36 / 40
第3章 高原の岩山の上の鳥(?)
第36話 襲撃の後で
しおりを挟む
大宴会である。目の前にはよくわからない白く濁った酒と山海の珍味がこれでもかと並んでいる。
場所は例によってクマリー様の家の大広間だ。
集まって空の民たちは、みな一様に艶々とした良い顔をしており、憑き物が落ちたようである。
みな交替でここに顔を出しているらしい、クマリー様の両脇に座っている俺とナンシーにみなが感謝の言葉をかけてくれる。
ここに集まって空の民たちは、俺達に感謝した後ひとしきり飲み食いをして、オスと交尾するために出て行く。交替で今まで交尾していたものが入ってくるというローテーションになっているようだ。
感謝してくれるのはいいが、股座から子種を溢しながら挨拶に来るのはやめてくれ。
飯が不味くなる。
あ、そこ、俺の膳の上にザーメンを垂らすな、食えなくなるだろうが!
**********
宴もたけなわ、良い具合に夜もふけてきた。
「こら、おぬしちゃんと飲んでいるか?」
とクマリー様が行ってきた。
俺、濁り酒って苦手なんだよな、特にこのドロッとした喉ごしの酒は好みでない。
ここまで、何とか飲まないでごまかしてきたが飲んでないことに気付いたか?
「いえ、俺は、下戸なんでお酒はちょっと……。」
「この大酒のみが何嘘ついてるんですか。おじさん、お酒大好きな癖して、このお酒の見た目がザーメンみたいだから嫌なんでしょう。」
おい、こら酔っ払い、何てこと言いやがるんだ。
ナンシーお前はこういうの平気で飲んでいるよな。
「なんだ、わしの酒が飲めないというのか?」
「ほら、こうなる…。」
結局、苦手な酒をしこたま飲ませられてしまったじゃないか。
こちらもほろ酔い加減になってきたとき、クマリー様が言った。
「それでおぬしら今回世話になった褒美は何が良い。欲しいものを言ってみろ。」
「お金、それと何か珍しいもの。」
ナンシー、お前即答だな。
「カネか?でもおぬしらの国で使えるカネは持ち合わせておらんぞ。」
「じゃあ、金でちょうだい。金貨でも、延べ棒でも、延べ板でもいいよ。」
「金貨だったら、今回攫ってきたオスの国で大昔に使っていた金貨が山ほどあるぞ。
わしらはいらんから好きなだけ持っていくと良い。
珍しいものと言ってもな……、そうだ、仙桃を持っていくとよい。
現世の者はみなが欲しがるというぞ。」
「仙桃?なんだそれ、珍しいのか?」
「いや、その辺の桃の木にいくらでも生っておるぞ。人が食すと不老長寿になるというだけじゃ。」
「それ、良い!!私はそれが欲しいな。」
ナンシー、不老長寿なんてなってどうするんだ?知り合いがみな先に死んじまうのだぞ。
「何だ、ケント、お前はいらないみたいだな。何か欲しいものはないのか。
もしないのなら、わしに種付けする権利を与えようか。」
いえ、それはパスの方向で。嫌だよ、俺、死ぬまで吸い取られそうで。
こいつら、ハーピーじゃなくてサキュバスなんじゃないかと思えてきたよ。
そもそも、俺は獣姦の趣味はないだよ。いくら陰部が人と同じといっても鳥だぞ。
「種付けの権利はいらんが、こんなものあるか?」
「何じゃつれないな。そんな物が欲しいのなら幾らでもあるぞ好きなだけ持って行け。」
よし面白いことになったぞ。
結局ずいぶんと飲まされ、ほろ酔いを通り越して本格的に酔ってしまった。
もうベッドに行って寝よう。
**********
うん、今何時だ?まだ、真っ暗か?
イチモツに何か絡み付いている?しっとり濡れていて柔らかく包みこむ様な絶妙な絞め具合だ。
目を開くと、見知らぬ女が俺の上で腰を振っていた。
ああ、これは夢か。そういえば、チューリッヒを出てからご無沙汰だったもんな。
意識してなかったが、俺も欲求不満だったんだな。
チュン、チュン
鳥のさえずりに目を覚ますと、俺のベッドの上には大股広げてイビキをかいているナンシーと股間から子種を垂れ流しているクマリー様がいた。
もちろん、ナンシーの股間からも大量の子種が零れている。
「こらぁ!!お前ら何やってるんだ。」
「おじさん、ごめんね。我慢できなかったんだよ。
私、チューリッヒを出てからご無沙汰だったから、体がうずいちゃって。
クマリー様がおじさんに夜這いをかけると聞いて、ついご相伴に預かっちゃったの。
いままで、自分で慰めて我慢していたんだから、一回ぐらい許してよ、お願い。」
何が『つい』だよ、それに股間から零れているその量、絶対に一回じゃないよな。
「うるさいぞ。何を朝っぱらから、男が女々しいことを言っておるのだ。
メスに懇願されたら、子種を分け与えるのはオスの義務だろうに。」
ナンシーと言いあっていると、俺達の話声にクマリー様が目を覚ました。
いや、ナンシーを抱くのが嫌なのは、こいつが性病持ちだからで。
おい、ナンシー、性病は全部治っているんだろうな?俺にうつしたらコンビ解消だぞ。
「時に、ケントよ、たっぷりと子種はもらったぞ。これで次代の長の心配もなくなったな。
めでたいことよ。
ケントは次代の長の親だからいつでも歓迎するぞ。気楽に遊びに来るとよい。」
一発で妊娠確定ですか?スゲーな空の民。
ちくしょう、獣に性病持ち、絶対にやりたくない女二人とやってしまった。
せめて、俺が起きるまでにいなくなっていれば、夢だと思っていられたのに。
場所は例によってクマリー様の家の大広間だ。
集まって空の民たちは、みな一様に艶々とした良い顔をしており、憑き物が落ちたようである。
みな交替でここに顔を出しているらしい、クマリー様の両脇に座っている俺とナンシーにみなが感謝の言葉をかけてくれる。
ここに集まって空の民たちは、俺達に感謝した後ひとしきり飲み食いをして、オスと交尾するために出て行く。交替で今まで交尾していたものが入ってくるというローテーションになっているようだ。
感謝してくれるのはいいが、股座から子種を溢しながら挨拶に来るのはやめてくれ。
飯が不味くなる。
あ、そこ、俺の膳の上にザーメンを垂らすな、食えなくなるだろうが!
**********
宴もたけなわ、良い具合に夜もふけてきた。
「こら、おぬしちゃんと飲んでいるか?」
とクマリー様が行ってきた。
俺、濁り酒って苦手なんだよな、特にこのドロッとした喉ごしの酒は好みでない。
ここまで、何とか飲まないでごまかしてきたが飲んでないことに気付いたか?
「いえ、俺は、下戸なんでお酒はちょっと……。」
「この大酒のみが何嘘ついてるんですか。おじさん、お酒大好きな癖して、このお酒の見た目がザーメンみたいだから嫌なんでしょう。」
おい、こら酔っ払い、何てこと言いやがるんだ。
ナンシーお前はこういうの平気で飲んでいるよな。
「なんだ、わしの酒が飲めないというのか?」
「ほら、こうなる…。」
結局、苦手な酒をしこたま飲ませられてしまったじゃないか。
こちらもほろ酔い加減になってきたとき、クマリー様が言った。
「それでおぬしら今回世話になった褒美は何が良い。欲しいものを言ってみろ。」
「お金、それと何か珍しいもの。」
ナンシー、お前即答だな。
「カネか?でもおぬしらの国で使えるカネは持ち合わせておらんぞ。」
「じゃあ、金でちょうだい。金貨でも、延べ棒でも、延べ板でもいいよ。」
「金貨だったら、今回攫ってきたオスの国で大昔に使っていた金貨が山ほどあるぞ。
わしらはいらんから好きなだけ持っていくと良い。
珍しいものと言ってもな……、そうだ、仙桃を持っていくとよい。
現世の者はみなが欲しがるというぞ。」
「仙桃?なんだそれ、珍しいのか?」
「いや、その辺の桃の木にいくらでも生っておるぞ。人が食すと不老長寿になるというだけじゃ。」
「それ、良い!!私はそれが欲しいな。」
ナンシー、不老長寿なんてなってどうするんだ?知り合いがみな先に死んじまうのだぞ。
「何だ、ケント、お前はいらないみたいだな。何か欲しいものはないのか。
もしないのなら、わしに種付けする権利を与えようか。」
いえ、それはパスの方向で。嫌だよ、俺、死ぬまで吸い取られそうで。
こいつら、ハーピーじゃなくてサキュバスなんじゃないかと思えてきたよ。
そもそも、俺は獣姦の趣味はないだよ。いくら陰部が人と同じといっても鳥だぞ。
「種付けの権利はいらんが、こんなものあるか?」
「何じゃつれないな。そんな物が欲しいのなら幾らでもあるぞ好きなだけ持って行け。」
よし面白いことになったぞ。
結局ずいぶんと飲まされ、ほろ酔いを通り越して本格的に酔ってしまった。
もうベッドに行って寝よう。
**********
うん、今何時だ?まだ、真っ暗か?
イチモツに何か絡み付いている?しっとり濡れていて柔らかく包みこむ様な絶妙な絞め具合だ。
目を開くと、見知らぬ女が俺の上で腰を振っていた。
ああ、これは夢か。そういえば、チューリッヒを出てからご無沙汰だったもんな。
意識してなかったが、俺も欲求不満だったんだな。
チュン、チュン
鳥のさえずりに目を覚ますと、俺のベッドの上には大股広げてイビキをかいているナンシーと股間から子種を垂れ流しているクマリー様がいた。
もちろん、ナンシーの股間からも大量の子種が零れている。
「こらぁ!!お前ら何やってるんだ。」
「おじさん、ごめんね。我慢できなかったんだよ。
私、チューリッヒを出てからご無沙汰だったから、体がうずいちゃって。
クマリー様がおじさんに夜這いをかけると聞いて、ついご相伴に預かっちゃったの。
いままで、自分で慰めて我慢していたんだから、一回ぐらい許してよ、お願い。」
何が『つい』だよ、それに股間から零れているその量、絶対に一回じゃないよな。
「うるさいぞ。何を朝っぱらから、男が女々しいことを言っておるのだ。
メスに懇願されたら、子種を分け与えるのはオスの義務だろうに。」
ナンシーと言いあっていると、俺達の話声にクマリー様が目を覚ました。
いや、ナンシーを抱くのが嫌なのは、こいつが性病持ちだからで。
おい、ナンシー、性病は全部治っているんだろうな?俺にうつしたらコンビ解消だぞ。
「時に、ケントよ、たっぷりと子種はもらったぞ。これで次代の長の心配もなくなったな。
めでたいことよ。
ケントは次代の長の親だからいつでも歓迎するぞ。気楽に遊びに来るとよい。」
一発で妊娠確定ですか?スゲーな空の民。
ちくしょう、獣に性病持ち、絶対にやりたくない女二人とやってしまった。
せめて、俺が起きるまでにいなくなっていれば、夢だと思っていられたのに。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説


結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシャリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる