの手を取ってはしゃいでいたよ。
「また、そんなお戯れを…。余り揶揄わないでくださいませ。」
今まで上司だったペピーノ姉ちゃんにお義姉さまと呼ばれて照れ臭かったのか、クコさんは顔を赤らめてそう返答してたの。
「揶揄ってはいないわ。
お兄様の妃になるのですもの。お義姉さまで間違いないでしょう。
それとも、今後はお妃様とお呼びしましょうか?」
すると、ペピーノ姉ちゃんはクコさんを茶化すように揶揄いの度を強めていたよ。
「もう、ペピーノ様ったら…。
でも、またこちらにお世話になることになりそうです。
よろしくお願いします。」
クコさんは少し拗ねるような仕種を見せると、直ぐに満面の笑みを浮かべて手を取り合っていたよ。
ペピーノ姉ちゃんはクコさんがお気に入りだと聞いてたけど、この二人、本当に仲が良さそうに見えたんだ。
**********
王様は、手を取り合って喜ぶペピーノ姉ちゃんとクコさんを微笑まし気に見てたんだけど。
「そこそこ。
再会を喜ぶのは良いが。
まだクコ殿を妃に据えるためには障害もあるのだぞ。」
二人に向けて、そんな気掛かりな言葉を投げ掛けたんだ。
「あら、何か問題がありましたかしら?
お父様だって、クコちゃんを妃にと常々言ってらしたではございませんか。」
思い当たるふしが無いのか、首を傾げながら尋ねるペピーノ姉ちゃん。
「大蔵卿と軍務卿の娘をどうするつもりなのだ。
そこなバカ息子がとっとと妃を決めぬものだから。
あの二人、行き遅れになったしまったではないか。」
「酷いな…。それボクちんのせいじゃないじゃん。
ボクちん、最初に言ったはずだよん。
王宮の選んだご令嬢を妃にするって。
王宮が中々選出しないから、ボクちんがクコちゃんにプロポーズして来たんじゃん。」
オベルジーネ王子は、結婚は仕事と割り切って王宮の総意で決めるよう丸投げしたと言ってたね。
クコさんと出会った十四歳の時に。
市井育ちのクコさんには『妃』は荷が重いだろうと、王子はクコさんの身を案じてそう決めたんだっけ。
それから五年、王子も両ご令嬢も二十歳の誕生日を迎えたのに一向に話が進展しなかったらしい。
そうこうしている間にクコさんを支持する勢力が勃興して来たんだって。
「またなんで、そんなことに?」
王子にとっては好都合だったんだろうけど、五年もあればどちらかに決まっていてもおかしくないのにね。
「それがね、大蔵卿の派閥と軍務卿の派閥で勢力が拮抗しているのよ。
しかも、当のご令嬢同士がライバル心剥き出しで引こうとしないしないでしょう。
お兄様が進んで裁定しようとなさらないものだから、ずるずると…。」
と、おいらの問い掛けにペピーノ姉ちゃんが答えてくれたんだ。
「して、どうするのだ。
そなたがハッキリしないものだから。
大蔵卿の娘も、軍務卿の娘も貴族としては行き遅れの歳になってしまった。
今更、クコ殿を表に出しても、おいそれとは引けんだろうに。」
「いや、だから、ボクちんのせいにしないでちょ。
妃を迎えるのは仕事と割り切ったしぃ、どっちでも良いと言ったじゃん。
そんな苦情は、サッサと決めなかった宮廷貴族達に言ってちょ。」
「何だ、そなた、何のプランも無くクコ殿を連れて来たのであるか?
それではクコ殿が針の筵に座らされることになるじゃろうて。」
クコさんを正式に妃に迎える以上は、二人のご令嬢の処遇も検討しているのではないのかと質す王様。
「ボクちんと同世代の男性貴族は嫁不足だしぃ。
嫁の貰い手なら引く手数多なんじゃない?」
オベルジーネ王子はそんな呑気な返答をしてたよ。
王子の世代で高位貴族のご令嬢は二人だけなので、幾らでも落としどころはあるだろうって。
「そんな訳あるか。
目端の利く連中は、とっくに嫁を見つけておるわ。
お家存続が貴族の最重要課題であるからな。」
それこそ十歳くらいの歳の差婚は目を瞑って、高位貴族連中は嫁探しをしてたらしい。
国内でダメならおいらの国やシタニアール国への嫁探しなんかもあったみたいだし。
**********
王様とオベルジーネ王子のやり取りを聞いてため息を吐いたクコさん。
「嫌ですよ。あの二人の恨みを買うなんてどんな拷問ですか…。
仕方のない旦那様ですね。」
クコさんはそう呟くと持参したカバンの中を漁り始めたの。
「流石、陛下と妖精さんが目を光らせてるだけあって。
大蔵卿も軍務卿も実に高潔な人物で非の打ち所もありませんね。
これだけ良い為政者に恵まれて、私達下々の人間は幸せですわ。」
とか言いつつ、クコさんは紙束を二つカバンから取り出したんだ。
「でも、残念ながら末端まで高潔な人物で固めるのは難しいようで…。
大蔵卿と軍務卿には、ご令嬢を妃候補から辞退して戴くことにしましょう。」
取り出した書類を王様に手渡しながら、クコさんはそんなことを提案したの。
「これは何じゃろうか?」
首を傾げる王様に。
「大蔵卿、軍務卿、それぞれの配下の貴族に関する不正の報告書です。
大蔵卿、軍務卿に後ろ暗いことは無くとも、悪い部下はいるようでして。
その報告書には看過できない重大な不正のみを記載しております。
それが表沙汰になりますと、お二方とも監督責任は免れないでしょうね。」
ホホホと笑いながら、そんな怖いことを告げるクコさん。
報告書に挙げた不正を見逃すことは出来ないので、適切な処分を下すのは当然として。
この処分を表沙汰にせず内々に済ませることで、二人の監督責任は不問にしたらどうか。
クコさんはそんな提案をしたんだ。
内々で処分を済ますことと引き換えに、ご令嬢とオベルジーネ王子の婚姻を諦めさせるんだって。
「ふむ、これは地方の王領に任命した代官の横領事件であるか…。
大蔵卿が自分の派閥に属する貴族を任命しとったのだな。
こ奴、派遣した王領の予算から随分と多額の横領をしとるのだな。」
王様が大蔵卿の派閥に属する貴族の不正についての報告書に目を通し始めると。
「こちらは、魔物討伐に派遣した騎士団の不法行為ですか…。
あら、同じ騎士が行く先々で何度も婦女暴行事件を起こしているのですね。
なのに一度も処分を受けたとこが無いって、これはいったい?」
ペピーノ姉ちゃんは軍務卿の部下についての報告書の方を読み始めたよ。
「ああ、それは騎士団幹部の子息ですね。
騎士団の幹部が自分の息子の不始末を揉み消していますので。
軍務卿まで報告が上がっていないのでしょう。」
王宮の監査役を務めるペピーノ姉ちゃんには色々な報告書が回ってくるそうだけど、補佐官を務めるクコさんの許にはそれ以外にも様々な情報が寄せられるそうなの。
その中には各部署内の内部告発もあるとのことで、クコさんは逐一真偽を確かめているらしい。
それもペピーノ姉ちゃんの保護者をしている妖精イチゲさんに、お願いして飛んでもらっているそうだよ。
今の不良騎士のケースでは被害に遭った女性に直接事情を尋ねに出向いたらしい。
「村の素人娘を孕まして責任も取らないなんて最低です。」とか言ってたよ。
二通の報告書には、そんな不正が多々記されていたそうなんだ。
「ふむ、いずれも地方のことなので目が届かなかったが…。
クコ殿、良く調べたものであるな。」
王様は官吏や騎士の不正に気付かなかったことに恥じると同時に、その詳細な報告内容に舌を巻いてたよ。
「はい、イチゲ様が協力してくださいましたから。」
「イチゲちゃん、何日か留守にすると思ったら。
クコちゃんと組んでそんな楽しそうなことしてたのね。」
各部署から監査役に上がってきた書類は、一旦クコさんが全て目を通すそうなんだけど。
領地に住むクコさんに書類を届けるのはイチゲさんに依頼しているそうなんだ。
クコさん、イチゲさんが持参した書類にサッと目を通し、気掛かりな案件があると現地調査をしていたみたい。
イチゲさんにお願いして飛んでもらえば、大抵のところは日帰りで行ってこれるから。
**********
「ふむ、流石にこれだけの不正を見落としていたとなると…。
大蔵卿、軍務卿ともに監督責任を追及せずにはおけんな。
とは言え、現状あの二人をおいて適任者は居らんし。
ここはクコ殿の提案に従うことと致そうか。」
王様は、ご令嬢に妃の座を辞退させる条件で、大蔵卿、軍務卿の監督責任を不問とすることに決めたみたい。
実務能力、宮廷での影響力の両面から見て、二人の後任が務まる人材が見当たらないんだって。
そうと決めると王様は、その場に大蔵卿と軍務卿を呼び出してたよ。
大蔵卿も軍務卿も大人しく引き下がってくれたら良いね…。
大人の話になって退屈そうにするロコト君に気付くと、王様はお后様とペピーノ姉ちゃんを呼んだの。
やって来たお后様は孫のロコト君の来訪をことのほか喜び、ここでは退屈だろうと連れ出してくれたよ。
そして、残ったペピーノ姉ちゃんはと言うと。
「クコちゃん、やっとその気になってくれたのね。
お姉ちゃん、嬉しいわ。
いえ、違いましたわね。
これからはクコちゃんがお義姉さまなるのでしたね。
よろしくお願いします。お・ね・え・さ・ま。」
などと揶揄いつつ、クコさんの手を取ってはしゃいでいたよ。
「また、そんなお戯れを…。余り揶揄わないでくださいませ。」
今まで上司だったペピーノ姉ちゃんにお義姉さまと呼ばれて照れ臭かったのか、クコさんは顔を赤らめてそう返答してたの。
「揶揄ってはいないわ。
お兄様の妃になるのですもの。お義姉さまで間違いないでしょう。
それとも、今後はお妃様とお呼びしましょうか?」
すると、ペピーノ姉ちゃんはクコさんを茶化すように揶揄いの度を強めていたよ。
「もう、ペピーノ様ったら…。
でも、またこちらにお世話になることになりそうです。
よろしくお願いします。」
クコさんは少し拗ねるような仕種を見せると、直ぐに満面の笑みを浮かべて手を取り合っていたよ。
ペピーノ姉ちゃんはクコさんがお気に入りだと聞いてたけど、この二人、本当に仲が良さそうに見えたんだ。
**********
王様は、手を取り合って喜ぶペピーノ姉ちゃんとクコさんを微笑まし気に見てたんだけど。
「そこそこ。
再会を喜ぶのは良いが。
まだクコ殿を妃に据えるためには障害もあるのだぞ。」
二人に向けて、そんな気掛かりな言葉を投げ掛けたんだ。
「あら、何か問題がありましたかしら?
お父様だって、クコちゃんを妃にと常々言ってらしたではございませんか。」
思い当たるふしが無いのか、首を傾げながら尋ねるペピーノ姉ちゃん。
「大蔵卿と軍務卿の娘をどうするつもりなのだ。
そこなバカ息子がとっとと妃を決めぬものだから。
あの二人、行き遅れになったしまったではないか。」
「酷いな…。それボクちんのせいじゃないじゃん。
ボクちん、最初に言ったはずだよん。
王宮の選んだご令嬢を妃にするって。
王宮が中々選出しないから、ボクちんがクコちゃんにプロポーズして来たんじゃん。」
オベルジーネ王子は、結婚は仕事と割り切って王宮の総意で決めるよう丸投げしたと言ってたね。
クコさんと出会った十四歳の時に。
市井育ちのクコさんには『妃』は荷が重いだろうと、王子はクコさんの身を案じてそう決めたんだっけ。
それから五年、王子も両ご令嬢も二十歳の誕生日を迎えたのに一向に話が進展しなかったらしい。
そうこうしている間にクコさんを支持する勢力が勃興して来たんだって。
「またなんで、そんなことに?」
王子にとっては好都合だったんだろうけど、五年もあればどちらかに決まっていてもおかしくないのにね。
「それがね、大蔵卿の派閥と軍務卿の派閥で勢力が拮抗しているのよ。
しかも、当のご令嬢同士がライバル心剥き出しで引こうとしないしないでしょう。
お兄様が進んで裁定しようとなさらないものだから、ずるずると…。」
と、おいらの問い掛けにペピーノ姉ちゃんが答えてくれたんだ。
「して、どうするのだ。
そなたがハッキリしないものだから。
大蔵卿の娘も、軍務卿の娘も貴族としては行き遅れの歳になってしまった。
今更、クコ殿を表に出しても、おいそれとは引けんだろうに。」
「いや、だから、ボクちんのせいにしないでちょ。
妃を迎えるのは仕事と割り切ったしぃ、どっちでも良いと言ったじゃん。
そんな苦情は、サッサと決めなかった宮廷貴族達に言ってちょ。」
「何だ、そなた、何のプランも無くクコ殿を連れて来たのであるか?
それではクコ殿が針の筵に座らされることになるじゃろうて。」
クコさんを正式に妃に迎える以上は、二人のご令嬢の処遇も検討しているのではないのかと質す王様。
「ボクちんと同世代の男性貴族は嫁不足だしぃ。
嫁の貰い手なら引く手数多なんじゃない?」
オベルジーネ王子はそんな呑気な返答をしてたよ。
王子の世代で高位貴族のご令嬢は二人だけなので、幾らでも落としどころはあるだろうって。
「そんな訳あるか。
目端の利く連中は、とっくに嫁を見つけておるわ。
お家存続が貴族の最重要課題であるからな。」
それこそ十歳くらいの歳の差婚は目を瞑って、高位貴族連中は嫁探しをしてたらしい。
国内でダメならおいらの国やシタニアール国への嫁探しなんかもあったみたいだし。
**********
王様とオベルジーネ王子のやり取りを聞いてため息を吐いたクコさん。
「嫌ですよ。あの二人の恨みを買うなんてどんな拷問ですか…。
仕方のない旦那様ですね。」
クコさんはそう呟くと持参したカバンの中を漁り始めたの。
「流石、陛下と妖精さんが目を光らせてるだけあって。
大蔵卿も軍務卿も実に高潔な人物で非の打ち所もありませんね。
これだけ良い為政者に恵まれて、私達下々の人間は幸せですわ。」
とか言いつつ、クコさんは紙束を二つカバンから取り出したんだ。
「でも、残念ながら末端まで高潔な人物で固めるのは難しいようで…。
大蔵卿と軍務卿には、ご令嬢を妃候補から辞退して戴くことにしましょう。」
取り出した書類を王様に手渡しながら、クコさんはそんなことを提案したの。
「これは何じゃろうか?」
首を傾げる王様に。
「大蔵卿、軍務卿、それぞれの配下の貴族に関する不正の報告書です。
大蔵卿、軍務卿に後ろ暗いことは無くとも、悪い部下はいるようでして。
その報告書には看過できない重大な不正のみを記載しております。
それが表沙汰になりますと、お二方とも監督責任は免れないでしょうね。」
ホホホと笑いながら、そんな怖いことを告げるクコさん。
報告書に挙げた不正を見逃すことは出来ないので、適切な処分を下すのは当然として。
この処分を表沙汰にせず内々に済ませることで、二人の監督責任は不問にしたらどうか。
クコさんはそんな提案をしたんだ。
内々で処分を済ますことと引き換えに、ご令嬢とオベルジーネ王子の婚姻を諦めさせるんだって。
「ふむ、これは地方の王領に任命した代官の横領事件であるか…。
大蔵卿が自分の派閥に属する貴族を任命しとったのだな。
こ奴、派遣した王領の予算から随分と多額の横領をしとるのだな。」
王様が大蔵卿の派閥に属する貴族の不正についての報告書に目を通し始めると。
「こちらは、魔物討伐に派遣した騎士団の不法行為ですか…。
あら、同じ騎士が行く先々で何度も婦女暴行事件を起こしているのですね。
なのに一度も処分を受けたとこが無いって、これはいったい?」
ペピーノ姉ちゃんは軍務卿の部下についての報告書の方を読み始めたよ。
「ああ、それは騎士団幹部の子息ですね。
騎士団の幹部が自分の息子の不始末を揉み消していますので。
軍務卿まで報告が上がっていないのでしょう。」
王宮の監査役を務めるペピーノ姉ちゃんには色々な報告書が回ってくるそうだけど、補佐官を務めるクコさんの許にはそれ以外にも様々な情報が寄せられるそうなの。
その中には各部署内の内部告発もあるとのことで、クコさんは逐一真偽を確かめているらしい。
それもペピーノ姉ちゃんの保護者をしている妖精イチゲさんに、お願いして飛んでもらっているそうだよ。
今の不良騎士のケースでは被害に遭った女性に直接事情を尋ねに出向いたらしい。
「村の素人娘を孕まして責任も取らないなんて最低です。」とか言ってたよ。
二通の報告書には、そんな不正が多々記されていたそうなんだ。
「ふむ、いずれも地方のことなので目が届かなかったが…。
クコ殿、良く調べたものであるな。」
王様は官吏や騎士の不正に気付かなかったことに恥じると同時に、その詳細な報告内容に舌を巻いてたよ。
「はい、イチゲ様が協力してくださいましたから。」
「イチゲちゃん、何日か留守にすると思ったら。
クコちゃんと組んでそんな楽しそうなことしてたのね。」
各部署から監査役に上がってきた書類は、一旦クコさんが全て目を通すそうなんだけど。
領地に住むクコさんに書類を届けるのはイチゲさんに依頼しているそうなんだ。
クコさん、イチゲさんが持参した書類にサッと目を通し、気掛かりな案件があると現地調査をしていたみたい。
イチゲさんにお願いして飛んでもらえば、大抵のところは日帰りで行ってこれるから。
**********
「ふむ、流石にこれだけの不正を見落としていたとなると…。
大蔵卿、軍務卿ともに監督責任を追及せずにはおけんな。
とは言え、現状あの二人をおいて適任者は居らんし。
ここはクコ殿の提案に従うことと致そうか。」
王様は、ご令嬢に妃の座を辞退させる条件で、大蔵卿、軍務卿の監督責任を不問とすることに決めたみたい。
実務能力、宮廷での影響力の両面から見て、二人の後任が務まる人材が見当たらないんだって。
そうと決めると王様は、その場に大蔵卿と軍務卿を呼び出してたよ。
大蔵卿も軍務卿も大人しく引き下がってくれたら良いね…。
2
お気に入りに追加
298
あなたにおすすめの小説

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下
akechi
ファンタジー
ルル8歳
赤子の時にはもう孤児院にいた。
孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。
それに貴方…国王陛下ですよね?
*コメディ寄りです。
不定期更新です!

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

はぁ?とりあえず寝てていい?
夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。
※第二章は全体的に説明回が多いです。
<<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる