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第17章 夏、季節外れの嵐が通り過ぎます
第465話【閑話】こうして産まれました
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アーデルハイトのお腹も大分目立つようになったある朝。
「いやあ、最近、食が進んでね。
酸っぱいものしか喉が通らなかったあの時が嘘のようだよ。」
アーデルハイトはご機嫌で朝食を摂っていたのであった。
お腹の中で成長している赤子が栄養を要求しているのか。
一時期はつわりでモノも喉に通らなかったのだが、それが嘘のような健啖ぶりを見せていた。
生まれてくる子供のためにも母体が健康なことは良い事だと思い、穏やかな気持ちで眺めていると。
突然、アーデルハイトが驚きの表情を見せ、お腹を押さえたのだ。
そして、…。
「まずい、出てきそうだ。」
お腹を押さえたまま、そう言いおった。
生まれそうだと聞いて、どうして良いのかわからず、私はオロオロしてしまったのであるが。
「誰か、手を貸しなさい。
ハイジを、産室に運ぶのです。
それから、助産婦を早く呼んで。」
私の隣で朝食を摂っていた后が周囲にいる者に、次々と指示を出してくれたのだ。
おかげで、その場にいた者がテキパキと動いて、アーデルハイトを産室に移動させることが出来たのだ。
それから、間もなくの事であった。
「オギャーーーー!」
助産婦が到着した直後、産室から元気な産声が上がったのだ。
数ヵ月前の后の時とは打って変わって、実にあっさりとした安産だったのだ。
そんな安産だとは知る由もなく、私はどうにも落ち着いていられず。
例によって産室の前の廊下でウロチョロしていたのだ。
「だいたいにして初産というのは大変なモノなのですが…。
魔女さんには、神のご加護でもあるのでしょうか。
いともあっさり、スルッと生まれて参りました。
もちろん、母子ともに健康です。
とっても元気な女の子でございます。
ただ、…。」
そんな私に、産室から出て来た助産婦がアーデルハイトの様子を知らせてくれたのであるが。
どうにも、歯切れの悪い話し方をし、あとはご自分の目でお確かめくださいとか言うのだ。
そんな言い方をされたら気になるではないかと思ったのであるが。
助産婦の方も何と説明して良いものか分からないといった表情をしておったのだ。
********
しばらくして、アーデルハイトのもとに通されると。
そこにいた赤子は…、光っておった。
光り輝くほど美しいと言う比喩表現ではないぞ。
本当に光っておるのだ、ピカッとな…。
「何をぼさっと突っ立っているだい。
ほら見なよ、私の子供だよ。
いきなり、魔法を使うもんだから驚いちまったよ。
教えてもいないのに光の魔法を使うんだぜ。
さっきまでは浮いていたんだ。」
そう、アーデルハイトの腕に抱かれている赤子は魔法を使っていたのだ。
しかも、生まれた直後は産声を上げながら浮いていたと言うのだから、助産婦も驚くはずである。
生まれたばかりの光り輝く娘を目にして惚けているとアーデルハイトが言ったのだ。
「有り難う、私にこの子を授けてくれて。
こんなに魔法の才能に溢れた子が生まれて来るなんて思いもしなかったよ。
あんたのタネが良かったんだね。
あんたに出会えて、本当に良かったよ。」
生まれたばかりの赤子の頭をそっと撫でながら、そんな言葉を紡いだアーデルハイトはとても幸せそうであった。
そして、今まで見せてくれたことのないくらいの優しい笑みを私に投げかけてくれたのだった。
アーデルハイトに抱かれた赤子はそのうちに眠ってしまい、それと同時に光も消えていったのだ。
スヤスヤと寝息を立てるその姿は、ごく普通の可愛い赤子であったよ。
それから、数日後のこと。
「なあ、アーデルハイトよ。
そろそろ、その子の名前を付けようと思うのであるが。
私は、…。」
「ちょっと待て。
何で、この子の名前を付けるのにあんたが口を挟むんだい。
この子は、私の子、『アルムの魔女』を継ぐ跡取り娘だ。
最初から言っているように、この子は帝室とは無縁なんだ。
あんたは血の繋がった父親ではあるけど。
家系上では父親じゃないんだよ。
そこの所だけは、けじめをつけておかないとね。」
私の言葉を途中で遮って、そんなつれないことをいうアーデルハイト。
アーデルハイトは我が一族のタネの強さに目を付けたのであるが。
一方で、婚姻によって幾つもの有力諸侯を飲み込んで来た我が一族を常に警戒しておったのだ。
それ故に、アーデルハイトは、わざと私につれなくしていたのだと思う。
自分の子がきっかけで『魔女の一族』が我が一族に取り込まれてしまうような事態は避けたかったのであろう。
あくまで、帝国に恩を売ってその褒賞としてタネを貰っただけという関係に留めておきたかったようだ。
とは言うものの、私にだって引けない場面はあるのだ。
アーデルハイトの出産から数日、仕事を疎かにしてまで赤子の名前を考えていたのだからな。
「そんなに邪険にせんでも良いではないか。
私は、その子の名前を考えるのに夢中で、仕事も手につかなかったのであるぞ。
別に、私が名前を付けたからと言って親権を主張するようなことは無いわ。
その子の名を我が一族の家系に加えない事を誓うから良いであろう。
そうせんと、私のこの数日が全く無駄になってしまうわ。」
今になって思い返せば、私はとんでもなく情けない事を言っておったな。
子供の名前を考えるのに気を取られて仕事も手につかんとは…。
「何をバカなこと言ってるんだい。
子供の名前を考えるのに没頭して、皇帝様が仕事をサボったら政が滞っちまうじゃないか。
でもそうさね、そうまでして考えてくれた名前だからね。
一応聞いてやるから、言ってごらん。」
アーデルハイトは苦笑いをしながら私の考えてきた名前を聞いてくれたのだ。
「私がその子にと考えてきた名前は、アンネリーゼと言うものだがどうであろうか?」
私が控えめな声で言うと、アーデルハイトは少し考えるようなそぶりを見せてから。
「良いんじゃないかい。
アンネリーゼ・フォン・アルムハイムか。
せっかく、何日もかけて考えてくれたんだ。
その名前、もらっておこうじゃないか。
私は自分の父親は知らないし、父親から貰ったものも何もない。
私と違って、アルムハイムへ戻って私を産んだようだからね。
この子には、『お前の名前は父さんに付けてもらったんだよ』って教えてあげるよ。
それだけでも、喜ぶだろうよ。」
そう言って、アーデルハイトは、私の考えた名前を受け入れてくれたのだ。
その時のアーデルハイトの笑い顔を見ていて気付いたのであるが。
どうやら、どんな名前であっても私の考えを受け入れてくれるつもりであったようなのだ。
自分の娘にせめて名前だけでも父親から貰ったものを残してあげたい。
アーデルハイトは、娘にそんな気遣いをみせたらしい。
こうして、私の最愛の娘、アンネリーゼが誕生したのだ。
「いやあ、最近、食が進んでね。
酸っぱいものしか喉が通らなかったあの時が嘘のようだよ。」
アーデルハイトはご機嫌で朝食を摂っていたのであった。
お腹の中で成長している赤子が栄養を要求しているのか。
一時期はつわりでモノも喉に通らなかったのだが、それが嘘のような健啖ぶりを見せていた。
生まれてくる子供のためにも母体が健康なことは良い事だと思い、穏やかな気持ちで眺めていると。
突然、アーデルハイトが驚きの表情を見せ、お腹を押さえたのだ。
そして、…。
「まずい、出てきそうだ。」
お腹を押さえたまま、そう言いおった。
生まれそうだと聞いて、どうして良いのかわからず、私はオロオロしてしまったのであるが。
「誰か、手を貸しなさい。
ハイジを、産室に運ぶのです。
それから、助産婦を早く呼んで。」
私の隣で朝食を摂っていた后が周囲にいる者に、次々と指示を出してくれたのだ。
おかげで、その場にいた者がテキパキと動いて、アーデルハイトを産室に移動させることが出来たのだ。
それから、間もなくの事であった。
「オギャーーーー!」
助産婦が到着した直後、産室から元気な産声が上がったのだ。
数ヵ月前の后の時とは打って変わって、実にあっさりとした安産だったのだ。
そんな安産だとは知る由もなく、私はどうにも落ち着いていられず。
例によって産室の前の廊下でウロチョロしていたのだ。
「だいたいにして初産というのは大変なモノなのですが…。
魔女さんには、神のご加護でもあるのでしょうか。
いともあっさり、スルッと生まれて参りました。
もちろん、母子ともに健康です。
とっても元気な女の子でございます。
ただ、…。」
そんな私に、産室から出て来た助産婦がアーデルハイトの様子を知らせてくれたのであるが。
どうにも、歯切れの悪い話し方をし、あとはご自分の目でお確かめくださいとか言うのだ。
そんな言い方をされたら気になるではないかと思ったのであるが。
助産婦の方も何と説明して良いものか分からないといった表情をしておったのだ。
********
しばらくして、アーデルハイトのもとに通されると。
そこにいた赤子は…、光っておった。
光り輝くほど美しいと言う比喩表現ではないぞ。
本当に光っておるのだ、ピカッとな…。
「何をぼさっと突っ立っているだい。
ほら見なよ、私の子供だよ。
いきなり、魔法を使うもんだから驚いちまったよ。
教えてもいないのに光の魔法を使うんだぜ。
さっきまでは浮いていたんだ。」
そう、アーデルハイトの腕に抱かれている赤子は魔法を使っていたのだ。
しかも、生まれた直後は産声を上げながら浮いていたと言うのだから、助産婦も驚くはずである。
生まれたばかりの光り輝く娘を目にして惚けているとアーデルハイトが言ったのだ。
「有り難う、私にこの子を授けてくれて。
こんなに魔法の才能に溢れた子が生まれて来るなんて思いもしなかったよ。
あんたのタネが良かったんだね。
あんたに出会えて、本当に良かったよ。」
生まれたばかりの赤子の頭をそっと撫でながら、そんな言葉を紡いだアーデルハイトはとても幸せそうであった。
そして、今まで見せてくれたことのないくらいの優しい笑みを私に投げかけてくれたのだった。
アーデルハイトに抱かれた赤子はそのうちに眠ってしまい、それと同時に光も消えていったのだ。
スヤスヤと寝息を立てるその姿は、ごく普通の可愛い赤子であったよ。
それから、数日後のこと。
「なあ、アーデルハイトよ。
そろそろ、その子の名前を付けようと思うのであるが。
私は、…。」
「ちょっと待て。
何で、この子の名前を付けるのにあんたが口を挟むんだい。
この子は、私の子、『アルムの魔女』を継ぐ跡取り娘だ。
最初から言っているように、この子は帝室とは無縁なんだ。
あんたは血の繋がった父親ではあるけど。
家系上では父親じゃないんだよ。
そこの所だけは、けじめをつけておかないとね。」
私の言葉を途中で遮って、そんなつれないことをいうアーデルハイト。
アーデルハイトは我が一族のタネの強さに目を付けたのであるが。
一方で、婚姻によって幾つもの有力諸侯を飲み込んで来た我が一族を常に警戒しておったのだ。
それ故に、アーデルハイトは、わざと私につれなくしていたのだと思う。
自分の子がきっかけで『魔女の一族』が我が一族に取り込まれてしまうような事態は避けたかったのであろう。
あくまで、帝国に恩を売ってその褒賞としてタネを貰っただけという関係に留めておきたかったようだ。
とは言うものの、私にだって引けない場面はあるのだ。
アーデルハイトの出産から数日、仕事を疎かにしてまで赤子の名前を考えていたのだからな。
「そんなに邪険にせんでも良いではないか。
私は、その子の名前を考えるのに夢中で、仕事も手につかなかったのであるぞ。
別に、私が名前を付けたからと言って親権を主張するようなことは無いわ。
その子の名を我が一族の家系に加えない事を誓うから良いであろう。
そうせんと、私のこの数日が全く無駄になってしまうわ。」
今になって思い返せば、私はとんでもなく情けない事を言っておったな。
子供の名前を考えるのに気を取られて仕事も手につかんとは…。
「何をバカなこと言ってるんだい。
子供の名前を考えるのに没頭して、皇帝様が仕事をサボったら政が滞っちまうじゃないか。
でもそうさね、そうまでして考えてくれた名前だからね。
一応聞いてやるから、言ってごらん。」
アーデルハイトは苦笑いをしながら私の考えてきた名前を聞いてくれたのだ。
「私がその子にと考えてきた名前は、アンネリーゼと言うものだがどうであろうか?」
私が控えめな声で言うと、アーデルハイトは少し考えるようなそぶりを見せてから。
「良いんじゃないかい。
アンネリーゼ・フォン・アルムハイムか。
せっかく、何日もかけて考えてくれたんだ。
その名前、もらっておこうじゃないか。
私は自分の父親は知らないし、父親から貰ったものも何もない。
私と違って、アルムハイムへ戻って私を産んだようだからね。
この子には、『お前の名前は父さんに付けてもらったんだよ』って教えてあげるよ。
それだけでも、喜ぶだろうよ。」
そう言って、アーデルハイトは、私の考えた名前を受け入れてくれたのだ。
その時のアーデルハイトの笑い顔を見ていて気付いたのであるが。
どうやら、どんな名前であっても私の考えを受け入れてくれるつもりであったようなのだ。
自分の娘にせめて名前だけでも父親から貰ったものを残してあげたい。
アーデルハイトは、娘にそんな気遣いをみせたらしい。
こうして、私の最愛の娘、アンネリーゼが誕生したのだ。
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表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
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