250 / 848
第十一章 小さな王子の冒険記
第250話 妖精達も紹介してたよ
しおりを挟む
シトラス兄ちゃんとシーリン姉ちゃんの婚姻お披露目が済んだ後。
舞台上の王様は、手のひらを上に向けて、まっすぐ前に腕を突き出したの。
そして、…。
「もう一つ。
今日からこの国に住むことになった可愛い住民を紹介しよう。
ブランシュ殿、みんなも出て来てくれまいか。」
王様が宙に向かって呼びかけると。
広場の四方に散っていたブランシュ達十体の妖精が、王様の周りに集まって来たよ。
「ママ、アレなぁに?」
小さな女の子が、飛来した妖精を指差してお母さんに尋ねてたの。
『妖精絹』のドレスが陽の光を浴びてキラキラと煌めいていたからね。
小さな子供でも、妖精の飛来に気付いたみたい。
「さあ、何かしらね。
ママも初めて見るわ。
お伽話に出てくる妖精があんな姿をしていると言うけど…。」
このお母さんも妖精はお伽話の中だけの存在だと思っていた様子で。
首を傾げながら、女の子に返答していたよ。
そうこうするうちに、王様の手のひらにブランシュが降り立ち。
残りの妖精達は、王様の両脇に並んでた。
「どうだ、可愛いであろう。
妖精のブランシュ殿とその仲間の妖精達だ。
今日から王宮の裏に広がる森に住むことになった。
今後街で見かけることがあるやも知れぬが。
皆、仲良くするように。
冒険者共よ、くれぐれも妖精の機嫌を損ねるのではないぞ。
とうていお前らの手に負える存在ではないからな。」
王様は、ブランシュ達を紹介すると共に、広場にいる冒険者達へ釘を刺していたよ。
妖精達は人の法に縛られる存在でもないし、敢えて『手出し無用』のお触れは出さないそうだよ。
王様は、妖精達が人間に後れを取るとは思わないとした上で…。
欲を出した愚か者が、二、三人妖精に手を出して再起不能にされた方が良いだろうって。
それにより、伝承通り妖精が厄災のような存在だと、人々が再認識するだろうと王様は言っているの。
可愛い妖精を捕らえて一儲けしようなんて考えるのは、冒険者くらいだろうだからね。
王様ったら、ならず者みたいな冒険者を見せしめにするつもりだね。
広場に集まったほとんどの人が妖精を初めて目にした様子で、王様の紹介を聞いてざわついてたよ。
一番多く聞かれたのは、お伽話の存在だと思っていた妖精が実在したことに驚く声だった。
それはここでも。
「ママ、あれ、妖精さんだって。可愛いねー!」
「ホント、可愛いわね。妖精さんって実際にいたのね。
妖精の伝承が本当だとすると…。
妖精さんはあんなに可愛いけど、怒らせるととても怖いのよ。」
「うん、知ってる。祟りがあるんでしょう。
お婆ちゃんが、妖精さんのお伽話で聞かせてくれた。」
さっきの母娘の会話が聞こえて来たけど。
やっぱり、この国でも妖精についての伝承は子供に教えているんだね。
妖精を怒らすと祟りがあることもちゃんとね。
大人になると信じない人が増えてくるのかな? 何でだろう?
**********
シーリン姉ちゃんやブランシュ達妖精のお披露目も無事に終了し…。
おいら達は辺境の町に帰ることにしたんだ。
「オランジュよ、そなた、まだ王宮へは戻らぬつもりか?」
そろそろ帰ってこないかとのニュアンスで、王様がオランに尋ねたの。
「まだ王宮を離れて半年しか経っていないのじゃ。
まだまだ知りたいことは沢山あるし。
市井の民の暮らしぶりについても、まだ知らないことが多いのじゃ。
私は、もうしばらく市井で暮らしたいのじゃ。」
「ふむ、ならば、気の済むまで好きにするが良い。
こんな機会は、またと無いであろう。
市井の民の暮らしを良く見ておくのだぞ。
民の暮らしぶりや他国のことを知るのは貴重な経験であるからな。」
王様は、オランに帰って来て欲しいと思っていたようだけど。
オランが真剣な表情でまだ戻らないと訴えると、優しい表情でそれを受け入れてた。
その言葉の後、王様はオランのことが羨ましいって言ってたよ。
王族が遠く離れた異国の地で暮らすこと、ましてや平民に紛れて市井で暮らす機会など普通はないって。
自分もそんな暮らしを体験してみたかったって。
「ところで、ネーブルよ。
そなた、何で、そんな格好をしておるのだ。」
王様はオランに対し引き続き姿勢で暮らすことを許可すると、今度はネーブル姫に問い掛けたの。
何故かと言うと、…。
ネーブル姫が大きな荷物を足元に置き、ラビにペタッて張り付いてるから。
「私も、オランちゃんが住む町に行ってみたいです。
お肌がスベスベになるという温泉なるモノに入ってみたいですし。
このモフモフのラビちゃんとも離れ難いです。」
そうなの、おいら達が帰ると知ると、ネーブル姫もついて来ると主張したの。
最初からそのつもりのようで、その時には既に荷物がまとめられていたよ。
ネーブル姫の申し出には、流石のアルトも難色を示したんだ。
年頃の女の子を連れて行って、何か問題が起こったらいけないってね。
でもネーブル姫は、ラビにしがみ付いてテコでも動かないって雰囲気だったの。
これはもう王様に止めてもらうしか手がないと、アルトが言ってたんだ。
「ネーブルよ、そなたは王女であるぞ。
護衛も無しで、王宮の外に出るなど認められる訳がなかろう。
そもそも、オランの話ではその温泉なるモノ。
男女一緒に入浴すると言うではないか。
未婚の王女が、男の前で露わな姿を晒すなど認める訳には参らんぞ。」
期待通りに王様は、ネーブル姫を制止してくれたよ。
貞淑を旨とすべき王族の娘が、男の人に肌を晒すことは断じて許さんって。
公衆浴場では、一応浴衣を身に着ける事にはなっているけど。
実際のところ、お湯に濡れると透け透けだからね、マジマジと見れば全部見えちゃう。
公衆浴場のマナーで、浴衣の女性をジッと見つめたらダメとなっているけど…。
そんな他人の善意に期待するような事は、王様には認められないみたいだよ。
「ええー、そんなー!
私も温泉に入りたいです!」
ネーブル姫はそう言って駄々をこねていたけど。
王様が指示すると、女官たちにラビから引きはがされちゃった。
ネーブル姫は、そのままズルズルと女官たちに引き摺られて部屋から出て行ったよ。
「あっ、ちょっと、ちょっと待ってー!」
廊下の方からネーブル姫の懇願する声が聞こえた来たけど。
その声はむなしくもどんどん遠ざかっていったの。
可哀そうだけど仕方がないね。
大分治安が良くなったけど、王女様が不用心にフラフラ出歩ける街にはほど遠いものね。
**********
「シトラス、あんた、シーリンを大切にしないと赦さないからね。」
帰り掛けに再度、アルトがシトラス兄ちゃんに念押ししていたよ。
「はい、肝に銘じておりますよ。
必ずシーリンを幸せにして見せますから安心してください。
沢山子供を作って、賑やかな家庭を築きますからぜひ見に来てください。」
シトラス兄ちゃんは、シーリン姉ちゃんの肩を抱き寄せて、軽い口調で答えてた。
シーリン姉ちゃんの方は恥ずかしそうに頬を赤らめていたよ。
「そう、じゃあ、一年もしたらまた見に来るわ。
ブランシュ、この二人のこと、よろしく頼むわね。」
「はい、アルト様。
シーリンが王宮で無碍に扱われないよう、シトラスが不貞を働かないよう。
きっちり、目を光らせておきます。
ウエニアール国のような愚か者が現れた時の対処もお任せください。」
最期にブランシュからの返事を聞くと、アルトは満足そうに頷いていた。
こうして、シーリン姉ちゃんの嫁入りは滞りなく済み、おいら達は帰途についたんだ。
舞台上の王様は、手のひらを上に向けて、まっすぐ前に腕を突き出したの。
そして、…。
「もう一つ。
今日からこの国に住むことになった可愛い住民を紹介しよう。
ブランシュ殿、みんなも出て来てくれまいか。」
王様が宙に向かって呼びかけると。
広場の四方に散っていたブランシュ達十体の妖精が、王様の周りに集まって来たよ。
「ママ、アレなぁに?」
小さな女の子が、飛来した妖精を指差してお母さんに尋ねてたの。
『妖精絹』のドレスが陽の光を浴びてキラキラと煌めいていたからね。
小さな子供でも、妖精の飛来に気付いたみたい。
「さあ、何かしらね。
ママも初めて見るわ。
お伽話に出てくる妖精があんな姿をしていると言うけど…。」
このお母さんも妖精はお伽話の中だけの存在だと思っていた様子で。
首を傾げながら、女の子に返答していたよ。
そうこうするうちに、王様の手のひらにブランシュが降り立ち。
残りの妖精達は、王様の両脇に並んでた。
「どうだ、可愛いであろう。
妖精のブランシュ殿とその仲間の妖精達だ。
今日から王宮の裏に広がる森に住むことになった。
今後街で見かけることがあるやも知れぬが。
皆、仲良くするように。
冒険者共よ、くれぐれも妖精の機嫌を損ねるのではないぞ。
とうていお前らの手に負える存在ではないからな。」
王様は、ブランシュ達を紹介すると共に、広場にいる冒険者達へ釘を刺していたよ。
妖精達は人の法に縛られる存在でもないし、敢えて『手出し無用』のお触れは出さないそうだよ。
王様は、妖精達が人間に後れを取るとは思わないとした上で…。
欲を出した愚か者が、二、三人妖精に手を出して再起不能にされた方が良いだろうって。
それにより、伝承通り妖精が厄災のような存在だと、人々が再認識するだろうと王様は言っているの。
可愛い妖精を捕らえて一儲けしようなんて考えるのは、冒険者くらいだろうだからね。
王様ったら、ならず者みたいな冒険者を見せしめにするつもりだね。
広場に集まったほとんどの人が妖精を初めて目にした様子で、王様の紹介を聞いてざわついてたよ。
一番多く聞かれたのは、お伽話の存在だと思っていた妖精が実在したことに驚く声だった。
それはここでも。
「ママ、あれ、妖精さんだって。可愛いねー!」
「ホント、可愛いわね。妖精さんって実際にいたのね。
妖精の伝承が本当だとすると…。
妖精さんはあんなに可愛いけど、怒らせるととても怖いのよ。」
「うん、知ってる。祟りがあるんでしょう。
お婆ちゃんが、妖精さんのお伽話で聞かせてくれた。」
さっきの母娘の会話が聞こえて来たけど。
やっぱり、この国でも妖精についての伝承は子供に教えているんだね。
妖精を怒らすと祟りがあることもちゃんとね。
大人になると信じない人が増えてくるのかな? 何でだろう?
**********
シーリン姉ちゃんやブランシュ達妖精のお披露目も無事に終了し…。
おいら達は辺境の町に帰ることにしたんだ。
「オランジュよ、そなた、まだ王宮へは戻らぬつもりか?」
そろそろ帰ってこないかとのニュアンスで、王様がオランに尋ねたの。
「まだ王宮を離れて半年しか経っていないのじゃ。
まだまだ知りたいことは沢山あるし。
市井の民の暮らしぶりについても、まだ知らないことが多いのじゃ。
私は、もうしばらく市井で暮らしたいのじゃ。」
「ふむ、ならば、気の済むまで好きにするが良い。
こんな機会は、またと無いであろう。
市井の民の暮らしを良く見ておくのだぞ。
民の暮らしぶりや他国のことを知るのは貴重な経験であるからな。」
王様は、オランに帰って来て欲しいと思っていたようだけど。
オランが真剣な表情でまだ戻らないと訴えると、優しい表情でそれを受け入れてた。
その言葉の後、王様はオランのことが羨ましいって言ってたよ。
王族が遠く離れた異国の地で暮らすこと、ましてや平民に紛れて市井で暮らす機会など普通はないって。
自分もそんな暮らしを体験してみたかったって。
「ところで、ネーブルよ。
そなた、何で、そんな格好をしておるのだ。」
王様はオランに対し引き続き姿勢で暮らすことを許可すると、今度はネーブル姫に問い掛けたの。
何故かと言うと、…。
ネーブル姫が大きな荷物を足元に置き、ラビにペタッて張り付いてるから。
「私も、オランちゃんが住む町に行ってみたいです。
お肌がスベスベになるという温泉なるモノに入ってみたいですし。
このモフモフのラビちゃんとも離れ難いです。」
そうなの、おいら達が帰ると知ると、ネーブル姫もついて来ると主張したの。
最初からそのつもりのようで、その時には既に荷物がまとめられていたよ。
ネーブル姫の申し出には、流石のアルトも難色を示したんだ。
年頃の女の子を連れて行って、何か問題が起こったらいけないってね。
でもネーブル姫は、ラビにしがみ付いてテコでも動かないって雰囲気だったの。
これはもう王様に止めてもらうしか手がないと、アルトが言ってたんだ。
「ネーブルよ、そなたは王女であるぞ。
護衛も無しで、王宮の外に出るなど認められる訳がなかろう。
そもそも、オランの話ではその温泉なるモノ。
男女一緒に入浴すると言うではないか。
未婚の王女が、男の前で露わな姿を晒すなど認める訳には参らんぞ。」
期待通りに王様は、ネーブル姫を制止してくれたよ。
貞淑を旨とすべき王族の娘が、男の人に肌を晒すことは断じて許さんって。
公衆浴場では、一応浴衣を身に着ける事にはなっているけど。
実際のところ、お湯に濡れると透け透けだからね、マジマジと見れば全部見えちゃう。
公衆浴場のマナーで、浴衣の女性をジッと見つめたらダメとなっているけど…。
そんな他人の善意に期待するような事は、王様には認められないみたいだよ。
「ええー、そんなー!
私も温泉に入りたいです!」
ネーブル姫はそう言って駄々をこねていたけど。
王様が指示すると、女官たちにラビから引きはがされちゃった。
ネーブル姫は、そのままズルズルと女官たちに引き摺られて部屋から出て行ったよ。
「あっ、ちょっと、ちょっと待ってー!」
廊下の方からネーブル姫の懇願する声が聞こえた来たけど。
その声はむなしくもどんどん遠ざかっていったの。
可哀そうだけど仕方がないね。
大分治安が良くなったけど、王女様が不用心にフラフラ出歩ける街にはほど遠いものね。
**********
「シトラス、あんた、シーリンを大切にしないと赦さないからね。」
帰り掛けに再度、アルトがシトラス兄ちゃんに念押ししていたよ。
「はい、肝に銘じておりますよ。
必ずシーリンを幸せにして見せますから安心してください。
沢山子供を作って、賑やかな家庭を築きますからぜひ見に来てください。」
シトラス兄ちゃんは、シーリン姉ちゃんの肩を抱き寄せて、軽い口調で答えてた。
シーリン姉ちゃんの方は恥ずかしそうに頬を赤らめていたよ。
「そう、じゃあ、一年もしたらまた見に来るわ。
ブランシュ、この二人のこと、よろしく頼むわね。」
「はい、アルト様。
シーリンが王宮で無碍に扱われないよう、シトラスが不貞を働かないよう。
きっちり、目を光らせておきます。
ウエニアール国のような愚か者が現れた時の対処もお任せください。」
最期にブランシュからの返事を聞くと、アルトは満足そうに頷いていた。
こうして、シーリン姉ちゃんの嫁入りは滞りなく済み、おいら達は帰途についたんだ。
1
お気に入りに追加
298
あなたにおすすめの小説

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

転生幼女は幸せを得る。
泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる