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第七章 興行を始めるよ!・・・招かれざる客も来たけれど
第154話 それでおいらを消すとか言われても…
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自称『ウエニアール国』の騎士団員五人を捕まえてきたおいら達は、父ちゃん達のもとに戻って来たんだけど…。
「マロンが、ウエニアール国の元王女だということはなるべく他の人には知られない方が良いぞ。
何処から情報が漏れるか分らんからな。
尋問するなら、何処か別の場所の方が良くないか?」
モカさんの家だと、自称騎士団員を連れ込んだことがバレるかも知れないと父ちゃんは言ったの。
この部屋、クッころさんがしょっちゅう出入りするし、掃除に来るメイドさんもいるしね。
父ちゃんのアドバイスに耳を傾けたアルトは、それなら良いところがあるって言ったんだ。
それで、やって来たのがここ。
五人をアルトの『積載庫』から放り出すと。
連中、辺りを見回して、「俺達をこんな所に連れて来て何のつもりだ。」と言ったんだ。
その口振りはとても高飛車で、自分達が捕食される立場だと理解していないみたいだった。
「正直に答えなさい。
今、王都にマロンを探しに来た仲間は、これで全部かしら?
他にはいないの?」
アルトは、騎士団員の態度など気にも留めずにそう尋ねたの、上から目線で。
「ああ? 何だ、この羽虫は?
人間様に向かってでけえ口を利きやがって…。
そんなことを教える訳がねえだろうが。
そんな事より、早く俺達を元いた場所に返しやがれ。」
連中の一人が、アルトの質問に答えもせずに、王都へ戻せと要求してきたんだ。
自分が今、虎の尾を踏んだのを気付きもせずに。アルトに羽虫は禁句なのにね。
アルトは、それを言った男に向かって、
「あっそ、五人もいるのだから、あんたは要らないわ。」
そう告げると、ポイっとその男を少し離れたところに生えている木の根元に放ったの。
いつもながら、あの小さな体の何処にあんな力があるのかと感心するよ。
すると、その木の枝がスッと伸びて来て…。
「ウギャアアアァーーーー!」
左右の手足に、それぞれ二本ずつ計八本の枝が突き刺さったんだ。
槍のように尖った枝が、狙いを違えず手と足の腱に。
「げっ!あれはトレントか!
じゃあ、なんだ、俺達が今いるのはトレントの森だってか!」
残りの男達の中からそんな声が上がり、やっとここが何処だか理解したみたい。
**********
「マロン、せっかく餌になってくれたのだから、そのトレント狩っていきましょう。」
アルトに言葉に頷いたおいらは、トレントの傍に寄って愛用の『錆びた包丁』で幹をチョコンと叩いたの。
すると、トレントはミシミシと音を立てて倒れていき…。
「おい、あのガキ、トレントを一撃で倒しちまったぜ…。
王女があんなバケモノだなんて聞いてねえぜ。」
おいらがトレントを一撃で倒したことに、連中、驚愕していたよ。
いつもながら、『クリティカル発生率百%』と『クリティカルダメージ三千%アップ』のコンボにはビックリだね。
柔らかい果物でも切るように、トレントの大木を倒せちゃうんだから。
トレントの動く枝って八本しかないんだよね、何かを捕食している間って本当に簡単に倒せちゃう。
冒険者ギルドのならず者たちが、新米冒険者を餌にしてトレントを狩るというのも頷けるよ。
おいらが、倒したトレントを一式『積載庫』に放り込むとそこに残ったのは…。
「おい、あいつを見ろ、腕や足が変な方向にひん曲がっちまってるぞ。」
「ああ、あいつはもうダメだな。あれじゃ、もう剣は握れないだろうぜ。
いや、それ以前に、変な笑い声みたいなモノを上げているし…。
ありゃ、人としても終わっちまってるぜ。」
トレントに手足を串刺しにされていた男を目にして、そんな声が聞こえてきたよ。
そんな残り四人の目の前に、アルトは廃人になった男を放り投げたんだ。
「さっ、あんたらに選ばしてあげる。
私の質問に答えるのを拒んでこうなるか、素直に答えて楽になるかをね。」
逆らった者の末路を見せつけて、選択を迫るアルト。
それを目にした四人は震え上がっちゃったよ。
「悪かった、何でも話す
もう逆らわないから、トレントの餌だけは勘弁してくれ。」
連中の中からそんな声が上がったので、アルトは試すように尋ねたんだ。
「じゃあ、最初の質問、あなた達のリーダーは誰?」
すると、四人は相互に目配せし、視線で会話するそぶりを見せると…。
一斉に指差したんだ、三人は一人の男を、指差された一人は今さっきトレントの餌になった生きる屍を。
指差された男は、他の三人を「この裏切り者!」って目で見ていたよ。
どうやら、こいつがリーダーみたい。
廃人になった男をリーダーということにして、色々とシラをきるつもりだったんだろうけど。
視線での会話は食い違いを生じていたみたい。
「まだ、素直には従うつもりがないみたいね。
次に、トレントの餌になりたいのはアンタかしら。」
アルトが酷薄な笑みを浮かべて、リーダーらしき男に迫ると。
「ひっ! 悪かった、勘弁してくれ!
俺がこの小隊の隊長で間違いねえ。
知っている事は何でも答えるから、赦してくれ!」
小隊長は、やっと観念したみたい、後ずさりしながらアルトに命乞いしたよ。
**********
「それじゃ、一番最初に戻って。
今、この国の王都にいるあんた達の仲間はこの五人だけかしら?
他にいるなら、正直に言いなさい。何人、何処にいるのかを。」
アルトはさっきの質問を繰り返したんだ。
「いや、いねえ。
間違いなく、ここにいる五人だけだ。
我が国の騎士団の小隊は五人編成で、一小隊送られてきたんだから。
そもそも、ここに王女がいるという確証も無かったからな。」
やっぱり、おいらがここにいるという情報を掴んで来た訳じゃないみたい。
『ドッチ会』を疑わしいと思って、念のために来たって言う感じのようだったの。
他にはいないと聞き、一安心したおいら達は詳しい事情を聞くことに移ったよ。
「で、何で、あんたらは今頃になってマロンを探しているのかな?
マロンは、つい昨日まで、自分が元王女だなんて知らなかったんだけど。
冒険者の父親と親子として、暮らしていたのよ。」
アルトは、一番聞きたいことを真っ先に尋ねたんだ。
すると、小隊長は、
「ここ最近、貴族連中や国民の中で我が王に対する不満が高まっていてな。
あちこちで、小規模な反乱が起こっているんだ。
我が王に反抗する連中の間で、旧王家による統治の復活を望む声が高まっている。
今、生き残っている旧王族はその娘だけだ。
その娘のもとに我が王に反抗する勢力が集結すると厄介だから消しちまおうって。」
って言ったんだ。
どうして、新王に対する不満が高まっているかと言うと一つは税の問題。
元々、ウエニアール国は、税が他国に比して低く抑えらえていたんだって。
それは、王家が代々、民が豊かになってこそ国の繁栄があるという考え方を持っていたから。
そのため、ウエニアール国の王侯貴族は他国に比して質素な生活をしていたらしいの。
質素と言っても、平民よりもはるかに贅沢な暮らしをしているし。
二百年前の愚王の失策で国が傾いたこの国の王族よりは華美な生活をしていたみたいだけど。
でも、一部の貴族は、この国を除く他国の王侯貴族の暮らしぶりを目にして、旧王家に不満を持っていたみたい。
もっと、王侯貴族は煌びやかで、贅沢な生活をするべきだって。
その代表格が簒奪により新王となった騎士団長だった訳で、即位すると真っ先に増税をしたそうなんだ。
その時は、一部の貴族の強い支持が有り、民の不満は抑え込まれたらしいんだ。
質素倹約を旨とする王族がいなくなって、気兼ねなく贅沢な暮らしができると思ったから。
最近、旗色が変わってきたのは、領主の領地から得られる税収が減って来たから。
ウエニアール国では領主が領民に税を課し、その一定割合を国に納める形になっているそうなんだ。
その税収の大部分は農村の収穫から得られるモノらしいんだけど…。
このところ、農村の収穫が、魔物の襲撃によって目に見えて落ちているんだって。
主に、ネズミの魔物による農作物の食害のために。
そう、新王が、『シマリス』の魔王を倒しちゃったから。
支配下にあった『げっ歯類』系の魔物の活動が活発化したみたい。
畑の農作物が食い荒らされただけじゃなくて、食糧庫なんかも襲撃されて被害が甚大になって来たらしいの。
そして、二つ目がその魔物の被害に対する新王の対応。
農村部に領地をもつ貴族から、新王は度々魔物の討伐を要請されたそうなんだけど…。
帰って来た答えがこんなのだって。
「魔物の討伐は、騎士団の仕事ではない。
騎士団の仕事は他国との戦争と、国内の不満分子を抑え込むことだ。
魔物の討伐など、冒険者にやらせるか、領民を徴兵してさせれば良いだろう。」
元々、騎士団は贅沢がしたくて謀反を企てた訳だから、真面目に働くことは期待できないよね。
で、もっと酷いのが、『ネズミ』の魔物って、『ハエ』の魔物と同じように伝染病をばら撒くんだって。
極めつけに質の悪い奴、体中に黒斑が出て死に至るから『黒死病』って言われているらしいの。
度々、その伝染病が発生するようになったんだけど…。
新王は、それが発生したと聞くと発生した村を閉鎖して、村人ごと焼き払ったんだって。
それだけじゃなくて、その村の近隣の村も閉鎖して、村人が外に出るのを禁止したそうなの。
村の外に、騎士団を駐屯させて。
村から出ようとすると、槍で威嚇して村から出さないようにするらしいよ。
騎士団員は、『黒死病』の感染を恐れて近付かないで済む槍で威嚇するんだって。
そして、監視下にある村で『黒死病』が発生すると、すぐさま焼き払っちゃうそうなの。
もちろん、村人ごと。
それによって、国内に『黒死病』が蔓延することは押さえられているけど。
領民と領内の村を焼き払われた領主は堪ったもんじゃないってことで、不満が募っているようなんだ。
それじゃ、反乱が起こるのも当然だよ。
この国の王様より酷いし、そこいらの冒険者並みの最低な人間だね。
おいらを消すことを考えるより、行いを改めた方が有益だと思うよ。
騎士団においらを探させている暇があるなら、魔物を討伐させた方が絶対に良いって…。
「マロンが、ウエニアール国の元王女だということはなるべく他の人には知られない方が良いぞ。
何処から情報が漏れるか分らんからな。
尋問するなら、何処か別の場所の方が良くないか?」
モカさんの家だと、自称騎士団員を連れ込んだことがバレるかも知れないと父ちゃんは言ったの。
この部屋、クッころさんがしょっちゅう出入りするし、掃除に来るメイドさんもいるしね。
父ちゃんのアドバイスに耳を傾けたアルトは、それなら良いところがあるって言ったんだ。
それで、やって来たのがここ。
五人をアルトの『積載庫』から放り出すと。
連中、辺りを見回して、「俺達をこんな所に連れて来て何のつもりだ。」と言ったんだ。
その口振りはとても高飛車で、自分達が捕食される立場だと理解していないみたいだった。
「正直に答えなさい。
今、王都にマロンを探しに来た仲間は、これで全部かしら?
他にはいないの?」
アルトは、騎士団員の態度など気にも留めずにそう尋ねたの、上から目線で。
「ああ? 何だ、この羽虫は?
人間様に向かってでけえ口を利きやがって…。
そんなことを教える訳がねえだろうが。
そんな事より、早く俺達を元いた場所に返しやがれ。」
連中の一人が、アルトの質問に答えもせずに、王都へ戻せと要求してきたんだ。
自分が今、虎の尾を踏んだのを気付きもせずに。アルトに羽虫は禁句なのにね。
アルトは、それを言った男に向かって、
「あっそ、五人もいるのだから、あんたは要らないわ。」
そう告げると、ポイっとその男を少し離れたところに生えている木の根元に放ったの。
いつもながら、あの小さな体の何処にあんな力があるのかと感心するよ。
すると、その木の枝がスッと伸びて来て…。
「ウギャアアアァーーーー!」
左右の手足に、それぞれ二本ずつ計八本の枝が突き刺さったんだ。
槍のように尖った枝が、狙いを違えず手と足の腱に。
「げっ!あれはトレントか!
じゃあ、なんだ、俺達が今いるのはトレントの森だってか!」
残りの男達の中からそんな声が上がり、やっとここが何処だか理解したみたい。
**********
「マロン、せっかく餌になってくれたのだから、そのトレント狩っていきましょう。」
アルトに言葉に頷いたおいらは、トレントの傍に寄って愛用の『錆びた包丁』で幹をチョコンと叩いたの。
すると、トレントはミシミシと音を立てて倒れていき…。
「おい、あのガキ、トレントを一撃で倒しちまったぜ…。
王女があんなバケモノだなんて聞いてねえぜ。」
おいらがトレントを一撃で倒したことに、連中、驚愕していたよ。
いつもながら、『クリティカル発生率百%』と『クリティカルダメージ三千%アップ』のコンボにはビックリだね。
柔らかい果物でも切るように、トレントの大木を倒せちゃうんだから。
トレントの動く枝って八本しかないんだよね、何かを捕食している間って本当に簡単に倒せちゃう。
冒険者ギルドのならず者たちが、新米冒険者を餌にしてトレントを狩るというのも頷けるよ。
おいらが、倒したトレントを一式『積載庫』に放り込むとそこに残ったのは…。
「おい、あいつを見ろ、腕や足が変な方向にひん曲がっちまってるぞ。」
「ああ、あいつはもうダメだな。あれじゃ、もう剣は握れないだろうぜ。
いや、それ以前に、変な笑い声みたいなモノを上げているし…。
ありゃ、人としても終わっちまってるぜ。」
トレントに手足を串刺しにされていた男を目にして、そんな声が聞こえてきたよ。
そんな残り四人の目の前に、アルトは廃人になった男を放り投げたんだ。
「さっ、あんたらに選ばしてあげる。
私の質問に答えるのを拒んでこうなるか、素直に答えて楽になるかをね。」
逆らった者の末路を見せつけて、選択を迫るアルト。
それを目にした四人は震え上がっちゃったよ。
「悪かった、何でも話す
もう逆らわないから、トレントの餌だけは勘弁してくれ。」
連中の中からそんな声が上がったので、アルトは試すように尋ねたんだ。
「じゃあ、最初の質問、あなた達のリーダーは誰?」
すると、四人は相互に目配せし、視線で会話するそぶりを見せると…。
一斉に指差したんだ、三人は一人の男を、指差された一人は今さっきトレントの餌になった生きる屍を。
指差された男は、他の三人を「この裏切り者!」って目で見ていたよ。
どうやら、こいつがリーダーみたい。
廃人になった男をリーダーということにして、色々とシラをきるつもりだったんだろうけど。
視線での会話は食い違いを生じていたみたい。
「まだ、素直には従うつもりがないみたいね。
次に、トレントの餌になりたいのはアンタかしら。」
アルトが酷薄な笑みを浮かべて、リーダーらしき男に迫ると。
「ひっ! 悪かった、勘弁してくれ!
俺がこの小隊の隊長で間違いねえ。
知っている事は何でも答えるから、赦してくれ!」
小隊長は、やっと観念したみたい、後ずさりしながらアルトに命乞いしたよ。
**********
「それじゃ、一番最初に戻って。
今、この国の王都にいるあんた達の仲間はこの五人だけかしら?
他にいるなら、正直に言いなさい。何人、何処にいるのかを。」
アルトはさっきの質問を繰り返したんだ。
「いや、いねえ。
間違いなく、ここにいる五人だけだ。
我が国の騎士団の小隊は五人編成で、一小隊送られてきたんだから。
そもそも、ここに王女がいるという確証も無かったからな。」
やっぱり、おいらがここにいるという情報を掴んで来た訳じゃないみたい。
『ドッチ会』を疑わしいと思って、念のために来たって言う感じのようだったの。
他にはいないと聞き、一安心したおいら達は詳しい事情を聞くことに移ったよ。
「で、何で、あんたらは今頃になってマロンを探しているのかな?
マロンは、つい昨日まで、自分が元王女だなんて知らなかったんだけど。
冒険者の父親と親子として、暮らしていたのよ。」
アルトは、一番聞きたいことを真っ先に尋ねたんだ。
すると、小隊長は、
「ここ最近、貴族連中や国民の中で我が王に対する不満が高まっていてな。
あちこちで、小規模な反乱が起こっているんだ。
我が王に反抗する連中の間で、旧王家による統治の復活を望む声が高まっている。
今、生き残っている旧王族はその娘だけだ。
その娘のもとに我が王に反抗する勢力が集結すると厄介だから消しちまおうって。」
って言ったんだ。
どうして、新王に対する不満が高まっているかと言うと一つは税の問題。
元々、ウエニアール国は、税が他国に比して低く抑えらえていたんだって。
それは、王家が代々、民が豊かになってこそ国の繁栄があるという考え方を持っていたから。
そのため、ウエニアール国の王侯貴族は他国に比して質素な生活をしていたらしいの。
質素と言っても、平民よりもはるかに贅沢な暮らしをしているし。
二百年前の愚王の失策で国が傾いたこの国の王族よりは華美な生活をしていたみたいだけど。
でも、一部の貴族は、この国を除く他国の王侯貴族の暮らしぶりを目にして、旧王家に不満を持っていたみたい。
もっと、王侯貴族は煌びやかで、贅沢な生活をするべきだって。
その代表格が簒奪により新王となった騎士団長だった訳で、即位すると真っ先に増税をしたそうなんだ。
その時は、一部の貴族の強い支持が有り、民の不満は抑え込まれたらしいんだ。
質素倹約を旨とする王族がいなくなって、気兼ねなく贅沢な暮らしができると思ったから。
最近、旗色が変わってきたのは、領主の領地から得られる税収が減って来たから。
ウエニアール国では領主が領民に税を課し、その一定割合を国に納める形になっているそうなんだ。
その税収の大部分は農村の収穫から得られるモノらしいんだけど…。
このところ、農村の収穫が、魔物の襲撃によって目に見えて落ちているんだって。
主に、ネズミの魔物による農作物の食害のために。
そう、新王が、『シマリス』の魔王を倒しちゃったから。
支配下にあった『げっ歯類』系の魔物の活動が活発化したみたい。
畑の農作物が食い荒らされただけじゃなくて、食糧庫なんかも襲撃されて被害が甚大になって来たらしいの。
そして、二つ目がその魔物の被害に対する新王の対応。
農村部に領地をもつ貴族から、新王は度々魔物の討伐を要請されたそうなんだけど…。
帰って来た答えがこんなのだって。
「魔物の討伐は、騎士団の仕事ではない。
騎士団の仕事は他国との戦争と、国内の不満分子を抑え込むことだ。
魔物の討伐など、冒険者にやらせるか、領民を徴兵してさせれば良いだろう。」
元々、騎士団は贅沢がしたくて謀反を企てた訳だから、真面目に働くことは期待できないよね。
で、もっと酷いのが、『ネズミ』の魔物って、『ハエ』の魔物と同じように伝染病をばら撒くんだって。
極めつけに質の悪い奴、体中に黒斑が出て死に至るから『黒死病』って言われているらしいの。
度々、その伝染病が発生するようになったんだけど…。
新王は、それが発生したと聞くと発生した村を閉鎖して、村人ごと焼き払ったんだって。
それだけじゃなくて、その村の近隣の村も閉鎖して、村人が外に出るのを禁止したそうなの。
村の外に、騎士団を駐屯させて。
村から出ようとすると、槍で威嚇して村から出さないようにするらしいよ。
騎士団員は、『黒死病』の感染を恐れて近付かないで済む槍で威嚇するんだって。
そして、監視下にある村で『黒死病』が発生すると、すぐさま焼き払っちゃうそうなの。
もちろん、村人ごと。
それによって、国内に『黒死病』が蔓延することは押さえられているけど。
領民と領内の村を焼き払われた領主は堪ったもんじゃないってことで、不満が募っているようなんだ。
それじゃ、反乱が起こるのも当然だよ。
この国の王様より酷いし、そこいらの冒険者並みの最低な人間だね。
おいらを消すことを考えるより、行いを改めた方が有益だと思うよ。
騎士団においらを探させている暇があるなら、魔物を討伐させた方が絶対に良いって…。
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