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第7章 できることから始めましょう
第152話 水辺を見て回りましたが…
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*今日はお昼に1話投稿しています。お読みでない方は、お手数ではございますが、1話戻ってお読みください。
**********
「馬~!まずは、アルムの山の頂に向かうよ~!」
風の精霊ブリーゼちゃんの合図で、私達を乗せた馬車はこの辺りを流れる全ての川の源、アルム山脈の頂に向かいます。
ヴァイスはどんどんと高度を上げて行き、高度4千ヤードはあろうかという山の頂付近の高さまで上りました。
「すごーい!雲の上まで来ちゃった、こんな高さ初めて!」
雲海を突き抜けて雲の上に出た途端、アリィシャちゃんが歓声を上げました。
私もこの高さまで上ったのは初めてです。
雲を眼下に見下ろすことが出来るとは思いもよりませんでした。
ヴァイスは高度を保ったまま山肌に接近していきました。
眼下の山肌には厚く積もった雪が、初夏の今でも解けずに残っているのが伺えます。
「冬の間にこのアルム山脈に降り積もった雪が、解けて川となってこの辺り一帯を潤すの。
この付近の川の多くは、リーナの領地にあるシューネ湖に一旦注ぐわ。
シューネ湖から流れ出る川は何本かあるけど、全てルーネス川に合流してノルド海に流れているの。」
「凄いね、夏でもこんなに雪が残っているんだ。
ここに来れば、夏でも雪遊びが出来そうだね!」
アリィシャちゃんが無邪気にはしゃぎます。
ええ、ここまで気軽に来られるならばね…。
この峰々は、いわゆる探検家という人々の領域です。
私達はヴァイスのおかげで気軽に来れましたが、一般の人々の立ち入れる領域ではないのです。
「そうね、誰もがここまで気軽に来れるようになれば、それも楽しそうね。
それで、人を呼べそうだわ。」
それが可能なら、アルビオン王国に多数いるという有閑階級の人達を呼び寄せる良いエサになりそうです。
「冗談をお言いで無いよ。
こんな山の中に一般人が入り込もうものなら、遭難者続出さね。」
私の軽口にアガサさんのツッコミが入り、馬車の中が笑いに包まれました。
ただ一人、オークレフトさんだけは、笑いもせずにジッと外を見つめていました。
私達の会話を聞いていなかったのでしょうか。
**********
その後は谷に沿って山を下っていきます。
空中から地上を眺め、風光明媚な場所を見つけては着地して見て回りますが…。
あんなに川が見たいと言っていたオークレフトさんは、見事な景観の滝を見てもあまり楽しそうではありません。
しばらく山を下ると小さな沢が合流して、水量が増し急流になる様子が伺えます。
「シャルロッテ様、あの辺りで一度馬車を地上に降ろしていただけませんか?」
オークレフトさんが指差したのは、急流に面した一角、そこだけ馬車を数台置けそうな平坦な土地がありました。
見る限り、自然の産物で人為的に平坦地を造ったものではないようです。
平坦地に馬車を降ろすと地図を見ながら川べりまで歩いたオークレフトさんが言いました。
「風の精霊さん、ここが何処かわかりますか?」
「もちろんわかるよ~!じゃないと迷っちゃうじゃな~い!」
ブリーゼちゃんが広げられた地図の一角を指し示しました。
すると、オークレフトさんは脇に抱えたカバンから紙と鉛筆を取り出しました。
何をするのかと覗き込むと、地図の現在地に①と印をつけると白紙に①と書き猛烈な速さで川の様子を描き始めました。
意外な才能を見ました。
オークレフトさんが描く川の景色は、まるで現物を写し取ったのかの様に精緻で本職の画家顔負けの画力でした。
あっという間に、川の風景を描き終えるとその横に、川の流量0、流れの速さ0と書き込みました。
0っていったい?
「とても絵がお上手なのですね。」
私が褒めると、オークレフトさんは褒められたことを喜ぶでもなく。
「そうですか?
僕は機械の設計をする前に、作ろうと考えている機械の形のデッサン画を作るのです。
そこに、寸法を当てはめて製図の図法に落としていくのが癖なんですよ。
ですから、出来る限り精緻なデッサン画を心掛けてはいるのですが。
そう言えば、風景を描くのは初めてですね。」
オークレフトさんは、普通の絵を描いたことが殆どないので、絵を褒められたことはないそうです。
この方にとってデッサン画は機械を作るためのプロセスにしか過ぎないようです。
私が褒めても、『ああそうですか』といった感じであまり嬉しくない様子です。
そんな方が、なぜ、突如としてここで風景画を描き始めたのでしょうか?
私は首を捻ったのでした。
その後も、オークレフトさんは急流や水量が多い所を見つけては、馬車を降ろすように希望したのです。
そして、地上に降りては川の風景を描き続けました。
その度に、ブリーゼちゃんに現在地を確認し、②、③と地図に書き込んで行きます。
白紙に描かれた精緻な風景画の横には、川の流量と流れの速さと書かれ、+やら-やらと記されていきます。
どうやら、最初の絵に描かれた0というのは基準を示しているようです。
二ヶ所目以降は最初の場所を基準に流量や流れの速さを示しているように見受けられます。
いったい、この方は何をしているのでしょうか?
だいたい、この方が停めて欲しいと願い出る場所は、皆が見てもあまり楽しい場所ではないのです。
ただ、流れが急で川の流量が多いというだけの場所ばかりでした。
一方で、普通の人には入り込めない場所にある、滝や湧水池などの美しい景観を見ても退屈そうにしていました。
せっかく、ブリーゼちゃんがみんなを喜ばせようと連れて行ってくれた場所ですのに。
私の疑問は募るばかりです。
**********
まる一日かけて近辺の川を見て回り、館に帰りついた時にはもう夕暮れ時でした。
乗り心地の良い馬車で移動しているとはいえ、一日中動き回ったことで皆一様に疲れた様子が伺えました。
そんな中で、なぜかオークレフトさんだけが元気で、ハツラツとした表情が伺えます。
普段はどちらかと言えばダウナーな雰囲気を漂わせていて、こんなにイキイキとした姿を見るのは初めてです。
オークレフトさんは馬車を降りるなり、何時になく張りのある声で言ったのです。
「いやあ、ここは素晴らしい土地です。
今日一日見て歩いた限りでは予想以上でした。
僕をこの土地に連れて来てくださり、本当に有り難うございます。
これから、ガンガン働きますので、期待してください。」
まあ、アルムの地を気に入って頂けたのなら何よりです。
オークレフトさんには多額の資金を提供する予定なので、ガンガン働いてもらうのは良いのですが…。
いったい何がこの方の琴線に触れたのでしょうか?
**********
「馬~!まずは、アルムの山の頂に向かうよ~!」
風の精霊ブリーゼちゃんの合図で、私達を乗せた馬車はこの辺りを流れる全ての川の源、アルム山脈の頂に向かいます。
ヴァイスはどんどんと高度を上げて行き、高度4千ヤードはあろうかという山の頂付近の高さまで上りました。
「すごーい!雲の上まで来ちゃった、こんな高さ初めて!」
雲海を突き抜けて雲の上に出た途端、アリィシャちゃんが歓声を上げました。
私もこの高さまで上ったのは初めてです。
雲を眼下に見下ろすことが出来るとは思いもよりませんでした。
ヴァイスは高度を保ったまま山肌に接近していきました。
眼下の山肌には厚く積もった雪が、初夏の今でも解けずに残っているのが伺えます。
「冬の間にこのアルム山脈に降り積もった雪が、解けて川となってこの辺り一帯を潤すの。
この付近の川の多くは、リーナの領地にあるシューネ湖に一旦注ぐわ。
シューネ湖から流れ出る川は何本かあるけど、全てルーネス川に合流してノルド海に流れているの。」
「凄いね、夏でもこんなに雪が残っているんだ。
ここに来れば、夏でも雪遊びが出来そうだね!」
アリィシャちゃんが無邪気にはしゃぎます。
ええ、ここまで気軽に来られるならばね…。
この峰々は、いわゆる探検家という人々の領域です。
私達はヴァイスのおかげで気軽に来れましたが、一般の人々の立ち入れる領域ではないのです。
「そうね、誰もがここまで気軽に来れるようになれば、それも楽しそうね。
それで、人を呼べそうだわ。」
それが可能なら、アルビオン王国に多数いるという有閑階級の人達を呼び寄せる良いエサになりそうです。
「冗談をお言いで無いよ。
こんな山の中に一般人が入り込もうものなら、遭難者続出さね。」
私の軽口にアガサさんのツッコミが入り、馬車の中が笑いに包まれました。
ただ一人、オークレフトさんだけは、笑いもせずにジッと外を見つめていました。
私達の会話を聞いていなかったのでしょうか。
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その後は谷に沿って山を下っていきます。
空中から地上を眺め、風光明媚な場所を見つけては着地して見て回りますが…。
あんなに川が見たいと言っていたオークレフトさんは、見事な景観の滝を見てもあまり楽しそうではありません。
しばらく山を下ると小さな沢が合流して、水量が増し急流になる様子が伺えます。
「シャルロッテ様、あの辺りで一度馬車を地上に降ろしていただけませんか?」
オークレフトさんが指差したのは、急流に面した一角、そこだけ馬車を数台置けそうな平坦な土地がありました。
見る限り、自然の産物で人為的に平坦地を造ったものではないようです。
平坦地に馬車を降ろすと地図を見ながら川べりまで歩いたオークレフトさんが言いました。
「風の精霊さん、ここが何処かわかりますか?」
「もちろんわかるよ~!じゃないと迷っちゃうじゃな~い!」
ブリーゼちゃんが広げられた地図の一角を指し示しました。
すると、オークレフトさんは脇に抱えたカバンから紙と鉛筆を取り出しました。
何をするのかと覗き込むと、地図の現在地に①と印をつけると白紙に①と書き猛烈な速さで川の様子を描き始めました。
意外な才能を見ました。
オークレフトさんが描く川の景色は、まるで現物を写し取ったのかの様に精緻で本職の画家顔負けの画力でした。
あっという間に、川の風景を描き終えるとその横に、川の流量0、流れの速さ0と書き込みました。
0っていったい?
「とても絵がお上手なのですね。」
私が褒めると、オークレフトさんは褒められたことを喜ぶでもなく。
「そうですか?
僕は機械の設計をする前に、作ろうと考えている機械の形のデッサン画を作るのです。
そこに、寸法を当てはめて製図の図法に落としていくのが癖なんですよ。
ですから、出来る限り精緻なデッサン画を心掛けてはいるのですが。
そう言えば、風景を描くのは初めてですね。」
オークレフトさんは、普通の絵を描いたことが殆どないので、絵を褒められたことはないそうです。
この方にとってデッサン画は機械を作るためのプロセスにしか過ぎないようです。
私が褒めても、『ああそうですか』といった感じであまり嬉しくない様子です。
そんな方が、なぜ、突如としてここで風景画を描き始めたのでしょうか?
私は首を捻ったのでした。
その後も、オークレフトさんは急流や水量が多い所を見つけては、馬車を降ろすように希望したのです。
そして、地上に降りては川の風景を描き続けました。
その度に、ブリーゼちゃんに現在地を確認し、②、③と地図に書き込んで行きます。
白紙に描かれた精緻な風景画の横には、川の流量と流れの速さと書かれ、+やら-やらと記されていきます。
どうやら、最初の絵に描かれた0というのは基準を示しているようです。
二ヶ所目以降は最初の場所を基準に流量や流れの速さを示しているように見受けられます。
いったい、この方は何をしているのでしょうか?
だいたい、この方が停めて欲しいと願い出る場所は、皆が見てもあまり楽しい場所ではないのです。
ただ、流れが急で川の流量が多いというだけの場所ばかりでした。
一方で、普通の人には入り込めない場所にある、滝や湧水池などの美しい景観を見ても退屈そうにしていました。
せっかく、ブリーゼちゃんがみんなを喜ばせようと連れて行ってくれた場所ですのに。
私の疑問は募るばかりです。
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まる一日かけて近辺の川を見て回り、館に帰りついた時にはもう夕暮れ時でした。
乗り心地の良い馬車で移動しているとはいえ、一日中動き回ったことで皆一様に疲れた様子が伺えました。
そんな中で、なぜかオークレフトさんだけが元気で、ハツラツとした表情が伺えます。
普段はどちらかと言えばダウナーな雰囲気を漂わせていて、こんなにイキイキとした姿を見るのは初めてです。
オークレフトさんは馬車を降りるなり、何時になく張りのある声で言ったのです。
「いやあ、ここは素晴らしい土地です。
今日一日見て歩いた限りでは予想以上でした。
僕をこの土地に連れて来てくださり、本当に有り難うございます。
これから、ガンガン働きますので、期待してください。」
まあ、アルムの地を気に入って頂けたのなら何よりです。
オークレフトさんには多額の資金を提供する予定なので、ガンガン働いてもらうのは良いのですが…。
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