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第5章 渡りに船と言いますが…
第102話 あの馬(?)の出番です
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ステラちゃんとの話しが済んだところで、私はソファーの後ろに控えるカーラに尋ねました。
「カーラ、例の物は届いたかしら?」
カーラは背筋を伸ばした奇麗な姿勢で答えます。
この子、ヘレーネさんに預けてから本当に立ち居振る舞いに品が備わりました。
今はどこへ連れて行っても恥ずかしくない貴族家に仕える侍女です。
「はい、お嬢様。
先程、首相のお遣いの方が見えられて置いて行かれました。」
「そう、じゃあちょっと、みんなで見に行きましょうか。
そうね、面白いモノを見せてあげるからステラちゃんも一緒に来れば良いわ。」
私がそう言って手を差し出すと、ステラちゃんは手のひらの上に乗りながら…。
「良いモノ?何かしら?」
そう尋ねてきます。
「そう、良いモノよ。何かは見てのお楽しみという事でね。」
私は手のひらのステラちゃんを肩の上に移しながら答えたのです。
それは、玄関の前、ロータリーになっている一角に置かれていました。
「これはまた、ミリアム首相も奮発してくださったわね。
いったい、幾らくらいするのかしら?」
私は思わず呟きをもらしました。
「これが良いモノ?
確かに、立派な馬車だけど…。
もったいぶるようなモノなの?
貴族の家には一台くらいあるのが当たり前でしょう。
ロッテは一国の王なのだから、このくらい立派なのが普通じゃないの?」
肩の上でステラちゃんがこぼしました。
そう、目の前には大人六人は余裕で乗れるような立派な黒塗りの馬車が置かれています。
リムジンという種類の大型の高級馬車だそうです。
これはミリアム首相からのプレゼントです。
私としては、戦列艦のお礼としてはこの館の口利きだけで十分だったのですが。
自分で探したのでは、おそらくはこの館に巡り合うことは出来なかったでしょうから。
「貴族が屋敷を構える以上、馬車の一台もないとないと格好がつかないであろう。
ここは、私にプレゼントさせてもらえないであろうか。
あの戦列艦のお礼が屋敷の紹介だけというのは何とも申し訳ない。」
そうおっしゃって、馬車を一台贈呈してくださったのです。
黒塗りの扉の部分には金箔であしらわれた私の家の紋章が輝きます。
良く数日で紋章を入れることが出来たものだと感心します。
でも、ステラちゃんに見せたかったのはこの馬車ではありません。
「ヴァイス、出てきてちょうだい。」
私は宙に向かって呼びかけます。
「ああ、主。承知した。」
そう言って、馬車の前にペガサスのヴァイスが現れました。
「ええええっ、神馬!
ロッテ、あなた、神馬なんか飼っているの?」
「飼っているなどと失礼な。
我と主とは対等な契約関係であるぞ。
それに、神馬なんてモノになった覚えはない。
我はおぬしと同じ精霊であるぞ。」
ステラちゃんが漏らした驚きの言葉に、すかさずヴァイスが苦言を呈しました。
「あら、ごめんなさい。
でも、この国の民間伝承では有翼の馬は神の騎乗する馬、神馬と言われているのよ。
私、何百年も生きてきたけど、馬型の精霊に会うのは初めてだったものだから知らなかったわ。
私はステラ、この家に憑くブラウニーなの。これからよろしくね。」
「分かればよいのだ。
我の名はヴァイス、よろしく頼むぞ。」
なんか、ヴァイスが偉そうです、性癖異常者のくせして…。
「で、ヴァイス、外出する際にこの馬車を引いて欲しいのだけど、頼めるかな。」
「もちろんである。契約した時に申したであろう。
主が我に騎乗してくれるのであれば、馬車でも何でも喜んで引こうと。」
純潔の娘を背中に乗せて悦ぶ馬、私のお尻の感触を背中で味わっているらしいです…。
なんかなあ…。
「試しに、引いてみてくれるかな。
御者はいらないって言っていたけど、街中を走るのに御者がいないと変よね。
カーラ、あなた、形だけでいいから御者台に座って手綱を握っていて。」
「ああ、いいとも。」
「はい、お嬢様、承知致しました。」
そう言って、カーラがヴァイスを馬車に連結し始めます。
馬車に馬を繋ぐことなどできるのかと思っていたら、これもヘレーネさんから指導されたそうです。
あの人、本当に何でもできるのですね。
馬車にヴァイスをつなぎ終わると、リーナとアリィシャちゃんを連れて車内に乗り込みます。
もちろん、私の肩の上にはステラちゃんが腰掛けたままです。
「この馬車、とても良い造りですわ。
スプリングも利いているようですし、座席も非常に良い物を使っています。
これならば乗り心地も良いと思いますよ。」
馬車に乗り込んだリーナが感想をもらしました。
リーナが言う通り、馬車は王族のリーナが使っているものと遜色ない立派な造りでした。
座面もクッションが利いていて座り心地がとても良いです。
カーラを御者台に座らせて、ヴァイスに走ってもらいます。
普通、このサイズの馬車は四頭引き、場合によっては六頭引きらしいですが。
さすが馬型の精霊、ヴァイスだけで楽々馬車を引き始めました。
敷地の中の道を何周かしてもらいましたが、スプリングが利いていて非常に快適な馬車でした。
ヴァイスの方も然して負担にはなっていないようです。
ヴァイスの言う通り、御者がいなくともヴァイスがちゃんと考えて走らせてくれているようで、カーブなどもスムーズです。
御者台に座るカーラは手持ち無沙汰の様でした。
「ヴァイス、屋敷の外から見えないくらいの低さで飛んでみてもらえるかな?」
私は馬車の窓からヴァイスの呼びかけました。
「えっ、ロッテお姉ちゃん、この馬車飛ぶの?」
「そのくらいお安い御用だ、主。
では、軽く飛んで見せようではないか。」
そう言って、私がアリィシャちゃんに言葉を返す間もなく、ヴァイスは地を離れます。
ちゃんと術で馬車を浮かしてくれているようで、ごく自然に馬車も宙に浮きあがりました。
全然揺れませんし、地に足がついていないという不安定さも感じません。
「何、これ、すごい。
何百年も生きてきたけど、空を飛ぶ馬車なんて初めてよ。」
ステラちゃんが、私の耳元ではしゃぎます。
「うん、実を言うと私もヴァイスに馬車ごと飛んでもらうのは初めてなの。
でも、とても素敵な乗り心地ね。
これなら、長距離の旅も苦にならないわね。」
「ロッテ、あなた、本当に私の想像の斜め上をいくのね。
あなたと一緒にいると退屈しないで済みそうだわ。
これからよろしくね。
あなたが留守にしている間は私がちゃんと屋敷を守っているから安心してね。」
私の言葉にステラちゃんは本当に楽しそうに答えてくれました。
さあ、無事にアルビオン王国に拠点を構えることができました。
本格的に活動開始です。
「カーラ、例の物は届いたかしら?」
カーラは背筋を伸ばした奇麗な姿勢で答えます。
この子、ヘレーネさんに預けてから本当に立ち居振る舞いに品が備わりました。
今はどこへ連れて行っても恥ずかしくない貴族家に仕える侍女です。
「はい、お嬢様。
先程、首相のお遣いの方が見えられて置いて行かれました。」
「そう、じゃあちょっと、みんなで見に行きましょうか。
そうね、面白いモノを見せてあげるからステラちゃんも一緒に来れば良いわ。」
私がそう言って手を差し出すと、ステラちゃんは手のひらの上に乗りながら…。
「良いモノ?何かしら?」
そう尋ねてきます。
「そう、良いモノよ。何かは見てのお楽しみという事でね。」
私は手のひらのステラちゃんを肩の上に移しながら答えたのです。
それは、玄関の前、ロータリーになっている一角に置かれていました。
「これはまた、ミリアム首相も奮発してくださったわね。
いったい、幾らくらいするのかしら?」
私は思わず呟きをもらしました。
「これが良いモノ?
確かに、立派な馬車だけど…。
もったいぶるようなモノなの?
貴族の家には一台くらいあるのが当たり前でしょう。
ロッテは一国の王なのだから、このくらい立派なのが普通じゃないの?」
肩の上でステラちゃんがこぼしました。
そう、目の前には大人六人は余裕で乗れるような立派な黒塗りの馬車が置かれています。
リムジンという種類の大型の高級馬車だそうです。
これはミリアム首相からのプレゼントです。
私としては、戦列艦のお礼としてはこの館の口利きだけで十分だったのですが。
自分で探したのでは、おそらくはこの館に巡り合うことは出来なかったでしょうから。
「貴族が屋敷を構える以上、馬車の一台もないとないと格好がつかないであろう。
ここは、私にプレゼントさせてもらえないであろうか。
あの戦列艦のお礼が屋敷の紹介だけというのは何とも申し訳ない。」
そうおっしゃって、馬車を一台贈呈してくださったのです。
黒塗りの扉の部分には金箔であしらわれた私の家の紋章が輝きます。
良く数日で紋章を入れることが出来たものだと感心します。
でも、ステラちゃんに見せたかったのはこの馬車ではありません。
「ヴァイス、出てきてちょうだい。」
私は宙に向かって呼びかけます。
「ああ、主。承知した。」
そう言って、馬車の前にペガサスのヴァイスが現れました。
「ええええっ、神馬!
ロッテ、あなた、神馬なんか飼っているの?」
「飼っているなどと失礼な。
我と主とは対等な契約関係であるぞ。
それに、神馬なんてモノになった覚えはない。
我はおぬしと同じ精霊であるぞ。」
ステラちゃんが漏らした驚きの言葉に、すかさずヴァイスが苦言を呈しました。
「あら、ごめんなさい。
でも、この国の民間伝承では有翼の馬は神の騎乗する馬、神馬と言われているのよ。
私、何百年も生きてきたけど、馬型の精霊に会うのは初めてだったものだから知らなかったわ。
私はステラ、この家に憑くブラウニーなの。これからよろしくね。」
「分かればよいのだ。
我の名はヴァイス、よろしく頼むぞ。」
なんか、ヴァイスが偉そうです、性癖異常者のくせして…。
「で、ヴァイス、外出する際にこの馬車を引いて欲しいのだけど、頼めるかな。」
「もちろんである。契約した時に申したであろう。
主が我に騎乗してくれるのであれば、馬車でも何でも喜んで引こうと。」
純潔の娘を背中に乗せて悦ぶ馬、私のお尻の感触を背中で味わっているらしいです…。
なんかなあ…。
「試しに、引いてみてくれるかな。
御者はいらないって言っていたけど、街中を走るのに御者がいないと変よね。
カーラ、あなた、形だけでいいから御者台に座って手綱を握っていて。」
「ああ、いいとも。」
「はい、お嬢様、承知致しました。」
そう言って、カーラがヴァイスを馬車に連結し始めます。
馬車に馬を繋ぐことなどできるのかと思っていたら、これもヘレーネさんから指導されたそうです。
あの人、本当に何でもできるのですね。
馬車にヴァイスをつなぎ終わると、リーナとアリィシャちゃんを連れて車内に乗り込みます。
もちろん、私の肩の上にはステラちゃんが腰掛けたままです。
「この馬車、とても良い造りですわ。
スプリングも利いているようですし、座席も非常に良い物を使っています。
これならば乗り心地も良いと思いますよ。」
馬車に乗り込んだリーナが感想をもらしました。
リーナが言う通り、馬車は王族のリーナが使っているものと遜色ない立派な造りでした。
座面もクッションが利いていて座り心地がとても良いです。
カーラを御者台に座らせて、ヴァイスに走ってもらいます。
普通、このサイズの馬車は四頭引き、場合によっては六頭引きらしいですが。
さすが馬型の精霊、ヴァイスだけで楽々馬車を引き始めました。
敷地の中の道を何周かしてもらいましたが、スプリングが利いていて非常に快適な馬車でした。
ヴァイスの方も然して負担にはなっていないようです。
ヴァイスの言う通り、御者がいなくともヴァイスがちゃんと考えて走らせてくれているようで、カーブなどもスムーズです。
御者台に座るカーラは手持ち無沙汰の様でした。
「ヴァイス、屋敷の外から見えないくらいの低さで飛んでみてもらえるかな?」
私は馬車の窓からヴァイスの呼びかけました。
「えっ、ロッテお姉ちゃん、この馬車飛ぶの?」
「そのくらいお安い御用だ、主。
では、軽く飛んで見せようではないか。」
そう言って、私がアリィシャちゃんに言葉を返す間もなく、ヴァイスは地を離れます。
ちゃんと術で馬車を浮かしてくれているようで、ごく自然に馬車も宙に浮きあがりました。
全然揺れませんし、地に足がついていないという不安定さも感じません。
「何、これ、すごい。
何百年も生きてきたけど、空を飛ぶ馬車なんて初めてよ。」
ステラちゃんが、私の耳元ではしゃぎます。
「うん、実を言うと私もヴァイスに馬車ごと飛んでもらうのは初めてなの。
でも、とても素敵な乗り心地ね。
これなら、長距離の旅も苦にならないわね。」
「ロッテ、あなた、本当に私の想像の斜め上をいくのね。
あなたと一緒にいると退屈しないで済みそうだわ。
これからよろしくね。
あなたが留守にしている間は私がちゃんと屋敷を守っているから安心してね。」
私の言葉にステラちゃんは本当に楽しそうに答えてくれました。
さあ、無事にアルビオン王国に拠点を構えることができました。
本格的に活動開始です。
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