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第2章 南海の珊瑚の森の女王様
第23話 ガレオン船は結構頑丈だった
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ミクズメ女王から、サハギン撃退の協力要請を無理やり承諾させられた俺たちは、島の哨戒をしていた。
どこから、どんな船で攻めてくるかわからないものだから対策の立てようがない。
一応わかったのが、四本マストの帆船であることだけである。
どのくらいの大きさか聞いたら「凄く大きかった。」、大砲は何門あったか聞いたら「いっぱいあった。」が返答であった。
ちなみに、その答えた女に、目の前で両手の指を立てて見せ「この指は何本か?」と聞いたら、「いっぱい。」と返ってきた。
幼稚園児か?お前ら。
マストの数四本までは数えられたらしい。
「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。」というが、敵の状態がまったくわからないというのは危ないんじゃないだろうか。
いや、俺が幾ら学がないといっても、任務の前に敵対組織の装備くらい事前に調べるよ。死にたくないもん。
ナンシーは、昨日と打って変わって機嫌が悪い。昨日女王から無理やりこの仕事押し付けられたときはウキウキだったのに。
「だって、おじさん、この国に男が一人もいないんだよ!私は百合のケはないんだって。
おじさんは、使わせてくれないし、欲求不満にもなるよ!
おじさんのザーメンちょうだいよ!今、ここでやってもいいんだよ!!」
だから、そういうのやめろって、まて、ズボン脱ぐな!、こら、パンツ降ろすのヤメい!!
しかし、サハギンってどこから来るんだろうか?
双眼鏡で見渡す限りに島って無いんだよな。そんなに遠くから来るのか?半漁人が?
**********
そんなことを考えていたのがフラグになったのだろうか。
思索にふける俺の視界が急に暗くなった。
何事かと思って周りを見ると、巨大な船が日の光を遮っていた。
問い サハギンってどこから来るんだろうか?
答え どこからか突然現れる。
いきなり、巨大なガレオン船が横付けされていた。
確かに大きい、この船の長さの倍ぐらいだろうか?五十メートルくらいか?
そして、高さが凄い。敵さんの甲板の高さは、水面から八メートルくらいあるか?
少なくても俺達がいる高さよりも、敵さんがいる高さのほうがかなり高い。
俺たちは、ラッキーだった。敵さんの船がほぼ接舷状態で現れたから。
側舷にある大砲じゃ真下は狙えないし、マスケット銃は真下を狙ったら弾が転げ落ちる。
少し離れていたら、マスケット銃のいい的だった。
キャビンの中にいれば良いが、甲板にいたらと思うとゾッとする。
いくらマスケット銃でも至近距離で上から撃たれたらたまらんよ。
「おーい、ナンシー、一旦こいつから距離をとるぞ。」
俺は、船を前方に動かしガレオン船の陰から出ると、大きく弧を描いてガレオン船から距離をとった。
「ドーン」という爆音と共に側舷にある十以上の砲門が火を吹いた。
ガレオン船との距離は、既に約千メートル、有効射程からは外れているはず。
ザブーン!!!!!
と思っていたらいきなり目の前に水柱が上がった。
有効射程は短いが、最大射程は結構あるみたいだ。
大半の砲弾は大分手前に着水しているが、数発の砲弾が俺たちの近くに着水した。
「おじさん、まぐれ当たりはあるんだよね?もう少し離れたほうが良いんじゃない。」
「チョット待て、一つ確認したいことがあるんだ。」
おれは、無反動砲を持ってキャビンに出た。
ナンシーが横にいるのを確認し、後ろに何も無いのも確認し、引き金を弾く。
打ち出された多目的榴弾は、ガレオン船の側舷に吸い込まれた。
「ダーン」という爆発音と共にガレオン船に白煙が上がる。
「おーい、ナンシーもちょっと撃って見ろよ。M三八機関砲もM二重機関銃も十分射程内だろう。」
俺の指示で、ナンシーが、数十発ずつ撃ち込んだ。
「じゃあ、一旦近づいて敵さんのダメージを確認するぞ。」
俺は、速度を三十ノットにまで上げてガレオン船に接近する。
流石に、この速度の船に玉を当てることはできないだろう。
側舷砲の死角に入る接舷きりぎりの距離まで近づき、ナンシーに敵の被害状況を確認してもらう。
ナンシーの観察では、十二.五ミリ弾は小穴をあけただけ、二十五ミリ弾は側舷表面を破壊しているがそこまで、八十四ミリ榴弾は側舷をそこそこ破壊しているが貫通していないということだった。
くそ、百五十ミリの鋼板を貫通する榴弾で木造船を撃ちぬけないか、ドンだけ厚い板なんだよ。
俺たちは、一旦離脱して、対応策を考えることにした。
どこから、どんな船で攻めてくるかわからないものだから対策の立てようがない。
一応わかったのが、四本マストの帆船であることだけである。
どのくらいの大きさか聞いたら「凄く大きかった。」、大砲は何門あったか聞いたら「いっぱいあった。」が返答であった。
ちなみに、その答えた女に、目の前で両手の指を立てて見せ「この指は何本か?」と聞いたら、「いっぱい。」と返ってきた。
幼稚園児か?お前ら。
マストの数四本までは数えられたらしい。
「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。」というが、敵の状態がまったくわからないというのは危ないんじゃないだろうか。
いや、俺が幾ら学がないといっても、任務の前に敵対組織の装備くらい事前に調べるよ。死にたくないもん。
ナンシーは、昨日と打って変わって機嫌が悪い。昨日女王から無理やりこの仕事押し付けられたときはウキウキだったのに。
「だって、おじさん、この国に男が一人もいないんだよ!私は百合のケはないんだって。
おじさんは、使わせてくれないし、欲求不満にもなるよ!
おじさんのザーメンちょうだいよ!今、ここでやってもいいんだよ!!」
だから、そういうのやめろって、まて、ズボン脱ぐな!、こら、パンツ降ろすのヤメい!!
しかし、サハギンってどこから来るんだろうか?
双眼鏡で見渡す限りに島って無いんだよな。そんなに遠くから来るのか?半漁人が?
**********
そんなことを考えていたのがフラグになったのだろうか。
思索にふける俺の視界が急に暗くなった。
何事かと思って周りを見ると、巨大な船が日の光を遮っていた。
問い サハギンってどこから来るんだろうか?
答え どこからか突然現れる。
いきなり、巨大なガレオン船が横付けされていた。
確かに大きい、この船の長さの倍ぐらいだろうか?五十メートルくらいか?
そして、高さが凄い。敵さんの甲板の高さは、水面から八メートルくらいあるか?
少なくても俺達がいる高さよりも、敵さんがいる高さのほうがかなり高い。
俺たちは、ラッキーだった。敵さんの船がほぼ接舷状態で現れたから。
側舷にある大砲じゃ真下は狙えないし、マスケット銃は真下を狙ったら弾が転げ落ちる。
少し離れていたら、マスケット銃のいい的だった。
キャビンの中にいれば良いが、甲板にいたらと思うとゾッとする。
いくらマスケット銃でも至近距離で上から撃たれたらたまらんよ。
「おーい、ナンシー、一旦こいつから距離をとるぞ。」
俺は、船を前方に動かしガレオン船の陰から出ると、大きく弧を描いてガレオン船から距離をとった。
「ドーン」という爆音と共に側舷にある十以上の砲門が火を吹いた。
ガレオン船との距離は、既に約千メートル、有効射程からは外れているはず。
ザブーン!!!!!
と思っていたらいきなり目の前に水柱が上がった。
有効射程は短いが、最大射程は結構あるみたいだ。
大半の砲弾は大分手前に着水しているが、数発の砲弾が俺たちの近くに着水した。
「おじさん、まぐれ当たりはあるんだよね?もう少し離れたほうが良いんじゃない。」
「チョット待て、一つ確認したいことがあるんだ。」
おれは、無反動砲を持ってキャビンに出た。
ナンシーが横にいるのを確認し、後ろに何も無いのも確認し、引き金を弾く。
打ち出された多目的榴弾は、ガレオン船の側舷に吸い込まれた。
「ダーン」という爆発音と共にガレオン船に白煙が上がる。
「おーい、ナンシーもちょっと撃って見ろよ。M三八機関砲もM二重機関銃も十分射程内だろう。」
俺の指示で、ナンシーが、数十発ずつ撃ち込んだ。
「じゃあ、一旦近づいて敵さんのダメージを確認するぞ。」
俺は、速度を三十ノットにまで上げてガレオン船に接近する。
流石に、この速度の船に玉を当てることはできないだろう。
側舷砲の死角に入る接舷きりぎりの距離まで近づき、ナンシーに敵の被害状況を確認してもらう。
ナンシーの観察では、十二.五ミリ弾は小穴をあけただけ、二十五ミリ弾は側舷表面を破壊しているがそこまで、八十四ミリ榴弾は側舷をそこそこ破壊しているが貫通していないということだった。
くそ、百五十ミリの鋼板を貫通する榴弾で木造船を撃ちぬけないか、ドンだけ厚い板なんだよ。
俺たちは、一旦離脱して、対応策を考えることにした。
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