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第14章【間章】ノノちゃん旅日記

第322話 シャルロッテ様からのお誘い

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 初夏のある休日、わたしが自室で買い溜めした本を読んでいると。

「ねえ、ノノちゃん、お客さんみたいだよ。
 あの、やたら賑やかな風の子、今こっちに向かって飛んで来る。」

 机の上に寝そべって、ハグハグとお菓子を齧っていた小さな女の子が言います。
 小さいって、幼いという意味ではないですよ。
 文字通り小さいのです、具体的には身長十インチくらい。
 もちろん、人間であろうはずがありません。

 この子は、この辺りのお伽噺でポピュラーな存在、家に憑く精霊のブラウニー。
 元々は、私の後見をしてくださっているシャルロッテ様の館に憑いていたのですが…。 
 私が女学校の寄宿舎に入る時にくっついて来てしまいました。
 いったい、私の何処が気に入ったのか謎です。

 白いブラウスの上にこげ茶のジャンバースカートを着て、白いエプロンを着けた茶髪の女の子。
 シャルロッテ様曰く、アルムハイムの館には同じ服装、同じ髪型をしたブラウニーが沢山いるので見分けがつかないそうです。
 なので、ここへ来た時、この子に名前はありませんでした。
 名無しでは、呼びかけれるときに不便ですので、わたしはこの子にモモちゃんと言う名前を付けたのです。

「そうなの?
 シャルロッテ様からのお遣いかしら?」

「まあ、あの騒がしいのがここに来るのは、ロッテちゃんの言付けがある時だけだからね。」

 齧りかけのお菓子を両手に抱えたまま、モモちゃんがそう呟いた時です。

「こんちわ~!
 ノノちゃん、いまヒマ~?
 ロッテちゃんが話があるんで来て欲し~だって~!」

 壁をすり抜けて部屋に突然現れた風の精霊ブリーゼちゃんが、間髪入れずまくし立てました。
 たしかに、この子、無駄に元気があって、いつもテンションが高いです。
 
「こんにちは、ブリーゼちゃん。
 シャルロッテ様がお呼びなのね、どんなご用件かは聞いている?」

「う~ん、何だっけ?
 聞いたような、聞かなかったような…。
 何か、頼みたいって言ってたような気がする~。」

 ブリーゼちゃんはいつもこんな感じです。
 シャルロッテ様のお話では、このブリーゼちゃん、とても頭の良い精霊なのだそうです。
 人が作った地図は読めるし、正確な距離を測る事も出来き、もちろん記憶力も抜群のようです。
 ですが、落ち着きがなく、肝心なインプットを蔑ろにして飛び出してくることがしょっちゅうです。
 幾ら記憶力が良くても、聞いてこないのでは意味がありません。

「あんたね、それじゃ、何も分からないのと一緒じゃない…。」

 モモちゃんが、ブリーゼちゃんの言葉に呆れますが…。
 別に良いのです、何か頼みごとがあるという事さえわかれば。

「わかったわ。
 着替えたらすぐに伺うから、シャルロッテ様にそう伝えてもらえるかな。」

「りょうか~い!
 でも、歩いてくるの~?
 なんなら、私がお屋敷まで飛ばしてあげるよ~。
 びゅ~んって、あっというまにお屋敷に到着だよ~。」

 ブリーゼちゃんは、風を自由自在に操る超常の存在です。
 私を空に飛ばすなど、容易い事でしょう。
 ですが、ブリーゼちゃんのテンションを見ていると、そこはかとなく不安を感じます。
 この子に頼むと、アクロバティックな飛ばされ方をするかも知れませんから。

「それは遠慮しておこうかな。
 歩いても三十分はかからないから、シャルロッテ様にそう伝えてくれる。」

「別に、遠慮することないのに~。
 まあ、いいや~、じゃあ、ロッテちゃんにそう言っとく~!」

 そう言い終わった時には、ブリーゼちゃんは目の前から消えていました。

「ホント、落ち着きのない子ね。」

 そんなブリーゼちゃんを、モモちゃんは呆れていました。

     ********

 それから、三十分ほど後、わたしは伝えてもらった通りシャルロッテ様のお屋敷を訪ねました。

「こんにちは、ノノちゃん。
 お休みのところ、急に呼び出してしまって悪かったわね。
 さあ、入って、入って。
 あら、今日は家出娘も一緒なのね。」

 わたしを迎え入れてくれたシャルロッテ様、わたしの肩に乗っているらしいモモちゃんを見てそう言いました。
 精霊は姿を消すことができ、その状態ではわたしは見ることができません。
 ですが、精霊を視る能力があるシャルロッテ様には姿を消していても精霊を視ることができるそうです。

「えへへ、ただいまー。」

 そう言って、悪びれることなく、モモちゃんがわたしの肩の上で姿を見せます。

「はい、お帰りなさい。
 ノノちゃんに、迷惑はかけてないでしょうね。」

「大丈夫よ。
 ノノちゃんに迷惑になる事はしないから、安心して。
 仲良くやっているわよ。
 ねえ、ノノちゃん。」

「モモちゃんがいてくれてとても助かっています。
 部屋の片付けは手伝ってくれるし。
 寄宿舎暮らしで同じ学校の生徒が沢山いるとはいえ、見知らぬ地で一人は心細いです。
 その点、モモちゃんが、一緒にいてくれるので心強いです。」

「そう、それは良かったわ。
 迷惑を掛けるようなら、何時でも言ってね。ちゃんと引き取るから。」

 そんな会話を交わしながら廊下を歩き、いつものリビングルームへと案内されました。
 そこには、寄宿舎で一番仲良くしてもらているナンシー先輩が待っていました。
 ナンシー先輩はこの夏、女学校を卒業しシャルロッテ様にお仕えすることになっています。

 今日は、卒業後の打ち合わせにここを訪れると聞いていました。
 わたしが勧められてナンシー先輩の横に腰掛けると、シャルロッテ様は言います。

「さて、ノノちゃんに来て頂いたのは、ちょっとしたお願いがあったからです。
 ノノちゃん、八月は夏休みでしょう。
 今何か予定は入っているかしら、クラスメートのカントリーハウスに遊びに行くとか?」

「いいえ、特に予定はありません。
 恥ずかしながら、まだそこまで打ち解けている友達はいないもので。
 今年の夏休みは、買い溜めした本を読んで過ごそうかと考えていました。」

 シャルロッテ様は夏休み中の私に頼みたいことがあるご様子でしたので、特段予定はない事と返答したのです。

「それは好都合だわ。
 ねえ、ノノちゃん、もし良ければ夏休み中にアルバイトをしない?
 お給金は弾むわよ。」

「アルバイトですか? それはどのような?」

 アルバイトをしないかと持ち掛けてきたシャルロッテ様に、その内容を尋ねたところ。
 シャルロッテ様、カロリーネ様が計画しているアルム地方のリゾート地化。
 帝国とセルベチアの戦争が終結したことから、本格的に着手するそうです。

 その初手として、周辺国で最も豊かなここアルビオン王国の裕福層をアルム地方へ招くそうです。
 アルム地方の良さを知ってもらって、アルビオン王国の裕福層の中にそれを広めてもらうのが狙いだそうです。
 実際は、とんでもないサプライズが仕込まれていたのですが、この時点では私もナンシー先輩も知らされませんでした。
 私やナンシー先輩の口から、サプライズイベントについて、ポロっと漏れるのを防ぐためのようです。

 アルバイトの内容は、そのお客様をアルビオン王国からアルムハイム伯国までご案内する事だそうです。
 今回お招きしたのは二グループ。
 一つは、アルビオンの上級貴族のご婦人方だそうです。
 そして、もう一つがブルジョアジーと呼ばれる、最近台頭してきた新興のお金持ちの方々。
 私とナンシー先輩がご案内するのは、後者、ブルジョアジーのご家族連れだそうです。
 全員で二十人から三十人になる予定だそうで、皆さん、ご夫婦とお子さんという構成になるそうです。

 その方々を王都の港から客船にお乗せし、ノルド海、ルーネス川を通ってバジリアの港町までの船旅。
 その後のバジリアからアルムハイムまでの馬車の旅にアテンドする事が仕事だそうです。

 具体的には、旅の間のお客様のお世話やガイドが仕事になるようです。

 シャルロッテ様は、

「皆さん、ご家族連れなので、いかがわしいサービスを要求する方はいないでしょうから安心してください。」

 と言っていましたが、ご家族連れでないといかがわしいサービスを要求されることがあるのでしょうか。
 そもそも、いかがわしいサービスって?
 良く分かりませんが、無いのであれば気にする事もありませんね。

 因みに、もう一方の貴族のご婦人方は皆さんご高齢のため、シャルロッテ様が例の魔法でアルムハイムへお連れするそうです。
 なんでも、魔法の事を教えてしまっても秘密を守ってもらえる信頼のできる方ばかりなのだそうです。

 アルビオンからアルムまでお客様をご案内する旅の行程はと言うと。
 アルビオンからノルド海を渡り、ルーネス川を遡ってバジリアまでの五日間、豪華客船に乗って船の旅だそうです。
 わたしとナンシー先輩にもきちんとした客室を用意してくださると言います。

 また、カロリーネ様のご配慮で、バジリアにはクラーシュバルツ王国の王宮で使用している馬車が手配されているそうです。
 当然途中で一泊する宿も最高級の宿だとのこと。

 豪華客船と豪華な馬車で優雅な一週間の旅ですか…。
 自腹では、逆立ちしても手が出るようなシロモノではありません。

 わたしは、旅という言葉に大変悲壮なものというイメージを持っていました。

 多くの村人は自分の村を出ることなく、その人生を過ごします。
 旅に出るというと、男なら傭兵として戦場へ出て行くこと、女なら遠くの町の娼館へ売られて行くことを意味しました。
 私が生まれ育った村では、傭兵に行った男も娼館へ行った女も、誰一人として帰って来た人はいないそうです。

 村の大人たちから聞かされていました。
 娼館に売られていく女は、粗末な荷馬車の荷台に乗って、ロクな宿にも泊まらず娼館のある町を目指すそうです。
 そして、辿り着いた町で女たちを待っているのは辛い仕事だと言います。
 どんな過酷な仕事か知りませんが、無事に年季を乗り越えられる女は少ないと聞きます。
 ですから、女にとって旅というのは人生に一度きりのものだと聞かされていました。

 村の人たちにとって旅という言葉は、苦界への旅を意味したのです。

 それが、なんと、仕事とは言え、そんな悲壮感とは無縁な豪華な旅が経験できるのです。
 こんなチャンス、それこそ人生に一度きりかも知れません。

 更にシャルロッテ嬢は言います。
 アテンドは往路だけで、帰りはアテンド無しで帰ってもらう約束になっていると。
 お客様をアルムハイムまでご案内したら、わたしはお役御免となりますが…。
 そんなわたしをシャルロッテ様は魔法で故郷の村まで送ってくださると言います。
 夏休みに故郷へ帰省させてくださるのです。
 夏休みの終わりごろに村に迎えに来てくださり、例の魔法でアルビオンまで送ってくださるそうです。
 本当に至れり尽くせりの条件です。

 これはもう、断るという選択肢はありません。

「えっ、アルムハイムまでお客様をご案内ですか。
 船と馬車で一週間、それ面白そうです。
 是非、やらせてください。
 わたし、船って乗ったことがないんです。
 一週間もかけて旅をするのも初めてです。
 わー、楽しみだなー。」
 
 わたしは一も、二もなく返事をしました。

 こうして、わたしの夏休みは、お客様をご案内してのアルムハイムへの旅となったのです。

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