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第十六章 里帰り、あの人達は…
第481話 アルト、何処へ行ったのかと思えば…
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にっぽん爺の屋敷、朝のトレント狩りで得た収益金を分配している時のこと。
声を掛けられて振り返ると、そこにはアルトが宙に浮かんでた。
「あっ、アルト、お帰りなさい。」
「はい、ただいま。マロン。
毎朝、トレント狩りを続けているようで偉いわ。」
数日振りに顔を見せたアルトは、おいらを褒めてくれた後、カズミ姉ちゃんの方を向き。
「ねえ、面白い話をしていたじゃない。
そこにいる『スケベ爺の息子』が、誰にご執心ですって。
私にも詳しく教えてくれないかしら?」
何故か、アルトはそんなことを尋ねたの。
さほど親しくもないカズト殿下の話を聞きたいなんて意外だったよ。
アルトってあまり人間に関心を持たないのに。
「お兄様はこのところサカリがついているご様子で。
ギルドが経営するお風呂屋さんに行ってこられたんです。
色々と持て余しているものを発散するために。
そこで、お相手してくださったウララさんに心を奪われてしまったようで…。」
「こら、人聞きの悪いことを言うでない。
別にウララ嬢に心を奪われた訳では無いぞ。
ただ、初めてああいうお店に行ったものだから。
ウララ嬢のご奉仕が素晴らしくて。
あの至福の時間を心の中で反芻しとっただけではないか。」
何でも、風呂屋から帰って来てから数日、カズト殿下は上の空だったらしいの。
心ここにあらずって感じで、ボーッとしてみたい。
そんなある時、カズト殿下は、王宮から持って来た銀貨入りの木箱を前に何やら考え込んでいたらしいの。
「お兄様、どうかなさいましたか?」
カズミ姉ちゃんが背後から尋ねると…。
思索に没頭していたせいか、カズヤ殿下は振り返りもせずに。
「いや、母上の悩ましい声にまた悶々としてしまってな。
再度風呂屋に行ってこようかと思っていたのだが。
これだけあればしばらく、ウララ嬢を当面買い占める事は出来る。
だが、この銀貨は元をただせば民の血税…。
やはり、シモの欲求を満たすために使うのは気が咎めるし。」
カズミ姉ちゃんの問い掛けられて、カズヤ殿下は心の声を漏らしてしまったようなんだ。
「お兄様、民の血税を劣情の解消に使うのを躊躇うのはご立派ですが…。
ご結婚を控えている身で、泡姫さんに心を奪われるのは如何なものかと思いますよ。」
カズミ姉ちゃんがカズト殿下の肩に手を置いてそう言うと。
カズト殿下はビクッと体を震わせ…。
「か、カズミ、お前、何時からそこにいたのだ?」
狼狽えた顔で尋ねてきたらしいの。
そこでやっとカズミ姉ちゃんの存在に気付いたらしいよ。
「いえ、今しがた、声を掛けたではございませんか。
お兄様、私の問い掛けに答えていましたよ。
ウララさんとおっしゃる方を買い占めたいって。」
カズト殿下のうわの空っぷりに、カズミ姉ちゃんは呆れたって。
それで、カズミ姉ちゃん、昨日はカズヤ殿下を外へ連れ出したんだって。
家の中に籠ってたら悶々とするだけだから、気分転換をした方が良いと思ったらしいの。
上手い具合にギーヴルが襲って来たそうで。
カズミ姉ちゃんが討伐して『生命の欠片』をカズヤ殿下にあげたらしい。
なるほど、今日からトレント狩りを始めたのはそういう経緯があったんだ。
それでさっきカズミ姉ちゃんは言い当てることが出来たんだね。
カズト殿下が、トレントを狩って得たお金を何に使おうと考えていたかを。
**********
「呆れた、もうすぐ可愛いお嫁さんを迎えると言うのに…。
シトラス王子じゃあるまいし、風呂屋通いが癖になったらどうするの。」
今までの経緯を知って、アルトが呆れていると…。
「いえ、アルト様、この家の中で悶々とされるよりは良いかと思います。
風呂屋で泡姫さんにお相手してもらえば、お金で済みますが。
お兄様の理性が切れて、エクレア団長に襲い掛かったら大変なことになりますから。」
クッころさんは、ああ見えて実は歴代の近衛騎士団長を輩出してる名門クレーム子爵家のご令嬢だものね。
お手付きしようものなら、現近衛騎士団長のモカさんが許してはおかないだろうって。
現状、カズト殿下の味方に付いてるモカさんを怒らせる訳にはいかないもんね。
そんなことになるくらいなら、後腐れない風呂屋で処理してもらった方が良いって。
処理って、何を?
「ふーん、どんな状況になっているかは呑み込めたわ。
こんな状況だけど、あなたはどうするつもりなの?」
カズミ姉ちゃんの話を粗方聞き終えたアルトは、誰もいない空間に向かって問い掛けたの。
すると、次の瞬間。
「カズヤ様、浮気は許しませんよ。
私というものが有りながら、他の女性に懸想するなんて。」
ネーブル姉ちゃんがプンプンとしながら現れたの。
どうやら、アルトの『積載庫』の中に控えていたようで、今の話を聞いていたみたい。
「あれ、ネーブル姉ちゃんを連れて来たってことは。
アルト、シタニアール国へ行ってたの?」
「そうよ、ブランシュの様子を見に行ったの。
新米長が、困っていないかと思ってね。
ついでに王宮に寄って、シーリンの様子も見て来たの。
そこで、カズヤがここに居ると言ったら。
ネーブルが連れてけって煩くて…。」
ブランシュはシタニアール国の王宮裏に作った新しい『妖精の森』の長に指名された妖精で。
シーリンはシトラス王子に嫁いだ耳長族のお姉ちゃん。
シトラス王子はすっかり真面目になっちゃって、シーリン姉ちゃんと仲睦まじくしてたみたい。
もうすぐ、赤ちゃんが産まれるそうでシーリンも幸せそうだったって。
そこでネーブル姉ちゃんにせがまれたんだって。
カズヤ殿下に会いたいから連れて行けと。
「恋する乙女は盲目ね…。
幾らダメだと言っても、放してくれなくて。
仕方がないから連れて来ちゃったわ。」
アルトがため息交じりに零すと、ネーブル姉ちゃんは「えへへ」とか言って笑ってた。
ネーブル姉ちゃんがここにいる理由は分かったけど…。
**********
ネーブル姉ちゃんから浮気は許さないと言われて焦るカズヤ殿下。
ウララさんの話とか全て聞かれていたのを悟ったみたい。
「誤解だ、ネーブル姫。
私は断じて浮気などしていない。
ただ、この屋敷には色々と事情があって、…。
その、何だ、悶々としてしまったものだから。
そういうお店に行って、処理してもらっただけだ。
私だって男なのだから、仕方がないことだってあるのだ。」
必死になって言い繕っていたよ、カズヤ殿下。
何か、とっても情けない言い訳に聞こえるんだけど…。
「ふっ…、そんなに必死にならなくても結構ですよ。
私も、本気で怒っている訳ではございませんの。
アルト様から、カズヤ様がここに居る訳を聞いております。
ミント様のお供でこの屋敷に来られたのでしょう。
ミント様の想い人、カズヤ様の本当のお父上に会いに。
二十年振りの逢瀬ですし、…。
ミント様、『男女和合の極意』を熱心に読まれていましたから。
毎夜、さぞかし激しいのでしょう。
健康な殿方なら、悶々としても仕方がありませんわ。」
シフォン姉ちゃんから『男女和合の極意』が配られた晩。
ネーブル姉ちゃんのお母さん(おいらのお義母さん)も凄かったんだって。
隣りの部屋に寝ていたネーブル姉ちゃんも、眠れなくて悶々としちゃったらしいよ。
「おお、そう言ってもらえると助かる。
私も健康な男ゆえ、理解してもらえると有り難い。
私は理解のある妃を迎えることが出来て幸せだな。」
カズヤ殿下は、ネーブル姉ちゃんの寛容な言葉を聞いてホッとした表情を見せたの。
「ええ、でも、私が来たからにはお風呂屋さんなど行かせませんよ。
もうすぐ妃になる私を放って、泡姫さんに処理してもらうなんて。
私に恥をかかすような事は、よもやしないでしょうね。」
すかさず、ネーブル姉ちゃんが釘を刺していたよ。
「あっ、はい、しかし…。」
今一つ歯切れの悪い返答をしたカズヤ殿下、その視線は自分のズボンを見詰めてた。
「私が来たからには、もう心配ございませんよ、カズヤ様。
こんなこともあろうかと、『男女和合の極意』は隅から隅まで目を通してきましたから。
ドンと私に任せて下さい。」
カズヤ殿下が言わんとする事を理解しているようで、ネーブル姉ちゃんは自信満々に言ってたよ。
でも…、にっぽん爺の秘伝書だと言う『男女和合の極意』っていったい何が書かれているんだろう?
何か、問題ばかり起こしているような気がするんだけど…。
声を掛けられて振り返ると、そこにはアルトが宙に浮かんでた。
「あっ、アルト、お帰りなさい。」
「はい、ただいま。マロン。
毎朝、トレント狩りを続けているようで偉いわ。」
数日振りに顔を見せたアルトは、おいらを褒めてくれた後、カズミ姉ちゃんの方を向き。
「ねえ、面白い話をしていたじゃない。
そこにいる『スケベ爺の息子』が、誰にご執心ですって。
私にも詳しく教えてくれないかしら?」
何故か、アルトはそんなことを尋ねたの。
さほど親しくもないカズト殿下の話を聞きたいなんて意外だったよ。
アルトってあまり人間に関心を持たないのに。
「お兄様はこのところサカリがついているご様子で。
ギルドが経営するお風呂屋さんに行ってこられたんです。
色々と持て余しているものを発散するために。
そこで、お相手してくださったウララさんに心を奪われてしまったようで…。」
「こら、人聞きの悪いことを言うでない。
別にウララ嬢に心を奪われた訳では無いぞ。
ただ、初めてああいうお店に行ったものだから。
ウララ嬢のご奉仕が素晴らしくて。
あの至福の時間を心の中で反芻しとっただけではないか。」
何でも、風呂屋から帰って来てから数日、カズト殿下は上の空だったらしいの。
心ここにあらずって感じで、ボーッとしてみたい。
そんなある時、カズト殿下は、王宮から持って来た銀貨入りの木箱を前に何やら考え込んでいたらしいの。
「お兄様、どうかなさいましたか?」
カズミ姉ちゃんが背後から尋ねると…。
思索に没頭していたせいか、カズヤ殿下は振り返りもせずに。
「いや、母上の悩ましい声にまた悶々としてしまってな。
再度風呂屋に行ってこようかと思っていたのだが。
これだけあればしばらく、ウララ嬢を当面買い占める事は出来る。
だが、この銀貨は元をただせば民の血税…。
やはり、シモの欲求を満たすために使うのは気が咎めるし。」
カズミ姉ちゃんの問い掛けられて、カズヤ殿下は心の声を漏らしてしまったようなんだ。
「お兄様、民の血税を劣情の解消に使うのを躊躇うのはご立派ですが…。
ご結婚を控えている身で、泡姫さんに心を奪われるのは如何なものかと思いますよ。」
カズミ姉ちゃんがカズト殿下の肩に手を置いてそう言うと。
カズト殿下はビクッと体を震わせ…。
「か、カズミ、お前、何時からそこにいたのだ?」
狼狽えた顔で尋ねてきたらしいの。
そこでやっとカズミ姉ちゃんの存在に気付いたらしいよ。
「いえ、今しがた、声を掛けたではございませんか。
お兄様、私の問い掛けに答えていましたよ。
ウララさんとおっしゃる方を買い占めたいって。」
カズト殿下のうわの空っぷりに、カズミ姉ちゃんは呆れたって。
それで、カズミ姉ちゃん、昨日はカズヤ殿下を外へ連れ出したんだって。
家の中に籠ってたら悶々とするだけだから、気分転換をした方が良いと思ったらしいの。
上手い具合にギーヴルが襲って来たそうで。
カズミ姉ちゃんが討伐して『生命の欠片』をカズヤ殿下にあげたらしい。
なるほど、今日からトレント狩りを始めたのはそういう経緯があったんだ。
それでさっきカズミ姉ちゃんは言い当てることが出来たんだね。
カズト殿下が、トレントを狩って得たお金を何に使おうと考えていたかを。
**********
「呆れた、もうすぐ可愛いお嫁さんを迎えると言うのに…。
シトラス王子じゃあるまいし、風呂屋通いが癖になったらどうするの。」
今までの経緯を知って、アルトが呆れていると…。
「いえ、アルト様、この家の中で悶々とされるよりは良いかと思います。
風呂屋で泡姫さんにお相手してもらえば、お金で済みますが。
お兄様の理性が切れて、エクレア団長に襲い掛かったら大変なことになりますから。」
クッころさんは、ああ見えて実は歴代の近衛騎士団長を輩出してる名門クレーム子爵家のご令嬢だものね。
お手付きしようものなら、現近衛騎士団長のモカさんが許してはおかないだろうって。
現状、カズト殿下の味方に付いてるモカさんを怒らせる訳にはいかないもんね。
そんなことになるくらいなら、後腐れない風呂屋で処理してもらった方が良いって。
処理って、何を?
「ふーん、どんな状況になっているかは呑み込めたわ。
こんな状況だけど、あなたはどうするつもりなの?」
カズミ姉ちゃんの話を粗方聞き終えたアルトは、誰もいない空間に向かって問い掛けたの。
すると、次の瞬間。
「カズヤ様、浮気は許しませんよ。
私というものが有りながら、他の女性に懸想するなんて。」
ネーブル姉ちゃんがプンプンとしながら現れたの。
どうやら、アルトの『積載庫』の中に控えていたようで、今の話を聞いていたみたい。
「あれ、ネーブル姉ちゃんを連れて来たってことは。
アルト、シタニアール国へ行ってたの?」
「そうよ、ブランシュの様子を見に行ったの。
新米長が、困っていないかと思ってね。
ついでに王宮に寄って、シーリンの様子も見て来たの。
そこで、カズヤがここに居ると言ったら。
ネーブルが連れてけって煩くて…。」
ブランシュはシタニアール国の王宮裏に作った新しい『妖精の森』の長に指名された妖精で。
シーリンはシトラス王子に嫁いだ耳長族のお姉ちゃん。
シトラス王子はすっかり真面目になっちゃって、シーリン姉ちゃんと仲睦まじくしてたみたい。
もうすぐ、赤ちゃんが産まれるそうでシーリンも幸せそうだったって。
そこでネーブル姉ちゃんにせがまれたんだって。
カズヤ殿下に会いたいから連れて行けと。
「恋する乙女は盲目ね…。
幾らダメだと言っても、放してくれなくて。
仕方がないから連れて来ちゃったわ。」
アルトがため息交じりに零すと、ネーブル姉ちゃんは「えへへ」とか言って笑ってた。
ネーブル姉ちゃんがここにいる理由は分かったけど…。
**********
ネーブル姉ちゃんから浮気は許さないと言われて焦るカズヤ殿下。
ウララさんの話とか全て聞かれていたのを悟ったみたい。
「誤解だ、ネーブル姫。
私は断じて浮気などしていない。
ただ、この屋敷には色々と事情があって、…。
その、何だ、悶々としてしまったものだから。
そういうお店に行って、処理してもらっただけだ。
私だって男なのだから、仕方がないことだってあるのだ。」
必死になって言い繕っていたよ、カズヤ殿下。
何か、とっても情けない言い訳に聞こえるんだけど…。
「ふっ…、そんなに必死にならなくても結構ですよ。
私も、本気で怒っている訳ではございませんの。
アルト様から、カズヤ様がここに居る訳を聞いております。
ミント様のお供でこの屋敷に来られたのでしょう。
ミント様の想い人、カズヤ様の本当のお父上に会いに。
二十年振りの逢瀬ですし、…。
ミント様、『男女和合の極意』を熱心に読まれていましたから。
毎夜、さぞかし激しいのでしょう。
健康な殿方なら、悶々としても仕方がありませんわ。」
シフォン姉ちゃんから『男女和合の極意』が配られた晩。
ネーブル姉ちゃんのお母さん(おいらのお義母さん)も凄かったんだって。
隣りの部屋に寝ていたネーブル姉ちゃんも、眠れなくて悶々としちゃったらしいよ。
「おお、そう言ってもらえると助かる。
私も健康な男ゆえ、理解してもらえると有り難い。
私は理解のある妃を迎えることが出来て幸せだな。」
カズヤ殿下は、ネーブル姉ちゃんの寛容な言葉を聞いてホッとした表情を見せたの。
「ええ、でも、私が来たからにはお風呂屋さんなど行かせませんよ。
もうすぐ妃になる私を放って、泡姫さんに処理してもらうなんて。
私に恥をかかすような事は、よもやしないでしょうね。」
すかさず、ネーブル姉ちゃんが釘を刺していたよ。
「あっ、はい、しかし…。」
今一つ歯切れの悪い返答をしたカズヤ殿下、その視線は自分のズボンを見詰めてた。
「私が来たからには、もう心配ございませんよ、カズヤ様。
こんなこともあろうかと、『男女和合の極意』は隅から隅まで目を通してきましたから。
ドンと私に任せて下さい。」
カズヤ殿下が言わんとする事を理解しているようで、ネーブル姉ちゃんは自信満々に言ってたよ。
でも…、にっぽん爺の秘伝書だと言う『男女和合の極意』っていったい何が書かれているんだろう?
何か、問題ばかり起こしているような気がするんだけど…。
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