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第十二章 北へ行こう! 北へ!
第303話 おいら、王になるよ
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騎士団に対する取り敢えずの対処も終わり、おいら達は王宮に戻ることにしたの。
アルトが事前に聞いていた謁見の間に向かって廊下を飛んでいると。
「アルト様、お帰りなさいませ。
王宮内にいる貴族に招集をかけ、大分集まって参りました。
マロン姫様のお支度を急ぐ必要があるので、こちらにお入りください。」
謁見の間近くの廊下で待っていたパターツさんが、アルトを見つけて声を掛けて来たの。
どうやら、冒険者のような格好は拙いようで、相応に身なりを整えるつもりらしいよ。
部屋で待ち構えていたのは、王族の証を確認した五人のおばさんと使用人らしき若いお姉さんが十人ほど。
「アルト様、ここでマロン姫様とオラン殿下を降ろしてくださいませんか。」
パターツさんにそう促されて、おいらとオランが部屋に出されたの。
すると、五人の貴族婦人の中心人物と思わしきおばさんが。
「皆さん、手筈通りにお二人の身支度をお願いしますわよ。
時間が無いので急いでください。」
その指示を飛ばすと同時に使用人のお姉さんが寄って来て、有無を言わさず身包みを剥がれたよ。
「あら、可愛い。
姫様の婚約者が女の子とは、おかしいと思ってましたが。
ちゃんと、男の子だったのですね。」
そんな声に釣られて振り向くと。
少し離れたところで、オランがおいらと同じくスッポンポンにされてた。
お姉さん達は手際よくお湯で浸した布でおいらの体を隈なく拭き清めると。
流れるような作業で、おいらの服装を整えていったの。
それと同時進行で、一人がおいらの髪をブラシで梳いていき。
気付くとおいらの前に置かれた鏡台には見知らぬお姫が映し出されていたよ。
思わず、「誰?」と呟くと。
「マロン、そんなお約束のボケは言わんで良いのじゃ。」
こちらも、いかにも王子様でございという格好のオランにツッコまれたよ。
ボケはともかくとして。
真っ白なヒラヒラのドレスを纏い、髪にチョコンとティアラを乗せた姿は正真正銘のお姫様だったよ。
でも、ドレスを着たのなんて、ネーブル姫に着せられた時だけで…、
普段はズボンのせいか、オマタの辺りがスースーしてなんか落ち着かないよ。
「まあ、マロン姫様、良くお似合いですわ。
王宮のクローゼットの中に、サイズの合うドレスがあって幸いでした。」
おいらが謁見の間で王位に就くことを宣言すると知り。
パターツさん達が大急ぎでドレスを捜してくれたそうなの。
みんなで手分けして、王宮の衣裳部屋を漁ったそうだよ。
「今日は、それで良いけど。
マロンが正式に即位する時には、新しいドレスを仕立てないとね。
シフォン、またお願いするわよ。」
「任せてください。
マロンちゃんの為とあらば、飛び切りのドレスを仕立ててみせます。
お爺ちゃんにお願いして、マロンちゃんに相応しいドレスをデザインしてもらいますね。」
アルトとシフォン姉ちゃんがそんな会話を交わしてたよ。
どうやら、にっぽん爺のデザインで『妖精絹』のドレスを仕立ててくれるつもりらしいね。
**********
身支度が整うと。
パターツさん達に付き添われて、おいらとオランは謁見の間に向かったんだ。
貴族が集まってきている最中なのか、謁見の間の扉は開かれたままだったよ。
「グラッセ子爵、久方振りに姿を現したかと思えば。
王宮内にいる貴族を全て、謁見の間に集めろとは何事ですかな。
私はまだ執務中で、あの簒奪王の戯言に付き合っている暇は無いのですがな。」
事情を詳しく説明してない様子で、集合を掛けたのがヒーナルだと思っているみたい。
ヒーナルが謁見の間に貴族を集める時は、たいていロクでもないことだったようで。
ヒーナルに文句を言う訳にはいかないので、直接召集を掛けたグラッセ爺ちゃんに不満をぶつけてるみたい。
「これから、正式に説明いたしますが。
簒奪騒動から逃れていたマロン殿下が帰朝されまして。
逆賊ヒーナル以下、キーン一族を成敗しました。
これからマロン殿下が王位に就かれることを宣言されます。」
グラッセ爺ちゃんが、苦情を言った貴族に答えると。
「なに、マロン殿下とは、故第三王子のご息女か。
グラッセ家のキャロット姫がお産みになられた。」
「はい、間違いございません。
王家の証も確認済みでございます。」
「おお、今日は何とめでたい日なのだ。
それで、マロン殿下は今何処におられるのだ。
早く、御尊顔を拝したいものだ。」
グラッセ爺ちゃんと貴族の一人がそんな会話を交わしているとこへ。
割って入るように、パターツさんが声を掛けたの。
「お父様、マロン殿下の御支度が整いました。」と。
その言葉を受けてグラッセ爺ちゃんはおいらを玉座に方に導いてくれたよ。
それと同時にグラッセ爺ちゃんと会話していた貴族は、召集された貴族達を整列させてくれたの。
おいらが案内されたのは一段高くなった場所に置かれた玉座の横。
絢爛豪華な玉座の横には、少し小さめの立派な椅子が二つ並べて置かれたよ。
玉座に近い席においらが、おいらの隣にオランが腰を据えると。
「皆の者、今日は素晴らしい報告がある。
先王が第三王子のご息女マロン殿下が帰朝あそばされた。
逆賊ヒーナルは既に亡く、セーヒ、セーオンも捕縛した。
既にヒーナルの妃も、娘ヨーセイもキーン一族から離縁して実家へ戻っておる。
逆賊キーン一族は今日を持って断絶したのだ。
これから、マロン殿下の御言葉を賜る。」
グラッセ爺ちゃんが居並ぶ貴族達に向かって告げたんだ。
すると、貴族達の中から。
「不敬を承知でお尋ねします。
マロン殿下は、生後間もなく政変に巻き込まれ失踪しております。
そちらにいらっしゃるお嬢様が本当にマロン殿下だという証拠はございますか。」
おいらが本物かとの疑問が投げかけられたよ。
「マロン殿下の乳母をしていたパターツです。
こちらにおられる方は、九年前私と共に落ち延びたマロン殿下に間違いございません。
既に、王家の証も確認しております。」
「ええ、私達旧王族派の貴族夫人五人で確認させて頂きました。
マロン殿下で間違いございません。
疑義があれば、一緒に確認したキーン一族派の夫人達にも証言させますが。」
それに答えたのは、パターツさんと王族派の貴族夫人の一人。
更に、アルトが『積載庫』からキーン一族派のご婦人五人を出して証言するように命じたの。
もちろん、アルトのヤバさを知ってるから正直に証言したよ。
「不敬な事を口にして申し訳ございませんでした。
マロン殿下が間違いなく、ご本人であることは納得致しました。」
おいらに王族の証があると敵対派閥の夫人が証言したこと、それが決め手になったみたい。
おいらが偽物じゃないかとの、貴族達の疑念は晴れたみたい。
なので、次はおいらが話をする事になったよ。
グラッセ爺ちゃんに促されて玉座の前に立ち。
「初めましてだね。
おいらが、マロンだよ。
キーン一族を排除しちゃったし。
それで後のことは知らないじゃ無責任だから。
おいらが王位に就くことにしたよ。
キーン一族が無茶苦茶やって混乱したこの国を立て直したいから。
みんな協力してね。」
おいらは貴族達に向かって王位に就くと宣言したんだ。
威厳もへったくれもない宣言だって?
当たり前じゃない、おいら、平民として育って来たんだもの。
王族としての話し方なんて出来ないし、これがおいらの個性だから。
「あの…。先程からキーン一族を排除したと仰せですが。
殿下は何処から兵を率いていらしたのでしょうか。
そもそも、私は朝からこの王宮で執務をしていましたが。
逆賊キーン一族を討ち取るような騒動に覚えが無いのですが。
何時の間にそのような事を…。」
ヒーナルは騎士団という暴力集団を率いて、貴族達を従わせていたんだもの。
そんなキーン一族を討ち取るなんて、相当な数の手勢が必要だと思うのも仕方ないね。
しかも、それをしようとすると大騒動になると考えるのも無理ないか。
「兵なんて率いていないよ。
キーン一族の排除は二人だけでやったんだ。
おいらとここに居るオランの二人で。
キーン一族排除が、信じられなければ証拠を見せてあげるね。」
おいらが答えると、アルトがヒーナル達を貴族達の目の前に出してくれたよ。
「ヒーナルが死んでる…。
セーヒは腕が砕かれてるし。
セーオンに至っては廃人だぜ。」
床に転がるキーン一族を取り囲んだ貴族達から、そんな声が聞こえて来たよ。
「おい、誰かそこにいる謀反者のガキを捕えるんだ。
俺をこんな目に遭わせたんだ、八つ裂きにしてくれる。」
腕を砕かれただけで、唯一正気を保っているセーヒは、周りの貴族においらを捕えるように命じるけど。
「黙れ、この逆賊め!」
周囲の貴族は皆旧王族派のようで、その言葉が反発をかって周りの貴族達から蹴り回されてたよ。
「マロン殿下、良くぞお帰りになられました。
我等ウエニアール国の貴族一同、殿下の御帰りを心からお慶び申し上げます。」
ひとしきりセーヒを蹴り回した後、貴族の一人がそんな言葉と共に跪いたの。
すると、それに倣うように謁見の間に居並ぶ貴族達が跪き、おいらの帰りを歓迎してくれたよ。
逆らう者を容赦なく粛清すると言う恐怖政治を布いて来たキーン一族だから。
その変わり果てた姿を確認するまで、おいらを支持することは出来なかったみたい。
迂闊においらを支持して、キーン一族に目を付けられたら堪らないから。
キーン一族が事実上根絶されたのをその目で確かめて、やっと安心できたみたい。
アルトが事前に聞いていた謁見の間に向かって廊下を飛んでいると。
「アルト様、お帰りなさいませ。
王宮内にいる貴族に招集をかけ、大分集まって参りました。
マロン姫様のお支度を急ぐ必要があるので、こちらにお入りください。」
謁見の間近くの廊下で待っていたパターツさんが、アルトを見つけて声を掛けて来たの。
どうやら、冒険者のような格好は拙いようで、相応に身なりを整えるつもりらしいよ。
部屋で待ち構えていたのは、王族の証を確認した五人のおばさんと使用人らしき若いお姉さんが十人ほど。
「アルト様、ここでマロン姫様とオラン殿下を降ろしてくださいませんか。」
パターツさんにそう促されて、おいらとオランが部屋に出されたの。
すると、五人の貴族婦人の中心人物と思わしきおばさんが。
「皆さん、手筈通りにお二人の身支度をお願いしますわよ。
時間が無いので急いでください。」
その指示を飛ばすと同時に使用人のお姉さんが寄って来て、有無を言わさず身包みを剥がれたよ。
「あら、可愛い。
姫様の婚約者が女の子とは、おかしいと思ってましたが。
ちゃんと、男の子だったのですね。」
そんな声に釣られて振り向くと。
少し離れたところで、オランがおいらと同じくスッポンポンにされてた。
お姉さん達は手際よくお湯で浸した布でおいらの体を隈なく拭き清めると。
流れるような作業で、おいらの服装を整えていったの。
それと同時進行で、一人がおいらの髪をブラシで梳いていき。
気付くとおいらの前に置かれた鏡台には見知らぬお姫が映し出されていたよ。
思わず、「誰?」と呟くと。
「マロン、そんなお約束のボケは言わんで良いのじゃ。」
こちらも、いかにも王子様でございという格好のオランにツッコまれたよ。
ボケはともかくとして。
真っ白なヒラヒラのドレスを纏い、髪にチョコンとティアラを乗せた姿は正真正銘のお姫様だったよ。
でも、ドレスを着たのなんて、ネーブル姫に着せられた時だけで…、
普段はズボンのせいか、オマタの辺りがスースーしてなんか落ち着かないよ。
「まあ、マロン姫様、良くお似合いですわ。
王宮のクローゼットの中に、サイズの合うドレスがあって幸いでした。」
おいらが謁見の間で王位に就くことを宣言すると知り。
パターツさん達が大急ぎでドレスを捜してくれたそうなの。
みんなで手分けして、王宮の衣裳部屋を漁ったそうだよ。
「今日は、それで良いけど。
マロンが正式に即位する時には、新しいドレスを仕立てないとね。
シフォン、またお願いするわよ。」
「任せてください。
マロンちゃんの為とあらば、飛び切りのドレスを仕立ててみせます。
お爺ちゃんにお願いして、マロンちゃんに相応しいドレスをデザインしてもらいますね。」
アルトとシフォン姉ちゃんがそんな会話を交わしてたよ。
どうやら、にっぽん爺のデザインで『妖精絹』のドレスを仕立ててくれるつもりらしいね。
**********
身支度が整うと。
パターツさん達に付き添われて、おいらとオランは謁見の間に向かったんだ。
貴族が集まってきている最中なのか、謁見の間の扉は開かれたままだったよ。
「グラッセ子爵、久方振りに姿を現したかと思えば。
王宮内にいる貴族を全て、謁見の間に集めろとは何事ですかな。
私はまだ執務中で、あの簒奪王の戯言に付き合っている暇は無いのですがな。」
事情を詳しく説明してない様子で、集合を掛けたのがヒーナルだと思っているみたい。
ヒーナルが謁見の間に貴族を集める時は、たいていロクでもないことだったようで。
ヒーナルに文句を言う訳にはいかないので、直接召集を掛けたグラッセ爺ちゃんに不満をぶつけてるみたい。
「これから、正式に説明いたしますが。
簒奪騒動から逃れていたマロン殿下が帰朝されまして。
逆賊ヒーナル以下、キーン一族を成敗しました。
これからマロン殿下が王位に就かれることを宣言されます。」
グラッセ爺ちゃんが、苦情を言った貴族に答えると。
「なに、マロン殿下とは、故第三王子のご息女か。
グラッセ家のキャロット姫がお産みになられた。」
「はい、間違いございません。
王家の証も確認済みでございます。」
「おお、今日は何とめでたい日なのだ。
それで、マロン殿下は今何処におられるのだ。
早く、御尊顔を拝したいものだ。」
グラッセ爺ちゃんと貴族の一人がそんな会話を交わしているとこへ。
割って入るように、パターツさんが声を掛けたの。
「お父様、マロン殿下の御支度が整いました。」と。
その言葉を受けてグラッセ爺ちゃんはおいらを玉座に方に導いてくれたよ。
それと同時にグラッセ爺ちゃんと会話していた貴族は、召集された貴族達を整列させてくれたの。
おいらが案内されたのは一段高くなった場所に置かれた玉座の横。
絢爛豪華な玉座の横には、少し小さめの立派な椅子が二つ並べて置かれたよ。
玉座に近い席においらが、おいらの隣にオランが腰を据えると。
「皆の者、今日は素晴らしい報告がある。
先王が第三王子のご息女マロン殿下が帰朝あそばされた。
逆賊ヒーナルは既に亡く、セーヒ、セーオンも捕縛した。
既にヒーナルの妃も、娘ヨーセイもキーン一族から離縁して実家へ戻っておる。
逆賊キーン一族は今日を持って断絶したのだ。
これから、マロン殿下の御言葉を賜る。」
グラッセ爺ちゃんが居並ぶ貴族達に向かって告げたんだ。
すると、貴族達の中から。
「不敬を承知でお尋ねします。
マロン殿下は、生後間もなく政変に巻き込まれ失踪しております。
そちらにいらっしゃるお嬢様が本当にマロン殿下だという証拠はございますか。」
おいらが本物かとの疑問が投げかけられたよ。
「マロン殿下の乳母をしていたパターツです。
こちらにおられる方は、九年前私と共に落ち延びたマロン殿下に間違いございません。
既に、王家の証も確認しております。」
「ええ、私達旧王族派の貴族夫人五人で確認させて頂きました。
マロン殿下で間違いございません。
疑義があれば、一緒に確認したキーン一族派の夫人達にも証言させますが。」
それに答えたのは、パターツさんと王族派の貴族夫人の一人。
更に、アルトが『積載庫』からキーン一族派のご婦人五人を出して証言するように命じたの。
もちろん、アルトのヤバさを知ってるから正直に証言したよ。
「不敬な事を口にして申し訳ございませんでした。
マロン殿下が間違いなく、ご本人であることは納得致しました。」
おいらに王族の証があると敵対派閥の夫人が証言したこと、それが決め手になったみたい。
おいらが偽物じゃないかとの、貴族達の疑念は晴れたみたい。
なので、次はおいらが話をする事になったよ。
グラッセ爺ちゃんに促されて玉座の前に立ち。
「初めましてだね。
おいらが、マロンだよ。
キーン一族を排除しちゃったし。
それで後のことは知らないじゃ無責任だから。
おいらが王位に就くことにしたよ。
キーン一族が無茶苦茶やって混乱したこの国を立て直したいから。
みんな協力してね。」
おいらは貴族達に向かって王位に就くと宣言したんだ。
威厳もへったくれもない宣言だって?
当たり前じゃない、おいら、平民として育って来たんだもの。
王族としての話し方なんて出来ないし、これがおいらの個性だから。
「あの…。先程からキーン一族を排除したと仰せですが。
殿下は何処から兵を率いていらしたのでしょうか。
そもそも、私は朝からこの王宮で執務をしていましたが。
逆賊キーン一族を討ち取るような騒動に覚えが無いのですが。
何時の間にそのような事を…。」
ヒーナルは騎士団という暴力集団を率いて、貴族達を従わせていたんだもの。
そんなキーン一族を討ち取るなんて、相当な数の手勢が必要だと思うのも仕方ないね。
しかも、それをしようとすると大騒動になると考えるのも無理ないか。
「兵なんて率いていないよ。
キーン一族の排除は二人だけでやったんだ。
おいらとここに居るオランの二人で。
キーン一族排除が、信じられなければ証拠を見せてあげるね。」
おいらが答えると、アルトがヒーナル達を貴族達の目の前に出してくれたよ。
「ヒーナルが死んでる…。
セーヒは腕が砕かれてるし。
セーオンに至っては廃人だぜ。」
床に転がるキーン一族を取り囲んだ貴族達から、そんな声が聞こえて来たよ。
「おい、誰かそこにいる謀反者のガキを捕えるんだ。
俺をこんな目に遭わせたんだ、八つ裂きにしてくれる。」
腕を砕かれただけで、唯一正気を保っているセーヒは、周りの貴族においらを捕えるように命じるけど。
「黙れ、この逆賊め!」
周囲の貴族は皆旧王族派のようで、その言葉が反発をかって周りの貴族達から蹴り回されてたよ。
「マロン殿下、良くぞお帰りになられました。
我等ウエニアール国の貴族一同、殿下の御帰りを心からお慶び申し上げます。」
ひとしきりセーヒを蹴り回した後、貴族の一人がそんな言葉と共に跪いたの。
すると、それに倣うように謁見の間に居並ぶ貴族達が跪き、おいらの帰りを歓迎してくれたよ。
逆らう者を容赦なく粛清すると言う恐怖政治を布いて来たキーン一族だから。
その変わり果てた姿を確認するまで、おいらを支持することは出来なかったみたい。
迂闊においらを支持して、キーン一族に目を付けられたら堪らないから。
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