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第1章 砂漠の中の大森林のお姫様
第9話 砂漠の村の開放戦①
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夜明け前に、ノルデンシュタットをでた俺たちは、たった今森を抜けた。
現在午前6時、結局あれから二時間森の中を走ったことになる。
俺は、ない頭を捻っていた。どう考えてもおかしい。
俺たちのミッションは、シリア砂漠の中の小さな村で孤軍奮闘している同僚に武器弾薬をデリバリーし、かつ戦闘を支援することである。
その村は、ベイルートから見て、有名な遺跡パルミラの少し手前である。
そうだな、道沿いに行って実走行距離で三百キロちょっとと言う距離だ。
日本の道ほど整備されていないし、ましてや高速道路なんか無い。
しかも、某原理主義系テロ組織の襲撃される恐れもあると言うことで、余裕を見て二日の工程を考えていた。
そして、今俺は、目的の村の一キロ手前にいる。
俺が運転しているL-ATVのトリップメータは、三百十四キロメートルと出ている。
これも良いだろう、では何を俺が気にしているかと言えばだ。
「おい、ナンシー聞いてくれ。
このまま進めば、後一キロで目標地点だ、ミッションに着手する前に俺の疑問を聞いて欲しい。
今朝、俺たちはノルデンシュタットを経ってからここまで二時間進んできた。
その間、ずっと森の中だ。
昨日、俺たちは姫さんを拾ってから、ノルデンシュタットに届けるのに二時間以上かかった。
この間も、ずっと森の中だ。
そうすると、俺たちは四時間以上かけて森を抜けたことになる。
実効速度を時速二十五キロとして、約百キロ、全行程の三分の一が森の中だった。
シリア砂漠ってこんなに緑豊かな大地だったのか?砂漠って何だ?
俺は、さっきから気になって、ミッションに集中できそうも無いんだ。」
「おじさん、今頃になって何言っているの。
私は昨日からおかしいって言っていたよ。
姫さんの服装におかしいって最初に気付いたのはおじさんじゃない。
おじさんってば、ナビが正常に動いているから気にしないとかいってたじゃん。
サイドミラーをよく見てみれば、もっとびっくりするよ。」
ナンシーに指摘されてサイドミラーを確認すると、そこにはどこまでも続く砂漠が映っていた。
「俺は、夢でも見ていたんだろうか?」
「おじさん、『気にしたら負けだよ』っていう便利な言葉が日本にはあるらしいじゃん。
私達は狐につままれたんだよ。気にしたら負け、気にしたら負け」
ナンシー、お前って何気に日本の表現に詳しいな。
まあ、ナンシーが気にしないのなら、俺は忘れよう。
下手の考え休むに似たりっていうしな。
**********
程なく村が視認できる距離までたどり着いた。
まだ、朝六時過ぎである。
我々の前方二百メートル位のところに武装した集団が円陣を組んで座っている。
双眼鏡で見てみると、円陣の中心では男が一人立ってAKを掲げて何か怒鳴っている。
何をしゃべっているのかは当然わからないが、某原理主義系テロリストだし自己陶酔型の精神論を滔々と説いているのだろう。
頭から顔にかけて布で巻いて目の部分だけをだしている、この辺りのテロリストの目印みたいな格好をして、AKやRPGを携行している集団、同僚が守る村を襲撃しているテロリストに間違いないだろう。
善良な羊飼いだというよりは、断然蓋然性が高いともう。
これから、全員で村を襲撃するので、ミーティングをしているんだな。
「おい、ナンシー。
あれって、今回の敵性勢力だよな。
駐留班の支援をしろっていう支持だったけど、殺っちゃってもいいんだよな。」
「ええ、別にどういう風に支援しろとは言われてないよ。
たまたま、敵と遭遇してこれを撃破すれば、結果として支援したことになるから良いんじゃない。」
ナンシーの同意も得たし、ちゃっちゃと片付けましょうか。
彼我の距離は大体二百メートル、敵は情報どおり百名前後、現在円陣を組んで固まっており、その中心では未だに男が演説を続けている。
男は自分によっているのかこちらに気付く様子はない。
他の連中も視線は男に向いている。こいつら馬鹿か少しは周囲を警戒しろよ。
テロとかゲリラって少人数で、同時多発的に襲撃してくるから対処が難しいのであって、固まっていてくれれば単なる装備のしょぼい武装集団だ。
今が二つのチャンスである。
一つは、敵性勢力を一網打尽にできる我々の組織としてのチャンス。
もう一つは、今回初めて持ち込んだ武器を試す俺個人としてのチャンスである。
俺は、嬉々としてSMAWをL-ATVから持ち出し、 サーモバリック爆薬弾頭を装填する。
ちなみに、SMAWは、肩撃ち式多目的強襲兵器を英語で書いた単語の頭文字を並べたもんだ。
簡単に言えばいろんな弾頭が使用でき肩撃ちができるロケットランチャーだ。
今回使うのが楽しみなのは、サーモバリック爆薬弾頭。
詳しくは省略するが燃料気化爆弾に一種で携行武器の中では強力な面制圧弾頭である。
俺は、静かにSMAWを肩に構え照準を円陣の真ん中に立つ男に合わせた。あいつが、司令官だろう。
そして、俺は引き金を弾く。
ダーン
と言う爆音が響く、テロたちはこちらを見るが、もう遅い。
刹那の後、直径数メートルの火球が中央に立つ男と円陣の内側数列を飲み込む。
内部の酸素を燃やし尽くした火球はじきに消え、火球の外部を強烈な衝撃波が襲う。
吹き飛ばされるテロリストたち、衝撃波の殺傷範囲はどのくらいだろうか、直径十メートル以上はありそうだが、離れているため正確にはわからない。
テロリスト達が密集していてくれたおかげで、半数近くは無力化できたと思う。
また、火球に飲み込まれた連中は、高熱と酸欠で即死のはずだ、二十人位はいたかな。
現在午前6時、結局あれから二時間森の中を走ったことになる。
俺は、ない頭を捻っていた。どう考えてもおかしい。
俺たちのミッションは、シリア砂漠の中の小さな村で孤軍奮闘している同僚に武器弾薬をデリバリーし、かつ戦闘を支援することである。
その村は、ベイルートから見て、有名な遺跡パルミラの少し手前である。
そうだな、道沿いに行って実走行距離で三百キロちょっとと言う距離だ。
日本の道ほど整備されていないし、ましてや高速道路なんか無い。
しかも、某原理主義系テロ組織の襲撃される恐れもあると言うことで、余裕を見て二日の工程を考えていた。
そして、今俺は、目的の村の一キロ手前にいる。
俺が運転しているL-ATVのトリップメータは、三百十四キロメートルと出ている。
これも良いだろう、では何を俺が気にしているかと言えばだ。
「おい、ナンシー聞いてくれ。
このまま進めば、後一キロで目標地点だ、ミッションに着手する前に俺の疑問を聞いて欲しい。
今朝、俺たちはノルデンシュタットを経ってからここまで二時間進んできた。
その間、ずっと森の中だ。
昨日、俺たちは姫さんを拾ってから、ノルデンシュタットに届けるのに二時間以上かかった。
この間も、ずっと森の中だ。
そうすると、俺たちは四時間以上かけて森を抜けたことになる。
実効速度を時速二十五キロとして、約百キロ、全行程の三分の一が森の中だった。
シリア砂漠ってこんなに緑豊かな大地だったのか?砂漠って何だ?
俺は、さっきから気になって、ミッションに集中できそうも無いんだ。」
「おじさん、今頃になって何言っているの。
私は昨日からおかしいって言っていたよ。
姫さんの服装におかしいって最初に気付いたのはおじさんじゃない。
おじさんってば、ナビが正常に動いているから気にしないとかいってたじゃん。
サイドミラーをよく見てみれば、もっとびっくりするよ。」
ナンシーに指摘されてサイドミラーを確認すると、そこにはどこまでも続く砂漠が映っていた。
「俺は、夢でも見ていたんだろうか?」
「おじさん、『気にしたら負けだよ』っていう便利な言葉が日本にはあるらしいじゃん。
私達は狐につままれたんだよ。気にしたら負け、気にしたら負け」
ナンシー、お前って何気に日本の表現に詳しいな。
まあ、ナンシーが気にしないのなら、俺は忘れよう。
下手の考え休むに似たりっていうしな。
**********
程なく村が視認できる距離までたどり着いた。
まだ、朝六時過ぎである。
我々の前方二百メートル位のところに武装した集団が円陣を組んで座っている。
双眼鏡で見てみると、円陣の中心では男が一人立ってAKを掲げて何か怒鳴っている。
何をしゃべっているのかは当然わからないが、某原理主義系テロリストだし自己陶酔型の精神論を滔々と説いているのだろう。
頭から顔にかけて布で巻いて目の部分だけをだしている、この辺りのテロリストの目印みたいな格好をして、AKやRPGを携行している集団、同僚が守る村を襲撃しているテロリストに間違いないだろう。
善良な羊飼いだというよりは、断然蓋然性が高いともう。
これから、全員で村を襲撃するので、ミーティングをしているんだな。
「おい、ナンシー。
あれって、今回の敵性勢力だよな。
駐留班の支援をしろっていう支持だったけど、殺っちゃってもいいんだよな。」
「ええ、別にどういう風に支援しろとは言われてないよ。
たまたま、敵と遭遇してこれを撃破すれば、結果として支援したことになるから良いんじゃない。」
ナンシーの同意も得たし、ちゃっちゃと片付けましょうか。
彼我の距離は大体二百メートル、敵は情報どおり百名前後、現在円陣を組んで固まっており、その中心では未だに男が演説を続けている。
男は自分によっているのかこちらに気付く様子はない。
他の連中も視線は男に向いている。こいつら馬鹿か少しは周囲を警戒しろよ。
テロとかゲリラって少人数で、同時多発的に襲撃してくるから対処が難しいのであって、固まっていてくれれば単なる装備のしょぼい武装集団だ。
今が二つのチャンスである。
一つは、敵性勢力を一網打尽にできる我々の組織としてのチャンス。
もう一つは、今回初めて持ち込んだ武器を試す俺個人としてのチャンスである。
俺は、嬉々としてSMAWをL-ATVから持ち出し、 サーモバリック爆薬弾頭を装填する。
ちなみに、SMAWは、肩撃ち式多目的強襲兵器を英語で書いた単語の頭文字を並べたもんだ。
簡単に言えばいろんな弾頭が使用でき肩撃ちができるロケットランチャーだ。
今回使うのが楽しみなのは、サーモバリック爆薬弾頭。
詳しくは省略するが燃料気化爆弾に一種で携行武器の中では強力な面制圧弾頭である。
俺は、静かにSMAWを肩に構え照準を円陣の真ん中に立つ男に合わせた。あいつが、司令官だろう。
そして、俺は引き金を弾く。
ダーン
と言う爆音が響く、テロたちはこちらを見るが、もう遅い。
刹那の後、直径数メートルの火球が中央に立つ男と円陣の内側数列を飲み込む。
内部の酸素を燃やし尽くした火球はじきに消え、火球の外部を強烈な衝撃波が襲う。
吹き飛ばされるテロリストたち、衝撃波の殺傷範囲はどのくらいだろうか、直径十メートル以上はありそうだが、離れているため正確にはわからない。
テロリスト達が密集していてくれたおかげで、半数近くは無力化できたと思う。
また、火球に飲み込まれた連中は、高熱と酸欠で即死のはずだ、二十人位はいたかな。
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