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第7章 できることから始めましょう
第149話 幼少の頃の話を聞かされるのは辛いです
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「ちょっと待って~!」
あのあとヴァイスは宝物庫の中に堆く積まれた鉄と銅のインゴットを全て山中にあるという洞窟に送ってくれました。
そして、ヴァイスに迫られてその背中に乗ろうとした時です。
風の精霊ブリーゼちゃんが待ったを掛けました。
「どうしたのブリーゼちゃん、まだ何かすることがあるの?」
「お菓子が欲しいの~!た~くさん!
この間のショコラーデがいいかな~!
まだある~?」
おや、珍しいこともあるモノです。
精霊の方からお菓子を催促されたのは初めてです。
「なに?森に持って行ってみんなでおやつにするの?」
「うん!、そんなところだよ~!」
まあ、良いでしょう。
日頃お世話になっている事を思えば、このくらいは可愛いものです。
ショコラーデは日持ちがするので、アルビオン王国から大量に買い込んできました。
それも、転移で送ったのでここに着いているはずですが…。
「アインちゃん、ショコラーデも大量に送ったのだけど何処にあるかわかる?」
「もう、ロッテちゃんたら、買い込み過ぎよ!
厨房のパントリーに収めきれないから、まだここに残っているのよ。」
ブラウニーのアインちゃんからお小言をもらってしまいました…。
私がお願いするとアインちゃんは、ショコラーデが入った化粧箱を十箱ほど布袋に詰めて出してきました。
一箱にショコラーデが二十粒入っていますので、これだけあれば食いしん坊の精霊達も満足でしょう。
私がショコラーデを詰めた布袋を抱えてヴァイスの背に跨ると、その前にチョコンと座ったブリーゼちゃんの声が掛かります。
「じゃあ行くよ~!馬!揺らすんじゃないわよ~!」
「ようやく主が我の背に跨ってくれるのだ、揺らす訳がなかろう。
最高の乗り心地を味わってもらおうではないか。」
ヴァイスはそう答えると、静かに立ち上がり、ゆっくりと空へ舞い上がります。
さあ、裏山の探検に出発です。
**********
ヴァイスが自信満々に言うようにヴァイスの乗り心地は最高でした。
馬具を付けていないのに、乗っていて全く危なげなところを感じません。
私の館の裏山、峰が幾つか私の領地という事になっていますが奥深く立ち入るのは初めてです。
館の敷地に面した森の浅い場所は薪拾いや山菜採りのためによく立ち入りますが、何分森が深いのです。
迂闊に立ち入ると遭難しそうなので、今まで立ち入ったことがありませんでした。
立ち入る必要も無かったものですから…。
「馬~!あそこの泉の畔に一旦降りよ~う。」
しばらく、森の上空を飛んでいるとブリーゼちゃんがヴァイスに何やら指示を飛ばしました。
どうやら、地上に降りるようですが、ここが目的地と言う訳ではないようです。
「なんだ、風の。
主をここの住人に紹介するために、我の洞窟へ行くことを勧めたのか。」
ヴァイスと契約した時に、この森は動物型の精霊達が住まう場所だと聞かされました。
他の動物の姿をした精霊達を紹介してくれるのでしょうか。
願わくばヴァイスの様な性癖の精霊は遠慮したいところです。角の生えた馬とか…。
「凄い澄んだ泉、何処か神聖さを感じるくらいの透明感…。」
ヴァイスが降り立った小さな池の畔、澄んだ水の底からポコポコと水が湧き出ししているのがうかがえます。
私がその水の清らかさに驚嘆していると…。
「そりゃあ、私が守っているのだからね。
少しの濁りも見逃しはしないよ。」
いつの間にか私の傍らに浮かんでいた水の精霊が誇らし気に言いました。
「なんだい、久しぶりに懐かしい気配を感じて出てきてみれば孫娘かい。
ずいぶん大きくなったものだね。
前見た時は、私と変わらない背丈だったのにね。」
いえ、十インチサイズだったことはないと思います。生まれたてだとしても…。
「私のことを知っているのですか?」
「あんた、ロッテと言ったかね。
知っているも何も、わたしゃ、あんたの婆さんと契約しとって。
長らくあの館に住み着いてたんだよ。
なんだい、あんた、覚えていないかい。
あんたが小さい頃は良く世話してやったつもりなんだけどねえ。」
そんな物心つく前のことを言われても…。
「あっ、ではおばあ様の契約していた精霊さん達はみんなここにいるのですか。
おばあ様が亡くなってから何処へ行ってしまったのかと思っていたのですが。」
「みんながみんなではないけど、この辺にいるのが多いね。
風の奴みたいに落ち着きがなく、飛び回っている奴もいるからね。」
私は契約者を亡くした精霊がどこに行ってしまうのか気になっていたと、水の精霊に話しました。
「別に契約者が亡くなっても姿を消すとは限らんよ。
契約者を無くした精霊がその子供や孫と再び契約を交わすことだってあるし。
何食わぬ顔でその場所に留まる精霊だっておる、基本的に精霊は自由気ままだからね。
ロッテの所から姿を消したのは、お前の母親もお前もたくさんの精霊に囲まれていたからさね。
口うるさいのがたくさんおったら、ロッテ達が難儀するだろうってな。
それに、ここにはこんなに居心地よい森がある。
私ら精霊は自然と共にある存在さね。
館に留まっているより、ここに居った方がよっぽど自然な姿だからね。」
どうやら、おばあ様の契約精霊は、私達やその契約精霊達に気を使わせないように館を立ち去ったようです。
でも、この水の精霊、おばあ様と契約していたので相当長い年月を生きているのでしょう。
見た目がブリーゼちゃんと変わらない若々しさなのに、話し方が年配の方のようで違和感ありありです。
水の精霊とそんな話をしていると…。
「なんだ、珍しく人の気配を感じて来てみれば、ロッテじゃないかい。」
そんな風に声を掛けてくれた大地の精霊を筆頭に次々と精霊達が集まり始めました。
ああ、そうですか。
ブリーゼちゃんはこの森に住む精霊達に私を会わせたかったのですね。
私が視線を送ると、ブリーゼちゃんはニッコリと笑って頷きました。
「これ皆さんで、召し上がってください。
ショコラーデという海の向こうから持ってきたお菓子です。」
「おや、手土産を持ってくるなんて、中々気が利くじゃないかい。
本当に、出来の良い娘に育ったねえ。
人間の菓子など久しぶりだ、早速みんなで頂くとしようか。」
私の手からお菓子を受け取ると、早速、精霊達はショコラーデに齧りつきます。
自分の頭ほどの大きさのショコラーデを抱えて齧る姿は、ドングリを齧るリスのようでとても愛らしいです。
精霊達はショコラーデを齧りながら、私を置き去りにして昔話に花を咲かせ始めました。
私の夜泣きが酷かった話とか、私がお漏らしをした時の話とか…。
その時、私は赤面しながら思いました。
たしかに、幼少の時の恥ずかしい話をする人達が、いつも傍にいたら堪らないなと。
穴があったら入りたい気持ちで精霊達の話を聞かされることしばし。
「私らはいつもこの森にいるからね。
何か困ったことがあったら、訪ねておいで。
何時でも力になってあげるよ。」
頼もしい言葉を掛けてくれた水の精霊に見送られて私達は池の畔を後にしました。
そう言えば、母の契約精霊を見かけませんでしたね、何処へ行ったのかしら…。
あのあとヴァイスは宝物庫の中に堆く積まれた鉄と銅のインゴットを全て山中にあるという洞窟に送ってくれました。
そして、ヴァイスに迫られてその背中に乗ろうとした時です。
風の精霊ブリーゼちゃんが待ったを掛けました。
「どうしたのブリーゼちゃん、まだ何かすることがあるの?」
「お菓子が欲しいの~!た~くさん!
この間のショコラーデがいいかな~!
まだある~?」
おや、珍しいこともあるモノです。
精霊の方からお菓子を催促されたのは初めてです。
「なに?森に持って行ってみんなでおやつにするの?」
「うん!、そんなところだよ~!」
まあ、良いでしょう。
日頃お世話になっている事を思えば、このくらいは可愛いものです。
ショコラーデは日持ちがするので、アルビオン王国から大量に買い込んできました。
それも、転移で送ったのでここに着いているはずですが…。
「アインちゃん、ショコラーデも大量に送ったのだけど何処にあるかわかる?」
「もう、ロッテちゃんたら、買い込み過ぎよ!
厨房のパントリーに収めきれないから、まだここに残っているのよ。」
ブラウニーのアインちゃんからお小言をもらってしまいました…。
私がお願いするとアインちゃんは、ショコラーデが入った化粧箱を十箱ほど布袋に詰めて出してきました。
一箱にショコラーデが二十粒入っていますので、これだけあれば食いしん坊の精霊達も満足でしょう。
私がショコラーデを詰めた布袋を抱えてヴァイスの背に跨ると、その前にチョコンと座ったブリーゼちゃんの声が掛かります。
「じゃあ行くよ~!馬!揺らすんじゃないわよ~!」
「ようやく主が我の背に跨ってくれるのだ、揺らす訳がなかろう。
最高の乗り心地を味わってもらおうではないか。」
ヴァイスはそう答えると、静かに立ち上がり、ゆっくりと空へ舞い上がります。
さあ、裏山の探検に出発です。
**********
ヴァイスが自信満々に言うようにヴァイスの乗り心地は最高でした。
馬具を付けていないのに、乗っていて全く危なげなところを感じません。
私の館の裏山、峰が幾つか私の領地という事になっていますが奥深く立ち入るのは初めてです。
館の敷地に面した森の浅い場所は薪拾いや山菜採りのためによく立ち入りますが、何分森が深いのです。
迂闊に立ち入ると遭難しそうなので、今まで立ち入ったことがありませんでした。
立ち入る必要も無かったものですから…。
「馬~!あそこの泉の畔に一旦降りよ~う。」
しばらく、森の上空を飛んでいるとブリーゼちゃんがヴァイスに何やら指示を飛ばしました。
どうやら、地上に降りるようですが、ここが目的地と言う訳ではないようです。
「なんだ、風の。
主をここの住人に紹介するために、我の洞窟へ行くことを勧めたのか。」
ヴァイスと契約した時に、この森は動物型の精霊達が住まう場所だと聞かされました。
他の動物の姿をした精霊達を紹介してくれるのでしょうか。
願わくばヴァイスの様な性癖の精霊は遠慮したいところです。角の生えた馬とか…。
「凄い澄んだ泉、何処か神聖さを感じるくらいの透明感…。」
ヴァイスが降り立った小さな池の畔、澄んだ水の底からポコポコと水が湧き出ししているのがうかがえます。
私がその水の清らかさに驚嘆していると…。
「そりゃあ、私が守っているのだからね。
少しの濁りも見逃しはしないよ。」
いつの間にか私の傍らに浮かんでいた水の精霊が誇らし気に言いました。
「なんだい、久しぶりに懐かしい気配を感じて出てきてみれば孫娘かい。
ずいぶん大きくなったものだね。
前見た時は、私と変わらない背丈だったのにね。」
いえ、十インチサイズだったことはないと思います。生まれたてだとしても…。
「私のことを知っているのですか?」
「あんた、ロッテと言ったかね。
知っているも何も、わたしゃ、あんたの婆さんと契約しとって。
長らくあの館に住み着いてたんだよ。
なんだい、あんた、覚えていないかい。
あんたが小さい頃は良く世話してやったつもりなんだけどねえ。」
そんな物心つく前のことを言われても…。
「あっ、ではおばあ様の契約していた精霊さん達はみんなここにいるのですか。
おばあ様が亡くなってから何処へ行ってしまったのかと思っていたのですが。」
「みんながみんなではないけど、この辺にいるのが多いね。
風の奴みたいに落ち着きがなく、飛び回っている奴もいるからね。」
私は契約者を亡くした精霊がどこに行ってしまうのか気になっていたと、水の精霊に話しました。
「別に契約者が亡くなっても姿を消すとは限らんよ。
契約者を無くした精霊がその子供や孫と再び契約を交わすことだってあるし。
何食わぬ顔でその場所に留まる精霊だっておる、基本的に精霊は自由気ままだからね。
ロッテの所から姿を消したのは、お前の母親もお前もたくさんの精霊に囲まれていたからさね。
口うるさいのがたくさんおったら、ロッテ達が難儀するだろうってな。
それに、ここにはこんなに居心地よい森がある。
私ら精霊は自然と共にある存在さね。
館に留まっているより、ここに居った方がよっぽど自然な姿だからね。」
どうやら、おばあ様の契約精霊は、私達やその契約精霊達に気を使わせないように館を立ち去ったようです。
でも、この水の精霊、おばあ様と契約していたので相当長い年月を生きているのでしょう。
見た目がブリーゼちゃんと変わらない若々しさなのに、話し方が年配の方のようで違和感ありありです。
水の精霊とそんな話をしていると…。
「なんだ、珍しく人の気配を感じて来てみれば、ロッテじゃないかい。」
そんな風に声を掛けてくれた大地の精霊を筆頭に次々と精霊達が集まり始めました。
ああ、そうですか。
ブリーゼちゃんはこの森に住む精霊達に私を会わせたかったのですね。
私が視線を送ると、ブリーゼちゃんはニッコリと笑って頷きました。
「これ皆さんで、召し上がってください。
ショコラーデという海の向こうから持ってきたお菓子です。」
「おや、手土産を持ってくるなんて、中々気が利くじゃないかい。
本当に、出来の良い娘に育ったねえ。
人間の菓子など久しぶりだ、早速みんなで頂くとしようか。」
私の手からお菓子を受け取ると、早速、精霊達はショコラーデに齧りつきます。
自分の頭ほどの大きさのショコラーデを抱えて齧る姿は、ドングリを齧るリスのようでとても愛らしいです。
精霊達はショコラーデを齧りながら、私を置き去りにして昔話に花を咲かせ始めました。
私の夜泣きが酷かった話とか、私がお漏らしをした時の話とか…。
その時、私は赤面しながら思いました。
たしかに、幼少の時の恥ずかしい話をする人達が、いつも傍にいたら堪らないなと。
穴があったら入りたい気持ちで精霊達の話を聞かされることしばし。
「私らはいつもこの森にいるからね。
何か困ったことがあったら、訪ねておいで。
何時でも力になってあげるよ。」
頼もしい言葉を掛けてくれた水の精霊に見送られて私達は池の畔を後にしました。
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