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第八章 ハテノ男爵領再興記
第169話 大分恨みをかってたんだね
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数日後、領都の中心にある広場、そこに設けられた告知板に一つの御触れ書きが掲げられたんだ。
もちろん、それは女性に対する拉致監禁や強姦行為なんかを厳罰に処すという御触れ。
それ以外にも色々と細かい禁止事項が書かれていたけど。
簡単に言っちゃうと女の人に悪さをしちゃいけないよと言う内容のモノだった。
お触れ書きを読んだ女の人達はみんな喜んでいたよ。
何で今までこういう決まりが無かったんだろうって言ってる人も多かった。
内容を読むと当たり前のように感じるんだけど、他の領地では今でもそうじゃないんだよね。
女の人って、ホント、立場が弱かったんだね。
そして、その御触れ書きが掲げられた横には十五人の冒険者が両手のこぶしを砕かれて転がされてたよ。
逃げられないように、地面に深く打ち込んだ杭に鎖でつながれ、騎士のお姉ちゃんが二人見張りに付いてるの。
更にその横には、転がされている十五人の罪状が掛かれた高札が立てられてた。
その最後に、好きに報復してかまわないとも記されていたの。
んで、転がされている冒険者だけど、全員が首から板をぶら下げていたの。
その板には、今まで犯してきた悪さの数々が本人の自供に基づき記されているの。
しかも、そのうちの五人は捕まった日からずっと裸のままだった。
ライム姉ちゃんの屋敷に捕らえれれている間、この連中はずっと裏庭に縄で拘束されて転がされていたんだ。
幸い、この辺りは冬でも暖かくて凍えることはないし、雨も降らなかったんで死ぬことはなかったけど。
裸で地面に転がされていた奴らは、蚊やら、ムカデやらにやられて酷いことになっていたよ。
おいらが、転がされている連中を眺めていると。
「騎士様、本当にこいつらを好きにして良いんですかい。
俺、この男に何度も恐喝されて。
一時メシもロクに食えないほど、貧乏生活をしたんだ。
恨みが骨髄に徹してるんだ。」
どうやら、転がされている冒険者の一人に粘着されて何度もお金を巻き上げられたみたい。
冒険者って、カモだと分かると何度も狙うから質が悪いよね。
この人みたいに、食費まで巻き上げられちゃう。
「ええ、かまいませんわよ。
そこに掲げられているように、元々死罪なのですが。
一種の恩赦ですわね、町の方々の気が済んだ段階で釈放してあげることになってます。
ですから、殺されてしまうのなら自業自得ですわ。
それだけ、町の人に酷い恨みをかっていたということですから。
ご覧の通り、両手のこぶしを砕いてありますので。
釈放したからと言って、再度の報復の心配もありません。
気の済むまでいたぶってください。」
冒険者からカモにされていた人に、監視の騎士がそう説明すると。
「それは、有り難い。
てめえのせいで、俺は三日もメシを食う金が無かったんだ。
食い物の恨みは怖えぞ、思い知りやがれ!」
カモにされていた男の人は、思いっ切り一人の冒険者の顔を蹴とばしたの。
その一撃で、蹴られた冒険者の歯が何本か砕けてたよ。
「あっ、こいつ、私を路地裏に連れ込んで酷いことしやがったんだ。
あんな、小汚ねえモノ咥えさせやがって、絶対に赦さないよ!」
若いお姉ちゃんが一人そう叫んだかと思うと、裸で転がされている男の股間に思いっ切り蹴りを入れてたよ。
何を咥えさせられたのか知らないけど、凄い剣幕で何度も何度も股間に蹴りを入れたよ。
ずっと見てたら、拘束された冒険者全員が、町の人、男女問わずに恨みをかっていたみたい。
この町にこんなに人が住んでいたんだと感心するくらい、凄い数の人が殴る蹴るをしてたよ。
男の人はお金を巻き上げられたという人が多かったね。
他には寝取られたなんて言っている人がいたけど、隣にいたアルトは意味を教えてくれなかった。
女の人は路地裏に連れ込まれて何かされたって人が多かった。
中には、町の外で薬草摘みをしてたら、襲われたなんて人も。
それと、不思議なのは男の人は顔面に蹴りを入れる人が多かったんだけど。
何故か、女の人は全員が冒険者の股間に蹴りを入れていた、しかもかなり執拗に…。
しばらくすると、大分人が掃けたんだけど…。
「ねえ、ねえ、騎士様、こいつらに仕返しできるのって今日だけですか?
私、今日一日くらいじゃ気が済まないですよ。
こいつら、私の事を路地裏の空き家に引っ張り込んで…。
寄って、集って…、私まだ、生娘だったのに…。」
そんな風に涙目で訴えているお姉ちゃんがいたんだ。
「いいえ、今日で釈放するとは決めていませんわ。
私が領主様から申し付かっているのは、町の人の気が済むまで報復させろという事ですわ。
あなたのような方がいる限り、釈放はしませんからご安心ください。
また、明日もここに引っ立てて来ることとしましょう。
あなたの様に訴えてくる人がいなくなれば、釈放することにします。」
監視をしていた騎士のお姉ちゃんは、涙目で訴える人に気の済むまで何日でも続けると答えていたよ。
その言葉を聞いた冒険者たちはというと…。
「頼むから、もう勘弁してくれよ。
もう絶対に堅気の人には迷惑かけないから赦してくれ。」
「これ以上、裸で放置されるのは嫌だ。
せめて服を着せてくれて。
裸で地面の上を蹴りまわされたら、傷だらけになっちまう。」
「もう股間は勘弁してくれ。
これ以上蹴りを入れられたら、使いモノにならなくなっちまう。」
なんて、泣き言が聞こえてきたよ。
「殺されないだけでも儲けものと考えないといけないのに…。
あんな粗末なモノが使えなくなることを気にしているなんて、バカじゃないの。
あれだけ報復を受けておいて、まだ使う気でいたなんて呆れたわ。」
最後の男の言葉を聞いて、アルトがそんなことを言って呆れてたよ。
もちろん、それは女性に対する拉致監禁や強姦行為なんかを厳罰に処すという御触れ。
それ以外にも色々と細かい禁止事項が書かれていたけど。
簡単に言っちゃうと女の人に悪さをしちゃいけないよと言う内容のモノだった。
お触れ書きを読んだ女の人達はみんな喜んでいたよ。
何で今までこういう決まりが無かったんだろうって言ってる人も多かった。
内容を読むと当たり前のように感じるんだけど、他の領地では今でもそうじゃないんだよね。
女の人って、ホント、立場が弱かったんだね。
そして、その御触れ書きが掲げられた横には十五人の冒険者が両手のこぶしを砕かれて転がされてたよ。
逃げられないように、地面に深く打ち込んだ杭に鎖でつながれ、騎士のお姉ちゃんが二人見張りに付いてるの。
更にその横には、転がされている十五人の罪状が掛かれた高札が立てられてた。
その最後に、好きに報復してかまわないとも記されていたの。
んで、転がされている冒険者だけど、全員が首から板をぶら下げていたの。
その板には、今まで犯してきた悪さの数々が本人の自供に基づき記されているの。
しかも、そのうちの五人は捕まった日からずっと裸のままだった。
ライム姉ちゃんの屋敷に捕らえれれている間、この連中はずっと裏庭に縄で拘束されて転がされていたんだ。
幸い、この辺りは冬でも暖かくて凍えることはないし、雨も降らなかったんで死ぬことはなかったけど。
裸で地面に転がされていた奴らは、蚊やら、ムカデやらにやられて酷いことになっていたよ。
おいらが、転がされている連中を眺めていると。
「騎士様、本当にこいつらを好きにして良いんですかい。
俺、この男に何度も恐喝されて。
一時メシもロクに食えないほど、貧乏生活をしたんだ。
恨みが骨髄に徹してるんだ。」
どうやら、転がされている冒険者の一人に粘着されて何度もお金を巻き上げられたみたい。
冒険者って、カモだと分かると何度も狙うから質が悪いよね。
この人みたいに、食費まで巻き上げられちゃう。
「ええ、かまいませんわよ。
そこに掲げられているように、元々死罪なのですが。
一種の恩赦ですわね、町の方々の気が済んだ段階で釈放してあげることになってます。
ですから、殺されてしまうのなら自業自得ですわ。
それだけ、町の人に酷い恨みをかっていたということですから。
ご覧の通り、両手のこぶしを砕いてありますので。
釈放したからと言って、再度の報復の心配もありません。
気の済むまでいたぶってください。」
冒険者からカモにされていた人に、監視の騎士がそう説明すると。
「それは、有り難い。
てめえのせいで、俺は三日もメシを食う金が無かったんだ。
食い物の恨みは怖えぞ、思い知りやがれ!」
カモにされていた男の人は、思いっ切り一人の冒険者の顔を蹴とばしたの。
その一撃で、蹴られた冒険者の歯が何本か砕けてたよ。
「あっ、こいつ、私を路地裏に連れ込んで酷いことしやがったんだ。
あんな、小汚ねえモノ咥えさせやがって、絶対に赦さないよ!」
若いお姉ちゃんが一人そう叫んだかと思うと、裸で転がされている男の股間に思いっ切り蹴りを入れてたよ。
何を咥えさせられたのか知らないけど、凄い剣幕で何度も何度も股間に蹴りを入れたよ。
ずっと見てたら、拘束された冒険者全員が、町の人、男女問わずに恨みをかっていたみたい。
この町にこんなに人が住んでいたんだと感心するくらい、凄い数の人が殴る蹴るをしてたよ。
男の人はお金を巻き上げられたという人が多かったね。
他には寝取られたなんて言っている人がいたけど、隣にいたアルトは意味を教えてくれなかった。
女の人は路地裏に連れ込まれて何かされたって人が多かった。
中には、町の外で薬草摘みをしてたら、襲われたなんて人も。
それと、不思議なのは男の人は顔面に蹴りを入れる人が多かったんだけど。
何故か、女の人は全員が冒険者の股間に蹴りを入れていた、しかもかなり執拗に…。
しばらくすると、大分人が掃けたんだけど…。
「ねえ、ねえ、騎士様、こいつらに仕返しできるのって今日だけですか?
私、今日一日くらいじゃ気が済まないですよ。
こいつら、私の事を路地裏の空き家に引っ張り込んで…。
寄って、集って…、私まだ、生娘だったのに…。」
そんな風に涙目で訴えているお姉ちゃんがいたんだ。
「いいえ、今日で釈放するとは決めていませんわ。
私が領主様から申し付かっているのは、町の人の気が済むまで報復させろという事ですわ。
あなたのような方がいる限り、釈放はしませんからご安心ください。
また、明日もここに引っ立てて来ることとしましょう。
あなたの様に訴えてくる人がいなくなれば、釈放することにします。」
監視をしていた騎士のお姉ちゃんは、涙目で訴える人に気の済むまで何日でも続けると答えていたよ。
その言葉を聞いた冒険者たちはというと…。
「頼むから、もう勘弁してくれよ。
もう絶対に堅気の人には迷惑かけないから赦してくれ。」
「これ以上、裸で放置されるのは嫌だ。
せめて服を着せてくれて。
裸で地面の上を蹴りまわされたら、傷だらけになっちまう。」
「もう股間は勘弁してくれ。
これ以上蹴りを入れられたら、使いモノにならなくなっちまう。」
なんて、泣き言が聞こえてきたよ。
「殺されないだけでも儲けものと考えないといけないのに…。
あんな粗末なモノが使えなくなることを気にしているなんて、バカじゃないの。
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