召喚者は一家を支える。

RayRim

文字の大きさ
上 下
178 / 307
第2部

17話

しおりを挟む
 フェルナンドさんたちに出発の挨拶をしてから、オレ達は海へ向かって更に東へとトレーラーで移動をする。
 なんだかんだで3ヶ月近い滞在となり、フブキのついでに皆を鍛え直したり、装備の拡充をしたりとなかなか充実した3ヶ月であった。
 ポーションや梓から預かった工業用品、バニラたちが作った魔導具などなど、北部へ送る物資を総領府や商工会に託してからエレナさんとフブキに見送られての出発となった。二人はフェルナンドさんの家の側での見送りだったが、やはり名残惜しいな。

「徒歩か浮遊車じゃないと移動できない体が憎い…」

 呪詛のような呻き声を出すバニラ。怖いからやめてくれ。

「牽引車が広くなって嬉しいわ。順番待ちじゃ我慢できないもの。」

 アリスがバニラの後ろで楽しそうに言う。
 3ヶ月の間に牽引車の中が広くなっており、前2人、後ろは詰め込めば3人といったところか。

「広いから食事も出来ちゃうね。」

 そう言いながら、何かを啜るジュリア。流石に食べてはいないようだが…

「アズサはどうしてるんだろうね?」
「船大工に混じって何か作ってそうだなぁ。」
「あの子…もう、子じゃないわね。きっと、また何か得てるかもしれないわね。」

 女子、と呼ぶには歳も立場もあれだが、3人揃えば賑やかである。これはオレが喋る必要も無さそうだ。

「トレーラー全体を改修はしたが、根本的な解決は出来ていない。梓も知らない分野に触れられる、ってウキウキだったから期待したいな。」
「空の旅だけでも凄いのに、まだ良くなる余地があるのね…」
「形が良くないし、水の中も行けないからな。
 いずれは活火山や砂漠もとなると、課題が多い。」

 今の所、行ける場所に該当する地形はないが、外の大陸はどうか分からない。
 広がっているのは無限の砂漠かもしれないし、火山ばかりかもしれない。様々な対策が必要になるだろう。
 まあ、塵対策くらいなら、いくつかゲーム時代の方法はあるのだが。

「火山も砂漠も教えてもらったけど、想像がつかないわね。」
「砂漠は砂丘を知らないとな。アクアもぼんやりとしか描けなかったし。
 逆に火山はリアルすぎて怖かった…」

 大袈裟に怖がる仕草をするバニラ。
 アクアのレベルが高すぎる弊害か、完全に世界の終末のような絵だったからな。

「元々、ドワーフの聖域が地鎮、というか火山を沈める信仰の為というのを読んだことがある。地形にその名残があるかもしれないな。」
「ただの観光名所じゃないってことね。」
「聖域なんて言うくらいだもんね。」

 イグドラシルという謎物体を除くと、大陸最高峰がドワーフ領そのものとなっている『西の山』だ。安直すぎるが、畏れ多くて名前が付けられないという、エルフ領における東西南北のイグドラシルのある町と共通の事情があったらしい。
 そういえば、北部は普通に町の名前があったな。東部は立地的に中央以外に用がなくて、それ以外に行くことが無くて気にしてなかったが…

「地下には溶岩地帯もあるからな。見物するなら熱さ対策が必要になるかもしれない。」
「極寒の北方を過ごしてから、灼熱を体感することになるのかしらね…」
「北の果ては獣人領まで及ぶからな。エルディーには寄れても、もうエルフ領は寄らないと思う。」
『えっ?』

 オレの言葉に、アリスとジュリアが驚きの声を上げる。

「北方エルフ領だけじゃないの…?」
「ビースト領まで行くなんて思ってなかったよ…?」

 まさか、トレーラーで飛んでいくと思っていたのだろうか。

「北の果てが難所の理由は、天然のフロストノヴァ状態だからだ。そんなところを浮遊車で通るのは自殺行為だぞ。」

 フィオナの程じゃないが、魔力に干渉が起きる北の果て。そこをこれで突っ切るのは勘弁願いたい。主にバニラ達が耐えられそうにない

「海は大丈夫なんだろ?」
「流氷が無ければな。冬、というか恐らくもう二月もすると、海も氷が流れ着いて閉ざされる。」

 まだ8月くらいなので問題はないが、事情を知ると海路開拓がいかに無謀かよく分かる。
 一年の大半が氷に覆われ、通ることが出来ない海。そんな海の道を開拓するのは、金の使い方を知らない冒険野郎か野心の塊のようなヤツしかいないだろう。
 そして、今の時期が最も穏やかで美しい時でもあった。冬将軍の夏休み期間なんて言われていたな。

「えぇ…まだ夏よね…」
「しょっぱいかき氷が食べ放題な訳か…」

 絶対、健康に良くないからやめましょうね。普通のならいくらでも作れるから。

「今日のおやつはかき氷にしよう。外も暑いしね。」
「船職人にも振る舞ってやらないとな。」
「フィオナが大忙しになりそうね。」
「かき氷は置いとけ。まあ、そういう事だから、防寒着はしっかり用意しておくように。この前の北部の比じゃないぞ。」

 先日の北部は春であるにも関わらずかなり冷えていた。更に北へ、年中存在するブリザードへとなると、それが生ぬるく感じるくらいだろう。

「ひえー…かき氷は好きだけど、なるのは嫌だなぁ…」
「ブリザードに原因はあるのかしら?」

 原因、原因か…
 気象についても専門外でこれといった確証も持てないが… 

「何かあるのは間違いない。その影響で北半分が強烈な寒気で、中心はブリザードで覆われている。自然現象という可能性もあるが。」
「自然現象とは思えないけどなぁ…」

 バニラが納得できない様子で呻いた。

「まあ、それ含め、しっかり世界を暴いていかないとな。」

 そう締め括った所で、北の果ての話はお終いとなる。
 その後は、喫茶店や食堂、東部の冒険者の流行のファッションの話となり、退屈すること無く、東部の港湾地区へと到着したのであった。
 全く話についていけなかったけどな…




「遅いよー!」

 バニラに誘導されて造船所へ向かうと、ニコニコ顔の日焼けした梓に出迎えられた。

「一ヶ月ぶりだが寂しくなかったか?」
「そんなの感じてる暇もなかったよー。知らない技術、工法、道具、素材がいっぱいだったー!」

 根っからの職人にとって、良い刺激になったようだ。バニラ無しは、かえって好きに出来て良かったのかもしれない。

「おねーちゃん、トレーラーの改善案用意したから見ておいてね。
 出発前に済ませたいけど、とりあえずは親方の所に行こうかー」
「そうだな。梓が世話になった礼もしないと。」

 一応、手土産も用意してある。
 直接会うのは初めてだがどんな人だろうか?
 事務所のような建物の一室に入ると、ドワーフが一人ちょこんと座っていた。

「親方ー、おとーちゃんとおかーちゃんとおねーちゃん連れてきたよー」

 微動だにせぬ親方に失礼があってはいけないように、こちらから挨拶をしよう。

「ヒガン一家のヒガンです。この度は無茶な依頼を引き受けてくださり、感謝しています。
 娘の世話までしていただき、言葉もございません。」
「ヒガン一家のアリスです。東方の造船所の噂はエルディーにも届いております。
 腕の良い職人に引き受けていただき、光栄でございます。」

 バニラの番だが、何も言わずに親方の前に行き、目の前で手を振った。

「し、死んでる…」
「おおおやかたああ!?」

 大慌てで親方に掴み掛かり、頬をペチペチ叩く梓。

「むり…わたし…このしごと…おりる…」
『えぇ…』

 オレとアリスは困惑の声しか出せなかった。




 どうやら、本物の引き篭り気質の親方なようで、普段なら交渉などを務める側近が不在の為に本人が出てきたそうだ。

「子供が風邪を引いたんだって。」
「だったら仕方ないわね。私だって休むもの。」

 仕事より子供の看病を優先するのは、うちだけではなかったらしい。まあ、ルエーリヴはそんな家庭が多いからあまり気にしてなかったが。
 しかし、造船はチーム作業のはず。親方がこの調子でよく回せてるな?

「まあ、親方は座ってれば良いよー。説明は事前に受けてるからねー」
「ごめん…」

 震え声の親方。自己紹介どころではないようで、逆に心苦しい。
 船の仕様から注意事項まで、しっかりと書類に従って説明をする梓。立派になってくれておとーちゃんは嬉しいよ。
 …残念ながら、内容はおとーちゃんとおかーちゃんには難しすぎたが。

「ライトクラフトはバランサー、基本的にウォータージェットだけで進むものと思えば良いかな。」
「でも、エアロジェットも付いているな。これは何のためのだ?」
「緊急用の転回装置だよー。負荷が大きくて、本当に緊急用だからね。」
「ガンポートって何かしら?」
「…ん?銃門?砲門の事か?」
「そう言ったわよね?」

 アリスが不思議そうにジュリアを見ると、ジュリアも頷いている。
 翻訳の問題か。珍しいな。

「ああ、多分、わたしのせいだ。草案を魔法みたいに英語混じりで書いたから、翻訳がそうなったんだと思う。」
「いや、認識できれば良いさ。分からない時は聞くからな。」

 翻訳が機能しての事なら問題ない。

「何か武器を積むのかしら?」
「ああ。魔導銃を大型化したもの、魔導砲を積んである。片方3門、前後1門ずつな。
 柊や母さんに使ってもらおうと思っている。」

 遠距離が苦手な二人だからな。

「もう一門は?」
「メイドの誰かだな。ソニアでも良いが。
 まあ、2門じゃ少ないと思って積んだだけだし、二人が位置を変えながら撃っても良いしな。」
「うちは遠距離得意なの多いからなぁ。」

 オレに影響されて、という訳ではないだろうが、とにかく魔法が得意なのが揃っている。
 反面、近接のスペシャリストと呼べるのが柊とカトリーナしかいない。フィオナ、遥香、ユキも優れてはいるが、恐らく極まった相手だと負ける可能性がある。スキルや魔法でねじ伏せられるだろうが、本人たちのプライドがそれを許すとは思えない。
 殺し合いとなれば、容赦なく魔法で叩き潰すのも想像できるが…

「どっちも出来ちゃう娘ばかりよねぇ…」
「まあ、それもそうなんだが…」

 遥香を筆頭に、多くが高水準で近接、魔法のどちらにもちゃんと心得がある。
 戦闘がからっきしなのは、弱気が過ぎるアクアと、全く心得のないメイプルくらいか。二人とも良いバッファ役ではあるが。

「一家の人材事情は置いといて、続けるよー。
 一応、念のために帆船としても使えるからね。マストは艦内倉庫に片付けておく事になってて、あと二組くらいは亜空間収納に入れておく事にもなってるよー。」

 最後の手段だからな。備えは多い方が良い。
 進みさえすれば、幽霊船になることもないだろう。

「ロープの結び方は後で教えてくれるって言ってた。」
「それはありがたい。オレと、柊と、ユキと、カトリーナが覚えておけば良いか?」
「そうだねー。おかーちゃんたちが覚えれば、メイドたちにも教えられるから一石二鳥かなー?」

 その後は操縦の注意点なども教えてもらい、最後に親方が一言。

「ぜったいに…しょうとつは…しないでね…」
「まあ、善処はするが、最初はぶつけるかもしれないぞ?」
「…たてものも、ていぼうも、がんしょうも、船にまけちゃうから。」

 とんでもない船を作ってしまった事を、オレたちはこの時ようやく理解したのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが…… なろう、カクヨムでも投稿しています。

どこにでもある異世界転移~第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!

ダメ人間共同体
ファンタジー
第三部 今最後の戦いが始る!!・・・・と思う。 すべてのなぞが解決される・・・・・と思う。 碧たちは現代に帰ることが出来るのか? 茜は碧に会うことが出来るのか? 適当な物語の最終章が今始る。 第二部完結 お兄ちゃんが異世界転移へ巻き込まれてしまった!! なら、私が助けに行くしか無いじゃ無い!! 女神様にお願いして究極の力を手に入れた妹の雑な英雄譚。今ここに始る。 第一部完結 修学旅行中、事故に合ったところを女神様に救われクラスメイトと異世界へ転移することになった。優しい女神様は俺たちにチート?を授けてくれた。ある者は職業を選択。ある者はアイテムを選択。俺が選んだのは『とても便利なキッチンセット【オマケ付き】』 魔王やモンスター、悪人のいる異世界で生き残ることは出来るのか?現代に戻ることは出来るのか?

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~

飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。 彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。 独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。 この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。 ※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜

ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。 社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。 せめて「男」になって死にたかった…… そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった! もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

処理中です...