469 / 580
第17章 夏、季節外れの嵐が通り過ぎます
第466話【閑話】初めて口にした言葉は…
しおりを挟む
さて、アンネリーゼが生まれてからというもの、私は仕事の合間を見つけてはアーデルハイトの部屋に入り浸ることになる。
我が娘、アンネリーゼが可愛いのは勿論のことであるが。
アンネリーゼをその胸に抱くアーデルハイトの穏やかな顔が殊の外美しいものでな。
私には向けてくれたことのないその優しい微笑みを見るためにそそくさと通ったのだ。
特に、アンネリーゼへの授乳のタイミングに当たるとしめたもので。
アーデルハイトの慎ましくも美しいその胸から懸命に乳を吸うアンネリーゼの可愛い姿と。
それを愛おし気に見詰めるアーデルハイトの穏やかな微笑み。
更に、アンネリーゼを懐妊して以来、ついぞ目にすることが叶わなかったアーデルハイトの美しい肢体を目に出来るのだから。
その日も、幸運なことに丁度、アンネリーゼに乳を与えているところであった。
はだけた胸元から覗く白い肌、それが非常にそそるものがあってな、ついポロっと言ってしまったのだ。
「なあ、アーデルハイトや。
そなた、もう一人くらい、娘はいらんか。
そなたにその気があれば、私は幾らでも協力するぞ。」
まあ、私もまだまだ現役であったから、下心が口から零れてしまったのだがな。
「何をバカなことを言ってるんだい。
私は、この子がいればそれで十分だよ。
だいたい、もう一人こしらえていたら、また帰るのが遅れちまう。
何時までも、アルムハイムを留守には出来ないよ。
そういうのは、お后様と励んでくれ。
いっぱい子供をこしらえて一族の繁栄がモットーなんだろう。」
アーデルハイトの方は全くその気が無いようで、取り合ってもくれなんだ。
アーデルハイトに言われるまでもなく、実際、彼女の美しい肢体を目にした日は抑えが利かなくて…。
「ハイジが来てからと言うもの、陛下は少し若返られたようですね。
お元気過ぎて…。
これでは、私の腹が休む暇がございませんわ。」
后がそんな言葉を零していた通り、アーデルハイトが皇宮に留まっておった数年、后は毎年身籠っていたのだ。
私も若かったのだよ。
そう言った意味でも、アーデルハイトは我が一族の繁栄に協力してくれたと言って良いのだろうか…。
********
若かりし頃の私が抱いた下心のことは置いておくとしてもだ。
「なあ、陛下。
あんた、私の所に顔を出す暇があるんだったら、王子の様子を見に行ったらどうなんだい。
生まれたばかりの一族の宝なんだからさ。」
私が余りにもアンネリーゼの様子を見に来るものだから、アーデルハイトは多少呆れているようであった。
「いやな、帝国では王国貴族の男が子育てに手を出すことを良く思わない者が多いのだ。
私が、王子をあやそうとすると、皇帝陛下のなさることではありませんと侍女が言いおるの。
これまでの、王子が皆そうであったし、中々顔を出す気になれんのだ。
その点、この部屋には煩いことを言う侍女もおらんからな。
それに、アンネリーゼは、今のところたった一人の娘であるから可愛くもあるわ。
だから、そう邪険にせんでも良いであろう。」
そう、アーデルハイトの希望に沿って、この部屋の侍女を入れ替えたのだ。
最初は、賓客をもてなすという意味で、高位の侍女を付けたのであるが…。
いきなり寝所での作法を聞かされてうんざりしたアーデルハイト。
私が用意した侍女達では気が休まらないと主張したのだ。
それから、しきたりなどを煩く言わない若い者に総入れ替えをすることになった。
おかげで、アンネリーゼをかまっていても誰も何も言わないから助かる。
私の言葉を聞いたアーデルハイトは、露骨に私を気の毒そうな目で見て。
「王侯貴族ってのはまた面倒なしきたりがあるんだね。
赤子なんてのは、父親にもかまってもらった方が喜ぶに決まってるじゃないか。
まあ、いいさ、かまうだけなら、気のすむまでかまっていけばいいよ。
でも、この子は私のだからね。絶対にあんたにはあげないよ。」
そう言いながら、アーデルハイトはアンネリーゼを差し出してくれたのだ。
生まれて三ヶ月ほどが経ち、首が座ってくるとこうしてアンネリーゼを抱かせてもらえるようになる。
これまで、后との間に何人もの王子を儲けているが、こうして赤子を抱かせてもらったのは初めての事で。
最初に差し出された時は、どうやって抱けば良いのかとおたおたしてしまったよ。
その頃になると、目もハッキリと見えるようで、私があやすとアンネリーゼはキャッキャッと喜んだものだ。
今まで、ろくに赤子などかまったことのなかった私は、すっかりアンネリーゼの虜になってしまったよ。
アンネリーゼを抱かせてもらえるようになってからは、ますます足繫くアーデルハイトの部屋を訪ねることになった。
最初は、私が必要以上にアンネリーゼに構うことに警戒していたアーデルハイトであったが。
それが、単なる親バカだとわかると、警戒を解いたようで余り邪険にされることはなくなったのだ。
そのうち、
「あんたが、そうやってアンネリーゼをかまってくれると助かるよ。
赤ん坊の世話をするのは大変なことなんだな。
私は、もう、くたくただよ。
お袋は、ばあちゃんと二人で私を育てたって言うけど…。
私とお袋だけじゃ、絶対に手に負えなかったよ。」
そう言って、私にアンネリーゼを託すと自分は昼寝を始めてしまうようになった。
何でも、アーデルハイトが育児に疲れて、少しの間侍女に預けて休もうとすると。
アンネリーゼは大泣きするのだという。
そのため、四六時中、アンネリーゼにつきっきりとなっているそうなのだ。
だが、アンネリーゼは私を父親とちゃんと認識しているか。
不思議なことに、私がかまうとキャッキャッと喜び、けっして泣いてぐずることがないのだ。
特にアンネリーゼの夜泣きで睡眠不足に悩まされていた頃のアーデルハイトは、私が顔を出すと喜んでくれたよ。
********
そして、生後一年ほど経った時のことであった。
その頃のアンネリーゼは、伝わり歩きをするまでに成長し。
壁やベッドの側面に手をやって、危なっかしく歩きまわるようになっていた。
その日も、部屋に顔を出すと、アンネリーゼは喜んで壁伝いに私の方へ歩いて来たのであるが。
途中で伝わり歩きをするモノが無くなり、壁に手を置いて立ち止まったのだ。
私が迎えに行こうとすると、アンネリーゼは意を決したように壁から手を放し。
トコトコと、今にも転びそうな足取りで歩き出し、案の定、前のめりに倒れ込みそうになったのだ。
床には絨毯が引いてあり、転んでもケガをする事は無いかとは思うものの…。
そこは、親バカの心配性というモノで、私はアンネリーゼに駆け寄り、なんとか転ぶ前に抱き留めたのだ。
初めて掴まる物がない場所を歩いて、思い切り転びそうになったのが怖かったのだと思う。
アンネリーゼは、抱き留めた私にしがみ付いて泣き出したのだ。
その時…。
「パピィ、パピィ…。」
ハッキリとそう聞こえたのだ。
聞き間違いかと思い、まだ泣いているアンネリーゼの声に耳を澄ますと。
やはり、
「パピィ、パピィ…。」
確かに、そう言っておった。
私はジーンときたぞ、最愛の娘からパピィ(パパ)と呼んでもらえたのだから。
しかも、
「ああ、あんた、なんで、私より先にパピィなんて呼ばれてるんだい。
その子が最初にしゃべる言葉は、マミィーにしようと思って。
ずっと、私はマミィーだよって、刷り込んで来たのに…。」
そう言って、アーデルハイトが拗ねおった。
アンネリーゼが最初に口にした意味ある言葉は、私に縋りついて呼んだパピィだったのだ。
この時のことも、絶対に忘れらない思い出の一つである。
アーデルハイトはそれがよほどくやしかったのであろう。
それから、ひとしきり。
「私はマミィーだよ。ほら、呼んでみて、マミィーって。」
アーデルハイトは、アンネリーゼを膝に乗せて何とか自分をマミィーと呼ばせようとしておったわ。
私は、そんな二人を微笑ましく見つめながら、こんな日がいつまでも続けば良いと思っていたのだ。
それが無理なことだと知りつつも。
我が娘、アンネリーゼが可愛いのは勿論のことであるが。
アンネリーゼをその胸に抱くアーデルハイトの穏やかな顔が殊の外美しいものでな。
私には向けてくれたことのないその優しい微笑みを見るためにそそくさと通ったのだ。
特に、アンネリーゼへの授乳のタイミングに当たるとしめたもので。
アーデルハイトの慎ましくも美しいその胸から懸命に乳を吸うアンネリーゼの可愛い姿と。
それを愛おし気に見詰めるアーデルハイトの穏やかな微笑み。
更に、アンネリーゼを懐妊して以来、ついぞ目にすることが叶わなかったアーデルハイトの美しい肢体を目に出来るのだから。
その日も、幸運なことに丁度、アンネリーゼに乳を与えているところであった。
はだけた胸元から覗く白い肌、それが非常にそそるものがあってな、ついポロっと言ってしまったのだ。
「なあ、アーデルハイトや。
そなた、もう一人くらい、娘はいらんか。
そなたにその気があれば、私は幾らでも協力するぞ。」
まあ、私もまだまだ現役であったから、下心が口から零れてしまったのだがな。
「何をバカなことを言ってるんだい。
私は、この子がいればそれで十分だよ。
だいたい、もう一人こしらえていたら、また帰るのが遅れちまう。
何時までも、アルムハイムを留守には出来ないよ。
そういうのは、お后様と励んでくれ。
いっぱい子供をこしらえて一族の繁栄がモットーなんだろう。」
アーデルハイトの方は全くその気が無いようで、取り合ってもくれなんだ。
アーデルハイトに言われるまでもなく、実際、彼女の美しい肢体を目にした日は抑えが利かなくて…。
「ハイジが来てからと言うもの、陛下は少し若返られたようですね。
お元気過ぎて…。
これでは、私の腹が休む暇がございませんわ。」
后がそんな言葉を零していた通り、アーデルハイトが皇宮に留まっておった数年、后は毎年身籠っていたのだ。
私も若かったのだよ。
そう言った意味でも、アーデルハイトは我が一族の繁栄に協力してくれたと言って良いのだろうか…。
********
若かりし頃の私が抱いた下心のことは置いておくとしてもだ。
「なあ、陛下。
あんた、私の所に顔を出す暇があるんだったら、王子の様子を見に行ったらどうなんだい。
生まれたばかりの一族の宝なんだからさ。」
私が余りにもアンネリーゼの様子を見に来るものだから、アーデルハイトは多少呆れているようであった。
「いやな、帝国では王国貴族の男が子育てに手を出すことを良く思わない者が多いのだ。
私が、王子をあやそうとすると、皇帝陛下のなさることではありませんと侍女が言いおるの。
これまでの、王子が皆そうであったし、中々顔を出す気になれんのだ。
その点、この部屋には煩いことを言う侍女もおらんからな。
それに、アンネリーゼは、今のところたった一人の娘であるから可愛くもあるわ。
だから、そう邪険にせんでも良いであろう。」
そう、アーデルハイトの希望に沿って、この部屋の侍女を入れ替えたのだ。
最初は、賓客をもてなすという意味で、高位の侍女を付けたのであるが…。
いきなり寝所での作法を聞かされてうんざりしたアーデルハイト。
私が用意した侍女達では気が休まらないと主張したのだ。
それから、しきたりなどを煩く言わない若い者に総入れ替えをすることになった。
おかげで、アンネリーゼをかまっていても誰も何も言わないから助かる。
私の言葉を聞いたアーデルハイトは、露骨に私を気の毒そうな目で見て。
「王侯貴族ってのはまた面倒なしきたりがあるんだね。
赤子なんてのは、父親にもかまってもらった方が喜ぶに決まってるじゃないか。
まあ、いいさ、かまうだけなら、気のすむまでかまっていけばいいよ。
でも、この子は私のだからね。絶対にあんたにはあげないよ。」
そう言いながら、アーデルハイトはアンネリーゼを差し出してくれたのだ。
生まれて三ヶ月ほどが経ち、首が座ってくるとこうしてアンネリーゼを抱かせてもらえるようになる。
これまで、后との間に何人もの王子を儲けているが、こうして赤子を抱かせてもらったのは初めての事で。
最初に差し出された時は、どうやって抱けば良いのかとおたおたしてしまったよ。
その頃になると、目もハッキリと見えるようで、私があやすとアンネリーゼはキャッキャッと喜んだものだ。
今まで、ろくに赤子などかまったことのなかった私は、すっかりアンネリーゼの虜になってしまったよ。
アンネリーゼを抱かせてもらえるようになってからは、ますます足繫くアーデルハイトの部屋を訪ねることになった。
最初は、私が必要以上にアンネリーゼに構うことに警戒していたアーデルハイトであったが。
それが、単なる親バカだとわかると、警戒を解いたようで余り邪険にされることはなくなったのだ。
そのうち、
「あんたが、そうやってアンネリーゼをかまってくれると助かるよ。
赤ん坊の世話をするのは大変なことなんだな。
私は、もう、くたくただよ。
お袋は、ばあちゃんと二人で私を育てたって言うけど…。
私とお袋だけじゃ、絶対に手に負えなかったよ。」
そう言って、私にアンネリーゼを託すと自分は昼寝を始めてしまうようになった。
何でも、アーデルハイトが育児に疲れて、少しの間侍女に預けて休もうとすると。
アンネリーゼは大泣きするのだという。
そのため、四六時中、アンネリーゼにつきっきりとなっているそうなのだ。
だが、アンネリーゼは私を父親とちゃんと認識しているか。
不思議なことに、私がかまうとキャッキャッと喜び、けっして泣いてぐずることがないのだ。
特にアンネリーゼの夜泣きで睡眠不足に悩まされていた頃のアーデルハイトは、私が顔を出すと喜んでくれたよ。
********
そして、生後一年ほど経った時のことであった。
その頃のアンネリーゼは、伝わり歩きをするまでに成長し。
壁やベッドの側面に手をやって、危なっかしく歩きまわるようになっていた。
その日も、部屋に顔を出すと、アンネリーゼは喜んで壁伝いに私の方へ歩いて来たのであるが。
途中で伝わり歩きをするモノが無くなり、壁に手を置いて立ち止まったのだ。
私が迎えに行こうとすると、アンネリーゼは意を決したように壁から手を放し。
トコトコと、今にも転びそうな足取りで歩き出し、案の定、前のめりに倒れ込みそうになったのだ。
床には絨毯が引いてあり、転んでもケガをする事は無いかとは思うものの…。
そこは、親バカの心配性というモノで、私はアンネリーゼに駆け寄り、なんとか転ぶ前に抱き留めたのだ。
初めて掴まる物がない場所を歩いて、思い切り転びそうになったのが怖かったのだと思う。
アンネリーゼは、抱き留めた私にしがみ付いて泣き出したのだ。
その時…。
「パピィ、パピィ…。」
ハッキリとそう聞こえたのだ。
聞き間違いかと思い、まだ泣いているアンネリーゼの声に耳を澄ますと。
やはり、
「パピィ、パピィ…。」
確かに、そう言っておった。
私はジーンときたぞ、最愛の娘からパピィ(パパ)と呼んでもらえたのだから。
しかも、
「ああ、あんた、なんで、私より先にパピィなんて呼ばれてるんだい。
その子が最初にしゃべる言葉は、マミィーにしようと思って。
ずっと、私はマミィーだよって、刷り込んで来たのに…。」
そう言って、アーデルハイトが拗ねおった。
アンネリーゼが最初に口にした意味ある言葉は、私に縋りついて呼んだパピィだったのだ。
この時のことも、絶対に忘れらない思い出の一つである。
アーデルハイトはそれがよほどくやしかったのであろう。
それから、ひとしきり。
「私はマミィーだよ。ほら、呼んでみて、マミィーって。」
アーデルハイトは、アンネリーゼを膝に乗せて何とか自分をマミィーと呼ばせようとしておったわ。
私は、そんな二人を微笑ましく見つめながら、こんな日がいつまでも続けば良いと思っていたのだ。
それが無理なことだと知りつつも。
1
お気に入りに追加
325
あなたにおすすめの小説
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした
月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。
それから程なくして――――
お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。
「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」
にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。
「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」
そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・
頭の中を、凄まじい情報が巡った。
これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね?
ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。
だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。
ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。
ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」
そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。
フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ!
うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって?
そんなの知らん。
設定はふわっと。
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる