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第十三章 女の子には何かと準備も必要だよ
第323話 旅立ちの日に…
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その日、おいらは住み慣れた辺境の町を去ることになったの。
こんな事になるとは、つい最近まで思いもしなかったよ。
おいら、この町で大人になって、この町でお嫁さんになって、ずっとこの町で暮らしていくものだと思ってた。
いざ、この町を出て行くとなると、何となく去り難くて…。
おいらが、名残惜しいと思いながら、屋敷のフェンス越しに町を眺めていると。
「マロン、もう行くわよ。
そんな、辛気臭い顔をしているんじゃないの。
この屋敷だって残していくんでしょ。
年に一度や二度なら、私が連れて来てあげるわ。
ここがマロンの故郷なのだから、何時でも帰って来れば良いの。」
おいらの気持ちを察してか、アルトがそんな嬉しいことを言ってくれたよ。
その言葉で、おいらの踏ん切りもついて、アルトの『積載庫』に乗り込んだの。
辺境の町を出たアルトが最初に向かったのは、ライム姉ちゃんの屋敷。
ライム姉ちゃんとレモン兄ちゃんをおいらの即位式に招待していることもあるけど。
元ウエニアール国の貴族を私財整理のために連れて帰るの。
あの人達、ウエニアール国へ帰ることなくライム姉ちゃんの許に連れて来ちゃったからね。
ウエニアール国にある資産がそのままになっているの。
それに、このままハテノ男爵領で働いてくれることになっているので。
ウエニアール国の爵位を返上する手続きをしてもらわないといけないんだ。
そうしないと、永年仕えてくれたことに対する功労金を支給できないから。
ただ、全員いっぺんに連れて行くと、ハテノ男爵領の仕事が回らなくなっちゃうからね。
二回に分けて連れて行くことにしたんだ。アルトが二往復してくれるって。
ライム姉ちゃんの屋敷に着くと同行する人達の準備は整っていて、すぐに拾って出発したよ。
次に向かうのは王都、王様達を迎えに行くんだ。
**********
アルトはいつもみたいに王様の執務室にいきなり侵入しようとしてたけど。
おいら、一応ウエニアール国の女王だもね。
流石にそれはヤバいだろうということで、正門に回って受付して王宮に入ることにしたの。
アルトが受付に顔を見せた途端、受付の官吏は顔面蒼白にしてすぐ王様の部屋に通してくれたよ。
「アルト様、今回はお世話になります。
ウエニアール国なんて遠い国までわずか五日でお連れ頂けるとは助かります。」
王様に部屋に入ると、護衛役のモカさんが迎えてくれたよ。
「マロンのためだもの、気にしなくて良いわ。
それよりも、同行する人達を紹介しておくわね。
マロンの配偶者になるシタニアール国の王子オランジュ。
それと、シタニアール国の国王夫妻と王女よ。」
モカさんの労いの言葉に答えたアルトは、一緒にシタニアール国の王族を紹介したの。
「マロン嬢の配偶者ですか? シタニアール国の王族?
何時の間にそんな事に…。」
おいらの旦那さんとオランを紹介されて、モカさん、ビックリしていたよ。
すると。
「これ、モカ、失礼ですよ。
先ずは、シタニアール国の陛下とお后様にご挨拶でしょう。
それに、私達のことも紹介してもらわないといけませんわ。」
鈴の音のような澄んだ声で、モカさんを嗜めたご婦人がいたの。
声の主を探ると、モカさんの後方、王様と並んでとんでもない美人さんがいたんだ。
艶々の金髪、涼し気な目をした鼻筋の整った三十路のご婦人。
「これは、失礼しました、王后陛下。」
声の主はお后様、にっぽん爺が恋したというミントさんだった。
にっぽん爺から聞いていた通りの美人さんだったよ。
ミントさんに促されて、モカさんは慌ててこの国の国王夫妻のことを紹介してたよ。
それから、両国の王族同士で挨拶を交わしていたの。
挨拶が済むと、ミント陛下はおいらの方へ視線を移し。
「ウエニアール国の女王陛下でございますか。
初めてお目に掛かります、この国の王后ミントでございます。
この度は女王御即位、おめでとうございます。
また、シタニアール国より伴侶を迎えることとなったご様子で重ねてお慶び申し上げます。」
子供のおいらを侮ることなく、丁寧な挨拶をしてくれたの
「初めまして、おいら、マロン。
平民育ちなものだから、礼儀正しい話し方が出来なくてゴメンね。
おいら、育ったこの国が大好きだから、友好関係を築いていきたいと思っているの。
よろしくお願いするね。」
王侯貴族の挨拶の仕方なんて、教わっていないからね。
いつも通りの言葉遣いで挨拶させてもらったよ。
ミントさんはそれでも不快な様子は見せず、ニコニコと笑いながら。
「あら、あら、この国を好きだと言ってもらえて嬉しい。
私も、マロン陛下と友好関係を築いていけたら幸いだわ。
そうだ、私の息子も紹介しておくわね。
マロン陛下よりも大分年上ですけど。」
そう言うと後ろに控えていた女の人に、王子を迎えに行かせたの。
ミントさんの言葉を聞いた王様は嫌な顔をしていたよ。
王様、王子のことを世継ぎと認めてなくて、なるべく公の場に出さないようにしているからね。
王子はもう二十歳を過ぎたのに、まだ王太子と認められていないし。
「母上、お呼びでございましょうか。」
そんな言葉と共に入室してきたのは、黒髪の艶やかな好青年だったよ。
何処か一本抜けた感じの王様と違い精悍な顔つきで、いかにも王子様って感じだった。
涼し気な目元はミントさん似だけど、その他はハテノ男爵領で騎士をしているカズミさんに良く似てたよ。
極めつけが…。
「カズヤ、こちらにおられる方は、ウエニアール国のマロン女王陛下です。
隣におられるのは伴侶になられる予定のシタニアール国の第四王子オラン殿下です。
ご挨拶させて頂きなさい。」
名前がカズヤって、もう父親が誰かって隠す気が無いよね。
「お初にお目に掛かります。
第一王子のカズヤ・ド・トアールと申します。
この度は女王陛下御即位おめでとうございます。
私も貴国との親善に努めていきたいと存じますので。
よろしくお願い致します。」
カズヤ殿下の挨拶を受けて、おいらとオランが挨拶を返した後のこと。
おいらとオランの後ろから声が掛かったの。
「私達もご挨拶させて頂いて構わないだろうか。
私は、シタニアール国王ザボン・ド・トマリと申す。
隣は后のバレンシア、その隣が娘のネーブルである。」
お義父さんは、自己紹介をした後にカズヤ殿下に尋ねたんだ。
レモン兄ちゃんとは面識があるかと。
レモン兄ちゃんは王都に一度しか来たことが無いし、カズヤ殿下は公の場に姿を現さない。
当然のことながら、そんな二人に面識がある訳が無く。
「ハテノ男爵領へシタニアール国から婿殿がいらしたとは耳にしておりましたが。
あいにく、今までお目に掛かる機会がありませんでした。
聞くところでは、私と同年代とのこと、是非ともお会いしたいと思っていました。」
カズヤ殿下がそんな言葉を口にすると、ミントさんはこれ幸いと。
「そうですわね、カズヤの周りには同年代の友人が居りませんでしたわね。
一度、ハテノ男爵夫妻と面識を持った方が良いですわね。
ご夫妻は、カズヤと二つしか年が違わないようですし。」
うん、ミントさんの狙いはおいらでも分かるよ。
ライム姉ちゃん夫婦を味方に付けたいんだね。
王様は、カズヤ殿下を不義の子と疑っていて、今でも王太子に指名してないの。
実際、十中八九、カズヤ殿下はにっぽん爺の子供だから不義の子なんだけど。
但し、ミントさんから生まれたのは紛れもない事実な訳で。
カズヤ殿下以外に王族の男児がいない現状では、ミントさん自体が王位継承権第二位だから。
ミントさんの産んだ男児は父親が誰であろうと継承権第一位なんだよね。
ミントさんの実父、この国で最有力の公爵は、そのことが分かっているから。
カズヤ殿下を早く王太子にしろと、王様にせっついているらしいの。
何と言っても、王の子ではない、自分の孫が次代の王になるのだからね。
そんなカズヤ殿下の立場を固めるために、ライム姉ちゃん達を味方に引き入れたいんだよね。
ハテノ男爵家は今でこそ傾いているけど、五十年前は公爵家に引けをとらないほどの権勢を誇っていたらしく。
ダイヤモンド鉱山の操業再開でかつての繁栄を取り戻すのも夢じゃないからね。
そんな事情に気付いているのか、いないのか。
「あら、あなた、ライム達と面識が無かったのね。
丁度良いわ、マロンの即位式に出席するために二人を連れてきているわ。
挨拶でもしておけば。」
アルトはそう言うと、ライム姉ちゃんとレモン兄ちゃんをその場に出したんだ。
王様、一段と苦虫を噛み潰したような顔になったよ。
カズヤ殿下は、ライム姉ちゃん達と挨拶を交わした後。
「そなた達二人は力を併せて領地の再興に力を注いでいると聞いている。
是非とも、その経験を活かして、この国の発展にも力を貸して欲しいと思っている。
これから、私と懇意にしてくれまいか。」
ライム姉ちゃん達に協力を求めたんだけど。
王様とカズヤ殿下の確執など全く知らないライム姉ちゃん達二人は。
「勿体ないお言葉を頂戴して恐縮です。
微力ですが、お力になれることがあれば尽力させて頂きます。」
そう答えていたの。
王族に協力しろと言われたら、イヤとは言えないものね。
ミントさんは、満足そうに微笑んでいたよ。
王様、ますます、苦虫を噛み潰したような顔になっていたよ。
こんな事になるとは、つい最近まで思いもしなかったよ。
おいら、この町で大人になって、この町でお嫁さんになって、ずっとこの町で暮らしていくものだと思ってた。
いざ、この町を出て行くとなると、何となく去り難くて…。
おいらが、名残惜しいと思いながら、屋敷のフェンス越しに町を眺めていると。
「マロン、もう行くわよ。
そんな、辛気臭い顔をしているんじゃないの。
この屋敷だって残していくんでしょ。
年に一度や二度なら、私が連れて来てあげるわ。
ここがマロンの故郷なのだから、何時でも帰って来れば良いの。」
おいらの気持ちを察してか、アルトがそんな嬉しいことを言ってくれたよ。
その言葉で、おいらの踏ん切りもついて、アルトの『積載庫』に乗り込んだの。
辺境の町を出たアルトが最初に向かったのは、ライム姉ちゃんの屋敷。
ライム姉ちゃんとレモン兄ちゃんをおいらの即位式に招待していることもあるけど。
元ウエニアール国の貴族を私財整理のために連れて帰るの。
あの人達、ウエニアール国へ帰ることなくライム姉ちゃんの許に連れて来ちゃったからね。
ウエニアール国にある資産がそのままになっているの。
それに、このままハテノ男爵領で働いてくれることになっているので。
ウエニアール国の爵位を返上する手続きをしてもらわないといけないんだ。
そうしないと、永年仕えてくれたことに対する功労金を支給できないから。
ただ、全員いっぺんに連れて行くと、ハテノ男爵領の仕事が回らなくなっちゃうからね。
二回に分けて連れて行くことにしたんだ。アルトが二往復してくれるって。
ライム姉ちゃんの屋敷に着くと同行する人達の準備は整っていて、すぐに拾って出発したよ。
次に向かうのは王都、王様達を迎えに行くんだ。
**********
アルトはいつもみたいに王様の執務室にいきなり侵入しようとしてたけど。
おいら、一応ウエニアール国の女王だもね。
流石にそれはヤバいだろうということで、正門に回って受付して王宮に入ることにしたの。
アルトが受付に顔を見せた途端、受付の官吏は顔面蒼白にしてすぐ王様の部屋に通してくれたよ。
「アルト様、今回はお世話になります。
ウエニアール国なんて遠い国までわずか五日でお連れ頂けるとは助かります。」
王様に部屋に入ると、護衛役のモカさんが迎えてくれたよ。
「マロンのためだもの、気にしなくて良いわ。
それよりも、同行する人達を紹介しておくわね。
マロンの配偶者になるシタニアール国の王子オランジュ。
それと、シタニアール国の国王夫妻と王女よ。」
モカさんの労いの言葉に答えたアルトは、一緒にシタニアール国の王族を紹介したの。
「マロン嬢の配偶者ですか? シタニアール国の王族?
何時の間にそんな事に…。」
おいらの旦那さんとオランを紹介されて、モカさん、ビックリしていたよ。
すると。
「これ、モカ、失礼ですよ。
先ずは、シタニアール国の陛下とお后様にご挨拶でしょう。
それに、私達のことも紹介してもらわないといけませんわ。」
鈴の音のような澄んだ声で、モカさんを嗜めたご婦人がいたの。
声の主を探ると、モカさんの後方、王様と並んでとんでもない美人さんがいたんだ。
艶々の金髪、涼し気な目をした鼻筋の整った三十路のご婦人。
「これは、失礼しました、王后陛下。」
声の主はお后様、にっぽん爺が恋したというミントさんだった。
にっぽん爺から聞いていた通りの美人さんだったよ。
ミントさんに促されて、モカさんは慌ててこの国の国王夫妻のことを紹介してたよ。
それから、両国の王族同士で挨拶を交わしていたの。
挨拶が済むと、ミント陛下はおいらの方へ視線を移し。
「ウエニアール国の女王陛下でございますか。
初めてお目に掛かります、この国の王后ミントでございます。
この度は女王御即位、おめでとうございます。
また、シタニアール国より伴侶を迎えることとなったご様子で重ねてお慶び申し上げます。」
子供のおいらを侮ることなく、丁寧な挨拶をしてくれたの
「初めまして、おいら、マロン。
平民育ちなものだから、礼儀正しい話し方が出来なくてゴメンね。
おいら、育ったこの国が大好きだから、友好関係を築いていきたいと思っているの。
よろしくお願いするね。」
王侯貴族の挨拶の仕方なんて、教わっていないからね。
いつも通りの言葉遣いで挨拶させてもらったよ。
ミントさんはそれでも不快な様子は見せず、ニコニコと笑いながら。
「あら、あら、この国を好きだと言ってもらえて嬉しい。
私も、マロン陛下と友好関係を築いていけたら幸いだわ。
そうだ、私の息子も紹介しておくわね。
マロン陛下よりも大分年上ですけど。」
そう言うと後ろに控えていた女の人に、王子を迎えに行かせたの。
ミントさんの言葉を聞いた王様は嫌な顔をしていたよ。
王様、王子のことを世継ぎと認めてなくて、なるべく公の場に出さないようにしているからね。
王子はもう二十歳を過ぎたのに、まだ王太子と認められていないし。
「母上、お呼びでございましょうか。」
そんな言葉と共に入室してきたのは、黒髪の艶やかな好青年だったよ。
何処か一本抜けた感じの王様と違い精悍な顔つきで、いかにも王子様って感じだった。
涼し気な目元はミントさん似だけど、その他はハテノ男爵領で騎士をしているカズミさんに良く似てたよ。
極めつけが…。
「カズヤ、こちらにおられる方は、ウエニアール国のマロン女王陛下です。
隣におられるのは伴侶になられる予定のシタニアール国の第四王子オラン殿下です。
ご挨拶させて頂きなさい。」
名前がカズヤって、もう父親が誰かって隠す気が無いよね。
「お初にお目に掛かります。
第一王子のカズヤ・ド・トアールと申します。
この度は女王陛下御即位おめでとうございます。
私も貴国との親善に努めていきたいと存じますので。
よろしくお願い致します。」
カズヤ殿下の挨拶を受けて、おいらとオランが挨拶を返した後のこと。
おいらとオランの後ろから声が掛かったの。
「私達もご挨拶させて頂いて構わないだろうか。
私は、シタニアール国王ザボン・ド・トマリと申す。
隣は后のバレンシア、その隣が娘のネーブルである。」
お義父さんは、自己紹介をした後にカズヤ殿下に尋ねたんだ。
レモン兄ちゃんとは面識があるかと。
レモン兄ちゃんは王都に一度しか来たことが無いし、カズヤ殿下は公の場に姿を現さない。
当然のことながら、そんな二人に面識がある訳が無く。
「ハテノ男爵領へシタニアール国から婿殿がいらしたとは耳にしておりましたが。
あいにく、今までお目に掛かる機会がありませんでした。
聞くところでは、私と同年代とのこと、是非ともお会いしたいと思っていました。」
カズヤ殿下がそんな言葉を口にすると、ミントさんはこれ幸いと。
「そうですわね、カズヤの周りには同年代の友人が居りませんでしたわね。
一度、ハテノ男爵夫妻と面識を持った方が良いですわね。
ご夫妻は、カズヤと二つしか年が違わないようですし。」
うん、ミントさんの狙いはおいらでも分かるよ。
ライム姉ちゃん夫婦を味方に付けたいんだね。
王様は、カズヤ殿下を不義の子と疑っていて、今でも王太子に指名してないの。
実際、十中八九、カズヤ殿下はにっぽん爺の子供だから不義の子なんだけど。
但し、ミントさんから生まれたのは紛れもない事実な訳で。
カズヤ殿下以外に王族の男児がいない現状では、ミントさん自体が王位継承権第二位だから。
ミントさんの産んだ男児は父親が誰であろうと継承権第一位なんだよね。
ミントさんの実父、この国で最有力の公爵は、そのことが分かっているから。
カズヤ殿下を早く王太子にしろと、王様にせっついているらしいの。
何と言っても、王の子ではない、自分の孫が次代の王になるのだからね。
そんなカズヤ殿下の立場を固めるために、ライム姉ちゃん達を味方に引き入れたいんだよね。
ハテノ男爵家は今でこそ傾いているけど、五十年前は公爵家に引けをとらないほどの権勢を誇っていたらしく。
ダイヤモンド鉱山の操業再開でかつての繁栄を取り戻すのも夢じゃないからね。
そんな事情に気付いているのか、いないのか。
「あら、あなた、ライム達と面識が無かったのね。
丁度良いわ、マロンの即位式に出席するために二人を連れてきているわ。
挨拶でもしておけば。」
アルトはそう言うと、ライム姉ちゃんとレモン兄ちゃんをその場に出したんだ。
王様、一段と苦虫を噛み潰したような顔になったよ。
カズヤ殿下は、ライム姉ちゃん達と挨拶を交わした後。
「そなた達二人は力を併せて領地の再興に力を注いでいると聞いている。
是非とも、その経験を活かして、この国の発展にも力を貸して欲しいと思っている。
これから、私と懇意にしてくれまいか。」
ライム姉ちゃん達に協力を求めたんだけど。
王様とカズヤ殿下の確執など全く知らないライム姉ちゃん達二人は。
「勿体ないお言葉を頂戴して恐縮です。
微力ですが、お力になれることがあれば尽力させて頂きます。」
そう答えていたの。
王族に協力しろと言われたら、イヤとは言えないものね。
ミントさんは、満足そうに微笑んでいたよ。
王様、ますます、苦虫を噛み潰したような顔になっていたよ。
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