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第16章 冬から春へ、時は流れます
第394話 館に戻ってみると・・・
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全員の服を買い揃えたところで、ケリー君はこの店からの方が近いと言って帰って行きました。
ケリー君のために買った服は、預かりましたが下着と靴下は着けさせましたよ。
厚手の服とは言うものの、シャツとズボンだけでは風邪をひいてしまいます。
「じゃあ、ねえちゃん。
明日の朝、お屋敷に行くからよろしくなー!」
嬉しそうに手を振って帰っていくケリー君。
あれで、精一杯の感謝の気持ちを表しているようです。
言葉遣いの矯正、早くしないといけませんね。
気付くと辺りはもう薄暗くなり始めていました。
もう『スノーフェスティバル』は終了の時間を過ぎています。
結局、午前中から会場を離れてしまったので、みんな心配しているかも知れません。
早く館に戻りませんと。
********
「あら、ロッテ、おかえりなさい。
今まで、何処に言っていたの?
みんな、心配していたわよ。」
館に戻ると、何時の間に来ていたのかリーナが出迎えてくれました。
「いらっしゃい、リーナ。
今日はこっちに来れたのね。
ちょっとね、放っておけない人達がいてね。
少し、動き回っていたら一日が終っちゃったわ。」
取り敢えず、それだけをリーナに伝えます。
事情は、リビングに腰を落ち着けて話すことにしました。
館のみんなに紹介するため、今日保護した五人も連れてリビングに行くと。
そこには、何故か、ジョージさんとトリアさんが寛いでいました。
ノノちゃんとナナちゃんを話し相手にして…。
ノノちゃんは慣れた様子ですが、可哀想に国王と王女を前にしてナナちゃんは萎縮しています。
「やっと帰って来ましたわね。
あなたがいないと困るでしょう。
どうやって、お祭りのスタッフや屋台の厨房道具をここまで運べというのですか。」
私の帰宅に気付いたトリアさんが、私を諫めました。
そうでした、それらは私が箱に乗せて空を飛んだり、転移の魔法で送ったりしていました。
私がいないと困ったことになっているはずです。
「厨房のみんなは、まだサクラソウの丘ですか。
早く迎えに行かないと凍えてしまいますね。
気の毒な事をしてしまったわ。」
トリアさんから指摘され、私が慌ててサクラソウの丘へ向かおうとすると。
「まあ、まあ、そう慌てなさんな。
厨房の者は皆、この館に戻っているよ。
機材の持ち帰りも全て終わっている。
あのおチビちゃんも、もう立派な魔法使いだね。
沢山の大人を乗せて、自分で空を飛ぶことが出来るのだからね。
機材の方も、後から顔を見せたカロリーネ姫が転移の魔法を使ってくれたよ。」
スタッフの方は、アリィシャちゃんが箱に乗せて館まで飛んで来たそうです。
多くのスタッフを乗せて危な気なく空を飛んだアリィシャちゃん。
その姿に、ジョージさんは感心していました。
ジョージさん達も、箱に乗り切らなかったスタッフを馬車に乗せてくださったそうです。
お二人がここで寛いでいたのは、スタッフを送り届けてくださったからなのですね。
ノノちゃんとナナちゃんは、馬車の中からずっとお二方の話し相手を務めていたようです。
********
「それで、ロッテさん。
主催者がいきなり姿を消して、どちらへ行ってらしたの?」
トリアさんが私の不在の理由を尋ねてきました。
私は、後ろに立っている五人を紹介し、朝からの出来事を聞いてもらいました。
「そういう訳で、見過ごすことも出来ないでしょう。
この五人は私が、保護する事にしたわ。」
「呆れた…。
あなた、今度は孤児院か矯正院でも始めるつもりなの?」
「まさか、私はそこまでお人好しではないわよ。
孤児院なんて、私の手には余るわ。
袖振り合うも多生の縁って言うじゃない。
この子達がお腹を空かせてやって来たのも何かの縁かと思ってね。
こんな小さな子が、お腹を空かせて、凍えていたら可哀想でしょう。」
呆れ顔で私を見詰めるトリアさんに言葉を返しました、サリーちゃんとエリーちゃんの頭を撫でながら。
私は慈善家ではないので、全ての孤児を救おうなどとは思いません。
流石に、私の財をもってしてもそれは不可能ですし。
ただ、私の手の届く範囲で救えるのなら、手を差し伸べたいとは思うのです。
明日の朝、サリーちゃんやエリーちゃんが道端で凍死していたら寝覚めが悪いではないですか。
「こら、ヴィクトリア、そんな風に言ったらダメではないか。
ロッテお嬢ちゃんは、我が国の行政がしないといけない事をしてくれたのだ。
本来、そんな幼子が路上に放置されているなんてことがあってはならんのだよ。
ロッテお嬢ちゃん、国の不備のせいで負担を掛けさせて申し訳ない。
そして、小さな命を救ってくれて有り難う。
この件は、ミリアム君に伝えて早急に対策を取るように言っておくよ。」
ジョージさんやミリアム首相も王都のスラムの問題には頭を痛めているそうです。
ですが、衛生面の問題や治安の問題など、問題山積みだとのことで。
孤児の問題までは、中々手が回らない様子でした。
ジョージさんの言葉で、孤児の問題の優先順位を上げてもらえれば良いですね。
「しかし、飲んだくれの父親の代わりに働いて。
幼い孤児のために食事を分け与える男の子か。
中々見所のある少年だね。
その子もロッテお嬢ちゃんが手許に置こうと言うのかい。」
先ほど私が話した今日の出来事の中で、ジョージさんはケリー君に興味を持った様子です。
私の話だけでも、ケリー君の秀逸さが感じられたようです。
「本当は、ケリー君も私が引き取って色々な事を教えたいのです。
でも、本人がそれを望んでいないので、無理強いできません。
冬の間に仕事を与えながら、せめて言葉遣いだけでも矯正できればと思うのですが。
それだけでも、仕事の幅が広がると思います。
読み書き計算に礼儀作法でも仕込めれば、それこそ色々な仕事が出来るだろうに残念です。」
春以降も継続的に仕事を与えることが出来れば、読み書き計算などを教えられるのですが。
冬以外は月に一度数日くらいしかここには来ませんので、難しいですね。
「そうかい、それじゃあ、今度、私も紹介してもらおうかな。
ロッテお嬢ちゃんがそれほど入れ込んでいるなら、将来有望なのであろう。
優秀な人材をみすみすさらって行かれる訳にも行かんからな。
こちらでも、何か与えられる仕事はないか検討して見よう。」
ジョージさんにケリー君を盗られるのは癪ですが、そうしてもらえれば彼のためになりそうです。
次回、いらした時に紹介すると約束を交わすと、ジョージさんは喜んでくださいました。
********
ジョージさんとトリアさんもお帰りになり、夜も更けてきました。
子供はもうお眠の時間です。
「ここでねていいの?」
私の部屋のベッドの上でサリーちゃんが尋ねてきます。
まだ幼い、サリーちゃんとエリーちゃんを何処で寝かせようかと考えたのですが。
アリィシャちゃんを保護した時の事を思い出しました。
慣れない部屋に二人で眠らせたら、かえって不安で寝付けないかも知れません。
なので、二人が安心して眠れるように、私と一緒に眠ることにしました。
「そう、今日からここで、三人一緒に眠るのよ。」
「ふかふか、やわらかい!」
「ぬくぬく、あったかい!」
サリーちゃんの問い掛けに答えると、二人から返って来た言葉はシンプルでした。
それでも、二人共、バンザイをしていますので、とても喜んでいるようです。
やはり、ボキャブラリーを増やしていかないといけませんね。
その夜、私は手始めに『おやすみなさい』を教えてみました。
しばらくすると、二人共私に抱き付いたまま、スヤスヤと寝息を立て始めます。
二人の寝顔はとても幸せそうで、私も心が温かくなりました。
いえ、心だけではありません。
子供は体温が高いので、二人に抱き付かれてぬくぬくです。
寒い冬の夜には役得ですね。
ケリー君のために買った服は、預かりましたが下着と靴下は着けさせましたよ。
厚手の服とは言うものの、シャツとズボンだけでは風邪をひいてしまいます。
「じゃあ、ねえちゃん。
明日の朝、お屋敷に行くからよろしくなー!」
嬉しそうに手を振って帰っていくケリー君。
あれで、精一杯の感謝の気持ちを表しているようです。
言葉遣いの矯正、早くしないといけませんね。
気付くと辺りはもう薄暗くなり始めていました。
もう『スノーフェスティバル』は終了の時間を過ぎています。
結局、午前中から会場を離れてしまったので、みんな心配しているかも知れません。
早く館に戻りませんと。
********
「あら、ロッテ、おかえりなさい。
今まで、何処に言っていたの?
みんな、心配していたわよ。」
館に戻ると、何時の間に来ていたのかリーナが出迎えてくれました。
「いらっしゃい、リーナ。
今日はこっちに来れたのね。
ちょっとね、放っておけない人達がいてね。
少し、動き回っていたら一日が終っちゃったわ。」
取り敢えず、それだけをリーナに伝えます。
事情は、リビングに腰を落ち着けて話すことにしました。
館のみんなに紹介するため、今日保護した五人も連れてリビングに行くと。
そこには、何故か、ジョージさんとトリアさんが寛いでいました。
ノノちゃんとナナちゃんを話し相手にして…。
ノノちゃんは慣れた様子ですが、可哀想に国王と王女を前にしてナナちゃんは萎縮しています。
「やっと帰って来ましたわね。
あなたがいないと困るでしょう。
どうやって、お祭りのスタッフや屋台の厨房道具をここまで運べというのですか。」
私の帰宅に気付いたトリアさんが、私を諫めました。
そうでした、それらは私が箱に乗せて空を飛んだり、転移の魔法で送ったりしていました。
私がいないと困ったことになっているはずです。
「厨房のみんなは、まだサクラソウの丘ですか。
早く迎えに行かないと凍えてしまいますね。
気の毒な事をしてしまったわ。」
トリアさんから指摘され、私が慌ててサクラソウの丘へ向かおうとすると。
「まあ、まあ、そう慌てなさんな。
厨房の者は皆、この館に戻っているよ。
機材の持ち帰りも全て終わっている。
あのおチビちゃんも、もう立派な魔法使いだね。
沢山の大人を乗せて、自分で空を飛ぶことが出来るのだからね。
機材の方も、後から顔を見せたカロリーネ姫が転移の魔法を使ってくれたよ。」
スタッフの方は、アリィシャちゃんが箱に乗せて館まで飛んで来たそうです。
多くのスタッフを乗せて危な気なく空を飛んだアリィシャちゃん。
その姿に、ジョージさんは感心していました。
ジョージさん達も、箱に乗り切らなかったスタッフを馬車に乗せてくださったそうです。
お二人がここで寛いでいたのは、スタッフを送り届けてくださったからなのですね。
ノノちゃんとナナちゃんは、馬車の中からずっとお二方の話し相手を務めていたようです。
********
「それで、ロッテさん。
主催者がいきなり姿を消して、どちらへ行ってらしたの?」
トリアさんが私の不在の理由を尋ねてきました。
私は、後ろに立っている五人を紹介し、朝からの出来事を聞いてもらいました。
「そういう訳で、見過ごすことも出来ないでしょう。
この五人は私が、保護する事にしたわ。」
「呆れた…。
あなた、今度は孤児院か矯正院でも始めるつもりなの?」
「まさか、私はそこまでお人好しではないわよ。
孤児院なんて、私の手には余るわ。
袖振り合うも多生の縁って言うじゃない。
この子達がお腹を空かせてやって来たのも何かの縁かと思ってね。
こんな小さな子が、お腹を空かせて、凍えていたら可哀想でしょう。」
呆れ顔で私を見詰めるトリアさんに言葉を返しました、サリーちゃんとエリーちゃんの頭を撫でながら。
私は慈善家ではないので、全ての孤児を救おうなどとは思いません。
流石に、私の財をもってしてもそれは不可能ですし。
ただ、私の手の届く範囲で救えるのなら、手を差し伸べたいとは思うのです。
明日の朝、サリーちゃんやエリーちゃんが道端で凍死していたら寝覚めが悪いではないですか。
「こら、ヴィクトリア、そんな風に言ったらダメではないか。
ロッテお嬢ちゃんは、我が国の行政がしないといけない事をしてくれたのだ。
本来、そんな幼子が路上に放置されているなんてことがあってはならんのだよ。
ロッテお嬢ちゃん、国の不備のせいで負担を掛けさせて申し訳ない。
そして、小さな命を救ってくれて有り難う。
この件は、ミリアム君に伝えて早急に対策を取るように言っておくよ。」
ジョージさんやミリアム首相も王都のスラムの問題には頭を痛めているそうです。
ですが、衛生面の問題や治安の問題など、問題山積みだとのことで。
孤児の問題までは、中々手が回らない様子でした。
ジョージさんの言葉で、孤児の問題の優先順位を上げてもらえれば良いですね。
「しかし、飲んだくれの父親の代わりに働いて。
幼い孤児のために食事を分け与える男の子か。
中々見所のある少年だね。
その子もロッテお嬢ちゃんが手許に置こうと言うのかい。」
先ほど私が話した今日の出来事の中で、ジョージさんはケリー君に興味を持った様子です。
私の話だけでも、ケリー君の秀逸さが感じられたようです。
「本当は、ケリー君も私が引き取って色々な事を教えたいのです。
でも、本人がそれを望んでいないので、無理強いできません。
冬の間に仕事を与えながら、せめて言葉遣いだけでも矯正できればと思うのですが。
それだけでも、仕事の幅が広がると思います。
読み書き計算に礼儀作法でも仕込めれば、それこそ色々な仕事が出来るだろうに残念です。」
春以降も継続的に仕事を与えることが出来れば、読み書き計算などを教えられるのですが。
冬以外は月に一度数日くらいしかここには来ませんので、難しいですね。
「そうかい、それじゃあ、今度、私も紹介してもらおうかな。
ロッテお嬢ちゃんがそれほど入れ込んでいるなら、将来有望なのであろう。
優秀な人材をみすみすさらって行かれる訳にも行かんからな。
こちらでも、何か与えられる仕事はないか検討して見よう。」
ジョージさんにケリー君を盗られるのは癪ですが、そうしてもらえれば彼のためになりそうです。
次回、いらした時に紹介すると約束を交わすと、ジョージさんは喜んでくださいました。
********
ジョージさんとトリアさんもお帰りになり、夜も更けてきました。
子供はもうお眠の時間です。
「ここでねていいの?」
私の部屋のベッドの上でサリーちゃんが尋ねてきます。
まだ幼い、サリーちゃんとエリーちゃんを何処で寝かせようかと考えたのですが。
アリィシャちゃんを保護した時の事を思い出しました。
慣れない部屋に二人で眠らせたら、かえって不安で寝付けないかも知れません。
なので、二人が安心して眠れるように、私と一緒に眠ることにしました。
「そう、今日からここで、三人一緒に眠るのよ。」
「ふかふか、やわらかい!」
「ぬくぬく、あったかい!」
サリーちゃんの問い掛けに答えると、二人から返って来た言葉はシンプルでした。
それでも、二人共、バンザイをしていますので、とても喜んでいるようです。
やはり、ボキャブラリーを増やしていかないといけませんね。
その夜、私は手始めに『おやすみなさい』を教えてみました。
しばらくすると、二人共私に抱き付いたまま、スヤスヤと寝息を立て始めます。
二人の寝顔はとても幸せそうで、私も心が温かくなりました。
いえ、心だけではありません。
子供は体温が高いので、二人に抱き付かれてぬくぬくです。
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