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第二十章 王都の民の憩いの場を造ったよ
第696話 こんなところにも『勇者』が居たよ…
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さて、冒険者ギルドで『新開地レジャーランド』のお店の求人に応募してきたお姉さん方の面接の様子を眺めていると。
「こちらが、当店でのお仕事の概要となっています。
お客様のご注文を伺い、注文されたお品をテーブルにお届けしていただき。
お客様がお帰りになった後は、テーブルの上を片付けていただきます。
基本は普通の飲食店の女給のお仕事と変わりはないかと。
色街にありがちな肉体的なサービスはありませんのご安心ください。」
採用担当のギルド職員が、予め用意されたパンフレットを示しながら仕事の説明をしていたよ。
どうやら、そのブースは『きゃんぎゃるカフェ』の採用ブースらしい。
「これだけのお仕事で、時給銀貨二枚も貰えるんですか!
信じられなーい!
本当にいかがわしいサービスは無いんですか?」
派手目の化粧をした若いお姉さんが仕事の説明を聞いてそんな感想を漏らしてた。
「はい、直接お客様に肉体的はサービスをすることは一切ございません。
ただし、制服はこちらを着用して頂き、下着は着用しないことになっています。
お客様のご注文が無い時は、その服装でフロアを回って頂くことになります。
まあ大人のお店ですし、殿方の目を楽しませるのがサービスだと思ってください。」
ギルド職員は、キワドイ制服をカウンターの上に広げて見せたよ。
「キャー! カワイー!
これ、アトリエ・シフォンの服ですよね!
私、これ、着てみたいと思っていたんです。
って、えっ…。
この制服で下着を着けたらいけないんですか。
こんな短いスカートじゃ見えちゃいますよね?」
シフォン姉ちゃんが司会をする時に度々着用している服だしそれなりに認知されているみたい。
アトリエ・シフォンの服が制服だと聞いて喜んだお姉さんだけど。
冷静になって考えると、とんでもなく恥ずかしいことになると気付いたようだね。
「はい、十五歳未満入店禁止の大人のお店ですので。
その分、給金が良いのだと考えてください。
やはり、普通のカフェの三倍の給金をお出しするのですから。
まあ、意識して動けば滅多なことでは見えないそうですし。
お客様による女給へお触りは、厳禁となっておりますのでご安心ください。」
女給さんにお触りしたお客さんは即座に用心棒が摘まみ出すから安心してくれって。
ギルド職員の説明では腕利き女性冒険者を用心棒として雇い入れているらしい。
ギルド職員の説明に、応募してきたお姉さんは顔を赤らめて制服を眺めてたけど。
はたと何か気になった様子で尋ねたの。
「この服って退職する時、どうなるのですか?
貰うことは出来るんですか?」
「はい、使い回すことはしないとのことで。
退職の際は差し上げると総支配人から聞かされています。
別に退職時でなくても、制服は年に数回更新する予定らしく。
古い制服はそのまま女給さんに差し上げるそうです。」
「えっ、アトリエ・シフォンの服が年に何着も頂けるんですか?
実は買い取らされるとか。」
余りに気前の良いことを聞かされたものだから、お姉さんが疑いの目を向けたよ。
「もちろん、無償です。買取なんてさせませんよ。
それと『店外デート』と称するオプションがございまして。
その際にお客様が制服を買取されると、代わりに新しい制服が支給されますので。」
「店外デートですか?
それって、エッチなことをするんですよね。
ここで働くと、それはしないといけないんですか?」
オプションの説明を受けて、お姉さんの腰が引けてたよ。
いかがわしいことをしないで良いと聞いて、乗り気になっていたみたいだからね。
「いいえ、オプションを受けるかどうかは女給さんの判断に任せています。
オプションを受けるように強要することはございませんのでご安心ください。
『店外デート』の場合、誘われるのも嫌な方がいるでしょうから。
誘われてもかまわない方にはこのバッチを着用して頂きます。
バッチを着用してない女給さんを誘うことは禁止事項としておりまして。
違反したお客様は、強制的に退店して頂くこととしています。
また、デートの内容はお客さまと女給さんの個人的な交渉となっていまして。
お店はその内容に一切関知いたしません。」
ギルド職員は、エッチなことをするかどうかは、女給さんとお客さんの間での交渉次第だとしたうえで。
店の外に出たら、お客さんの態度が豹変しても護ってあげることは出来ないと伝えたの。
危ない目に遭うのを避けたいなら、バッチは付けない方が良いとアドバイスしてたよ。
バッチってのは、例の『私をお外に連れてって』と言ってる二頭身キャラのバッチだね。
「本当に拒否できるんですか?」
「はい、ひまわり会の当部門総支配人は女性でして。
女の子が安心して楽しく働けるお店作りを目指しています。
各店舗の店長も全員女性で、働く女の子の気持ちを理解していますし。
オプションを強要しないように強く指示されていますのでご安心ください。」
「それなら安心ですね。 私、こちらで働いてみたいです。
アトリエ・シフォンの服が何種類も着れるなんて夢みたい。
頑張りますので、是非採用して欲しいです。」
このお姉さんはギルド職員の丁寧な説明に安心した様子で、『きゃんぎゃるカフェ』で働く意思を固めたみたい。
シフォン姉ちゃんの手掛けた服が制服だという誘惑に抗えなかったようだね。
その後、希望する時間帯や曜日とか細かい条件の相談をしていたよ。
シフォン姉ちゃんは幾つものブースで行われている採用面接の様子を見て回ると。
「うん、うん、ちゃんと丁寧に説明しているわね。
オプションを強要しないということはハッキリ言っておかないとね。
気乗りしないサービスを強要されるかもと思ったら、安心して働けないだろうから。」
採用担当のギルド職員の対応に満足気にしていたよ。
仕事の内容を包み隠さず説明する事とオプションの強要はしないこと。
良い女の子を集める秘訣だと、シフォン姉ちゃんはにっぽん爺から聞かされていたらしいの。
**********
次にシフォン姉ちゃんはギルド本部の二階に案内してくれたんだ。
シフォン姉ちゃん曰く、秘密兵器を見せてくれるそうだよ。
その部屋には採用が決まったお姉さんが集められていたの。
「はい、『きゃんぎゃるカフェ』で採用されたサヤさん、いらしたらこちらへ。」
部屋の一画、暗幕で仕切られたスペースの手前に設けられた長テーブルの奥からギルド職員が声を掛けてた。
呼び掛けに応じてサヤさんらしきお姉さんが、テーブルの前に出向くと。
ギルド職員は本人確認のために住所と誕生日を尋ね、返答を手許の書類と照合して。
「では、暗幕の中でこの制服に着替えて、更に奥にある部屋に進んでください。」
制服をサヤさんに手渡して暗幕の中に入れと指示してたんだ。
それを見送るとシフォン姉ちゃんは隣の部屋に案内してくれたの。
その部屋は外部に面した小さな部屋で、広い窓から入る日差しと白い壁が印象的な部屋だった。
しばらく待っていると、制服に着替えたサヤさんがおいら達とは別の扉から入って来ると。
待ち構えていたギルド職員のお姉さんが。
「サヤさんですね。
では、その白い壁を背にして真っ直ぐに背筋を伸ばした姿勢で立ってください。」
そんな指示を出すと、四角い板みたいなものを手にサヤさんに近付いたの。
サヤさんの前で立ち止まったギルド職員は四角い板をサヤさんに向けて幾つか指示を出すと。
カシャ、カシャ
そんな音と共に四角い板から二回眩い光が走ったんだ。
「はい結構です。
そちらの扉から隣の部屋に戻り、お名前が呼ばれるまでお待ちください。」
とサヤさんを立ち去らせ、ギルド職員は部屋に隅で四角い箱に囲まれて座っている別の職員の所に向かったよ。
シフォン姉ちゃんに促されて、おいら達もそこへ行ってみると。
「あれって、アカシアさんの所で見せてもらったモニターってヤツじゃない?」
壁に掛けられたモニターにさっきのサヤさんの姿が映し出されていたんだ。
「そうなの、これもマリアさんが提供してくれたんだ。
これを使えば『新開地レジャーランド』で働く全ての人を管理できるって。
テルルの技術で作られた貴重な機械らしいよ。」
モニターの画像、シフォン姉ちゃんが指差した部分をよく見ると。
サヤさんの姿が映し出された横には色々な情報が映し出されてたよ。
所属店名きゃんぎゃるカフェから始まって、住所や誕生日、更にはいつから働き始めるとかも。
因みに、サヤさんの姿を写し取った画像は写真と呼ばれるものらしい。
そして、ギルド職員が四角い箱の前で何やらカチャカチャ触っていると。
別の四角い箱から、手のひらにおさまるくらいの大きさで、薄く四角い板が吐き出されてきたの。
その四角い板には『身分証明書』と表題がなされていたよ。
表題の下、左側にサヤさんの小さな顔写真、右側に所属店や名前、生年月日といった情報と識別番号が記載されてた。
ご丁寧なことに職種『女給』なんて情報も。これが風呂屋だったら『泡姫』とか記載されるらしい。
因みに、この識別番号、十桁の数字で一見ただの数字の羅列なんだけど。
実は最初の二桁が住んでいる町で、次の三桁が町の中の街区なの。
王都なら『〇一』、マイナイ伯爵領なら『〇五』っていった感じで、王都の貴族街なら『〇一〇〇一』だよ。
その後五桁が順番に付された数字なんだけど、勘の良い人が見れば最初の五桁でだいたいの住所が見当つくの。
この身分証明書、『新開地レジャーランド』の門を潜る時は必ず門番に提示しないといけないらしい。
それだけじゃなくて、新開地レジャーランド内では常に携行しないといけないんだって。
『泡姫』と記載された実名入りの身分証明書か…。
うっかり落として、近所のオバチャンにでも拾われたらとんでもないことになりそうだよ。
それだけじゃないよ。
モニターに映し出された全身写真やプロフィールは、各店舗の指名予約用に公表されるらしい。
その旨、ちゃんと最初の『重要事項説明書』に記載されていて、みんな承諾しているんだって。
承諾したお姉さん達って『勇者』だね。友達のお父さんとか近所のおじさんに見られても良いのかな?
確かに、普通の感性をした娘さんには新開地レジャーランドにあるお店で働くのはハードルが高いだろうね。
「こちらが、当店でのお仕事の概要となっています。
お客様のご注文を伺い、注文されたお品をテーブルにお届けしていただき。
お客様がお帰りになった後は、テーブルの上を片付けていただきます。
基本は普通の飲食店の女給のお仕事と変わりはないかと。
色街にありがちな肉体的なサービスはありませんのご安心ください。」
採用担当のギルド職員が、予め用意されたパンフレットを示しながら仕事の説明をしていたよ。
どうやら、そのブースは『きゃんぎゃるカフェ』の採用ブースらしい。
「これだけのお仕事で、時給銀貨二枚も貰えるんですか!
信じられなーい!
本当にいかがわしいサービスは無いんですか?」
派手目の化粧をした若いお姉さんが仕事の説明を聞いてそんな感想を漏らしてた。
「はい、直接お客様に肉体的はサービスをすることは一切ございません。
ただし、制服はこちらを着用して頂き、下着は着用しないことになっています。
お客様のご注文が無い時は、その服装でフロアを回って頂くことになります。
まあ大人のお店ですし、殿方の目を楽しませるのがサービスだと思ってください。」
ギルド職員は、キワドイ制服をカウンターの上に広げて見せたよ。
「キャー! カワイー!
これ、アトリエ・シフォンの服ですよね!
私、これ、着てみたいと思っていたんです。
って、えっ…。
この制服で下着を着けたらいけないんですか。
こんな短いスカートじゃ見えちゃいますよね?」
シフォン姉ちゃんが司会をする時に度々着用している服だしそれなりに認知されているみたい。
アトリエ・シフォンの服が制服だと聞いて喜んだお姉さんだけど。
冷静になって考えると、とんでもなく恥ずかしいことになると気付いたようだね。
「はい、十五歳未満入店禁止の大人のお店ですので。
その分、給金が良いのだと考えてください。
やはり、普通のカフェの三倍の給金をお出しするのですから。
まあ、意識して動けば滅多なことでは見えないそうですし。
お客様による女給へお触りは、厳禁となっておりますのでご安心ください。」
女給さんにお触りしたお客さんは即座に用心棒が摘まみ出すから安心してくれって。
ギルド職員の説明では腕利き女性冒険者を用心棒として雇い入れているらしい。
ギルド職員の説明に、応募してきたお姉さんは顔を赤らめて制服を眺めてたけど。
はたと何か気になった様子で尋ねたの。
「この服って退職する時、どうなるのですか?
貰うことは出来るんですか?」
「はい、使い回すことはしないとのことで。
退職の際は差し上げると総支配人から聞かされています。
別に退職時でなくても、制服は年に数回更新する予定らしく。
古い制服はそのまま女給さんに差し上げるそうです。」
「えっ、アトリエ・シフォンの服が年に何着も頂けるんですか?
実は買い取らされるとか。」
余りに気前の良いことを聞かされたものだから、お姉さんが疑いの目を向けたよ。
「もちろん、無償です。買取なんてさせませんよ。
それと『店外デート』と称するオプションがございまして。
その際にお客様が制服を買取されると、代わりに新しい制服が支給されますので。」
「店外デートですか?
それって、エッチなことをするんですよね。
ここで働くと、それはしないといけないんですか?」
オプションの説明を受けて、お姉さんの腰が引けてたよ。
いかがわしいことをしないで良いと聞いて、乗り気になっていたみたいだからね。
「いいえ、オプションを受けるかどうかは女給さんの判断に任せています。
オプションを受けるように強要することはございませんのでご安心ください。
『店外デート』の場合、誘われるのも嫌な方がいるでしょうから。
誘われてもかまわない方にはこのバッチを着用して頂きます。
バッチを着用してない女給さんを誘うことは禁止事項としておりまして。
違反したお客様は、強制的に退店して頂くこととしています。
また、デートの内容はお客さまと女給さんの個人的な交渉となっていまして。
お店はその内容に一切関知いたしません。」
ギルド職員は、エッチなことをするかどうかは、女給さんとお客さんの間での交渉次第だとしたうえで。
店の外に出たら、お客さんの態度が豹変しても護ってあげることは出来ないと伝えたの。
危ない目に遭うのを避けたいなら、バッチは付けない方が良いとアドバイスしてたよ。
バッチってのは、例の『私をお外に連れてって』と言ってる二頭身キャラのバッチだね。
「本当に拒否できるんですか?」
「はい、ひまわり会の当部門総支配人は女性でして。
女の子が安心して楽しく働けるお店作りを目指しています。
各店舗の店長も全員女性で、働く女の子の気持ちを理解していますし。
オプションを強要しないように強く指示されていますのでご安心ください。」
「それなら安心ですね。 私、こちらで働いてみたいです。
アトリエ・シフォンの服が何種類も着れるなんて夢みたい。
頑張りますので、是非採用して欲しいです。」
このお姉さんはギルド職員の丁寧な説明に安心した様子で、『きゃんぎゃるカフェ』で働く意思を固めたみたい。
シフォン姉ちゃんの手掛けた服が制服だという誘惑に抗えなかったようだね。
その後、希望する時間帯や曜日とか細かい条件の相談をしていたよ。
シフォン姉ちゃんは幾つものブースで行われている採用面接の様子を見て回ると。
「うん、うん、ちゃんと丁寧に説明しているわね。
オプションを強要しないということはハッキリ言っておかないとね。
気乗りしないサービスを強要されるかもと思ったら、安心して働けないだろうから。」
採用担当のギルド職員の対応に満足気にしていたよ。
仕事の内容を包み隠さず説明する事とオプションの強要はしないこと。
良い女の子を集める秘訣だと、シフォン姉ちゃんはにっぽん爺から聞かされていたらしいの。
**********
次にシフォン姉ちゃんはギルド本部の二階に案内してくれたんだ。
シフォン姉ちゃん曰く、秘密兵器を見せてくれるそうだよ。
その部屋には採用が決まったお姉さんが集められていたの。
「はい、『きゃんぎゃるカフェ』で採用されたサヤさん、いらしたらこちらへ。」
部屋の一画、暗幕で仕切られたスペースの手前に設けられた長テーブルの奥からギルド職員が声を掛けてた。
呼び掛けに応じてサヤさんらしきお姉さんが、テーブルの前に出向くと。
ギルド職員は本人確認のために住所と誕生日を尋ね、返答を手許の書類と照合して。
「では、暗幕の中でこの制服に着替えて、更に奥にある部屋に進んでください。」
制服をサヤさんに手渡して暗幕の中に入れと指示してたんだ。
それを見送るとシフォン姉ちゃんは隣の部屋に案内してくれたの。
その部屋は外部に面した小さな部屋で、広い窓から入る日差しと白い壁が印象的な部屋だった。
しばらく待っていると、制服に着替えたサヤさんがおいら達とは別の扉から入って来ると。
待ち構えていたギルド職員のお姉さんが。
「サヤさんですね。
では、その白い壁を背にして真っ直ぐに背筋を伸ばした姿勢で立ってください。」
そんな指示を出すと、四角い板みたいなものを手にサヤさんに近付いたの。
サヤさんの前で立ち止まったギルド職員は四角い板をサヤさんに向けて幾つか指示を出すと。
カシャ、カシャ
そんな音と共に四角い板から二回眩い光が走ったんだ。
「はい結構です。
そちらの扉から隣の部屋に戻り、お名前が呼ばれるまでお待ちください。」
とサヤさんを立ち去らせ、ギルド職員は部屋に隅で四角い箱に囲まれて座っている別の職員の所に向かったよ。
シフォン姉ちゃんに促されて、おいら達もそこへ行ってみると。
「あれって、アカシアさんの所で見せてもらったモニターってヤツじゃない?」
壁に掛けられたモニターにさっきのサヤさんの姿が映し出されていたんだ。
「そうなの、これもマリアさんが提供してくれたんだ。
これを使えば『新開地レジャーランド』で働く全ての人を管理できるって。
テルルの技術で作られた貴重な機械らしいよ。」
モニターの画像、シフォン姉ちゃんが指差した部分をよく見ると。
サヤさんの姿が映し出された横には色々な情報が映し出されてたよ。
所属店名きゃんぎゃるカフェから始まって、住所や誕生日、更にはいつから働き始めるとかも。
因みに、サヤさんの姿を写し取った画像は写真と呼ばれるものらしい。
そして、ギルド職員が四角い箱の前で何やらカチャカチャ触っていると。
別の四角い箱から、手のひらにおさまるくらいの大きさで、薄く四角い板が吐き出されてきたの。
その四角い板には『身分証明書』と表題がなされていたよ。
表題の下、左側にサヤさんの小さな顔写真、右側に所属店や名前、生年月日といった情報と識別番号が記載されてた。
ご丁寧なことに職種『女給』なんて情報も。これが風呂屋だったら『泡姫』とか記載されるらしい。
因みに、この識別番号、十桁の数字で一見ただの数字の羅列なんだけど。
実は最初の二桁が住んでいる町で、次の三桁が町の中の街区なの。
王都なら『〇一』、マイナイ伯爵領なら『〇五』っていった感じで、王都の貴族街なら『〇一〇〇一』だよ。
その後五桁が順番に付された数字なんだけど、勘の良い人が見れば最初の五桁でだいたいの住所が見当つくの。
この身分証明書、『新開地レジャーランド』の門を潜る時は必ず門番に提示しないといけないらしい。
それだけじゃなくて、新開地レジャーランド内では常に携行しないといけないんだって。
『泡姫』と記載された実名入りの身分証明書か…。
うっかり落として、近所のオバチャンにでも拾われたらとんでもないことになりそうだよ。
それだけじゃないよ。
モニターに映し出された全身写真やプロフィールは、各店舗の指名予約用に公表されるらしい。
その旨、ちゃんと最初の『重要事項説明書』に記載されていて、みんな承諾しているんだって。
承諾したお姉さん達って『勇者』だね。友達のお父さんとか近所のおじさんに見られても良いのかな?
確かに、普通の感性をした娘さんには新開地レジャーランドにあるお店で働くのはハードルが高いだろうね。
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