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第十八章【間章】おいらが生まれるよりずっと前のことだって
第611話 妖精族の秘密が明らかになって来たよ…
しおりを挟む 1階に下り、渡り廊下を通って中央棟へ急ぐ。
幸い、広いロビーにも事務室にも人の気配はない。
正面玄関のガラス戸を通して、厚い雲に覆われた空が見える。
どうやら雨が降り出したようで、ガラスにどんどん水滴がついていく。
一気に暗さを増した外界は、まるで余裕をなくした杏里の心象風景のようだ。
下駄箱の列の隅が、アイテムを隠した来客用コーナーだった。
隠してあったタオルで裸身を拭くと、まず乳首と陰部にロイヤルゼラチンを塗り込んだ。
その上から薄いピンクのブラとパンティ、そして黒いパンティストッキングを身につけると、下着の上から白のブラウスを羽織り、黒のタイトミニを穿く。
仕上げにフレームの細い銀縁眼鏡をかけると、杏里は社会人になったばかりのOLそのものの格好になった。
久しぶりに衣服で肌を隠すことができ、少しほっとした気分だった。
着替えを済ませ、ホールの大鏡の前でポーズをとってみる。
悪くはなかった。
露出度の高いコスチュームだけでは飽きられてしまうだろうと、あえてセレクトした地味目のアイテムである。
が、成人女性並みに乳房と尻の発達した杏里には、ブラウスとタイトミニの組み合わせがよく似合う。
次のターゲットは教員たちだけに、このスタイルは有効なはずだった。
まあ、一部のロリコン教師には不評かもしれないけど…。
ふとそんなことを思うと、苦い笑いがこみ上げてきた。
職員室に行く途中で給湯室に寄り、水で性露丸マグナムの丸薬を喉に流し込む。
これも下駄箱に隠してあったものである。
残りはゴールである体育館の下駄箱に忍ばせてある一袋だけだから、今となっては貴重なエネルギー源だった。
塗り薬と飲み薬の両方が効いてくるのを待つ。
いい加減疲れ切っている身体の奥に火がともり、めらめらと燃え上がり始めるのがわかった。
乳首が勃起し、薄いブラジャーの生地を押し上げる。
一時乾きかけていた股の間のぬるぬる感も、また元に戻ってきたようだ。
覚悟を決めて、職員室の引き戸の前に立つ。
控えめにノックをすると、
「どうぞ」
校長の大山のバリトンが返ってきた。
「笹原君だね。待っていたよ。何の仕掛けもないから、安心してお入り」
半信半疑で戸を引いた。
視界に広がったのは、いつもの職員室の光景だ。
それぞれのデスクについて、教師たちがデスクワークにいそしんでいる。
ただひとつ普段と異なるのは、杏里を見る彼らのまなざしが、異様にぎらついて見えることだった。
一歩前に進み出ると、すぐ後ろで乱暴に引き戸が閉められた。
その音を合図にしたかのように、教師たちが椅子をずらして立ち上がる。
その時になって、ようやく杏里は気づいた。
普段と大きく異なる、もうひとつの点に。
デスクの陰から現れた、思わず眼を背けたくなるもの…。
教師たちは、老若男女問わず、全員下半身裸なのだった。
幸い、広いロビーにも事務室にも人の気配はない。
正面玄関のガラス戸を通して、厚い雲に覆われた空が見える。
どうやら雨が降り出したようで、ガラスにどんどん水滴がついていく。
一気に暗さを増した外界は、まるで余裕をなくした杏里の心象風景のようだ。
下駄箱の列の隅が、アイテムを隠した来客用コーナーだった。
隠してあったタオルで裸身を拭くと、まず乳首と陰部にロイヤルゼラチンを塗り込んだ。
その上から薄いピンクのブラとパンティ、そして黒いパンティストッキングを身につけると、下着の上から白のブラウスを羽織り、黒のタイトミニを穿く。
仕上げにフレームの細い銀縁眼鏡をかけると、杏里は社会人になったばかりのOLそのものの格好になった。
久しぶりに衣服で肌を隠すことができ、少しほっとした気分だった。
着替えを済ませ、ホールの大鏡の前でポーズをとってみる。
悪くはなかった。
露出度の高いコスチュームだけでは飽きられてしまうだろうと、あえてセレクトした地味目のアイテムである。
が、成人女性並みに乳房と尻の発達した杏里には、ブラウスとタイトミニの組み合わせがよく似合う。
次のターゲットは教員たちだけに、このスタイルは有効なはずだった。
まあ、一部のロリコン教師には不評かもしれないけど…。
ふとそんなことを思うと、苦い笑いがこみ上げてきた。
職員室に行く途中で給湯室に寄り、水で性露丸マグナムの丸薬を喉に流し込む。
これも下駄箱に隠してあったものである。
残りはゴールである体育館の下駄箱に忍ばせてある一袋だけだから、今となっては貴重なエネルギー源だった。
塗り薬と飲み薬の両方が効いてくるのを待つ。
いい加減疲れ切っている身体の奥に火がともり、めらめらと燃え上がり始めるのがわかった。
乳首が勃起し、薄いブラジャーの生地を押し上げる。
一時乾きかけていた股の間のぬるぬる感も、また元に戻ってきたようだ。
覚悟を決めて、職員室の引き戸の前に立つ。
控えめにノックをすると、
「どうぞ」
校長の大山のバリトンが返ってきた。
「笹原君だね。待っていたよ。何の仕掛けもないから、安心してお入り」
半信半疑で戸を引いた。
視界に広がったのは、いつもの職員室の光景だ。
それぞれのデスクについて、教師たちがデスクワークにいそしんでいる。
ただひとつ普段と異なるのは、杏里を見る彼らのまなざしが、異様にぎらついて見えることだった。
一歩前に進み出ると、すぐ後ろで乱暴に引き戸が閉められた。
その音を合図にしたかのように、教師たちが椅子をずらして立ち上がる。
その時になって、ようやく杏里は気づいた。
普段と大きく異なる、もうひとつの点に。
デスクの陰から現れた、思わず眼を背けたくなるもの…。
教師たちは、老若男女問わず、全員下半身裸なのだった。
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