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第2章 リーナと一緒に旅に出ます
第30話 天敵と遭遇しました
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「おや、表が騒がしいと思ったら『アルムの魔女』ではないですか。」
リーナの気分が落ち着くのを待っていると聞き覚えのある声が聞こえてきました。
穏やかな笑顔を浮かべて金髪碧眼の神父が近付いて来ます。
「あら、お久し振りですね。ミシェル神父、しかし魔女とは失礼な呼び方ですね。
周りの方の誤解を生みますわ、どうぞロッテとお呼びください。」
「おやこれは、ずいぶんと殊勝なことを言われる。
さすがに人前で堂々と魔女だと言うのは憚られますか。」
「あら嫌ですわ、私のことは教皇庁から聞いているはず。
私は聖教が目の敵にしている魔女ではないと教皇庁からお墨付きを頂いていますのよ。」
「忌々しい魔女ですね。
上からの横槍が無ければ、あなたの穢れた魂などサッサと滅して差し上げるものを。」
目の前のミシェル神父の穏やかな笑顔に騙されてはいけません。
発言からわかるように、この人は狂信的な聖教徒で自分の正義のためなら組織の決定すら破りかねない人なのです。
虫も殺せないような顔をして、平気で異教徒を殺せる少し頭のいかれている人です。
これで異端審問官と悪魔憑き祓いを兼ねているのです。目を付けられたら最悪です。
**********
昨年、母が亡くなって間もないころです。
私の住む森の外周に施した結界の結界柱を破壊して侵入しようとした者がいました。
それがこの人、ミシェル神父です。
私が何をしているのか尋ねると、この森に魔女がいると知り成敗しに来たそうです。
私は大祖母様が聖教徒交わした盟約の話をし、私の一族を魔女の認定から外したことを説明しました。
その時、大祖母様が教皇庁から頂いた、今後魔女に認定することはないというお墨付きもあると言ったのです。
するとミシェル神父はこういったのです。
「本庁が行った妥協など、私は知らん。
私は私の正義に従って魔女を滅するのみ、本庁が私を罰すると言うのなら甘んじて受けようではないか。」
そして、言うやいなや、十字架の形をした短剣で私の心臓を突き刺そうとしたのです。
何の躊躇もない動作でした、そして、その目は殺る気に満ちた狂信者の目だったのです。
まあ、難なく撃退しましたけどね。
それが、何度か続きました。さすがに腹に据えかねた私は、教皇庁に抗議の書簡をしたためたのです。
それから暫くして、教皇庁から正式な謝罪の書簡が届き、ミシェル神父は厳重注意の上、謹慎処分にしたと記されていました。
それ以来、私の森を訪れることはなかったのですが、この大聖堂が彼の拠点だったのですね。
***********
「それはそうと、広場が騒がしかった原因はあなたのようですね。
その辺から聞こえる話から察するに、あなた、この場で奇跡を起こしたそうですね。
何でも淫売女の病気を治したとか、それも巷で不治の病と言われているモノを。
困りますね、教会の目の前で異教徒にそんな事をされたら教会の面目丸潰れです。」
いや、ミシェルさん、ここは聖教の大聖堂の目の前なのですから。
あなたが大きな声で異教徒と言わなければ、周囲の人々はきっと私を聖教の関係者だと思っていましたよ。
そうすれば、面目が潰れるどころか、聖教の評判が急上昇だったと思いますが……。
「だいたい、奇跡なんていうものは、そんなに軽々しく行使するものではないでしょう。
それとも、同じ魂が不浄な者同士、淫売女が病に倒れるのを見過ごせませんでしたか。」
私はミシェル神父の言葉にカチンときました。
「私は何と言われようがかまいませんが、彼女を侮辱することは赦しません。
彼女は家族の生活を守るために、僅か十二歳の時から身を粉にして働いているのです。
家族のためにわが身を犠牲にして働いている彼女の魂のどこが不浄だと言うのですか。」
「ふん、そんなのは詭弁だ。
淫売女のしている行為は、貞淑を求める我が教会の教義に反するふしだらな行為に違いないではないか。」
「彼女は僅か十二歳の時に娼館に売られたのです。
どうやって彼女に自分の運命にあがなえと言うのですか。
もし自分がその立場になったら、娼婦の仕事は教義に反するから出来ないと拒否できますか。
あなた達が娼婦をそんなに忌まわしい存在だと言うのであれば、教会が手を差し伸べれば良いではないですか。
娘を売らなくてはならないほど貧困にあえぐ家庭に施しをしたらいかがですか。
職にあぶれた農村の娘を修道女として保護したらどうですか。
日曜礼拝の時にでも、子供たちに読み書き計算を教えたらどうですか、娼婦以外の仕事に就けるようになりますよ。
何も手を差し伸べないで、結果だけを非難するのは無責任だと思いますが。」
それに、私は知っています。この国ではありませんが、聖教の司教が自分が治める管区で数十件の娼館を経営していたのを。最近、それが発覚して問題になっていました。
嘆かわしいことに聖職者が若い女性を食い物にしていたのです。
また、私も書物の知識しかありませんが、実は聖教でもミシェル神父のように教条主義的な人は少ないようです。
大概の聖職者は娼婦に対しても寛容な様です。
今私がミシェル神父に言ったように、貧困にあえぐ人達を聖教が救済できない以上は糊口を凌ぐ受け皿としてやむをえないものと認識しているのです。
というより、目の前のミシェル神父、やはり頭がおかしいです。
この人の立場から察するに神学校を出ているはずです、なのに、そのくらいのことがわからないのでしょうか。
「やはり、あなたとは相容れないようですね。
教義に反することを堂々と主張するような者を見過ごす訳にはいきません。
今日こそ、あなたのその穢れた魂を神の御許へ送って差し上げましょう。」
何を思ったのかミシェル神父は腰に差した十字架形の短剣で私に斬りかかって来ました。
『止まれ』
私は身を守るために魔力を込めた言葉を使います。
さて、剣を突き出したまま停止したミシェル神父をどうしましょうか。
この人、力ある言葉に耐性があるみたいなのです。
最初に来た時に、『金輪際、私にかまうな』と命じたのですが、数日後にまた来たのです。
こんな人は初めてでした。
ふと傍の生垣に目が行きました。あれを使わせてもらいましょう。
(ドリーちゃん、この人をあれで拘束してしまって。せっかくだから、花を咲かせちゃいましょうか。)
(ハイ、ハイ!りょうかいだよ!
私のジャスミンちゃん、この男に絡み付いて元気に育ってちょうだい!
きれいな花もつけましょう!)
ドリーちゃんの気の抜けた言葉と共に凄い勢いで蔓を伸ばしたジャスミンはミシェル神父にぐるぐるに絡み付くと、全体に美しい白い花を咲かせました。
大聖堂前に花のオブジェの出来上がりです。
それが大聖堂前にいた人達の目を引きました、そして花のオブジェを見に人々が集まってきました。これは好都合です。
(ブリーゼちゃん、私が魔力を込めた言葉を使うから拡声の術でこの広場全体に拡げてくれるかな。)
(ハイな!お安い御用だよ!)
『はいみなさん、私の言う事を聞いてください!』
私の言葉がブリーゼちゃんの術に乗って広場全体を包みます。
広場にいる人すべての注目が私に集まりました。
『いま、この広場で目にした事は絶対に他の人には伝えてはいけません。』
『ここにいる私達五人の存在は忘れてください』
こんなところで良いでしょう、これで私たちのことが噂に上る心配はないでしょう。
最後に私はミシェル神父にだけ聞こえる声で囁きました。
『私たちがあなたの視界から立ち去ったら動いてもいいです。』
そうして、私達は大聖堂の前を立ち去ることにしたのです。
大聖堂の中が見学できないで残念でした……。
**********
お読みいただき有り難うございます。
*お願い
9月1日から始まりましたアルファポリスの第13回ファンタジー小説大賞にこの作品をエントリーしています。
応援してくださる方がいらっしゃいましたら、本作品に投票して頂けるととても嬉しいです。
ぶしつけにこのようなお願いをして恐縮ですが、よろしくお願いします。
投票は、PCの方は表題ページの左上、「作品の情報」の上の『黄色いボタン』です。
スマホアプリの方は表題ページの「しおりから読む」の上の『オレンジ色のボタン』です。
リーナの気分が落ち着くのを待っていると聞き覚えのある声が聞こえてきました。
穏やかな笑顔を浮かべて金髪碧眼の神父が近付いて来ます。
「あら、お久し振りですね。ミシェル神父、しかし魔女とは失礼な呼び方ですね。
周りの方の誤解を生みますわ、どうぞロッテとお呼びください。」
「おやこれは、ずいぶんと殊勝なことを言われる。
さすがに人前で堂々と魔女だと言うのは憚られますか。」
「あら嫌ですわ、私のことは教皇庁から聞いているはず。
私は聖教が目の敵にしている魔女ではないと教皇庁からお墨付きを頂いていますのよ。」
「忌々しい魔女ですね。
上からの横槍が無ければ、あなたの穢れた魂などサッサと滅して差し上げるものを。」
目の前のミシェル神父の穏やかな笑顔に騙されてはいけません。
発言からわかるように、この人は狂信的な聖教徒で自分の正義のためなら組織の決定すら破りかねない人なのです。
虫も殺せないような顔をして、平気で異教徒を殺せる少し頭のいかれている人です。
これで異端審問官と悪魔憑き祓いを兼ねているのです。目を付けられたら最悪です。
**********
昨年、母が亡くなって間もないころです。
私の住む森の外周に施した結界の結界柱を破壊して侵入しようとした者がいました。
それがこの人、ミシェル神父です。
私が何をしているのか尋ねると、この森に魔女がいると知り成敗しに来たそうです。
私は大祖母様が聖教徒交わした盟約の話をし、私の一族を魔女の認定から外したことを説明しました。
その時、大祖母様が教皇庁から頂いた、今後魔女に認定することはないというお墨付きもあると言ったのです。
するとミシェル神父はこういったのです。
「本庁が行った妥協など、私は知らん。
私は私の正義に従って魔女を滅するのみ、本庁が私を罰すると言うのなら甘んじて受けようではないか。」
そして、言うやいなや、十字架の形をした短剣で私の心臓を突き刺そうとしたのです。
何の躊躇もない動作でした、そして、その目は殺る気に満ちた狂信者の目だったのです。
まあ、難なく撃退しましたけどね。
それが、何度か続きました。さすがに腹に据えかねた私は、教皇庁に抗議の書簡をしたためたのです。
それから暫くして、教皇庁から正式な謝罪の書簡が届き、ミシェル神父は厳重注意の上、謹慎処分にしたと記されていました。
それ以来、私の森を訪れることはなかったのですが、この大聖堂が彼の拠点だったのですね。
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「それはそうと、広場が騒がしかった原因はあなたのようですね。
その辺から聞こえる話から察するに、あなた、この場で奇跡を起こしたそうですね。
何でも淫売女の病気を治したとか、それも巷で不治の病と言われているモノを。
困りますね、教会の目の前で異教徒にそんな事をされたら教会の面目丸潰れです。」
いや、ミシェルさん、ここは聖教の大聖堂の目の前なのですから。
あなたが大きな声で異教徒と言わなければ、周囲の人々はきっと私を聖教の関係者だと思っていましたよ。
そうすれば、面目が潰れるどころか、聖教の評判が急上昇だったと思いますが……。
「だいたい、奇跡なんていうものは、そんなに軽々しく行使するものではないでしょう。
それとも、同じ魂が不浄な者同士、淫売女が病に倒れるのを見過ごせませんでしたか。」
私はミシェル神父の言葉にカチンときました。
「私は何と言われようがかまいませんが、彼女を侮辱することは赦しません。
彼女は家族の生活を守るために、僅か十二歳の時から身を粉にして働いているのです。
家族のためにわが身を犠牲にして働いている彼女の魂のどこが不浄だと言うのですか。」
「ふん、そんなのは詭弁だ。
淫売女のしている行為は、貞淑を求める我が教会の教義に反するふしだらな行為に違いないではないか。」
「彼女は僅か十二歳の時に娼館に売られたのです。
どうやって彼女に自分の運命にあがなえと言うのですか。
もし自分がその立場になったら、娼婦の仕事は教義に反するから出来ないと拒否できますか。
あなた達が娼婦をそんなに忌まわしい存在だと言うのであれば、教会が手を差し伸べれば良いではないですか。
娘を売らなくてはならないほど貧困にあえぐ家庭に施しをしたらいかがですか。
職にあぶれた農村の娘を修道女として保護したらどうですか。
日曜礼拝の時にでも、子供たちに読み書き計算を教えたらどうですか、娼婦以外の仕事に就けるようになりますよ。
何も手を差し伸べないで、結果だけを非難するのは無責任だと思いますが。」
それに、私は知っています。この国ではありませんが、聖教の司教が自分が治める管区で数十件の娼館を経営していたのを。最近、それが発覚して問題になっていました。
嘆かわしいことに聖職者が若い女性を食い物にしていたのです。
また、私も書物の知識しかありませんが、実は聖教でもミシェル神父のように教条主義的な人は少ないようです。
大概の聖職者は娼婦に対しても寛容な様です。
今私がミシェル神父に言ったように、貧困にあえぐ人達を聖教が救済できない以上は糊口を凌ぐ受け皿としてやむをえないものと認識しているのです。
というより、目の前のミシェル神父、やはり頭がおかしいです。
この人の立場から察するに神学校を出ているはずです、なのに、そのくらいのことがわからないのでしょうか。
「やはり、あなたとは相容れないようですね。
教義に反することを堂々と主張するような者を見過ごす訳にはいきません。
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何を思ったのかミシェル神父は腰に差した十字架形の短剣で私に斬りかかって来ました。
『止まれ』
私は身を守るために魔力を込めた言葉を使います。
さて、剣を突き出したまま停止したミシェル神父をどうしましょうか。
この人、力ある言葉に耐性があるみたいなのです。
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こんな人は初めてでした。
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(ハイ、ハイ!りょうかいだよ!
私のジャスミンちゃん、この男に絡み付いて元気に育ってちょうだい!
きれいな花もつけましょう!)
ドリーちゃんの気の抜けた言葉と共に凄い勢いで蔓を伸ばしたジャスミンはミシェル神父にぐるぐるに絡み付くと、全体に美しい白い花を咲かせました。
大聖堂前に花のオブジェの出来上がりです。
それが大聖堂前にいた人達の目を引きました、そして花のオブジェを見に人々が集まってきました。これは好都合です。
(ブリーゼちゃん、私が魔力を込めた言葉を使うから拡声の術でこの広場全体に拡げてくれるかな。)
(ハイな!お安い御用だよ!)
『はいみなさん、私の言う事を聞いてください!』
私の言葉がブリーゼちゃんの術に乗って広場全体を包みます。
広場にいる人すべての注目が私に集まりました。
『いま、この広場で目にした事は絶対に他の人には伝えてはいけません。』
『ここにいる私達五人の存在は忘れてください』
こんなところで良いでしょう、これで私たちのことが噂に上る心配はないでしょう。
最後に私はミシェル神父にだけ聞こえる声で囁きました。
『私たちがあなたの視界から立ち去ったら動いてもいいです。』
そうして、私達は大聖堂の前を立ち去ることにしたのです。
大聖堂の中が見学できないで残念でした……。
**********
お読みいただき有り難うございます。
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9月1日から始まりましたアルファポリスの第13回ファンタジー小説大賞にこの作品をエントリーしています。
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