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第18章 冬、繫栄する島国で遭遇したのは
第562話 煙突掃除は本当に命懸けのようです
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『アルスポ』の記者から約束の銅貨二枚をせしめて、嬉しそうに戻って来た少年達。
取り敢えず、着替えが届くまで来客用のリビングで体を休めておくように指示しました。
深夜から早朝まで働いていたようですので、相当に疲労しているはずですから。
その間、私は水の精霊アクアちゃんから報告を聞くことにします。
少年達は、余りにも汚れていたのですぐにお風呂に入ってもらいました。
そのまま、すぐに食事となったものですから、健康状態について聞く時間が無かったのです。
「それで、あの少年達の体の具合はどうだった?」
私が尋ねると、アクアちゃんはいつになく不機嫌そうな口調で答えました。
「どうだったじゃないですわ。
あの子達、健康な子など一人としていませんでしたわ。
むしろ、この先長くない子供から上げた方が早いくらいです。
二十人中五人は酷く肺を患っているし、四人は質の悪い腫れ物を患っていますわ。
その九人は、もって四年、いえ三年と言うところかしら。
後の子は、命に関わる者は無いけど、全員、骨と目に異常がありますわ。」
驚きました、全員栄養状態が悪いせいで痩せてはいますが、命に関わる病気を患っているようには見えませんでした。
肺を患っている少年は、毎日煙突の中で煤を吸い込んでいるためだろうとのことで。
他の子も遅かれ早かれ、同じ病気に罹る可能性があると言います。
そして、質の悪い腫れ物ですが、放っておくあちこちに転移して数年のうちに命を落とす病気だといます。
腫れ物を切除してもすぐに再発して、現状では治療方法はないとのことで。
アクアちゃんの見立てでは、石炭を燃やした時に発生する有害物質のせいではないかと言います。
これも、石炭を燃料とする暖炉の煙突に入って掃除をしている以上、誰が罹患してもおかしくないそうです。
そんな質の悪い病気を持っていない子も、決して健康とは言えないそうで…。
長時間煤の中にいるためか、ほとんどの子が目に炎症を起こしているとのことです。
また、発育途上のうちから狭い煙突の中で無理な姿勢の作業を強いられたせいではないかとの推測ですが。
少年の多くに、膝や足首の関節に変形が見られると言います。
その子達にしても、煙突掃除の仕事を続ければ、いつ命に係わる病気を患っても不思議ではないと言います。
「それで、治せるの?」
「もちろんですわ、お任せください。
と言いたいところですが…。
質の悪い病気と目の炎症は直せますが。
変形して育ってしまった骨の方は無理ですね。」
異常のある部位を正常に戻すのは可能なのだそうです。
また、骨の腫瘍とか、骨折とか、骨そのものの異常なら治せるそうですが。
骨そのものではなく、異常な形に育ってしまった骨の形を正すのは出来ないそうです。
それでもかまわないので治療して欲しいとお願いすると、アクアちゃんは快く引き受けてくれました。
**********
「みんな、これから、ちょっと不思議な事が起こるけど。
驚いて騒がないでね、別に危ない事とかではないから。」
私はリビングに入ると、寛いでいる少年達にそんな声を掛けました。
流石に、少年達に向かってあなたは余命いくばくないから治療してあげますとは言えませんし。
アクアちゃんには姿を消したまま治癒の力を使ってもらうことにしましたので。
不思議な事が起こる以上の説明は抜きにしました。
全員が私の方に視線を向けた時に、それは起こりました。
天井付近から、少年達の頭上に降り注ぐ銀色の光のシャワーが。
「何だこりゃ?」
今まで目にしたことが無い現象にそんな驚きの声を上げる少年もいましたが。
大部分の少年は幻想的な光景に目をとらわれ、言葉を失っていました。
その光もほどなくして消えると…。
「今の光はいったい何だったんだ?」
そんな風に首を傾げる少年がいる中で…。
「何か、今まで感じていた息苦しさがスウッとどっかに消えちまった気がする。
こんなに楽に息が出来るのは久しぶりだぜ。」
きっと、肺を患っていたのでしょう。
アクアちゃんの癒しの力が効いて、無事に死の淵から抜け出せた様子です。
「おっ、変な腫れ物が治ってらぁ。
あれ、すっげえ痛かったんだよな。
あそこに腫れ物が出来てすげえ痛てえんだって、ダチに言ったらよ。
安い立ちんぼなんて買うから変な病気をうつされるんだって茶化しやがる。
そんなの買う金があれば、腹いっぱいメシを食うぜって言ってやったんだけどな。」
自分の体に違和感があったのでしょう、ズボンの中を覗き込んだ少年がそんな声を上げました。
いったい何処に腫れ物があったのでしょうか?
「ロッテさんには、障りがあると思ったので言いませんでしたが。
どうやら、有害物質は殿方の大事な部分に腫瘍を作る様子で…。
全員が同じような部位で発症していました。
悪い遊びをしてうつされた訳では有りませんよ。」
アクアちゃんの説明では、少年が言うような病気は体の中に病原菌が巣くっているそうで。
ここにいる少年達にそのような病原菌を持つ者はいないと言います。
しかし、イヤな場所に発症する腫れ物ですね。
そして、…。
「何か、急に目の前がキレイになった気がする…。
いつも、目の前がけぶってぼんやりしていたのに。」
あどけない顔の美少年が居ました。
さきほどまで、腫れぼったい目をしていた冴えない少年でした。
徹夜仕事のせいで寝ぼけ眼なのだと思っていましたが、実は目が炎症を起こしていた様子です。
目の腫れがひくと、つぶらな瞳をした十二、三歳のあどけない少年であることがわかりました。
腫れぼったい目のせいで、もっと老けて見えていたのです。
他の少年達も、先程までは大なり小なり自分の体に不調を感じていた様子です。
それが、きれいさっぱり取れたものですから、みんながみんな不思議そうな顔をしていました。
「なあ、貴族の姉ちゃん、さっきの光はいったい何だったんだ。
あの光を浴びたら、体の調子がやに良くなった気がするんだけど。」
まっ、そうですね、普通ならあの光との因果関係に思い至りますよね。
「さあ、何でしょうね。
きっと、神様が、あなた達の新しい門出を祝福してくださったのではないですか。」
そう言って誤魔化しておくことにしました。
この少年達に精霊のことを教えるのはまだ早い気がしますから。
少年達は納得がいかない様子でしたが、それ以上は尋ねて来ませんでした。
それほど関心が無かったのか、それともそれ以上は教えてもらえないと悟ったのかはわかりませんが。
程なくして、服屋が服を届けにやって来ました。
今まで着たこともない新品の服、しかも、冬でも寒くない服を着て少年達は大喜び。
その嬉しさに上書きされて、体を癒した光の事は頭から消えてしまった様子です。
温かい服装に着替えたら、『スノーフェスティバル』へ行って思う存分遊んでもらいます。
遊び疲れたのでしょう、前の晩徹夜で煙突掃除をした疲れも手伝って、少年達は早々と寝静まってしまいました。
**********
そして、翌朝。
「ね~、ロッテちゃ~ん。
門の前に~、何か変な人がいるよ~。
薄汚い格好して~、なんか怒鳴ってる~。」
朝食後に寛いでいると、風の精霊ブリーゼが来客を知らせてくれます。
あまり、歓迎したいタイプのお客さんではなさそうですが。
私が門の前まで出向くと。
「おい、ここで煙突掃除のガキを監禁していると聞いたぞ。
何でも、ガキ共が気にくわないからって癇癪を起した大公が命じたと。
おかげでこちとら商売あがったりだ。
とっととガキ共をけえしてくれ!
大公だか何だか知らねえが。
あんまり無体な事をすると、出るところへ出てやるぞ。」
女の私が大公だとは思わないのか、いきなり噛み付いてきました。
どうやら、少年達の親方のようです。
いったい、どこがどうなって私が少年達を監禁したことになったのでしょうか。
まあ、『アルスポ』の記者が苦し紛れにそんなことを吹き込んで責任逃れを図ったのでしょうけど。
取り敢えず、着替えが届くまで来客用のリビングで体を休めておくように指示しました。
深夜から早朝まで働いていたようですので、相当に疲労しているはずですから。
その間、私は水の精霊アクアちゃんから報告を聞くことにします。
少年達は、余りにも汚れていたのですぐにお風呂に入ってもらいました。
そのまま、すぐに食事となったものですから、健康状態について聞く時間が無かったのです。
「それで、あの少年達の体の具合はどうだった?」
私が尋ねると、アクアちゃんはいつになく不機嫌そうな口調で答えました。
「どうだったじゃないですわ。
あの子達、健康な子など一人としていませんでしたわ。
むしろ、この先長くない子供から上げた方が早いくらいです。
二十人中五人は酷く肺を患っているし、四人は質の悪い腫れ物を患っていますわ。
その九人は、もって四年、いえ三年と言うところかしら。
後の子は、命に関わる者は無いけど、全員、骨と目に異常がありますわ。」
驚きました、全員栄養状態が悪いせいで痩せてはいますが、命に関わる病気を患っているようには見えませんでした。
肺を患っている少年は、毎日煙突の中で煤を吸い込んでいるためだろうとのことで。
他の子も遅かれ早かれ、同じ病気に罹る可能性があると言います。
そして、質の悪い腫れ物ですが、放っておくあちこちに転移して数年のうちに命を落とす病気だといます。
腫れ物を切除してもすぐに再発して、現状では治療方法はないとのことで。
アクアちゃんの見立てでは、石炭を燃やした時に発生する有害物質のせいではないかと言います。
これも、石炭を燃料とする暖炉の煙突に入って掃除をしている以上、誰が罹患してもおかしくないそうです。
そんな質の悪い病気を持っていない子も、決して健康とは言えないそうで…。
長時間煤の中にいるためか、ほとんどの子が目に炎症を起こしているとのことです。
また、発育途上のうちから狭い煙突の中で無理な姿勢の作業を強いられたせいではないかとの推測ですが。
少年の多くに、膝や足首の関節に変形が見られると言います。
その子達にしても、煙突掃除の仕事を続ければ、いつ命に係わる病気を患っても不思議ではないと言います。
「それで、治せるの?」
「もちろんですわ、お任せください。
と言いたいところですが…。
質の悪い病気と目の炎症は直せますが。
変形して育ってしまった骨の方は無理ですね。」
異常のある部位を正常に戻すのは可能なのだそうです。
また、骨の腫瘍とか、骨折とか、骨そのものの異常なら治せるそうですが。
骨そのものではなく、異常な形に育ってしまった骨の形を正すのは出来ないそうです。
それでもかまわないので治療して欲しいとお願いすると、アクアちゃんは快く引き受けてくれました。
**********
「みんな、これから、ちょっと不思議な事が起こるけど。
驚いて騒がないでね、別に危ない事とかではないから。」
私はリビングに入ると、寛いでいる少年達にそんな声を掛けました。
流石に、少年達に向かってあなたは余命いくばくないから治療してあげますとは言えませんし。
アクアちゃんには姿を消したまま治癒の力を使ってもらうことにしましたので。
不思議な事が起こる以上の説明は抜きにしました。
全員が私の方に視線を向けた時に、それは起こりました。
天井付近から、少年達の頭上に降り注ぐ銀色の光のシャワーが。
「何だこりゃ?」
今まで目にしたことが無い現象にそんな驚きの声を上げる少年もいましたが。
大部分の少年は幻想的な光景に目をとらわれ、言葉を失っていました。
その光もほどなくして消えると…。
「今の光はいったい何だったんだ?」
そんな風に首を傾げる少年がいる中で…。
「何か、今まで感じていた息苦しさがスウッとどっかに消えちまった気がする。
こんなに楽に息が出来るのは久しぶりだぜ。」
きっと、肺を患っていたのでしょう。
アクアちゃんの癒しの力が効いて、無事に死の淵から抜け出せた様子です。
「おっ、変な腫れ物が治ってらぁ。
あれ、すっげえ痛かったんだよな。
あそこに腫れ物が出来てすげえ痛てえんだって、ダチに言ったらよ。
安い立ちんぼなんて買うから変な病気をうつされるんだって茶化しやがる。
そんなの買う金があれば、腹いっぱいメシを食うぜって言ってやったんだけどな。」
自分の体に違和感があったのでしょう、ズボンの中を覗き込んだ少年がそんな声を上げました。
いったい何処に腫れ物があったのでしょうか?
「ロッテさんには、障りがあると思ったので言いませんでしたが。
どうやら、有害物質は殿方の大事な部分に腫瘍を作る様子で…。
全員が同じような部位で発症していました。
悪い遊びをしてうつされた訳では有りませんよ。」
アクアちゃんの説明では、少年が言うような病気は体の中に病原菌が巣くっているそうで。
ここにいる少年達にそのような病原菌を持つ者はいないと言います。
しかし、イヤな場所に発症する腫れ物ですね。
そして、…。
「何か、急に目の前がキレイになった気がする…。
いつも、目の前がけぶってぼんやりしていたのに。」
あどけない顔の美少年が居ました。
さきほどまで、腫れぼったい目をしていた冴えない少年でした。
徹夜仕事のせいで寝ぼけ眼なのだと思っていましたが、実は目が炎症を起こしていた様子です。
目の腫れがひくと、つぶらな瞳をした十二、三歳のあどけない少年であることがわかりました。
腫れぼったい目のせいで、もっと老けて見えていたのです。
他の少年達も、先程までは大なり小なり自分の体に不調を感じていた様子です。
それが、きれいさっぱり取れたものですから、みんながみんな不思議そうな顔をしていました。
「なあ、貴族の姉ちゃん、さっきの光はいったい何だったんだ。
あの光を浴びたら、体の調子がやに良くなった気がするんだけど。」
まっ、そうですね、普通ならあの光との因果関係に思い至りますよね。
「さあ、何でしょうね。
きっと、神様が、あなた達の新しい門出を祝福してくださったのではないですか。」
そう言って誤魔化しておくことにしました。
この少年達に精霊のことを教えるのはまだ早い気がしますから。
少年達は納得がいかない様子でしたが、それ以上は尋ねて来ませんでした。
それほど関心が無かったのか、それともそれ以上は教えてもらえないと悟ったのかはわかりませんが。
程なくして、服屋が服を届けにやって来ました。
今まで着たこともない新品の服、しかも、冬でも寒くない服を着て少年達は大喜び。
その嬉しさに上書きされて、体を癒した光の事は頭から消えてしまった様子です。
温かい服装に着替えたら、『スノーフェスティバル』へ行って思う存分遊んでもらいます。
遊び疲れたのでしょう、前の晩徹夜で煙突掃除をした疲れも手伝って、少年達は早々と寝静まってしまいました。
**********
そして、翌朝。
「ね~、ロッテちゃ~ん。
門の前に~、何か変な人がいるよ~。
薄汚い格好して~、なんか怒鳴ってる~。」
朝食後に寛いでいると、風の精霊ブリーゼが来客を知らせてくれます。
あまり、歓迎したいタイプのお客さんではなさそうですが。
私が門の前まで出向くと。
「おい、ここで煙突掃除のガキを監禁していると聞いたぞ。
何でも、ガキ共が気にくわないからって癇癪を起した大公が命じたと。
おかげでこちとら商売あがったりだ。
とっととガキ共をけえしてくれ!
大公だか何だか知らねえが。
あんまり無体な事をすると、出るところへ出てやるぞ。」
女の私が大公だとは思わないのか、いきなり噛み付いてきました。
どうやら、少年達の親方のようです。
いったい、どこがどうなって私が少年達を監禁したことになったのでしょうか。
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