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第15章 秋から冬へ、仕込みの季節です
第348話 ヘレーネさんが悪徳商人に見えました
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現地を見ないと分からないというノミーちゃんの言葉に従い、新市街地を創る予定地へやって来ました。
シューネフルトは古い城塞都市で、町の南側と東側に高い城壁を構築しています。
そして、町の南側はシューネ湖、西側はシューネ湖から流れ出す広い川という天然の水濠となっています。
シューネ湖の湖上交易の中心として古くから栄えたこの町はそれなりの賑わいを見せていますが…。
それはそれ、片田舎の町の事です。
城塞から一歩足を踏み出すと、川を挟んだの町の対岸だというのに、農地や原野が広がっています。
「いかがですか?
この辺りであれば、民家は一軒もなく、農地もありませんので、自由に開発できますよ。」
そう言って、ヘレーネさんが指差したのは川を渡ってすぐ、シューネフルトの町とは目と鼻の先の原野です。
たしかに、旧市街地へアクセスを考えると絶好の立地ではありますが…。
「ええっと…、ヘレーネさん。
なんか、この辺の土地って水はけが悪いのではないかしら。
ここ数日、雨が降った覚えがないのに、ぬかるんでいるような気がするのですが。」
気がするのではなく、実際ぬかるんでいるようです。靴が泥で汚れていますし…。
それに、地図上でオークレフトさんがホテルを建てようと言った辺り。
私の気のせいでなければ、そこに生えている背の高い草は葦に見えます。
デーヴィス川の河口の湿地帯に生えていたような…。
「まあ、湖畔の土地ですからね。
だいたい、この近辺では貴重な平坦な土地です。
本来なら、少しでも食料を増やすため小麦畑にでもしているのでしょうが。
小麦は、多湿を嫌いますからね。
箸にも棒にも掛からぬ土地ですので、こうして放置されているのです。
こんな土地をお買い上げ頂けるなんて、シャルロッテ様が神様に見えます。」
シレっとそんな事を口にしたヘレーネさん。
何が格安でお譲りしましょうですか。
ほとんど無価値の土地ではないですか。
原野商法ですかとツッコミを入れたい気分です。
「ねえ、精霊さん、あそこの背の高い草が生えている辺り。
あの辺に石造りの宮殿のような建物を建てたいのですが。
出来ますか?」
私とヘレーネさんの会話など気にも止めず、オークレフトさんが近くに浮いているノミーちゃんに尋ねます。
「建つっちゃ、建つけど。
これじゃあ、沈んじゃうね、ズブズブと。」
あ、やっぱり…。
「そこを何とか。
以前、発電機を設置する地盤を強化してくれたじゃないですか。
ここ一面、あんな風に出来ませんか?」
「出来るかって聞かれれば、出来るけど。
あんた、遠慮って言葉を知らないの?」
「まあ、まあ、そう言わずに。
今回の計画は、この地方の未来が掛かっていると言っても過言ではないのです。
何と言っても、この町がアルム地方の玄関口になるのですから。
高級リゾート地に相応しい町を造りたいではないですか。
お願いしますよ、この通り。
きっとシャルロッテ様もお喜びになりますよ。」
私達を置き去りにして、勝手にノミーちゃんにお願いを始めたオークレフトさん。
手を合わせて、拝み倒すようにお願いをしています。
「あんたねぇ…。
ロッテちゃんが喜ぶと言えば、私が何でも引き受けると思っていない?
ハアッ…、まあ良いわ。
大した手間でもないから、やってあげるわ。」
オークレフトさんに頼みこまれたノミーちゃん、苦言を呈したものの。
困った表情の私やリーナを見て、協力してくれる気になったようです。
と、そこに空気を読まない困ったちゃんが…。
「あっ、お菓子の兄ちゃんだ!
ヤッホー!今日はどうしたの?
また、おいらにお菓子をご馳走してくれるのかな?」
今までどこに行っていたのか、オークレフトさんを見つけた大地の精霊セピアちゃんが姿を現します。
現れるなり、お菓子をねだるセピアちゃん。
「セピアちゃんたら、また他人様にたかるような事を言って…。」
その姿に、契約者のリーナは恥ずかしそうな表情で呟きました。
契約者としては立場無いですよね。まるで躾の出来ていない子供を見るようです。
「あら、ちょうど良いところに来たわね。
地盤改良、この子にしてもらいましょう。
こう言う頭を使わない、大雑把な事はこの子の得意とするところだから。
私は、区割りとか下水道とか、この子に向かない細かいところをするわ。」
「うん?なに、なに?
穴掘りだったら、おいら、得意だぞ。」
この子、頭が弱い子のように言われたことに気付いていないようです…。
それにしても、作業と言えば穴を掘る事しか思い浮かばないのでしょうか。
オークレフトさんは肩から下げたカバンの中から、ショコラーデの詰められた小箱を取り出すと。
一粒、セピアちゃんに与えてこれまでの経緯を説明します。
「お兄ちゃん、ありがとう!」
もらったショコラーデにすぐに齧りつくセピアちゃん、その小さな体には一粒のショコラーデがとても大きく見えます。
両手に抱えたショコラーデをハグハグと齧りながら、説明を聞いていました。
「ふむ、ふむ、細かいことは良く分かんないけど…。
この下の地面を丈夫にしちゃえば良いんだね。
どんなに重い物が乗っても沈まないくらいに。
わかったよ、簡単だね。すぐにやっちゃうね。」
いえ、大して細かいことは言ってないと思いますよ。
それが良く分かんないなんて言われると、任せて良いものか不安になるのですが…。
「カロリーネ様、これはセピアちゃんにお任せした方がよろしいかと。
本来、この土地の整備は領主の方でしないといけない事です。
カロリーネ様の契約精霊のセピアちゃんにして頂ければ、堂々と売り渡せるというものです。
全部シャルロッテ様にお願いしてしまいますと土地代金が請求し難くなりますから。」
などとのたまうヘレーネさん、さっきはほとんど無価値な土地を売りつける気満々だったではないですか。
さすがに、ノミーちゃんに地盤改良から、区画割り、下水道整備までやらせたら、土地代金を請求しずらいと思っていましたか。
一応、良心の呵責は感じていたのですね。
********
「じゃあ、良い?
ここから先の原野、民家も、畑も、道もない場所ね。
その部分の土地を、どんなに重い建物が建っても沈まないように。
頑丈な土地にして欲しいのだけど。」
ここは、市街地から架けられた屋根付きの橋の袂まで退いた道の端。
私達の前に浮かんだノミーちゃんが、横に浮かぶセピアちゃんに指示を出します。
「わかったよ!
この辺り一帯を頑丈な土地にすれば良いんだね。」
本当にわかっているのか、そこはかとなく不安のですが…。
「うんじゃ、やるよー!
せーのっ!」
セピアちゃんの気合いの入った掛け声が響きます。
すると、…。
『ゴゴゴゴゴ…。』
そんな地響きが聞こえたかと思うと、地面が小刻みに振動し始めました。
と同時に、足元から波紋が広がるように土地がその姿を変えていきました。
それまで、雑草が生え放題だった半分湿地のような土地が、平坦な茶色の岩盤のような土地に。
「えっ!」
足元の地面を見てこれは拙いと思った時は後の祭り。
頼りないように見えても、大地を思いのままに操れる精霊です。
あれよ、あれよという間に波紋は広がり、気付いた時には見渡す限りの地面が姿を変えていました。
「おーわり!
出来たよ!褒めて、褒めて!
お菓子をくれても良いんだよ!」
誇らしげに言うセピアちゃん、ちゃっかりお菓子を要求しています。
ええ、本当にあっという間でした。止める間もないくらいに。
目の前には、見渡す限りまっ平の、硬そうな岩盤が続いています。
「確かに、どんなに重い建物が乗っても沈まない丈夫な地盤ってお願いしたけど…。
こんな硬い岩盤の上じゃあ、建物が建てられないのじゃない?」
私がそんな疑問を呈すると、答えたのはセピアちゃんではなくノミーちゃんでした。
「あっ、それは心配ないわ。
この子に細かいオーダーを出しても無駄だと思ったから好きにさせたの。
うん、申し分ない頑丈な地盤を作ってくれたわ。
これなら、どんな重い建物が乗っても平気ね。」
ノミーちゃんが地面に手を当てて言いました。
どうやら、大地の精霊ノミーちゃんには地中深いところまでの構造が分かるようです。
「でも、どうするのこれ?
土が無いわよ、この岩盤の上に直接建物を建てちゃうの?
そんなこと、出来るかしら?
それにお庭を造るのにも土は必要よ。」
「そこは、私がやるわ。
この子に、上からどのくらいは表土にして、その下に平坦な岩盤を築いてなんて。
そんな細かい注文は無理だと思ったの。
とにかく頑丈にしてって言えば、こうなる事は想像してたのよ。
奇麗に平坦な岩盤になっているから、区割りをして建物が建つ部分だけ表面を土に変えるの。
そうね、ロッテちゃんの膝丈くらいまでの深さの表土があれば良いかしら。
道路部分はこの岩盤をそのまま使うわ、葺石で舗装する必要なくなるでしょう。
で、岩盤を丸くくり抜く形で下水道にするの。
そうすれば、とても堅固な下水道網が整備できるわ。
これだけ頑丈な岩なら崩落する心配もないでしょうしね。」
そんな説明をしてくれたノミーちゃん。
ホテルの敷地となる区画も地表全体を土に変えてくれると言います。
宮殿風の高級ホテルです。
ゆったりとした広い庭には表土が無いと困ります。
木を植えたいですし、花壇も作りたいですから。
シューネフルトは古い城塞都市で、町の南側と東側に高い城壁を構築しています。
そして、町の南側はシューネ湖、西側はシューネ湖から流れ出す広い川という天然の水濠となっています。
シューネ湖の湖上交易の中心として古くから栄えたこの町はそれなりの賑わいを見せていますが…。
それはそれ、片田舎の町の事です。
城塞から一歩足を踏み出すと、川を挟んだの町の対岸だというのに、農地や原野が広がっています。
「いかがですか?
この辺りであれば、民家は一軒もなく、農地もありませんので、自由に開発できますよ。」
そう言って、ヘレーネさんが指差したのは川を渡ってすぐ、シューネフルトの町とは目と鼻の先の原野です。
たしかに、旧市街地へアクセスを考えると絶好の立地ではありますが…。
「ええっと…、ヘレーネさん。
なんか、この辺の土地って水はけが悪いのではないかしら。
ここ数日、雨が降った覚えがないのに、ぬかるんでいるような気がするのですが。」
気がするのではなく、実際ぬかるんでいるようです。靴が泥で汚れていますし…。
それに、地図上でオークレフトさんがホテルを建てようと言った辺り。
私の気のせいでなければ、そこに生えている背の高い草は葦に見えます。
デーヴィス川の河口の湿地帯に生えていたような…。
「まあ、湖畔の土地ですからね。
だいたい、この近辺では貴重な平坦な土地です。
本来なら、少しでも食料を増やすため小麦畑にでもしているのでしょうが。
小麦は、多湿を嫌いますからね。
箸にも棒にも掛からぬ土地ですので、こうして放置されているのです。
こんな土地をお買い上げ頂けるなんて、シャルロッテ様が神様に見えます。」
シレっとそんな事を口にしたヘレーネさん。
何が格安でお譲りしましょうですか。
ほとんど無価値の土地ではないですか。
原野商法ですかとツッコミを入れたい気分です。
「ねえ、精霊さん、あそこの背の高い草が生えている辺り。
あの辺に石造りの宮殿のような建物を建てたいのですが。
出来ますか?」
私とヘレーネさんの会話など気にも止めず、オークレフトさんが近くに浮いているノミーちゃんに尋ねます。
「建つっちゃ、建つけど。
これじゃあ、沈んじゃうね、ズブズブと。」
あ、やっぱり…。
「そこを何とか。
以前、発電機を設置する地盤を強化してくれたじゃないですか。
ここ一面、あんな風に出来ませんか?」
「出来るかって聞かれれば、出来るけど。
あんた、遠慮って言葉を知らないの?」
「まあ、まあ、そう言わずに。
今回の計画は、この地方の未来が掛かっていると言っても過言ではないのです。
何と言っても、この町がアルム地方の玄関口になるのですから。
高級リゾート地に相応しい町を造りたいではないですか。
お願いしますよ、この通り。
きっとシャルロッテ様もお喜びになりますよ。」
私達を置き去りにして、勝手にノミーちゃんにお願いを始めたオークレフトさん。
手を合わせて、拝み倒すようにお願いをしています。
「あんたねぇ…。
ロッテちゃんが喜ぶと言えば、私が何でも引き受けると思っていない?
ハアッ…、まあ良いわ。
大した手間でもないから、やってあげるわ。」
オークレフトさんに頼みこまれたノミーちゃん、苦言を呈したものの。
困った表情の私やリーナを見て、協力してくれる気になったようです。
と、そこに空気を読まない困ったちゃんが…。
「あっ、お菓子の兄ちゃんだ!
ヤッホー!今日はどうしたの?
また、おいらにお菓子をご馳走してくれるのかな?」
今までどこに行っていたのか、オークレフトさんを見つけた大地の精霊セピアちゃんが姿を現します。
現れるなり、お菓子をねだるセピアちゃん。
「セピアちゃんたら、また他人様にたかるような事を言って…。」
その姿に、契約者のリーナは恥ずかしそうな表情で呟きました。
契約者としては立場無いですよね。まるで躾の出来ていない子供を見るようです。
「あら、ちょうど良いところに来たわね。
地盤改良、この子にしてもらいましょう。
こう言う頭を使わない、大雑把な事はこの子の得意とするところだから。
私は、区割りとか下水道とか、この子に向かない細かいところをするわ。」
「うん?なに、なに?
穴掘りだったら、おいら、得意だぞ。」
この子、頭が弱い子のように言われたことに気付いていないようです…。
それにしても、作業と言えば穴を掘る事しか思い浮かばないのでしょうか。
オークレフトさんは肩から下げたカバンの中から、ショコラーデの詰められた小箱を取り出すと。
一粒、セピアちゃんに与えてこれまでの経緯を説明します。
「お兄ちゃん、ありがとう!」
もらったショコラーデにすぐに齧りつくセピアちゃん、その小さな体には一粒のショコラーデがとても大きく見えます。
両手に抱えたショコラーデをハグハグと齧りながら、説明を聞いていました。
「ふむ、ふむ、細かいことは良く分かんないけど…。
この下の地面を丈夫にしちゃえば良いんだね。
どんなに重い物が乗っても沈まないくらいに。
わかったよ、簡単だね。すぐにやっちゃうね。」
いえ、大して細かいことは言ってないと思いますよ。
それが良く分かんないなんて言われると、任せて良いものか不安になるのですが…。
「カロリーネ様、これはセピアちゃんにお任せした方がよろしいかと。
本来、この土地の整備は領主の方でしないといけない事です。
カロリーネ様の契約精霊のセピアちゃんにして頂ければ、堂々と売り渡せるというものです。
全部シャルロッテ様にお願いしてしまいますと土地代金が請求し難くなりますから。」
などとのたまうヘレーネさん、さっきはほとんど無価値な土地を売りつける気満々だったではないですか。
さすがに、ノミーちゃんに地盤改良から、区画割り、下水道整備までやらせたら、土地代金を請求しずらいと思っていましたか。
一応、良心の呵責は感じていたのですね。
********
「じゃあ、良い?
ここから先の原野、民家も、畑も、道もない場所ね。
その部分の土地を、どんなに重い建物が建っても沈まないように。
頑丈な土地にして欲しいのだけど。」
ここは、市街地から架けられた屋根付きの橋の袂まで退いた道の端。
私達の前に浮かんだノミーちゃんが、横に浮かぶセピアちゃんに指示を出します。
「わかったよ!
この辺り一帯を頑丈な土地にすれば良いんだね。」
本当にわかっているのか、そこはかとなく不安のですが…。
「うんじゃ、やるよー!
せーのっ!」
セピアちゃんの気合いの入った掛け声が響きます。
すると、…。
『ゴゴゴゴゴ…。』
そんな地響きが聞こえたかと思うと、地面が小刻みに振動し始めました。
と同時に、足元から波紋が広がるように土地がその姿を変えていきました。
それまで、雑草が生え放題だった半分湿地のような土地が、平坦な茶色の岩盤のような土地に。
「えっ!」
足元の地面を見てこれは拙いと思った時は後の祭り。
頼りないように見えても、大地を思いのままに操れる精霊です。
あれよ、あれよという間に波紋は広がり、気付いた時には見渡す限りの地面が姿を変えていました。
「おーわり!
出来たよ!褒めて、褒めて!
お菓子をくれても良いんだよ!」
誇らしげに言うセピアちゃん、ちゃっかりお菓子を要求しています。
ええ、本当にあっという間でした。止める間もないくらいに。
目の前には、見渡す限りまっ平の、硬そうな岩盤が続いています。
「確かに、どんなに重い建物が乗っても沈まない丈夫な地盤ってお願いしたけど…。
こんな硬い岩盤の上じゃあ、建物が建てられないのじゃない?」
私がそんな疑問を呈すると、答えたのはセピアちゃんではなくノミーちゃんでした。
「あっ、それは心配ないわ。
この子に細かいオーダーを出しても無駄だと思ったから好きにさせたの。
うん、申し分ない頑丈な地盤を作ってくれたわ。
これなら、どんな重い建物が乗っても平気ね。」
ノミーちゃんが地面に手を当てて言いました。
どうやら、大地の精霊ノミーちゃんには地中深いところまでの構造が分かるようです。
「でも、どうするのこれ?
土が無いわよ、この岩盤の上に直接建物を建てちゃうの?
そんなこと、出来るかしら?
それにお庭を造るのにも土は必要よ。」
「そこは、私がやるわ。
この子に、上からどのくらいは表土にして、その下に平坦な岩盤を築いてなんて。
そんな細かい注文は無理だと思ったの。
とにかく頑丈にしてって言えば、こうなる事は想像してたのよ。
奇麗に平坦な岩盤になっているから、区割りをして建物が建つ部分だけ表面を土に変えるの。
そうね、ロッテちゃんの膝丈くらいまでの深さの表土があれば良いかしら。
道路部分はこの岩盤をそのまま使うわ、葺石で舗装する必要なくなるでしょう。
で、岩盤を丸くくり抜く形で下水道にするの。
そうすれば、とても堅固な下水道網が整備できるわ。
これだけ頑丈な岩なら崩落する心配もないでしょうしね。」
そんな説明をしてくれたノミーちゃん。
ホテルの敷地となる区画も地表全体を土に変えてくれると言います。
宮殿風の高級ホテルです。
ゆったりとした広い庭には表土が無いと困ります。
木を植えたいですし、花壇も作りたいですから。
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