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第十九章 難儀な連中が現れたよ…
第638話 今度は爽やかなイケメンが現れた…
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『歓び隊』のお姉さん四人に取り囲まれて広場を出て行ったタルトとトルテ。
一行を尾行したら二人が連れて行かれたのは、ごく普通のお茶処だった。
「このお店、何時も私達がたまり場にしているの。
今日は、特別なお菓子を予約してあってね。
とっても、美味しいから一緒に食べようね。」
四人組の一人がそう言って、タルトとトルテを店の中に招き入れてたよ。
残りの三人は、タルト達が逃げ出さないようにか、後に立って退路を塞いでた。
タルト達一行と少し距離を置いておいら達もそのお茶処に入ることにしたの。
お洒落な雰囲気のお店に入ると、タルト達は一番奥の席に連れて行かれてた。
まだお昼前のためか、店の中の人影はまばらでお客はおいら達を含めて二十人も居なかったんだ。
ただ、不自然なのは一番奥の隅の席に座ったタルト達を囲むように、周りのテーブルにだけお客さんがいるの。
おいら達が陣取った入り口近くのテーブルはがら空きなのに。
タルト達が席に着いて給仕に注文を済ませると、待ってましたとばかり動きがあったよ。
「やあ、偶然だね。
そっちの子達は見ない顔だけど。
ボク達のグループに入ってくれた新人さんかな?」
隣のテーブルに腰掛けていたイケメン兄ちゃんが、『歓び隊』のお姉さんに声を掛けたんだ。
イケメン兄ちゃん、椅子をずらすとタルト達のテーブルに向けて座り直したの。
「白々しい。何が、偶然なものですか。
カモが罠に掛かるのを待ち構えていたくせに。」
その様子を見てウレシノが呟きを漏らしてた。
「あのイケメン兄ちゃんも『教団』の信者なの?」
「もちろん、そうですよ。
てか、タルトさん達が着いたテーブルの周り三卓。
あそこに座る十二人の若者、全員が信者です。
まあ、見ていてください。
これから猿芝居が始まりますから。」
不自然なはずだよ。
他のお客を寄せ付けないように、隅の一画を教団の連中が占拠しているんだって。
すると。
「そうなの。
この二人、私達の活動に共感してくれて。
メンバーに加わってくれるって。」
『歓び隊』のお姉さんがイケメン兄ちゃんにそう返したの。
「い、いえ、私達、まだ仲間に入るとは…。」
グループに加わることが決定事項みたいに言われて、タルトは戸惑いの表情を見せたよ。
でも、加入の件を訂正しようとするタルトの言葉は意図的に無視されたようで。
「そうなんだ、ようこそ。
メンバーに加わってもらえるなんて嬉しいな。
歓迎するよ、これから一緒に頑張ろう。」
爽やかな笑顔を湛えたイケメン兄ちゃんは、たたみ掛けるように歓迎の言葉を口にしたの。
しかも、このイケメン、手を差し出して握手を求めてたよ。
迂闊に手を取ることも出来ずに、タルトが困っていると。
「わぁっ、私達の活動に参加してくれて嬉しいわ。
私達の神もきっと祝福してくださるわ。
入信、おめでとう。」
いつの間にか『教団』に入ることになっているし…。
その様子を冷めた目で見ていたウレシノは大きくため息を吐いて。
「あれが『教団』の手口ですよ。
いつの間にか話がすり替えられているんです。
『教団』へ入信することにね。
そして、周りを信徒で囲んで一方的に話を進めて。
嫌とは言えない雰囲気を作るのです。
慈善活動に関心を示すのは基本的に大人しい子ですから。
ああやって囲まれると断れない子も多くて…。」
呆れ果てたって表情で、連中の手口を解説してくれたよ。
「ええっと…、『神』ですか? 『入信』っていったい?
私達は、街の清掃ボランティアと聞いて来たのですが…。」
いきなり『神』なんて言葉が出てきて、怪訝な顔をするトルテ。
「そう、そう、街の清掃ボランティア。
ボク達は神に仕える『幸福な家庭の光』の敬虔な信徒だよ。
ボランティアは『教団』の活動の一環なの。
街の清掃という無償の奉仕を通して神への功徳を積むんだ。
そして、ボク達の活動を通して、多くの人に『教団』を知ってもらうのさ。
それで神に帰依する人が増えてくれれば、神もお喜びになるはずさ。」
「そうそう、あなた達も私達の仲間として。
素晴らしい『神の国』の実現に向けて功徳を積みましょう。」
ここに来て、やっと連中、自分達の正体を明かしたよ。
**********
「ええっと、これは『教団』への勧誘と捉えて良いのでしょうか?
ところで、『清掃ボランティア』の活動って本当にしてます?」
連中が正体を明かしたところで、トルテがそんな事を尋ねたの。
「もちろん、君達をボク達の仲間に迎えるのが目的さ。
でも、清掃ボランティアに興味あるんでしょう。
ボランティアをしているのがボク達の教団だったってだけじゃない。
何か、おかしなことでもあるかな?」
イケメン兄ちゃんは、『教団』への勧誘も、清掃ボランティアも一緒だと言わんばかりだったよ。
「ですから、その清掃は実際にしているのですか?」
トルテは再度確認するように尋ねたの。
「もちろん、行っているさ。
早起きして、清掃活動するのは気持ち良いよ。」
イケメン兄ちゃんは臆面も無く返答したのだけど。
「おかしいですね。
今日の早朝に、陛下の護衛で王都の中を通ったのですが。
皆さんの姿は見かけませんでしたよ。
知ってます?
王都の清掃は毎朝、見習い冒険者がしているのです。
国王陛下も毎朝、それをご覧になっているのですよ。
第一、あなた方、一昨日、この港に着いたばかりでしょう。
以前から清掃ボランティアをしてたなんて嘘に決まっているでしょう。」
そうなんだ、王都の掃除は冒険者研修のカリキュラムに組み込まれているからね。
ボランティアなんて、はなから出番が無いんだよ。
毎朝、冒険者研修の受講生が王都の隅々まで清掃しているから。
トルテの言葉に続くように、タルトは一枚の紙をポシェットから取り出し。
「これ、国王陛下の勅令の写しなのですが。
目的を偽って他者を誘導し、宗教団体へ勧誘することはご法度です。
これは入国管理事務所にも掲示してあり、周知のことかと。
今の皆さんの行為は明らかに勅令に違反してますね。
これは、知らなかったで済まされない重罪ですので。
この場にいる皆さんを拘束させて頂きます。」
テーブルに広げた勅令の一文を指差しながら、全員捕縛を宣告したんだ。
イケメン兄ちゃんは目を皿のようにして勅令に目を通すと。
「げっ、何だ、そのボク達の勧誘をピンポイントに狙い撃ちするような禁令は…。
まるで、『教団』の行動を熟知しているようじゃないか。
この大陸には『教団』に類するものは無いって聞いていたぞ。」
泡を食ったような表情で叫び声を上げたよ。
「てか、何だよ。
この勅令に違反した者は例外なく死罪って…。
こんなの無茶苦茶じゃないか。」
脇から勅令を覗き込んでいた信徒の一人が、勅令の最後の一文に気付いたみたい。
みんなで検討した結果、『教団』なんてヤバいものには厳罰をもって対処することになったの。
ノノウ一族からもたらされた情報によると。
オードゥラ大陸では、教団に食い物にされて破産したり、一家離散したりと深刻な社会問題になったらしいし。
自殺者や『教団』絡みのいざこざによる刃傷沙汰も多発したみたいだからね。
ある意味盗賊なんかよりよっぽど質が悪かったって、ウレシノは言ってたよ。
また、教団を摘発した際に一人でも取り逃がすと、そいつがすぐに新しい教団を作って悪さをするみたい。
どんな『教団』もゴキブリ以上にしぶといので、見つけたら根絶やしにしないダメなんだって。
そんな情報に基づき、勅令に違反する行為については極刑をもってする事に決めたんだ。
**********
「ふざけるな! こんなの思想弾圧だぞ。魔女狩りだ!
ボク達は、こんな横暴には断固として屈服しないぞ!」
イケメン兄ちゃんが、気勢を上げると。
「そうだ、そうだ!」
「我々の神に対する弾圧には断固として屈しないぞ!」
連中は口々に抗議の言葉を叫んだの。
こんな抵抗もお約束だとウレシノは言ってたよ。
『教団』の連中は、どんなに悪事を働いても自分が悪いとは認めないんだって。
自分に都合の悪いことは全ていわれなき弾圧になるらしい。
聞いていて頭が痛くなると、ウレシノは呆れてた。
そして、イケメン兄ちゃん達は一斉に出口に向かって遁走を図ったよ。
「みんな、出口を固めてちょうだい。
一人も逃がしたらダメだよ。」
「任せて下さい。蟻んこ一匹通しませんよ。」
おいらが指示すると、ジェレ姉ちゃんは嬉々として出口を塞いだよ。
でも、その前に…。
「全く、迷惑な虫けら共ですね。
壺売りなんて止めて、堅気に稼げば良いものを。
人を騙して楽しようなんて思うから寿命を縮めるんですよ。」
ウレシノが連中の行く手を阻んだの。
「ええい、そこを退け!
神の使徒に仇なすサタンは、女だろうと赦さぬぞ。」
イケメン兄ちゃん、腕っ節は強くなさそうだけど、相手が若い娘だと思って舐めたんだろうね。
さして鋭くも無い正拳突きでウレシノを排除に掛かったの。
「流石、口だけ教団のクズ人間ですね。
そんなヒョロヒョロの拳では、子供だって倒せませんよ。」
ウレシノはイケメン兄ちゃんの拳を難無く躱すと、キツイ一撃を鳩尾の食らわせていたよ。
力なく倒れ伏すイケメン兄ちゃんに。
「このアマー!
リーダーに何をする!」
続く連中が激昂してウレシノに襲い掛かったの。
「こんな軟弱者じゃ、何人いてもどうってこと無いですね。
近衛の方には申し訳ないですが、私一人で十分です。」
そんな呟きを漏らしながら、ウレシノは次々と血祭りにあげて行ったよ。
『歓び隊』のお姉さんを含めて十六人、ウレシノ一人で捕まえちゃった。
一行を尾行したら二人が連れて行かれたのは、ごく普通のお茶処だった。
「このお店、何時も私達がたまり場にしているの。
今日は、特別なお菓子を予約してあってね。
とっても、美味しいから一緒に食べようね。」
四人組の一人がそう言って、タルトとトルテを店の中に招き入れてたよ。
残りの三人は、タルト達が逃げ出さないようにか、後に立って退路を塞いでた。
タルト達一行と少し距離を置いておいら達もそのお茶処に入ることにしたの。
お洒落な雰囲気のお店に入ると、タルト達は一番奥の席に連れて行かれてた。
まだお昼前のためか、店の中の人影はまばらでお客はおいら達を含めて二十人も居なかったんだ。
ただ、不自然なのは一番奥の隅の席に座ったタルト達を囲むように、周りのテーブルにだけお客さんがいるの。
おいら達が陣取った入り口近くのテーブルはがら空きなのに。
タルト達が席に着いて給仕に注文を済ませると、待ってましたとばかり動きがあったよ。
「やあ、偶然だね。
そっちの子達は見ない顔だけど。
ボク達のグループに入ってくれた新人さんかな?」
隣のテーブルに腰掛けていたイケメン兄ちゃんが、『歓び隊』のお姉さんに声を掛けたんだ。
イケメン兄ちゃん、椅子をずらすとタルト達のテーブルに向けて座り直したの。
「白々しい。何が、偶然なものですか。
カモが罠に掛かるのを待ち構えていたくせに。」
その様子を見てウレシノが呟きを漏らしてた。
「あのイケメン兄ちゃんも『教団』の信者なの?」
「もちろん、そうですよ。
てか、タルトさん達が着いたテーブルの周り三卓。
あそこに座る十二人の若者、全員が信者です。
まあ、見ていてください。
これから猿芝居が始まりますから。」
不自然なはずだよ。
他のお客を寄せ付けないように、隅の一画を教団の連中が占拠しているんだって。
すると。
「そうなの。
この二人、私達の活動に共感してくれて。
メンバーに加わってくれるって。」
『歓び隊』のお姉さんがイケメン兄ちゃんにそう返したの。
「い、いえ、私達、まだ仲間に入るとは…。」
グループに加わることが決定事項みたいに言われて、タルトは戸惑いの表情を見せたよ。
でも、加入の件を訂正しようとするタルトの言葉は意図的に無視されたようで。
「そうなんだ、ようこそ。
メンバーに加わってもらえるなんて嬉しいな。
歓迎するよ、これから一緒に頑張ろう。」
爽やかな笑顔を湛えたイケメン兄ちゃんは、たたみ掛けるように歓迎の言葉を口にしたの。
しかも、このイケメン、手を差し出して握手を求めてたよ。
迂闊に手を取ることも出来ずに、タルトが困っていると。
「わぁっ、私達の活動に参加してくれて嬉しいわ。
私達の神もきっと祝福してくださるわ。
入信、おめでとう。」
いつの間にか『教団』に入ることになっているし…。
その様子を冷めた目で見ていたウレシノは大きくため息を吐いて。
「あれが『教団』の手口ですよ。
いつの間にか話がすり替えられているんです。
『教団』へ入信することにね。
そして、周りを信徒で囲んで一方的に話を進めて。
嫌とは言えない雰囲気を作るのです。
慈善活動に関心を示すのは基本的に大人しい子ですから。
ああやって囲まれると断れない子も多くて…。」
呆れ果てたって表情で、連中の手口を解説してくれたよ。
「ええっと…、『神』ですか? 『入信』っていったい?
私達は、街の清掃ボランティアと聞いて来たのですが…。」
いきなり『神』なんて言葉が出てきて、怪訝な顔をするトルテ。
「そう、そう、街の清掃ボランティア。
ボク達は神に仕える『幸福な家庭の光』の敬虔な信徒だよ。
ボランティアは『教団』の活動の一環なの。
街の清掃という無償の奉仕を通して神への功徳を積むんだ。
そして、ボク達の活動を通して、多くの人に『教団』を知ってもらうのさ。
それで神に帰依する人が増えてくれれば、神もお喜びになるはずさ。」
「そうそう、あなた達も私達の仲間として。
素晴らしい『神の国』の実現に向けて功徳を積みましょう。」
ここに来て、やっと連中、自分達の正体を明かしたよ。
**********
「ええっと、これは『教団』への勧誘と捉えて良いのでしょうか?
ところで、『清掃ボランティア』の活動って本当にしてます?」
連中が正体を明かしたところで、トルテがそんな事を尋ねたの。
「もちろん、君達をボク達の仲間に迎えるのが目的さ。
でも、清掃ボランティアに興味あるんでしょう。
ボランティアをしているのがボク達の教団だったってだけじゃない。
何か、おかしなことでもあるかな?」
イケメン兄ちゃんは、『教団』への勧誘も、清掃ボランティアも一緒だと言わんばかりだったよ。
「ですから、その清掃は実際にしているのですか?」
トルテは再度確認するように尋ねたの。
「もちろん、行っているさ。
早起きして、清掃活動するのは気持ち良いよ。」
イケメン兄ちゃんは臆面も無く返答したのだけど。
「おかしいですね。
今日の早朝に、陛下の護衛で王都の中を通ったのですが。
皆さんの姿は見かけませんでしたよ。
知ってます?
王都の清掃は毎朝、見習い冒険者がしているのです。
国王陛下も毎朝、それをご覧になっているのですよ。
第一、あなた方、一昨日、この港に着いたばかりでしょう。
以前から清掃ボランティアをしてたなんて嘘に決まっているでしょう。」
そうなんだ、王都の掃除は冒険者研修のカリキュラムに組み込まれているからね。
ボランティアなんて、はなから出番が無いんだよ。
毎朝、冒険者研修の受講生が王都の隅々まで清掃しているから。
トルテの言葉に続くように、タルトは一枚の紙をポシェットから取り出し。
「これ、国王陛下の勅令の写しなのですが。
目的を偽って他者を誘導し、宗教団体へ勧誘することはご法度です。
これは入国管理事務所にも掲示してあり、周知のことかと。
今の皆さんの行為は明らかに勅令に違反してますね。
これは、知らなかったで済まされない重罪ですので。
この場にいる皆さんを拘束させて頂きます。」
テーブルに広げた勅令の一文を指差しながら、全員捕縛を宣告したんだ。
イケメン兄ちゃんは目を皿のようにして勅令に目を通すと。
「げっ、何だ、そのボク達の勧誘をピンポイントに狙い撃ちするような禁令は…。
まるで、『教団』の行動を熟知しているようじゃないか。
この大陸には『教団』に類するものは無いって聞いていたぞ。」
泡を食ったような表情で叫び声を上げたよ。
「てか、何だよ。
この勅令に違反した者は例外なく死罪って…。
こんなの無茶苦茶じゃないか。」
脇から勅令を覗き込んでいた信徒の一人が、勅令の最後の一文に気付いたみたい。
みんなで検討した結果、『教団』なんてヤバいものには厳罰をもって対処することになったの。
ノノウ一族からもたらされた情報によると。
オードゥラ大陸では、教団に食い物にされて破産したり、一家離散したりと深刻な社会問題になったらしいし。
自殺者や『教団』絡みのいざこざによる刃傷沙汰も多発したみたいだからね。
ある意味盗賊なんかよりよっぽど質が悪かったって、ウレシノは言ってたよ。
また、教団を摘発した際に一人でも取り逃がすと、そいつがすぐに新しい教団を作って悪さをするみたい。
どんな『教団』もゴキブリ以上にしぶといので、見つけたら根絶やしにしないダメなんだって。
そんな情報に基づき、勅令に違反する行為については極刑をもってする事に決めたんだ。
**********
「ふざけるな! こんなの思想弾圧だぞ。魔女狩りだ!
ボク達は、こんな横暴には断固として屈服しないぞ!」
イケメン兄ちゃんが、気勢を上げると。
「そうだ、そうだ!」
「我々の神に対する弾圧には断固として屈しないぞ!」
連中は口々に抗議の言葉を叫んだの。
こんな抵抗もお約束だとウレシノは言ってたよ。
『教団』の連中は、どんなに悪事を働いても自分が悪いとは認めないんだって。
自分に都合の悪いことは全ていわれなき弾圧になるらしい。
聞いていて頭が痛くなると、ウレシノは呆れてた。
そして、イケメン兄ちゃん達は一斉に出口に向かって遁走を図ったよ。
「みんな、出口を固めてちょうだい。
一人も逃がしたらダメだよ。」
「任せて下さい。蟻んこ一匹通しませんよ。」
おいらが指示すると、ジェレ姉ちゃんは嬉々として出口を塞いだよ。
でも、その前に…。
「全く、迷惑な虫けら共ですね。
壺売りなんて止めて、堅気に稼げば良いものを。
人を騙して楽しようなんて思うから寿命を縮めるんですよ。」
ウレシノが連中の行く手を阻んだの。
「ええい、そこを退け!
神の使徒に仇なすサタンは、女だろうと赦さぬぞ。」
イケメン兄ちゃん、腕っ節は強くなさそうだけど、相手が若い娘だと思って舐めたんだろうね。
さして鋭くも無い正拳突きでウレシノを排除に掛かったの。
「流石、口だけ教団のクズ人間ですね。
そんなヒョロヒョロの拳では、子供だって倒せませんよ。」
ウレシノはイケメン兄ちゃんの拳を難無く躱すと、キツイ一撃を鳩尾の食らわせていたよ。
力なく倒れ伏すイケメン兄ちゃんに。
「このアマー!
リーダーに何をする!」
続く連中が激昂してウレシノに襲い掛かったの。
「こんな軟弱者じゃ、何人いてもどうってこと無いですね。
近衛の方には申し訳ないですが、私一人で十分です。」
そんな呟きを漏らしながら、ウレシノは次々と血祭りにあげて行ったよ。
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