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第十四章 まずはコレをどうにかしないと
第356話 タロウにモテ期が来た?
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タロウが本来の冒険者ギルドの役割を話して聞かせると。
連れて来たお姉さん達は皆初耳だったみたいで、実態との余りの乖離に驚きを隠せない様子だったよ。
「へえ、冒険者ギルドって、そんな大切な役目があったのですね。
それで、女王様の命を受けたタロウさんが、このギルドを本来の姿に立て直そうとしてるのですか。
タロウさんって、とても若く見えるのに随分と女王様に信頼されているのですね。」
タロウの話を聞いて感心したお姉さんのそんな一言を切っ掛けにして。
「そう言えば、タロウさんはこの大きなギルドで一番偉い方のですよね。
タロウさんって、今お幾つなのですか?」
別のお姉さんが興味深そうにタロウの歳を尋ねてた。
「俺は、今十五歳、もうすぐ十六歳になる。
多分、マロンは俺を信頼している訳じゃないと思うぞ。
むしろ、頼りない奴だと思われてるんじゃないかな。
一年以上、一緒に行動して来たんで、気心が知れているというか。
何でも、頼み易いんで、俺をギルドの長に据えたんだと思う。」
タロウはこの二年足らずで随分と謙虚になったよね。
『チューニ病』って心の病を患って自分を『選ばれし勇者』だなんて言ってたのが嘘みたいだよ。
やっぱり、シフォン姉ちゃんをお嫁にもらったのが良かったのかな。
「信じられない、タロウさんって私と同じ歳なんだ。
それで、女王様の信頼厚いなんて、将来長有望じゃない。
ねえ、タロウさん、彼女はいるのかしら?
もしよかったら、私なんかどうかしら。
(あまりもてそうじゃないし、これはチャンスよね。
この際、見た目が冴えないなんて、二の次だわ。)」
タロウの年齢を聞いて、いきなり媚びてきたお姉さんもいたよ。
タロウにお金の匂いを嗅ぎつけたみたい。
最期のセリフ、聞こえないように呟いたつもりかもしれないけど、おいらにはちゃんと聞こえたよ。
「タロウは美人のお嫁さんがいるんだよ。
おいらのドレスを作ってくれてる仕立て屋さんなんだ。
今度、この王都に店を構えるんだよ。」
「あっ、マロン、何でそれを言っちゃうんだ。
俺にもモテ期が到来したかもしれないのに…。」
おいらはタロウが浮気をしないように、シフォン姉ちゃんの存在を明かしたんだけど。
案の定、タロウは不謹慎な事を考えていた様子で、恨みがましい声を上げてたよ。
「冗談はさておき、タロウさんがギルドを立て直そうとしているのは理解しました。
ですが、私は、あんな風に簡単に冒険者をいなせるとは思えないのですが…。」
冒険者を厳しく管理していくというタロウの考えを聞いて、そんな声が上がってたよ。
さっきのお姉さんの『彼女はいる?』発言は冗談でスルーするんだ…。
因みに、その、タロウに粉をかけたお姉さん。
「ちっ、やっぱり優良物件は、すぐに売れちゃうか…。
いや、待て、これだけ大きなギルドの長だもの。
嫁の二人や三人養う甲斐性くらいあるわよね。
同じ職場に居れば、ワンチャンあるかも。」
ボソッとそんな言葉を漏らしていて、とても冗談という雰囲気じゃないんだけど…。
というより、このお姉さん、以前、『勤め先の御曹司を捕まえて左団扇』とか言っていた人だったよ。
その野望、まだ、捨ててなかったんだ…。
それはともかくとして、タロウの様に冒険者を手玉にとる自信が無いと言うお姉さんがいたんだ。
ギルドのホールでうだうだしてる冒険者達に鉄拳制裁を加えて、『狩りに行ってこい』なんて命令するのは、確かにハードルが高いよね。
**********
「ああ、それについては、心配無用だよ。
お姉さん達が、今、このギルドにお勤めすることを決めてくれたら。
おいらが冒険者共を手玉に取れるようにしてあげるよ。」
冒険者を御していく自信が無いと言ったお姉さんに対して、おいらがそう伝えると。
タロウは、周りに聞こえないように小さな声で、おいらに耳打ちしたんだ。
「ああ、マロンが『アレ』を出してくれるのか。
それは助かるぜ。
俺、アルト姐さんに頭を下げてもらいに行こうかと思ってたんだ。」
『生命の欠片』のことはあまり知られたくないからね。
足元に縄で縛った冒険者が転がってるから大きな声では言わなかったみたい。
おいらに小声でそう言うと、タロウはお姉さん達向かって。
「女王陛下がこうおっしゃられているから、みんな、大船で乗ったつもりで安心して良いぞ。
今ここで、このギルドをに勤めることを決めてくれたら。
これから、会長室で女王陛下が冒険者など軽くあしらえる『秘伝』を授けて下さる。
みんな、どうするか決めてくれ。」
タロウは、『マロン』から『女王陛下』に呼び方を変え、改まった口調でみんなに告げたんだ。
『女王陛下』と尊称で呼ぶことにより、これから授けられるモノに箔を付けているんだね。
「女王様に何か秘策があるようですね。
タロウさんが、畏まって話すぐらいですから、余程効果的な策かと感じられますが。」
案の定、「冒険者を軽くあしらえる」と言う言葉に信ぴょう性を感じたという声が聞こえた来たよ。
「そうね、女王様が、自信満々に言うのだから信用できるかも。
決めたわ、私、ここで働くことにする。」
「私も! 目指せ、玉の輿二号よ!
タロウさんをモノにして見せるわ!」
一部、変な言葉が聞こえたような気がするけど、…。
結局、タロウの言葉は信用してもらえたようで、五人ともこのギルドでお勤めすることを決めてくれたよ。
縄を打たれて転がされた冒険者の見張りをルッコラ姉ちゃんに頼んで、おいら達はタロウの執務室に場所を移したの。
そして。
「みんな、このギルドに勤めることを決めてくれて有り難う。
このギルドには期待しているんで、おいらも嬉しいよ。
それじゃ、とっておきのモノを授けるから、おいらの前に順番にならんで。」
部屋に入るとすぐに、おいらはお姉さん達を整列させたの。
おいらの言葉に、お姉さん達は要領を得ない感じの様子だったけど、取り敢えず素直に従ってくれたよ。
おいらは、一番先頭に並んだお姉さんに向かい合うと。
「それじゃ、これを取り込んでちょうだい。
この山に手を添えて、体に取り込みたいと思えば勝手に入って来るからね。
『生命の欠片』って言うんだ。
一般の人には秘密になっていて、王侯貴族の間でもとっても貴重な物だからね。
本来は易々と上げられる物じゃないから、貰ったことを他人に漏らしたらダメだよ。」
レベルのことには触れずに、『生命の欠片』をお姉さんの前に積み上げたの。
その数は、レベル二十相当分、もちろん、処刑した騎士達から巻き上げた『生命の欠片』だよ。
おいらの『積載庫』の中には、それだけでも膨大な数が収められているんだ。
処刑した騎士は千人以上、全員がレベル二十以上で小隊長より上の幹部はレベル三十以上だったからね。
これから採用する騎士や冒険者管理局の職員、それにこのギルドの幹部職員に配る予定なんだ。
もっとも、おいらが『ワーム』を倒して手に入れて、自分の子孫のために取ってある『生命の欠片』の数に比べたら端数みたいなものだけどね。
「はあ? これに手を添えれば良いのですか?」
依然として要領を得ない様子のお姉さんは、言われた通り『生命の欠片』に手を添えたの。
次の瞬間。
「えっ、なにこれ、耳鳴り?
頭の中で鐘がなっているみたいで、うるさいよ…。」
しまった、鐘の音のことは予め言っておくんだった…。
頭の中で鳴り響いた予期せぬ大音響に驚いたんだろうね、お姉さんは両耳を押さえてしゃがみ込んじゃったよ。
しばらくしゃがみ込んでいたけど、鐘の音が鳴り止んだのだろうね。
「やっと、音がしなくなった」と呟いて、ホッとした表情で立ち上がったよ。
「ゴメンなさいね。
急に大きな音がして、ビックリしたでしょう。
でも、体に害があるものとかではないから安心して。」
「あっ、はい。
でも何なのですか、あの音は? まるで、鐘の音のようでしたが…。」
おいらが鐘の音のことを伝えなかったことを謝ると、お姉さんはそれが何かを尋ねた来たの。
そこで初めて、おいらはレベルの話をする事にしたんだ。
「お姉さん、レベルって聞いたことがある?」
「はい、でも、…。
その言葉は禁句で、人前で口にしたらいけないと両親からきつく言われてます。
その言葉を口にしたら殺されても文句は言えないと。
お貴族様だけが持っているモノで、私たち平民には縁がないものだとも。」
このお姉さんの両親はちゃんと躾をしているね。
これが徹底してないと、迂闊に人前でしゃべっちゃう困ったちゃんが現れるからね。
「それで正しい世渡りだよ、レベルのことに関しては決して人前で口にしないでね。
実は、今取り込んだ『生命の欠片』がレベルを上げるための素材なんだ。
お姉さん、体に何か変化を感じない?」
「そう言えば、あれが体に入って来たら、体の奥深くから力が湧き出してきたような気がします。
力が漲っていると言えば良いのでしょうか?」
「それが、レベルが上がるということだよ。
レベルが上がると、人という種が持つ基礎能力が大幅に上昇するんだ。
お姉さん、能力値の見方は分かるでしょう。確認してみて。」
おいらがレベルについてさわりの話をして、レベルを確認するように促すと。
言われるがまま、お姉さんは能力値を確認し始めたようで…。
「はあ…。えっ!」
突然、驚きの声を上げたよ。
そして。
「レベル二十となっています。
体中に漲っている力、これがレベル二十の身体能力なのですか?」
レベルがゼロから一気に二十まで上がっていることに気付き、レベルアップの効果を実感していたよ。
お姉さんは色々と聞きたいことがあるみたいだったけど。
先ずは、残りの四人にも『生命の欠片』を分け与えることにしたんだ。
細かい説明は、全員がレベルアップした後にまとめてした方が良いからね。
連れて来たお姉さん達は皆初耳だったみたいで、実態との余りの乖離に驚きを隠せない様子だったよ。
「へえ、冒険者ギルドって、そんな大切な役目があったのですね。
それで、女王様の命を受けたタロウさんが、このギルドを本来の姿に立て直そうとしてるのですか。
タロウさんって、とても若く見えるのに随分と女王様に信頼されているのですね。」
タロウの話を聞いて感心したお姉さんのそんな一言を切っ掛けにして。
「そう言えば、タロウさんはこの大きなギルドで一番偉い方のですよね。
タロウさんって、今お幾つなのですか?」
別のお姉さんが興味深そうにタロウの歳を尋ねてた。
「俺は、今十五歳、もうすぐ十六歳になる。
多分、マロンは俺を信頼している訳じゃないと思うぞ。
むしろ、頼りない奴だと思われてるんじゃないかな。
一年以上、一緒に行動して来たんで、気心が知れているというか。
何でも、頼み易いんで、俺をギルドの長に据えたんだと思う。」
タロウはこの二年足らずで随分と謙虚になったよね。
『チューニ病』って心の病を患って自分を『選ばれし勇者』だなんて言ってたのが嘘みたいだよ。
やっぱり、シフォン姉ちゃんをお嫁にもらったのが良かったのかな。
「信じられない、タロウさんって私と同じ歳なんだ。
それで、女王様の信頼厚いなんて、将来長有望じゃない。
ねえ、タロウさん、彼女はいるのかしら?
もしよかったら、私なんかどうかしら。
(あまりもてそうじゃないし、これはチャンスよね。
この際、見た目が冴えないなんて、二の次だわ。)」
タロウの年齢を聞いて、いきなり媚びてきたお姉さんもいたよ。
タロウにお金の匂いを嗅ぎつけたみたい。
最期のセリフ、聞こえないように呟いたつもりかもしれないけど、おいらにはちゃんと聞こえたよ。
「タロウは美人のお嫁さんがいるんだよ。
おいらのドレスを作ってくれてる仕立て屋さんなんだ。
今度、この王都に店を構えるんだよ。」
「あっ、マロン、何でそれを言っちゃうんだ。
俺にもモテ期が到来したかもしれないのに…。」
おいらはタロウが浮気をしないように、シフォン姉ちゃんの存在を明かしたんだけど。
案の定、タロウは不謹慎な事を考えていた様子で、恨みがましい声を上げてたよ。
「冗談はさておき、タロウさんがギルドを立て直そうとしているのは理解しました。
ですが、私は、あんな風に簡単に冒険者をいなせるとは思えないのですが…。」
冒険者を厳しく管理していくというタロウの考えを聞いて、そんな声が上がってたよ。
さっきのお姉さんの『彼女はいる?』発言は冗談でスルーするんだ…。
因みに、その、タロウに粉をかけたお姉さん。
「ちっ、やっぱり優良物件は、すぐに売れちゃうか…。
いや、待て、これだけ大きなギルドの長だもの。
嫁の二人や三人養う甲斐性くらいあるわよね。
同じ職場に居れば、ワンチャンあるかも。」
ボソッとそんな言葉を漏らしていて、とても冗談という雰囲気じゃないんだけど…。
というより、このお姉さん、以前、『勤め先の御曹司を捕まえて左団扇』とか言っていた人だったよ。
その野望、まだ、捨ててなかったんだ…。
それはともかくとして、タロウの様に冒険者を手玉にとる自信が無いと言うお姉さんがいたんだ。
ギルドのホールでうだうだしてる冒険者達に鉄拳制裁を加えて、『狩りに行ってこい』なんて命令するのは、確かにハードルが高いよね。
**********
「ああ、それについては、心配無用だよ。
お姉さん達が、今、このギルドにお勤めすることを決めてくれたら。
おいらが冒険者共を手玉に取れるようにしてあげるよ。」
冒険者を御していく自信が無いと言ったお姉さんに対して、おいらがそう伝えると。
タロウは、周りに聞こえないように小さな声で、おいらに耳打ちしたんだ。
「ああ、マロンが『アレ』を出してくれるのか。
それは助かるぜ。
俺、アルト姐さんに頭を下げてもらいに行こうかと思ってたんだ。」
『生命の欠片』のことはあまり知られたくないからね。
足元に縄で縛った冒険者が転がってるから大きな声では言わなかったみたい。
おいらに小声でそう言うと、タロウはお姉さん達向かって。
「女王陛下がこうおっしゃられているから、みんな、大船で乗ったつもりで安心して良いぞ。
今ここで、このギルドをに勤めることを決めてくれたら。
これから、会長室で女王陛下が冒険者など軽くあしらえる『秘伝』を授けて下さる。
みんな、どうするか決めてくれ。」
タロウは、『マロン』から『女王陛下』に呼び方を変え、改まった口調でみんなに告げたんだ。
『女王陛下』と尊称で呼ぶことにより、これから授けられるモノに箔を付けているんだね。
「女王様に何か秘策があるようですね。
タロウさんが、畏まって話すぐらいですから、余程効果的な策かと感じられますが。」
案の定、「冒険者を軽くあしらえる」と言う言葉に信ぴょう性を感じたという声が聞こえた来たよ。
「そうね、女王様が、自信満々に言うのだから信用できるかも。
決めたわ、私、ここで働くことにする。」
「私も! 目指せ、玉の輿二号よ!
タロウさんをモノにして見せるわ!」
一部、変な言葉が聞こえたような気がするけど、…。
結局、タロウの言葉は信用してもらえたようで、五人ともこのギルドでお勤めすることを決めてくれたよ。
縄を打たれて転がされた冒険者の見張りをルッコラ姉ちゃんに頼んで、おいら達はタロウの執務室に場所を移したの。
そして。
「みんな、このギルドに勤めることを決めてくれて有り難う。
このギルドには期待しているんで、おいらも嬉しいよ。
それじゃ、とっておきのモノを授けるから、おいらの前に順番にならんで。」
部屋に入るとすぐに、おいらはお姉さん達を整列させたの。
おいらの言葉に、お姉さん達は要領を得ない感じの様子だったけど、取り敢えず素直に従ってくれたよ。
おいらは、一番先頭に並んだお姉さんに向かい合うと。
「それじゃ、これを取り込んでちょうだい。
この山に手を添えて、体に取り込みたいと思えば勝手に入って来るからね。
『生命の欠片』って言うんだ。
一般の人には秘密になっていて、王侯貴族の間でもとっても貴重な物だからね。
本来は易々と上げられる物じゃないから、貰ったことを他人に漏らしたらダメだよ。」
レベルのことには触れずに、『生命の欠片』をお姉さんの前に積み上げたの。
その数は、レベル二十相当分、もちろん、処刑した騎士達から巻き上げた『生命の欠片』だよ。
おいらの『積載庫』の中には、それだけでも膨大な数が収められているんだ。
処刑した騎士は千人以上、全員がレベル二十以上で小隊長より上の幹部はレベル三十以上だったからね。
これから採用する騎士や冒険者管理局の職員、それにこのギルドの幹部職員に配る予定なんだ。
もっとも、おいらが『ワーム』を倒して手に入れて、自分の子孫のために取ってある『生命の欠片』の数に比べたら端数みたいなものだけどね。
「はあ? これに手を添えれば良いのですか?」
依然として要領を得ない様子のお姉さんは、言われた通り『生命の欠片』に手を添えたの。
次の瞬間。
「えっ、なにこれ、耳鳴り?
頭の中で鐘がなっているみたいで、うるさいよ…。」
しまった、鐘の音のことは予め言っておくんだった…。
頭の中で鳴り響いた予期せぬ大音響に驚いたんだろうね、お姉さんは両耳を押さえてしゃがみ込んじゃったよ。
しばらくしゃがみ込んでいたけど、鐘の音が鳴り止んだのだろうね。
「やっと、音がしなくなった」と呟いて、ホッとした表情で立ち上がったよ。
「ゴメンなさいね。
急に大きな音がして、ビックリしたでしょう。
でも、体に害があるものとかではないから安心して。」
「あっ、はい。
でも何なのですか、あの音は? まるで、鐘の音のようでしたが…。」
おいらが鐘の音のことを伝えなかったことを謝ると、お姉さんはそれが何かを尋ねた来たの。
そこで初めて、おいらはレベルの話をする事にしたんだ。
「お姉さん、レベルって聞いたことがある?」
「はい、でも、…。
その言葉は禁句で、人前で口にしたらいけないと両親からきつく言われてます。
その言葉を口にしたら殺されても文句は言えないと。
お貴族様だけが持っているモノで、私たち平民には縁がないものだとも。」
このお姉さんの両親はちゃんと躾をしているね。
これが徹底してないと、迂闊に人前でしゃべっちゃう困ったちゃんが現れるからね。
「それで正しい世渡りだよ、レベルのことに関しては決して人前で口にしないでね。
実は、今取り込んだ『生命の欠片』がレベルを上げるための素材なんだ。
お姉さん、体に何か変化を感じない?」
「そう言えば、あれが体に入って来たら、体の奥深くから力が湧き出してきたような気がします。
力が漲っていると言えば良いのでしょうか?」
「それが、レベルが上がるということだよ。
レベルが上がると、人という種が持つ基礎能力が大幅に上昇するんだ。
お姉さん、能力値の見方は分かるでしょう。確認してみて。」
おいらがレベルについてさわりの話をして、レベルを確認するように促すと。
言われるがまま、お姉さんは能力値を確認し始めたようで…。
「はあ…。えっ!」
突然、驚きの声を上げたよ。
そして。
「レベル二十となっています。
体中に漲っている力、これがレベル二十の身体能力なのですか?」
レベルがゼロから一気に二十まで上がっていることに気付き、レベルアップの効果を実感していたよ。
お姉さんは色々と聞きたいことがあるみたいだったけど。
先ずは、残りの四人にも『生命の欠片』を分け与えることにしたんだ。
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