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第十六章 里帰り、あの人達は…
第476話【閑話】やっと、一人前の男になれた…
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タロウ君に護衛をお願いし、私は生まれて初めて『風呂屋』にやって来たのだが。
風呂屋でしてもらえるサービスの詳細までは知らなかったのだ。
まさかベッドルームに入って早々、いきなり『かぽっ』とされるとは夢にも思ってなかったよ。
私は不意に襲った快感に抗う事も出来ず、瞬時にして決壊してしまったのだ。
泡姫のウララ嬢は、床に蹲って苦しそうに咳き込みながらも、粗相をしたと詫びていたよ。
いや、恐らく、粗相をしたのは私の方なのだが…。
呼吸を整えたウララ嬢は、床に飛び散ったソレを拭い取り、手拭きで口元の汚れを落とすと。
「若旦那は、こういうお店は初めてとのことなので。
最高のおもてなしをするようにと、支配人から命じられましたが…。
もしかして、そちらの経験もまだございませんでしたか?」
多少聞き難そうな表情をして尋ねて来たのだ。
まあ、私もとうに二十歳を過ぎておるのだから。
王侯貴族なら結婚していて当然、市井の民ですら多くが所帯を持っている年齢なのだ。
ウララ嬢が意外に感じるのも無理からぬことだと思う。
だが、私の場合、国王から子を成すことを警戒されており、若い娘は誰一人側に置かれなかったのだ。
側で使える侍女はトウが立ったご婦人ばかり集められていた。
特に入浴時に体を洗ってくれる侍女はもう退職間近の老齢で、…。
しかも無造作に扱うものだから、触れられて元気になった覚えなど一度も無かったよ。
「いや、その、恥ずかしながら…。
もうすぐ嫁をもらうのだが、若い娘には指一本触れたことが無くて。」
そう答えた時の私は、穴があったら入りたい気分だったよ。
いや、それがここに来た目的だとも言えるのだが…。
すると、ウララ嬢は優しい笑顔を見せて。
「恥ずかしがることはございませんよ、若旦那。
今までお務めに専念してきて、女に現を抜かす暇も無かったのでしょう。
遊び人を気取った放蕩息子より、遥かに好感が持てますよ。
先程のご奉仕、初めての方には刺激が強過ぎたようでございますね。
最高のおもてなしをと思っていたのですが。
もう少し控え目にさせて頂きます。」
何でも、上得意のお客さんには、ベッドルームに入るとすぐ挨拶代わりに先程のご奉仕をするそうで。
支配人から最高のおもてなしをするように指示されていたウララ嬢は、上得意のお客さんと同等に扱ってくれたらしい。
だが、それは私には刺激が強いと分かり、少々マイルドなサービスをすることに方針を変えたようだ
私が極めつけの初心者だと知ったウララ嬢は。
「もうじき、お嫁さんを迎えるのですか。
ならば、女の体や扱い方について少しは知っておかないと。
遊びの過ぎる不誠実な旦那も嫌われますが…。
最低限のことは知っておかないと、お嫁さんに苦痛を与えますわ。
夫婦の営みが苦痛だと感じさせてしまうと、子作りにも支障がでるでしょう。」
そんな言葉と共に一糸まとわぬ姿になり、私をベッドに誘ってくれたのだ。
ベッドの上でウララ嬢は、手取り足取りご婦人との接し方を指導してくれたよ。
その流れの中で、二十三歳にしてやっと私は男になったのだ。
**********
ウララ嬢の豊かな胸の谷間に顔を埋めて、心地良い疲労感に浸っていると。
「若旦那、とてもお上手でしたよ。
まずは、焦らず、がっつかずですよ。
奥様には、努めて優しく触れてくださいね。」
私に対してそんな助言を口にしたウララ嬢。
その片腕は優しく私を抱きしめ、もう一方の手は私の状態をサワサワと探ったのだ。
「あら、もうこんな元気に…。
若旦那様、大分溜まってらしたのですね。
どんな禁欲生活を強いられてきたのですか?」
「いや、今まで、こんなになったことは無いのだ。
実は、所用でこの町に滞在しているのだが…。」
私は、一緒に滞在している者が朝までお盛んで、その声にあてられて悶々としてしまったと正直に話したよ。
しかも、スッポンのフルコースなんて特大の罠まで仕込まれたこともな。
もちろん、私や母上の素性がバレるような事は一言も口にしないように気を遣ったぞ。
「ふふ、それは大変でしたね。
それでは、悶々としたものを全て解消して行ってくださいね。
先ほどは私の方が若旦那に可愛がって頂きましたから。
今度は、私が精一杯ご奉仕させて頂きますね。
風呂屋ならではのご奉仕を存分にご堪能下さい。」
私の話を聞いておかしそうに笑ったウララ嬢は、ベッドから起き上がると私を浴室へと誘ったのだ。
浴室に入ると広い洗い場があり、二人並んで浸かるにはやや狭い浴槽が造り付けられてたのだ。
浴槽が狭いと言っても、一人で入るには十分に広いがな。
「さっ、キレイに洗いましょうね。
ベッドの上で色々と汚れてしまいましたものね。
あっ、ソコも洗いますから…。
ビックリして漏らさないようにしてくださいね。」
ウララ嬢は、指差して予め洗う事を教えてくれたよ。
昨日はカズミに体を洗ってもらっている最中、不意に手が触れて決壊してしまったからな。
事前に分かっていれば、心構えも出来ると言うものだ。
そして、カズト殿の屋敷にあったモノと同じ形の椅子に座らされ、体を洗ってもらったのだが…。
「えっ?」
「驚きましたか?
この椅子、こんな風に使うのですよ。」
ウララ嬢の指先が椅子の座面の下から飛び出して、絶妙な力加減で私の敏感な部分を刺激したのだ。
私はこの時初めて、この奇妙奇天烈な形の椅子の使い方を理解したよ。
体が洗い終わると。
「若旦那、もう洗い終わりましたよ。
良く辛抱しましたね、ご立派です。
それに、こっちもご立派!
では、マットの準備をしますね。
このお店、自慢のご奉仕ですから。
心行くまで堪能してくださいね。」
一旦私を浴槽へと導いたウララ嬢は、自分は浸からずに壁に立てかけてあったマットを床に敷いたよ。
そして、お湯にアワアワの実を良く泡立てて始めたのだ。
・
・
・
『本部分にはレーティングに抵触する表現があり、削除されました。(運営)』(嘘)
・
・
・
マットとなる物は、カズト殿とシフォンさんがぼろ儲けしたと言ってた物だよな。
カズト殿屋敷の浴室にも立てかけてあったのだが、このように使うものであったのだな。
ウララ嬢の話では、マットを使ったご奉仕は、豊富な温泉が湧いているこの町の風呂屋ならではのものらしい。
このマットプレイなるサービスが好き者の間でとても評価が高いそうで。
このサービスを目当てに、遥々遠方からこの町を訪れる者すらいるとのことだった。
実際、サービスを受けてみてどうだったかって?
それは、素晴らしいの一言に尽きる。
正直、マットプレイをこの町にもたらした我が実父は天才じゃなかろうかと思ったよ。
「若旦那様、幾ら溜まっていたとは言え凄すぎです。
申し訳ございませんが、少々休憩にしませんか。
せっかく洗ったお体も、ヌルヌルのベトベトですし。
もう一度体を洗って、温泉に浸かって、少しベッドで休みましょう。
明日のお昼まで、お時間はまだまだ余裕ですから。
マットでのお楽しみはまた後にしましょう。」
私が幾度も欲したために無理をさせてしまったようで、ウララ嬢は休憩が欲しいと申し出て来たよ。
マットの上に数多散乱した使用済み『ゴムの実の皮』を拾い集めながら…。
そして、めくるめく甘美で、至福の時間は過ぎ去り…。
翌日の昼前、浴室で背中を流してもらった後、着替えをさせてもらうと。
「若旦那様、たった一晩で、とってもお上手になりましたね。
それに、大分我慢も利くようになりましたし…。
私もつい、本気になってしまいましたわ。
若旦那様の立派なモノを堪能させて頂いた今となっては。
他の人では物足りなく感じちゃいそうです。」
ウララ嬢が私の背中に頬ずりしながら、そう言ってくれたよ。
セールストーク込みだとは分かっていても、褒められると嬉しいものだ。
とは言え、タロウ君から渡された『ゴムの実の皮』全て使い切るなんて暴挙をしてしまったし。
「なんか、無理をさせてしまったようだな。
やりたい盛りの若者のようにがっついてしまい、お恥ずかしい限りだ。
お詫びと言っては何だが、これを取っておいてくれ。」
私はウララ嬢に詫び、布袋に納めた銀貨を差し出したのだ。
「こんなに頂戴してしまい、申し訳ないです。
先に頂戴していた分もありますし、一晩でこんなに稼いだのは初めてです。
若旦那様、次に来る機会がございましたら、是非またご指名くださいね。」
布袋の中を見て満面の笑顔を浮かべたウララ嬢は、濃厚な口づけをしてくれたよ。
**********
腕に抱き付いたウララ嬢を伴ないリビングルームに戻ると…。
「やーだー! タロウ君、帰っちゃやー!
せめて、もう一日指名を延長してよ!」
ミヤビ嬢は一糸まとわぬ姿でタロウ君にしがみ付き、タロウ君を返すまいとしていたよ。
どうやら、タロウ君は相当ミヤビ嬢に気に入られているように見受けられる。
プロの泡姫さんを本気で惚れさせるとは、タロウ君、あれで中々やるものだな。
頼りなさげな外見からは、想像も付かないのだが…。
「無茶言うな、家でシフォンが待っているんだ。
それに最初に言ったろう、俺は若旦那のお付きで来ているんだぞ。
約束の時間までに、若旦那を送り届ける義務があるんだ。」
タロウ君は、ミヤビ嬢の願いをきっぱり断ると。
「じゃあ、私もタロウ君のお嫁さんにして。
シフォン姐さんの他にもお嫁さんが居るって言ってたじゃない。
二人も、三人も大して変わらないでしょう。
なんなら、私がお客をとってタロウ君を養ってあげても良いわよ。」
「何が『じゃあ』だよ! 全然脈絡が無いじゃねえか。」
「えーっ、だって、タロウ君のが一番なんだもん。
私、もうタロウ君無しじゃ、満足できないわ。
ねえ、ねえ、タロウ君、私のヒモになろうよ。」
意地でもタロウ君を離そうとしないミヤビ嬢。
何でも良いが、私やウララ嬢から丸見えなのだが…。
「仕方がねえな…。
ミヤビちゃんが俺の仕事を手伝うと言うなら考えても良いぜ。
但し、シフォンが良いと言ったらだけどな。」
しがみ付いて離れようとしないミヤビ嬢に、タロウ君が折れたよ。
風呂屋でしてもらえるサービスの詳細までは知らなかったのだ。
まさかベッドルームに入って早々、いきなり『かぽっ』とされるとは夢にも思ってなかったよ。
私は不意に襲った快感に抗う事も出来ず、瞬時にして決壊してしまったのだ。
泡姫のウララ嬢は、床に蹲って苦しそうに咳き込みながらも、粗相をしたと詫びていたよ。
いや、恐らく、粗相をしたのは私の方なのだが…。
呼吸を整えたウララ嬢は、床に飛び散ったソレを拭い取り、手拭きで口元の汚れを落とすと。
「若旦那は、こういうお店は初めてとのことなので。
最高のおもてなしをするようにと、支配人から命じられましたが…。
もしかして、そちらの経験もまだございませんでしたか?」
多少聞き難そうな表情をして尋ねて来たのだ。
まあ、私もとうに二十歳を過ぎておるのだから。
王侯貴族なら結婚していて当然、市井の民ですら多くが所帯を持っている年齢なのだ。
ウララ嬢が意外に感じるのも無理からぬことだと思う。
だが、私の場合、国王から子を成すことを警戒されており、若い娘は誰一人側に置かれなかったのだ。
側で使える侍女はトウが立ったご婦人ばかり集められていた。
特に入浴時に体を洗ってくれる侍女はもう退職間近の老齢で、…。
しかも無造作に扱うものだから、触れられて元気になった覚えなど一度も無かったよ。
「いや、その、恥ずかしながら…。
もうすぐ嫁をもらうのだが、若い娘には指一本触れたことが無くて。」
そう答えた時の私は、穴があったら入りたい気分だったよ。
いや、それがここに来た目的だとも言えるのだが…。
すると、ウララ嬢は優しい笑顔を見せて。
「恥ずかしがることはございませんよ、若旦那。
今までお務めに専念してきて、女に現を抜かす暇も無かったのでしょう。
遊び人を気取った放蕩息子より、遥かに好感が持てますよ。
先程のご奉仕、初めての方には刺激が強過ぎたようでございますね。
最高のおもてなしをと思っていたのですが。
もう少し控え目にさせて頂きます。」
何でも、上得意のお客さんには、ベッドルームに入るとすぐ挨拶代わりに先程のご奉仕をするそうで。
支配人から最高のおもてなしをするように指示されていたウララ嬢は、上得意のお客さんと同等に扱ってくれたらしい。
だが、それは私には刺激が強いと分かり、少々マイルドなサービスをすることに方針を変えたようだ
私が極めつけの初心者だと知ったウララ嬢は。
「もうじき、お嫁さんを迎えるのですか。
ならば、女の体や扱い方について少しは知っておかないと。
遊びの過ぎる不誠実な旦那も嫌われますが…。
最低限のことは知っておかないと、お嫁さんに苦痛を与えますわ。
夫婦の営みが苦痛だと感じさせてしまうと、子作りにも支障がでるでしょう。」
そんな言葉と共に一糸まとわぬ姿になり、私をベッドに誘ってくれたのだ。
ベッドの上でウララ嬢は、手取り足取りご婦人との接し方を指導してくれたよ。
その流れの中で、二十三歳にしてやっと私は男になったのだ。
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ウララ嬢の豊かな胸の谷間に顔を埋めて、心地良い疲労感に浸っていると。
「若旦那、とてもお上手でしたよ。
まずは、焦らず、がっつかずですよ。
奥様には、努めて優しく触れてくださいね。」
私に対してそんな助言を口にしたウララ嬢。
その片腕は優しく私を抱きしめ、もう一方の手は私の状態をサワサワと探ったのだ。
「あら、もうこんな元気に…。
若旦那様、大分溜まってらしたのですね。
どんな禁欲生活を強いられてきたのですか?」
「いや、今まで、こんなになったことは無いのだ。
実は、所用でこの町に滞在しているのだが…。」
私は、一緒に滞在している者が朝までお盛んで、その声にあてられて悶々としてしまったと正直に話したよ。
しかも、スッポンのフルコースなんて特大の罠まで仕込まれたこともな。
もちろん、私や母上の素性がバレるような事は一言も口にしないように気を遣ったぞ。
「ふふ、それは大変でしたね。
それでは、悶々としたものを全て解消して行ってくださいね。
先ほどは私の方が若旦那に可愛がって頂きましたから。
今度は、私が精一杯ご奉仕させて頂きますね。
風呂屋ならではのご奉仕を存分にご堪能下さい。」
私の話を聞いておかしそうに笑ったウララ嬢は、ベッドから起き上がると私を浴室へと誘ったのだ。
浴室に入ると広い洗い場があり、二人並んで浸かるにはやや狭い浴槽が造り付けられてたのだ。
浴槽が狭いと言っても、一人で入るには十分に広いがな。
「さっ、キレイに洗いましょうね。
ベッドの上で色々と汚れてしまいましたものね。
あっ、ソコも洗いますから…。
ビックリして漏らさないようにしてくださいね。」
ウララ嬢は、指差して予め洗う事を教えてくれたよ。
昨日はカズミに体を洗ってもらっている最中、不意に手が触れて決壊してしまったからな。
事前に分かっていれば、心構えも出来ると言うものだ。
そして、カズト殿の屋敷にあったモノと同じ形の椅子に座らされ、体を洗ってもらったのだが…。
「えっ?」
「驚きましたか?
この椅子、こんな風に使うのですよ。」
ウララ嬢の指先が椅子の座面の下から飛び出して、絶妙な力加減で私の敏感な部分を刺激したのだ。
私はこの時初めて、この奇妙奇天烈な形の椅子の使い方を理解したよ。
体が洗い終わると。
「若旦那、もう洗い終わりましたよ。
良く辛抱しましたね、ご立派です。
それに、こっちもご立派!
では、マットの準備をしますね。
このお店、自慢のご奉仕ですから。
心行くまで堪能してくださいね。」
一旦私を浴槽へと導いたウララ嬢は、自分は浸からずに壁に立てかけてあったマットを床に敷いたよ。
そして、お湯にアワアワの実を良く泡立てて始めたのだ。
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『本部分にはレーティングに抵触する表現があり、削除されました。(運営)』(嘘)
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マットとなる物は、カズト殿とシフォンさんがぼろ儲けしたと言ってた物だよな。
カズト殿屋敷の浴室にも立てかけてあったのだが、このように使うものであったのだな。
ウララ嬢の話では、マットを使ったご奉仕は、豊富な温泉が湧いているこの町の風呂屋ならではのものらしい。
このマットプレイなるサービスが好き者の間でとても評価が高いそうで。
このサービスを目当てに、遥々遠方からこの町を訪れる者すらいるとのことだった。
実際、サービスを受けてみてどうだったかって?
それは、素晴らしいの一言に尽きる。
正直、マットプレイをこの町にもたらした我が実父は天才じゃなかろうかと思ったよ。
「若旦那様、幾ら溜まっていたとは言え凄すぎです。
申し訳ございませんが、少々休憩にしませんか。
せっかく洗ったお体も、ヌルヌルのベトベトですし。
もう一度体を洗って、温泉に浸かって、少しベッドで休みましょう。
明日のお昼まで、お時間はまだまだ余裕ですから。
マットでのお楽しみはまた後にしましょう。」
私が幾度も欲したために無理をさせてしまったようで、ウララ嬢は休憩が欲しいと申し出て来たよ。
マットの上に数多散乱した使用済み『ゴムの実の皮』を拾い集めながら…。
そして、めくるめく甘美で、至福の時間は過ぎ去り…。
翌日の昼前、浴室で背中を流してもらった後、着替えをさせてもらうと。
「若旦那様、たった一晩で、とってもお上手になりましたね。
それに、大分我慢も利くようになりましたし…。
私もつい、本気になってしまいましたわ。
若旦那様の立派なモノを堪能させて頂いた今となっては。
他の人では物足りなく感じちゃいそうです。」
ウララ嬢が私の背中に頬ずりしながら、そう言ってくれたよ。
セールストーク込みだとは分かっていても、褒められると嬉しいものだ。
とは言え、タロウ君から渡された『ゴムの実の皮』全て使い切るなんて暴挙をしてしまったし。
「なんか、無理をさせてしまったようだな。
やりたい盛りの若者のようにがっついてしまい、お恥ずかしい限りだ。
お詫びと言っては何だが、これを取っておいてくれ。」
私はウララ嬢に詫び、布袋に納めた銀貨を差し出したのだ。
「こんなに頂戴してしまい、申し訳ないです。
先に頂戴していた分もありますし、一晩でこんなに稼いだのは初めてです。
若旦那様、次に来る機会がございましたら、是非またご指名くださいね。」
布袋の中を見て満面の笑顔を浮かべたウララ嬢は、濃厚な口づけをしてくれたよ。
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腕に抱き付いたウララ嬢を伴ないリビングルームに戻ると…。
「やーだー! タロウ君、帰っちゃやー!
せめて、もう一日指名を延長してよ!」
ミヤビ嬢は一糸まとわぬ姿でタロウ君にしがみ付き、タロウ君を返すまいとしていたよ。
どうやら、タロウ君は相当ミヤビ嬢に気に入られているように見受けられる。
プロの泡姫さんを本気で惚れさせるとは、タロウ君、あれで中々やるものだな。
頼りなさげな外見からは、想像も付かないのだが…。
「無茶言うな、家でシフォンが待っているんだ。
それに最初に言ったろう、俺は若旦那のお付きで来ているんだぞ。
約束の時間までに、若旦那を送り届ける義務があるんだ。」
タロウ君は、ミヤビ嬢の願いをきっぱり断ると。
「じゃあ、私もタロウ君のお嫁さんにして。
シフォン姐さんの他にもお嫁さんが居るって言ってたじゃない。
二人も、三人も大して変わらないでしょう。
なんなら、私がお客をとってタロウ君を養ってあげても良いわよ。」
「何が『じゃあ』だよ! 全然脈絡が無いじゃねえか。」
「えーっ、だって、タロウ君のが一番なんだもん。
私、もうタロウ君無しじゃ、満足できないわ。
ねえ、ねえ、タロウ君、私のヒモになろうよ。」
意地でもタロウ君を離そうとしないミヤビ嬢。
何でも良いが、私やウララ嬢から丸見えなのだが…。
「仕方がねえな…。
ミヤビちゃんが俺の仕事を手伝うと言うなら考えても良いぜ。
但し、シフォンが良いと言ったらだけどな。」
しがみ付いて離れようとしないミヤビ嬢に、タロウ君が折れたよ。
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