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第七章 興行を始めるよ!・・・招かれざる客も来たけれど
第152話 明かされた出生の秘密、…えっ、何それ
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ジロチョー親分とオチョー姐さんに別れを告げて、『ドッチ会』の事務所を後にしたおいら達。
「なあ、マロン、王都にはアブナイ奴がいるみたいだから。
辺境の町でしているみたいに、一人で街の中を歩き回ったらいけないよ。
マロンにもしものことがあったらと思うと気が気がでないからね。」
オチョー姐さんから聞いた、王都に出没すると言う変質者のことを心配する父ちゃん。
でも、それ、多分変質者じゃないから、…やっている事は変質者そのものだけど。
「うん、おいら、父ちゃんに心配かけたくないから、絶対に一人じゃ出歩かないよ。
出掛ける時は、いつでもアルトが一緒に行ってくれるから安心して。」
おいらは、父ちゃんに心配を掛けたくないから、素直にそう返していたよ。
その後は、みんなで和やかに会話を交わしながら歩いていたんだ。
ミンミン姉ちゃんは、『ドッチ会』が冒険者ギルドらしくなかったことに驚いていた。
「モリィシーが私の事を、悪い人達の所へ連れて行く訳が無いと信じていたけど。
『ドッチ会』が、悪名高い冒険者ギルドとかけ離れていたので正直言って吃驚したわ。
あんなまともな冒険者ギルドが廃れちゃって残念よね。」
そんな感想をもらすと、父ちゃんが。
「ああ、今の俺があるのは『ドッチ会』のおかげさ。
生まれた村に馴染めないで、王都に出て来た俺を拾ってくれたのがジロチョー親分だからな。
宿代も無く、無一文で途方に暮れていた俺を住まわせてくれて、冒険者の仕事を教えてくれたんだ。
メシだって、オチョー姐さんが毎食手料理を食わせてくれたんだよ。
あの頃の親分は、田舎から出て来た若いモンが道を踏み外さないようにって。
街で、俺みたいなはぐれ者を見つけては、『ドッチ会』へ誘っていたんだ。」
父ちゃんが駆け出し冒険者だった頃の『ドッチ会』って、田舎から飛び出してきた若い人の下宿屋みたいだったって。
その中でもオーマサ、コマーサの二人は古参で、駆け出しに冒険者として必要な知識を指導してくれたらしいの。
『カタギに迷惑かけるな、カタギの人が困っていたら助けてやれ。」が口癖で何度も聞かされたって、父ちゃんは言ってた。
「あの頃の『ドッチ会』は冒険者ギルドと言うよりは…。
親分と姐さんを中心にした家族みたいなモノだったんだよ。」
父ちゃんが、その頃を懐かしむように呟いていた、しみじみと。
**********
それは、繁華街を抜けて、大きなお屋敷が沢山ある区画に差し掛かった時に起こったんだ。
「姫様!」
近くで、そんな誰かに呼び掛ける声が聞こえたの。
何処かに貴族のお姫様でもいるのかなと思って、辺りを見回すと。
何やら、小走りに走ってくるおばさんが目に入ったんだよ。
そのおばさん、こちらに向かって走り寄ると…。
「姫様、よくぞ、ご無事で!」
と言うなり、おいらを抱きしめたんだ。
おいら、即座に言ったね、「人違いです」って。
すると…。
「そんなはずがございません、マロン姫様でございましょう。
お母上、キャロット様の幼少の頃にそっくりでございます。」
おいらの名前を言い当てた上に、母ちゃんの子供の頃そっくりだなんて言ったんだ。
そこに、父ちゃんが。
「すみません、道端でそのようなお話をしていると目立ってしまいます。
場所を移した方がよろしいでしょう。
ちょうど、このすぐ傍に今お世話になっているお宅がありますので。」
父ちゃんは思い当たるフシがあるようで、場所を変えようって勧めてきたの。
たしかに、往来の真ん中で『姫様』なんて話をされたら、目立つことこの上ないからね。
そんな訳で、モカさんのお屋敷、おいらが借りている部屋におばさんを連れて来たよ。
「あんた、あの時、俺にマロンを託したご婦人だよね。
偽名でなければ、パターツさんって言ったっけ。
マロンにお乳を与えていたんで、母親だと思っていたんだが。」
部屋に着くなり、父ちゃんがおばさんに向かって言ったんだ。
父ちゃんは、この人のことをおいらの母ちゃんだと思っていたみたい。
「その節は、姫様を置き去りにして消えてしまい申し訳ございませんでした。
改めてご挨拶させて頂きます。
私の名は、パターツ・ド・ドウス、姫様の乳母を務めさせて頂きました。
姫様のお母上、キャロット様とは従妹になりますので。
遠縁ではございますが、姫様とも血のつながりがございます。」
パターツさんの話では、おいらの母ちゃんはグラッセ侯爵家の末姫だったらしい。
そして、パターツさんは、グラッセ家の分家に当たる家の出身だそうで。
母ちゃんは男兄弟ばかりだったので、遊び相手として二つ年上の従妹パターツさんに白羽の矢が立ったんだって。
それ以来、母ちゃんとは姉妹のように育ったそうだよ。
んで、おいらが生まれるより一年ほど早く子を儲けたパターツさんは、おいらの乳母をしてくれていたらしの。
それで、おいらの母ちゃんがお嫁に行った先というのは…。
「騎士団長の謀反があったあの日、キャロット様が嫁がれた第三王子の離宮にも襲撃がありました。
その時、キャロット様は姫様を私に託されたのです、姫様を無事に落ち延びさせるようにと。
当時、私は生後間もない姫様の乳母に上がったばかりで、騎士団の連中に面が割れていませんでしたから。
襲撃のどさくさに紛れて離宮を抜け出し、翌日まで町に潜伏しておりましたが…。
騎士団長が簒奪をなし、王族が弑されたのを知った私は、姫様を護るべく国を出たのです。」
なんと、さっきジロチョー親分から話を聞いたばかりの『ウエニアール国』の王室だった。
で、おいらの母ちゃんは既にこの世界にいなかったよ…。
それから先の話は、おいら、父ちゃんに前々から聞かされていたよ。
おいらを抱えて行き倒れになっていた『母ちゃん』を、旅の途中の父ちゃんがたまたま助けたんだって。
父ちゃんが母ちゃんだと思っていたのは、パターツさんだったんだね。
なんか訳有りに見えたもんだから、父ちゃんは何も聞かずに一緒に来ないかと誘ったらしいの。
放っておいたら、また行き倒れになるんじゃないかと思ったんだって。
なんだかんだと、一年近くおいらを抱えたパターツさんと一緒に旅をしていたって聞かされていたの。
そして、ある朝、目を覚ましたらパターツさんは消えていたんだって。
『申し訳ございません。
マロンをよろしくお願いいたします。
もし、お金が必要ならこれを処分して用立ててください。』
と書かれた置手紙と、ビロードの布袋に包まれた懐剣を残して。
その懐剣っていうのが、鞘や柄の所に宝石が散りばめられていてとても実用品には見えない代物なの。
父ちゃんが、
「これは、マロンの実の両親が誰なのかを知る唯一の手掛かりだ。
もし、大人になって本当の両親に会いたいと思ったら、これを頼りに探せば良い。
こんな宝剣、そんじょそこらにあるもんじゃないから、何年か掛ければきっと見つかるさ。」
そう言って、おいらに渡してくれたの。
おいらは、父ちゃんが大好きだし、実の父親だと思っているから。
生みの親には興味が無くて、ついこの前まで物入れに放り込んでおいたんだ。
『ウエニアール国』のお触れ書きをみて、おいらがお尋ね者になっているかも知れないと思ったんで。
念のため、物入れから『積載庫』の中に移したけどね。
**********
それから、パターツさんは父ちゃんに頭を下げて。
「一年近くにわたって、何から何までお世話になってしまったのに。
何の事情を説明することなく、姫様を置き去りにして消えてしまって申し訳ございません。
ですが、私が一緒にいない方が、姫様が安全かと思ったのです。
あの騎士団長は躍起になって姫様を探しているでしょう。
当然、乳母の私が姫様を連れ出したと調べが付いていると思いました。
なので、私はあの日、モリィシー様が向かう方向とは違う方向に向かって立ち去ったのです。」
おいらを父ちゃんに押し付けて消えたことを詫びてその理由を打ち明けたの。
本当は、もっと早く消えるつもりだったらしいのだけど。
おいらが乳離れをするまでは放り出す訳に行かないと思ったんだって。
それともう一つ。
「あんたがマロンをとても愛おしそうにしていたもんだから。
あんたが、実の母親なんだろうと思っていたんだ。
そんなあんたがマロンを置き去りにするんだから。
よっぽどの訳有りなんだろうとは思っていたよ。
だがまさか、そんな特大の訳有りだとは思わなかったぜ。
でも、あんた、俺みたいな冒険者に、大切な姫さんを良く託す気になったな。」
パターツさんの話を聞いた父ちゃんがそう言うと。
「大変失礼ですが。
一年間一緒に旅をしてモリィシー様の人となりを観察していたのです。
あの頃の私はまだ二十を過ぎたばかり、自慢ではありませんが容姿にはそこそこ自信があったのですよ。
ですが、モリィシーさんは、一緒の部屋に泊っても、一緒に野宿しても、私に指一本触れようとしなかった。
その誠実さに、この方なら姫様を大切に護ってくださると確信しました。
それに、髪が同じ栗毛色で、サラサラの髪質も姫様そっくりでしたので。
誰もが本当の親子と見て疑わないと思ったのです。」
どうやら、父ちゃんが、おいらを託すに値する人かどうか値踏みをしていたみたいなの。
一年近く一緒に旅して歩いて、父ちゃんが信用できる人だと確信を持てたので。
おいらの乳離れを待って、パターツさんは立ち去ったんだって。
それで、何で今頃になって、パターツさんがここに現れたのかと言うと。
「なあ、マロン、王都にはアブナイ奴がいるみたいだから。
辺境の町でしているみたいに、一人で街の中を歩き回ったらいけないよ。
マロンにもしものことがあったらと思うと気が気がでないからね。」
オチョー姐さんから聞いた、王都に出没すると言う変質者のことを心配する父ちゃん。
でも、それ、多分変質者じゃないから、…やっている事は変質者そのものだけど。
「うん、おいら、父ちゃんに心配かけたくないから、絶対に一人じゃ出歩かないよ。
出掛ける時は、いつでもアルトが一緒に行ってくれるから安心して。」
おいらは、父ちゃんに心配を掛けたくないから、素直にそう返していたよ。
その後は、みんなで和やかに会話を交わしながら歩いていたんだ。
ミンミン姉ちゃんは、『ドッチ会』が冒険者ギルドらしくなかったことに驚いていた。
「モリィシーが私の事を、悪い人達の所へ連れて行く訳が無いと信じていたけど。
『ドッチ会』が、悪名高い冒険者ギルドとかけ離れていたので正直言って吃驚したわ。
あんなまともな冒険者ギルドが廃れちゃって残念よね。」
そんな感想をもらすと、父ちゃんが。
「ああ、今の俺があるのは『ドッチ会』のおかげさ。
生まれた村に馴染めないで、王都に出て来た俺を拾ってくれたのがジロチョー親分だからな。
宿代も無く、無一文で途方に暮れていた俺を住まわせてくれて、冒険者の仕事を教えてくれたんだ。
メシだって、オチョー姐さんが毎食手料理を食わせてくれたんだよ。
あの頃の親分は、田舎から出て来た若いモンが道を踏み外さないようにって。
街で、俺みたいなはぐれ者を見つけては、『ドッチ会』へ誘っていたんだ。」
父ちゃんが駆け出し冒険者だった頃の『ドッチ会』って、田舎から飛び出してきた若い人の下宿屋みたいだったって。
その中でもオーマサ、コマーサの二人は古参で、駆け出しに冒険者として必要な知識を指導してくれたらしいの。
『カタギに迷惑かけるな、カタギの人が困っていたら助けてやれ。」が口癖で何度も聞かされたって、父ちゃんは言ってた。
「あの頃の『ドッチ会』は冒険者ギルドと言うよりは…。
親分と姐さんを中心にした家族みたいなモノだったんだよ。」
父ちゃんが、その頃を懐かしむように呟いていた、しみじみと。
**********
それは、繁華街を抜けて、大きなお屋敷が沢山ある区画に差し掛かった時に起こったんだ。
「姫様!」
近くで、そんな誰かに呼び掛ける声が聞こえたの。
何処かに貴族のお姫様でもいるのかなと思って、辺りを見回すと。
何やら、小走りに走ってくるおばさんが目に入ったんだよ。
そのおばさん、こちらに向かって走り寄ると…。
「姫様、よくぞ、ご無事で!」
と言うなり、おいらを抱きしめたんだ。
おいら、即座に言ったね、「人違いです」って。
すると…。
「そんなはずがございません、マロン姫様でございましょう。
お母上、キャロット様の幼少の頃にそっくりでございます。」
おいらの名前を言い当てた上に、母ちゃんの子供の頃そっくりだなんて言ったんだ。
そこに、父ちゃんが。
「すみません、道端でそのようなお話をしていると目立ってしまいます。
場所を移した方がよろしいでしょう。
ちょうど、このすぐ傍に今お世話になっているお宅がありますので。」
父ちゃんは思い当たるフシがあるようで、場所を変えようって勧めてきたの。
たしかに、往来の真ん中で『姫様』なんて話をされたら、目立つことこの上ないからね。
そんな訳で、モカさんのお屋敷、おいらが借りている部屋におばさんを連れて来たよ。
「あんた、あの時、俺にマロンを託したご婦人だよね。
偽名でなければ、パターツさんって言ったっけ。
マロンにお乳を与えていたんで、母親だと思っていたんだが。」
部屋に着くなり、父ちゃんがおばさんに向かって言ったんだ。
父ちゃんは、この人のことをおいらの母ちゃんだと思っていたみたい。
「その節は、姫様を置き去りにして消えてしまい申し訳ございませんでした。
改めてご挨拶させて頂きます。
私の名は、パターツ・ド・ドウス、姫様の乳母を務めさせて頂きました。
姫様のお母上、キャロット様とは従妹になりますので。
遠縁ではございますが、姫様とも血のつながりがございます。」
パターツさんの話では、おいらの母ちゃんはグラッセ侯爵家の末姫だったらしい。
そして、パターツさんは、グラッセ家の分家に当たる家の出身だそうで。
母ちゃんは男兄弟ばかりだったので、遊び相手として二つ年上の従妹パターツさんに白羽の矢が立ったんだって。
それ以来、母ちゃんとは姉妹のように育ったそうだよ。
んで、おいらが生まれるより一年ほど早く子を儲けたパターツさんは、おいらの乳母をしてくれていたらしの。
それで、おいらの母ちゃんがお嫁に行った先というのは…。
「騎士団長の謀反があったあの日、キャロット様が嫁がれた第三王子の離宮にも襲撃がありました。
その時、キャロット様は姫様を私に託されたのです、姫様を無事に落ち延びさせるようにと。
当時、私は生後間もない姫様の乳母に上がったばかりで、騎士団の連中に面が割れていませんでしたから。
襲撃のどさくさに紛れて離宮を抜け出し、翌日まで町に潜伏しておりましたが…。
騎士団長が簒奪をなし、王族が弑されたのを知った私は、姫様を護るべく国を出たのです。」
なんと、さっきジロチョー親分から話を聞いたばかりの『ウエニアール国』の王室だった。
で、おいらの母ちゃんは既にこの世界にいなかったよ…。
それから先の話は、おいら、父ちゃんに前々から聞かされていたよ。
おいらを抱えて行き倒れになっていた『母ちゃん』を、旅の途中の父ちゃんがたまたま助けたんだって。
父ちゃんが母ちゃんだと思っていたのは、パターツさんだったんだね。
なんか訳有りに見えたもんだから、父ちゃんは何も聞かずに一緒に来ないかと誘ったらしいの。
放っておいたら、また行き倒れになるんじゃないかと思ったんだって。
なんだかんだと、一年近くおいらを抱えたパターツさんと一緒に旅をしていたって聞かされていたの。
そして、ある朝、目を覚ましたらパターツさんは消えていたんだって。
『申し訳ございません。
マロンをよろしくお願いいたします。
もし、お金が必要ならこれを処分して用立ててください。』
と書かれた置手紙と、ビロードの布袋に包まれた懐剣を残して。
その懐剣っていうのが、鞘や柄の所に宝石が散りばめられていてとても実用品には見えない代物なの。
父ちゃんが、
「これは、マロンの実の両親が誰なのかを知る唯一の手掛かりだ。
もし、大人になって本当の両親に会いたいと思ったら、これを頼りに探せば良い。
こんな宝剣、そんじょそこらにあるもんじゃないから、何年か掛ければきっと見つかるさ。」
そう言って、おいらに渡してくれたの。
おいらは、父ちゃんが大好きだし、実の父親だと思っているから。
生みの親には興味が無くて、ついこの前まで物入れに放り込んでおいたんだ。
『ウエニアール国』のお触れ書きをみて、おいらがお尋ね者になっているかも知れないと思ったんで。
念のため、物入れから『積載庫』の中に移したけどね。
**********
それから、パターツさんは父ちゃんに頭を下げて。
「一年近くにわたって、何から何までお世話になってしまったのに。
何の事情を説明することなく、姫様を置き去りにして消えてしまって申し訳ございません。
ですが、私が一緒にいない方が、姫様が安全かと思ったのです。
あの騎士団長は躍起になって姫様を探しているでしょう。
当然、乳母の私が姫様を連れ出したと調べが付いていると思いました。
なので、私はあの日、モリィシー様が向かう方向とは違う方向に向かって立ち去ったのです。」
おいらを父ちゃんに押し付けて消えたことを詫びてその理由を打ち明けたの。
本当は、もっと早く消えるつもりだったらしいのだけど。
おいらが乳離れをするまでは放り出す訳に行かないと思ったんだって。
それともう一つ。
「あんたがマロンをとても愛おしそうにしていたもんだから。
あんたが、実の母親なんだろうと思っていたんだ。
そんなあんたがマロンを置き去りにするんだから。
よっぽどの訳有りなんだろうとは思っていたよ。
だがまさか、そんな特大の訳有りだとは思わなかったぜ。
でも、あんた、俺みたいな冒険者に、大切な姫さんを良く託す気になったな。」
パターツさんの話を聞いた父ちゃんがそう言うと。
「大変失礼ですが。
一年間一緒に旅をしてモリィシー様の人となりを観察していたのです。
あの頃の私はまだ二十を過ぎたばかり、自慢ではありませんが容姿にはそこそこ自信があったのですよ。
ですが、モリィシーさんは、一緒の部屋に泊っても、一緒に野宿しても、私に指一本触れようとしなかった。
その誠実さに、この方なら姫様を大切に護ってくださると確信しました。
それに、髪が同じ栗毛色で、サラサラの髪質も姫様そっくりでしたので。
誰もが本当の親子と見て疑わないと思ったのです。」
どうやら、父ちゃんが、おいらを託すに値する人かどうか値踏みをしていたみたいなの。
一年近く一緒に旅して歩いて、父ちゃんが信用できる人だと確信を持てたので。
おいらの乳離れを待って、パターツさんは立ち去ったんだって。
それで、何で今頃になって、パターツさんがここに現れたのかと言うと。
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