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第17章 夏、季節外れの嵐が通り過ぎます
第463話【閑話】待望の(?)…
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さて、その当時、私は三十を目前とした年齢であり、男として元気な盛りであった。
だが、この一月、旱魃に見舞われた帝国各地に雨を降らして回るアーデルハイトに付き合っていた。
当然のことながら、后との営みもない訳であったのだが。
帝国行脚の旅から戻ってみると、なんと后が懐妊しておった。
そして、典医からダメ出しをされてしまった私は色々と溜まっておったのだ。
まだまだ、元気な盛りであったわけだしのう。
そんな時に、降って湧いたアーデルハイトからの、子種発言は殊の外僥倖であったのだ。
私がアーデルハイトに寄せる想いは、この際置いておくとしても。
私だけではなく、后にとっても。
何せ、后の懐妊中に他所の女とトラブルを起こす王侯貴族は少なくなかったものだから。
********
ということで、后の公認のもとアーデルハイトと褥を共にすることになったのであるが…。
期待に胸を膨らませていた私とは対照的に、アーデルハイトはご機嫌斜めであった。
「なんか、私付きの侍女だとかいう人が現れて、陛下が渡られた時の寝所の作法だとか言ってたけど。
七面倒臭いことを言うもんだから、お引き取り願ったよ。
別に、私は后でも何でもないんだから。
褒賞として子種を分けて貰うのに、一々細かい指図をされても困っちまうぜ。」
どうやら、褥での作法を細かく指示されたのが不満らしい。
アーデルハイトがしばらく皇宮で暮らすこととなったため、専属の侍女を何人か付けたのだが。
その者は、謁見の間での一件を知らなかったようで、新たに側室が輿入れして来たものと勘違いしたようだった。
因みに、聖教では厳格な一夫一妻制が義務付けられており、聖教を国教としている国々では側室という地位は存在しないのだが。
実際には側室と同じ立場の女性は多く存在し、一般には公妾と呼び称されている。
だが、我が一族は代々一夫一妻制を貫いており、歴代の当主で公妾を抱えた者はいないと言われている。
それは、我が一族の当主が敬虔な聖教徒であったとか、高いモラルを持っていたとかを意味するものではないぞ。
我が一族のモットーは、婚姻によって一族の勢力を広めることであるから、当主の婚姻とはこれすなわち最も重要な務めなのだ。
その時々の大陸の政治情勢を的確に把握し、一番有利となる一族と婚姻を結ぶ。
そして、その結婚相手との間に設けた子供に確実に次代を引き継ぐことが肝要なのだ。
歴代の当主はそうやって我が国の勢力を伸ばしてきたのだから。
下手に側室もどきを囲って、後継者争いが起こると困るのだ。
まあ、もっとも、歴代の当主も聖人君子ばかりのはずも無く、こっそり摘み食いをしていたようではあるがな。
「そんなことは気にしないで良いぞ。
そなたは、そなたの思う通りにすれば良い。
これは、そなたに対する礼であり、褒美であるのでな。
私の方から、そなたにあれこれと指図するような事ではないわ。」
へそを曲げているアーデルハイトに私がそう伝えると。
アーデルハイトはパッと笑顔を浮かべて言ったのだ。
「あんたなら、そう言うと思っていたよ。
うんじゃ、遠慮なく楽にさせてもらうよ。
何てったって、私はこう言うことは初めてなんだ。
あれや、これや、しろとか言われてもね…。」
そして、身に付けていた夜着をパッパッと脱ぎ捨てると、ベッドに転がって。
「うんじゃ、よろしく頼むよ。
適当に天井の染みでも数えておくから、さっさと済ませとくれ。
なるべくなら、一発で当てておくれよ。」
と言いおった。
いや、幾らなんでも、それじゃ、萎えるって…。
全く男女の営みの機微というものを理解していないアーデルハイトに一瞬引いてしまったのであるが。
薄暗闇の中オイルランプの灯りに照らし出される、アーデルハイトの若く美しい肢体を眺めていると…。
それまでの禁欲生活と相俟ってだな、その、まあ、ムクムクとだな…。
まあ、『いただきまーす!』となった訳だ。
元気な盛りに一月以上、お預けを食っていたので、多少、いや、かなりがっついていたのは否定せんが。
その最中にいきなり、
「そんなに乱暴にしたら、生娘には苦痛なだけだよ。少し落ち着きな。」
という声と共に、お目付け役の水の精霊さんが目の前に現れよった。
その時、私の意識はアーデルハイトに集中しておったものだから…。
突然目の前に現れたその小さな姿に、本当にビックリしたものだ。
そして、
「十四や十五のガキじゃないんだから、少しは落ち着きな。
もう少し、大人の余裕を見せて、優しく扱ってあげたらどうなんだい。」
と言うと続けて私にお説教を始めたのだ。
身の丈十インチほどの少女に、『大人の余裕』を諭される三十男。
その姿が余程滑稽だったのだろう。
それまで無反応で、私にされるがままであったアーデルハイトが笑い始めよった。
「アッハッハッハ、可笑しいの!何それ!
でも、そうさね、私はこの通り華奢な体だからね。
もう少し優しく扱ってもらえた方が良いかね。」
と笑いながら言ったのだ。
すると、くだんの精霊さんは呆れた顔をしてアーデルハイトも叱っていたよ。
「アハハじゃないよ!
あんたも何だい、魚河岸のマグロじゃないだから。
ゴロンと寝転がってりゃいいってもんじゃないんだよ!」
今度は、アーデルハイトに向かって男女の営みの機微を諭し始めたのだ。
ひとしきり、アーデルハイトがお説教された後、思わず二人で顔を見合わせて笑ってしまったものだよ。
まあ、すったもんだはあったが…。
あの精霊さんの世話焼きのおかげで、私とアーデルハイトは無事、ことを成し遂げることが出来たのだ。
あの精霊さんには、この後も幾度となく助けてもらったよ。
********
翌朝、目を覚ますとアーデルハイトが私の顔を眺めておった。
どうかしたのかと尋ねると。
「いや、何ね、わたしの家には男と言うものはいたためしが無いんでね。
あんたが、こうして隣に寝ているのが不思議な感じなんだよ。
私は、自分の父親がいた覚えもないしね。
でも、こういうのも悪かないね。
まあ、しばらくは、こうして朝を迎えることになると思うがよろしく頼むよ。」
そう言って、身を寄せてくるアーデルハイトを抱き寄せて、私はとても満ち足りた気分だったのだ。
腕の中にいるアーデルハイトを心から愛しいと、その時の私は思っていたよ。
できれば、ずっとこんな日が続いて欲しいと、その時は願っていたのだが…。
我が家の種が強いと言うのは、噂に違わぬものがあり…。
それから、半年ほど過ぎた朝の事だった。
朝、ベッドの中でも気分がすぐれない様子だったのであるが。
「今朝は、脂っこいものは食べたくないんだ。
ザワークラウト(酢漬けのキャベツ)だけにしてくれるかい。」
朝食を摂りにモーニングルームにやって来たアーデルハイトは、青白い顔で給仕にそう指示したんだ。
すると、私の隣で朝食を摂っていた后が、その様子を見て言ったのだ。
「もう、そろそろではないかと思っていましたが。
これは、おめでたのようですわね。」
その日、アーデルハイトは水の精霊さんを呼出して診てもらったのだが。
「間違いないわね。
ハイジ、おめでとう。
待望の次代『アルムの魔女』をしっかり宿しているわよ」
后の言葉通り、アーデルハイトは懐妊していたのだ。
だが、…。
その日以来、アーデルハイトは手のひらを返したように、その身に指一本触れさせてくれなくなりおった。
私は、それはあんまりではないかと思ったのであるが、口に出しては言えなかったよ。
時折、顔を見せる水の精霊さんが私に憐れむような視線を向けていたものだ。
だが、この一月、旱魃に見舞われた帝国各地に雨を降らして回るアーデルハイトに付き合っていた。
当然のことながら、后との営みもない訳であったのだが。
帝国行脚の旅から戻ってみると、なんと后が懐妊しておった。
そして、典医からダメ出しをされてしまった私は色々と溜まっておったのだ。
まだまだ、元気な盛りであったわけだしのう。
そんな時に、降って湧いたアーデルハイトからの、子種発言は殊の外僥倖であったのだ。
私がアーデルハイトに寄せる想いは、この際置いておくとしても。
私だけではなく、后にとっても。
何せ、后の懐妊中に他所の女とトラブルを起こす王侯貴族は少なくなかったものだから。
********
ということで、后の公認のもとアーデルハイトと褥を共にすることになったのであるが…。
期待に胸を膨らませていた私とは対照的に、アーデルハイトはご機嫌斜めであった。
「なんか、私付きの侍女だとかいう人が現れて、陛下が渡られた時の寝所の作法だとか言ってたけど。
七面倒臭いことを言うもんだから、お引き取り願ったよ。
別に、私は后でも何でもないんだから。
褒賞として子種を分けて貰うのに、一々細かい指図をされても困っちまうぜ。」
どうやら、褥での作法を細かく指示されたのが不満らしい。
アーデルハイトがしばらく皇宮で暮らすこととなったため、専属の侍女を何人か付けたのだが。
その者は、謁見の間での一件を知らなかったようで、新たに側室が輿入れして来たものと勘違いしたようだった。
因みに、聖教では厳格な一夫一妻制が義務付けられており、聖教を国教としている国々では側室という地位は存在しないのだが。
実際には側室と同じ立場の女性は多く存在し、一般には公妾と呼び称されている。
だが、我が一族は代々一夫一妻制を貫いており、歴代の当主で公妾を抱えた者はいないと言われている。
それは、我が一族の当主が敬虔な聖教徒であったとか、高いモラルを持っていたとかを意味するものではないぞ。
我が一族のモットーは、婚姻によって一族の勢力を広めることであるから、当主の婚姻とはこれすなわち最も重要な務めなのだ。
その時々の大陸の政治情勢を的確に把握し、一番有利となる一族と婚姻を結ぶ。
そして、その結婚相手との間に設けた子供に確実に次代を引き継ぐことが肝要なのだ。
歴代の当主はそうやって我が国の勢力を伸ばしてきたのだから。
下手に側室もどきを囲って、後継者争いが起こると困るのだ。
まあ、もっとも、歴代の当主も聖人君子ばかりのはずも無く、こっそり摘み食いをしていたようではあるがな。
「そんなことは気にしないで良いぞ。
そなたは、そなたの思う通りにすれば良い。
これは、そなたに対する礼であり、褒美であるのでな。
私の方から、そなたにあれこれと指図するような事ではないわ。」
へそを曲げているアーデルハイトに私がそう伝えると。
アーデルハイトはパッと笑顔を浮かべて言ったのだ。
「あんたなら、そう言うと思っていたよ。
うんじゃ、遠慮なく楽にさせてもらうよ。
何てったって、私はこう言うことは初めてなんだ。
あれや、これや、しろとか言われてもね…。」
そして、身に付けていた夜着をパッパッと脱ぎ捨てると、ベッドに転がって。
「うんじゃ、よろしく頼むよ。
適当に天井の染みでも数えておくから、さっさと済ませとくれ。
なるべくなら、一発で当てておくれよ。」
と言いおった。
いや、幾らなんでも、それじゃ、萎えるって…。
全く男女の営みの機微というものを理解していないアーデルハイトに一瞬引いてしまったのであるが。
薄暗闇の中オイルランプの灯りに照らし出される、アーデルハイトの若く美しい肢体を眺めていると…。
それまでの禁欲生活と相俟ってだな、その、まあ、ムクムクとだな…。
まあ、『いただきまーす!』となった訳だ。
元気な盛りに一月以上、お預けを食っていたので、多少、いや、かなりがっついていたのは否定せんが。
その最中にいきなり、
「そんなに乱暴にしたら、生娘には苦痛なだけだよ。少し落ち着きな。」
という声と共に、お目付け役の水の精霊さんが目の前に現れよった。
その時、私の意識はアーデルハイトに集中しておったものだから…。
突然目の前に現れたその小さな姿に、本当にビックリしたものだ。
そして、
「十四や十五のガキじゃないんだから、少しは落ち着きな。
もう少し、大人の余裕を見せて、優しく扱ってあげたらどうなんだい。」
と言うと続けて私にお説教を始めたのだ。
身の丈十インチほどの少女に、『大人の余裕』を諭される三十男。
その姿が余程滑稽だったのだろう。
それまで無反応で、私にされるがままであったアーデルハイトが笑い始めよった。
「アッハッハッハ、可笑しいの!何それ!
でも、そうさね、私はこの通り華奢な体だからね。
もう少し優しく扱ってもらえた方が良いかね。」
と笑いながら言ったのだ。
すると、くだんの精霊さんは呆れた顔をしてアーデルハイトも叱っていたよ。
「アハハじゃないよ!
あんたも何だい、魚河岸のマグロじゃないだから。
ゴロンと寝転がってりゃいいってもんじゃないんだよ!」
今度は、アーデルハイトに向かって男女の営みの機微を諭し始めたのだ。
ひとしきり、アーデルハイトがお説教された後、思わず二人で顔を見合わせて笑ってしまったものだよ。
まあ、すったもんだはあったが…。
あの精霊さんの世話焼きのおかげで、私とアーデルハイトは無事、ことを成し遂げることが出来たのだ。
あの精霊さんには、この後も幾度となく助けてもらったよ。
********
翌朝、目を覚ますとアーデルハイトが私の顔を眺めておった。
どうかしたのかと尋ねると。
「いや、何ね、わたしの家には男と言うものはいたためしが無いんでね。
あんたが、こうして隣に寝ているのが不思議な感じなんだよ。
私は、自分の父親がいた覚えもないしね。
でも、こういうのも悪かないね。
まあ、しばらくは、こうして朝を迎えることになると思うがよろしく頼むよ。」
そう言って、身を寄せてくるアーデルハイトを抱き寄せて、私はとても満ち足りた気分だったのだ。
腕の中にいるアーデルハイトを心から愛しいと、その時の私は思っていたよ。
できれば、ずっとこんな日が続いて欲しいと、その時は願っていたのだが…。
我が家の種が強いと言うのは、噂に違わぬものがあり…。
それから、半年ほど過ぎた朝の事だった。
朝、ベッドの中でも気分がすぐれない様子だったのであるが。
「今朝は、脂っこいものは食べたくないんだ。
ザワークラウト(酢漬けのキャベツ)だけにしてくれるかい。」
朝食を摂りにモーニングルームにやって来たアーデルハイトは、青白い顔で給仕にそう指示したんだ。
すると、私の隣で朝食を摂っていた后が、その様子を見て言ったのだ。
「もう、そろそろではないかと思っていましたが。
これは、おめでたのようですわね。」
その日、アーデルハイトは水の精霊さんを呼出して診てもらったのだが。
「間違いないわね。
ハイジ、おめでとう。
待望の次代『アルムの魔女』をしっかり宿しているわよ」
后の言葉通り、アーデルハイトは懐妊していたのだ。
だが、…。
その日以来、アーデルハイトは手のひらを返したように、その身に指一本触れさせてくれなくなりおった。
私は、それはあんまりではないかと思ったのであるが、口に出しては言えなかったよ。
時折、顔を見せる水の精霊さんが私に憐れむような視線を向けていたものだ。
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