141 / 580
第6章 異国の地を旅します
第139話 拉致だなんて人聞きの悪い…
しおりを挟む
「えっ、アクアちゃん、なに?」
私の目の前に突然現れた水の精霊アクアちゃん、両手を腰に当てて私を叱るような仕種をしています。
「首尾は上々じゃないです。
ロッテちゃんはこの国に来た目的を忘れてしまったのですか?」
「私の目的?
蒸気機関を見ること?新しい技術に触れること?」
「それは、ロッテちゃん自身の目的です。
他に頼まれたことがありましたでしょう、お祖父さまから。」
「あれ、もう終わったでしょう。」
アルビオン王国のミリアム首相にお祖父さまからの親書を手渡すこと。
親書の内容は、帝国からアルビオン王国に対し対セルベチアの同盟を持ち掛けるものでした。
重要な事でしたので、この国に着いて真っ先に済ませました。
議会の説得が難しいと同盟締結に消極的な姿勢を見せるミリアム首相に、セルベアがアルビオン王国に対する侵攻計画を進めているという情報を手土産に。
これ以上は私の関知するところではないと思います。
「ええ、ロッテちゃんはあの件に関し何の権限もございません。
しかし、あの親書の内容を知り、自身も大陸に戦火が広がるのを望まないロッテちゃんがあの件を妨害するのは如何なものかと思います。」
オークレフトさんが側にいることを気遣ってでしょう、アクアちゃんは『同盟締結』のことを『あの件』と言っています。
同盟締結のことは極秘事項ですからね、人間の大人並みの気配りです。
「妨害?私、何か妨害になるようなことをしたかしら。」
首を捻る私にアクアちゃんは呆れた顔をして語気を強めました。
「現に今したではないですか。
ロッテちゃんは渋るアルビオン王国の首相をどうやって交渉のテーブルに着かせたのですか。
アルビオン王国侵攻の情報をエサに、セルベチアに対する危機感を煽ったのでしょう。
ここまで徹底的にやってしまったら、セルベチア軍がアルビオン王国侵攻作戦を遂行することは不可能です。
アルビオン王国の議会は元々セルベチアと敵対することに消極的だったのでしょう。
アルビオン王国に対する脅威が去ったとなれば、議会はあの件に対し反対に回りますよ。
あの件をスムーズに成就させるためには、侵攻作戦を遂行するために必要なギリギリの戦力は残しておくべきだったのです。
ロッテちゃんたちはやり過ぎです。」
アクアちゃんに指摘されて、ようやく私は自分のミスに気が付きました。
セルベチアのアルビオン王国侵攻計画に危機感を持ったことから、アルビオン王国は同盟締結に前向きに取り組んでくれることになりました。
同盟締結のための前提として、セルベチアのアルビオン王国侵攻計画ありきなのです。
もし、セルベチアにアルビオン王国へ侵攻するだけの戦力がないと分かれば、アルビオンの議会は安心してしまい帝国との同盟締結に反対するかもしれません。
理想的なのは、アルビオン王国侵攻作戦を遂行するために必要なギリギリの戦力をセルベチアに残しておくこと。
それによって、アルビオン王国に危機感を持たせ帝国と同盟を結ばせます。
そして、狭い海峡を挟んで両国が睨み合いをする状況を作り、戦端を開かせないことです。
アルビオン王国は植民地支配に重点をおいていて、大陸内で戦力を消耗するのには消極的なようです。
一方のセルベチアもギリギリの戦力しか残されていなければ強引に侵攻することはないでしょう。
結果として海峡を挟んで両国が睨み合いを続けることになります。
アルビオン王国のけん制により、セルベチアが大陸方面での侵攻の手を緩めてくれれば、戦が苦手なお祖父さまの思惑通りになるのですが…。
そう、うまくいくかどうかは私の関知するところではありませんが。
それはともかく、大陸で戦火を広げないために、アルビオン王国に帝国との同盟締結はさせないといけません。
なにか、セルベチアがアルビオン王国にとって脅威である証拠を探さないといけませんね。
**********
「これから、家探しをします。
オークレフトさんも手伝ってください。」
「えっ、いったい何を探すのですか?」
「あの皇帝の事です、今回の作戦が失敗してもすんなりと諦めてくれるとは思えません。
作戦が不調に終わった時の対応についても、何らかの指示が出されていると思います。
アルビオン王国侵攻作戦の全容が分かる書類を探すのです。」
そう言って、私はオークレフトさんを引き摺るようにセルベチア軍の施設に向かいました。
港の中で一番立派な建物に当たりを付けて、廊下を歩いていて見つけました。
その部屋の扉には『作戦司令部』と記されたプレートが掲げられています。
部屋の扉を潜ると部屋の真ん中に大きなテーブルが置かれているのが見えました。
ちょうど会議中だったのでしょう、六人の男性がテーブルに伏すように眠りについています。
テーブルの中央にはアルビオン王国の地図が広げられ、眠っている人の前には書類が置かれています。
テーブルのホスト席には、一際立派な軍服を身に着けた男性がうつ伏していました。
私はその男性の手元に置かれた書類を一式手に取って内容を検めました。
その中に、『第一次アルビオン王国侵攻部隊 作戦指示書』と書かれた書類の綴りがありました。
どうやら、これが現在集結中の部隊に対する中央からの作戦指示書のようです。
これは頂戴していきましょう。
そうやって、書類をめくっていくと、作戦指示書に添付されていたのでしょう皇帝からの檄文が混じっていました。
そこは、アルビオン王国を支配下に置くことはセルベチアにとって長年の悲願であること、皇帝はそれを達成すべく不退転の決意で臨んでいること、大陸に覇を唱えるためにはアルビオン王国の豊富な鉄と石炭が不可欠であること、セルベチアの発展にはアルビオン王国の持つ広大な植民地を手中に収める必要があることなどが書き連ねてあり、そのために死ぬ気で頑張れと檄が飛ばされていました。
いや、死ぬ気で頑張れと言われても、言われた方は困りますよね。
戦場で死ぬ気で頑張ったら本当に死んでしまいますもの…。
それはともかく、その檄文の中には、『自分が皇帝である限りアルビオン王国を支配下に治めるまで何度でも侵攻を繰り返す』と記されています。
これで良いでしょう、この檄文を作戦指示書と一緒にミリアム首相に届けて、事情を説明しましょうか。
そう考えながら室内を見回すと面白い物が目につきました。
壁の一面に掲げられた黒い板、縦二ヤード、幅四ヤードほどのその板には白い線でアルビオン王国の略図が描かれていました。
その壁にもたれかかるように寝ている人がいるところをみると、作戦の内容をこの板に描いて確認していたようです。
板に近づいてみると、板の下部には受け皿があり白い棒状の物が置かれています。
それを手にして黒い板に文字を書いてみると、見易くはっきりと文字が書けました。しかも、軽く擦ると消すこともできます。
これ良いです、子供に読み書き計算を教えるのに使えそうです。
私はオークレフトさんに指示して、黒い板を壁から外してもらいました。
重量があるようなので、そのまま床に敷いた転移魔法の発動媒体の上に降ろしてもらいます。
もちろん、アルムハイムへ転送しました。
思わぬところで、中々重宝しそうなものを手に入れることができてラッキーでしたね。
さて後は、…。
「シャルロッテ様、いったい何をなさるので?
その方をどうするおつもりですか?」
先程、書類を失敬した一番偉そうな方を魔法で宙に浮かせていると、オークレフトさんが尋ねてきました。
「いえ、この方がこの中で一番偉そうでしたので、連れ帰ってアルビオン王国侵攻作戦の全容を証言してもらおうかと。
ミリアム首相への手土産ですよ。」
前回、連れてきた海軍の提督は作戦の全容は知らないようでした。
彼の言葉によればここで詳しい作戦内容を聞くことになっていたようですので。
今回、この方を連れ帰って作戦の全容を証言していただこうと思います。
同時に、檄文にあったように皇帝はアルビオン王国を執拗に狙っていることを証言して頂ければ御の字ですから。
「シャルロッテ様、今度は要人拉致ですか…。」
オークレフトさんの言葉に心底呆れたというニュアンスが感じて取れます。
要人拉致なんて失礼な、捕虜を一名確保しただけではないですか。
私の目の前に突然現れた水の精霊アクアちゃん、両手を腰に当てて私を叱るような仕種をしています。
「首尾は上々じゃないです。
ロッテちゃんはこの国に来た目的を忘れてしまったのですか?」
「私の目的?
蒸気機関を見ること?新しい技術に触れること?」
「それは、ロッテちゃん自身の目的です。
他に頼まれたことがありましたでしょう、お祖父さまから。」
「あれ、もう終わったでしょう。」
アルビオン王国のミリアム首相にお祖父さまからの親書を手渡すこと。
親書の内容は、帝国からアルビオン王国に対し対セルベチアの同盟を持ち掛けるものでした。
重要な事でしたので、この国に着いて真っ先に済ませました。
議会の説得が難しいと同盟締結に消極的な姿勢を見せるミリアム首相に、セルベアがアルビオン王国に対する侵攻計画を進めているという情報を手土産に。
これ以上は私の関知するところではないと思います。
「ええ、ロッテちゃんはあの件に関し何の権限もございません。
しかし、あの親書の内容を知り、自身も大陸に戦火が広がるのを望まないロッテちゃんがあの件を妨害するのは如何なものかと思います。」
オークレフトさんが側にいることを気遣ってでしょう、アクアちゃんは『同盟締結』のことを『あの件』と言っています。
同盟締結のことは極秘事項ですからね、人間の大人並みの気配りです。
「妨害?私、何か妨害になるようなことをしたかしら。」
首を捻る私にアクアちゃんは呆れた顔をして語気を強めました。
「現に今したではないですか。
ロッテちゃんは渋るアルビオン王国の首相をどうやって交渉のテーブルに着かせたのですか。
アルビオン王国侵攻の情報をエサに、セルベチアに対する危機感を煽ったのでしょう。
ここまで徹底的にやってしまったら、セルベチア軍がアルビオン王国侵攻作戦を遂行することは不可能です。
アルビオン王国の議会は元々セルベチアと敵対することに消極的だったのでしょう。
アルビオン王国に対する脅威が去ったとなれば、議会はあの件に対し反対に回りますよ。
あの件をスムーズに成就させるためには、侵攻作戦を遂行するために必要なギリギリの戦力は残しておくべきだったのです。
ロッテちゃんたちはやり過ぎです。」
アクアちゃんに指摘されて、ようやく私は自分のミスに気が付きました。
セルベチアのアルビオン王国侵攻計画に危機感を持ったことから、アルビオン王国は同盟締結に前向きに取り組んでくれることになりました。
同盟締結のための前提として、セルベチアのアルビオン王国侵攻計画ありきなのです。
もし、セルベチアにアルビオン王国へ侵攻するだけの戦力がないと分かれば、アルビオンの議会は安心してしまい帝国との同盟締結に反対するかもしれません。
理想的なのは、アルビオン王国侵攻作戦を遂行するために必要なギリギリの戦力をセルベチアに残しておくこと。
それによって、アルビオン王国に危機感を持たせ帝国と同盟を結ばせます。
そして、狭い海峡を挟んで両国が睨み合いをする状況を作り、戦端を開かせないことです。
アルビオン王国は植民地支配に重点をおいていて、大陸内で戦力を消耗するのには消極的なようです。
一方のセルベチアもギリギリの戦力しか残されていなければ強引に侵攻することはないでしょう。
結果として海峡を挟んで両国が睨み合いを続けることになります。
アルビオン王国のけん制により、セルベチアが大陸方面での侵攻の手を緩めてくれれば、戦が苦手なお祖父さまの思惑通りになるのですが…。
そう、うまくいくかどうかは私の関知するところではありませんが。
それはともかく、大陸で戦火を広げないために、アルビオン王国に帝国との同盟締結はさせないといけません。
なにか、セルベチアがアルビオン王国にとって脅威である証拠を探さないといけませんね。
**********
「これから、家探しをします。
オークレフトさんも手伝ってください。」
「えっ、いったい何を探すのですか?」
「あの皇帝の事です、今回の作戦が失敗してもすんなりと諦めてくれるとは思えません。
作戦が不調に終わった時の対応についても、何らかの指示が出されていると思います。
アルビオン王国侵攻作戦の全容が分かる書類を探すのです。」
そう言って、私はオークレフトさんを引き摺るようにセルベチア軍の施設に向かいました。
港の中で一番立派な建物に当たりを付けて、廊下を歩いていて見つけました。
その部屋の扉には『作戦司令部』と記されたプレートが掲げられています。
部屋の扉を潜ると部屋の真ん中に大きなテーブルが置かれているのが見えました。
ちょうど会議中だったのでしょう、六人の男性がテーブルに伏すように眠りについています。
テーブルの中央にはアルビオン王国の地図が広げられ、眠っている人の前には書類が置かれています。
テーブルのホスト席には、一際立派な軍服を身に着けた男性がうつ伏していました。
私はその男性の手元に置かれた書類を一式手に取って内容を検めました。
その中に、『第一次アルビオン王国侵攻部隊 作戦指示書』と書かれた書類の綴りがありました。
どうやら、これが現在集結中の部隊に対する中央からの作戦指示書のようです。
これは頂戴していきましょう。
そうやって、書類をめくっていくと、作戦指示書に添付されていたのでしょう皇帝からの檄文が混じっていました。
そこは、アルビオン王国を支配下に置くことはセルベチアにとって長年の悲願であること、皇帝はそれを達成すべく不退転の決意で臨んでいること、大陸に覇を唱えるためにはアルビオン王国の豊富な鉄と石炭が不可欠であること、セルベチアの発展にはアルビオン王国の持つ広大な植民地を手中に収める必要があることなどが書き連ねてあり、そのために死ぬ気で頑張れと檄が飛ばされていました。
いや、死ぬ気で頑張れと言われても、言われた方は困りますよね。
戦場で死ぬ気で頑張ったら本当に死んでしまいますもの…。
それはともかく、その檄文の中には、『自分が皇帝である限りアルビオン王国を支配下に治めるまで何度でも侵攻を繰り返す』と記されています。
これで良いでしょう、この檄文を作戦指示書と一緒にミリアム首相に届けて、事情を説明しましょうか。
そう考えながら室内を見回すと面白い物が目につきました。
壁の一面に掲げられた黒い板、縦二ヤード、幅四ヤードほどのその板には白い線でアルビオン王国の略図が描かれていました。
その壁にもたれかかるように寝ている人がいるところをみると、作戦の内容をこの板に描いて確認していたようです。
板に近づいてみると、板の下部には受け皿があり白い棒状の物が置かれています。
それを手にして黒い板に文字を書いてみると、見易くはっきりと文字が書けました。しかも、軽く擦ると消すこともできます。
これ良いです、子供に読み書き計算を教えるのに使えそうです。
私はオークレフトさんに指示して、黒い板を壁から外してもらいました。
重量があるようなので、そのまま床に敷いた転移魔法の発動媒体の上に降ろしてもらいます。
もちろん、アルムハイムへ転送しました。
思わぬところで、中々重宝しそうなものを手に入れることができてラッキーでしたね。
さて後は、…。
「シャルロッテ様、いったい何をなさるので?
その方をどうするおつもりですか?」
先程、書類を失敬した一番偉そうな方を魔法で宙に浮かせていると、オークレフトさんが尋ねてきました。
「いえ、この方がこの中で一番偉そうでしたので、連れ帰ってアルビオン王国侵攻作戦の全容を証言してもらおうかと。
ミリアム首相への手土産ですよ。」
前回、連れてきた海軍の提督は作戦の全容は知らないようでした。
彼の言葉によればここで詳しい作戦内容を聞くことになっていたようですので。
今回、この方を連れ帰って作戦の全容を証言していただこうと思います。
同時に、檄文にあったように皇帝はアルビオン王国を執拗に狙っていることを証言して頂ければ御の字ですから。
「シャルロッテ様、今度は要人拉致ですか…。」
オークレフトさんの言葉に心底呆れたというニュアンスが感じて取れます。
要人拉致なんて失礼な、捕虜を一名確保しただけではないですか。
0
お気に入りに追加
323
あなたにおすすめの小説
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
夫に用無しと捨てられたので薬師になって幸せになります。
光子
恋愛
この世界には、魔力病という、まだ治療法の見つかっていない未知の病が存在する。私の両親も、義理の母親も、その病によって亡くなった。
最後まで私の幸せを祈って死んで行った家族のために、私は絶対、幸せになってみせる。
たとえ、離婚した元夫であるクレオパス子爵が、市民に落ち、幸せに暮らしている私を連れ戻そうとしていても、私は、あんな地獄になんか戻らない。
地獄に連れ戻されそうになった私を救ってくれた、同じ薬師であるフォルク様と一緒に、私はいつか必ず、魔力病を治す薬を作ってみせる。
天国から見守っているお義母様達に、いつか立派な薬師になった姿を見てもらうの。そうしたら、きっと、私のことを褒めてくれるよね。自慢の娘だって、思ってくれるよね――――
不定期更新。
この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
「婚約を破棄したい」と私に何度も言うのなら、皆にも知ってもらいましょう
天宮有
恋愛
「お前との婚約を破棄したい」それが伯爵令嬢ルナの婚約者モグルド王子の口癖だ。
侯爵令嬢ヒリスが好きなモグルドは、ルナを蔑み暴言を吐いていた。
その暴言によって、モグルドはルナとの婚約を破棄することとなる。
ヒリスを新しい婚約者にした後にモグルドはルナの力を知るも、全てが遅かった。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる