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1章 人生逆転の一手
第5局 棋士にデートは似合わない?
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先週の月曜日の出来事の続きだが彼女は
「それじゃあ今度の日曜日にあの公園で待ち合わせね」
と言って帰って行った。
僕はそれから毎日彼女に顔すら合わせられなかった。
~そして日曜日~
「凄く緊張する」
第一声がこんなものでいいのかなんて関係ない。僕は今まで異性との関わりなんてそうそうなかった。あったとしても姉弟子と将棋の話をしたり、対局をすることくらい。
どう接したらいいんだろう。僕はまた彼女を傷つけてしまうのではないかと心底不安を抱えていた。
「お待たせしましたぁ」
そんな可愛らしい声で向かって来るのは1人だけだ。そう、仲村 楓だ。
「大丈夫、そんなに待っていないから‥‥」
あぁ、返事ってこれで大丈夫かなぁ。変なこと言っていたらどうしよ‥‥。
「そうなんですか?」
「うん、そうだよ」
そして、ここで会話が途切れた。
正直ここまで気まずい雰囲気は初体験だ。というか体験すらしたくねえよ。
それよりもこの危機的状態から脱出しないと僕に未来はない。ここで僕が好手を指さないとこの対局に負けて僕はこの雰囲気に押しつぶされるだろう。
「それじゃあ行きましょうか。翔太様」
あ、先越された‥‥。兎にも角にもこの危機的状況から脱出できたことには変わりない。
取り敢えず、感謝する。
「うん、ところでどこに行くの?」
「そういえば言っていませんでしたね。遊園地です!」
「そ、そうなんだ。じゃあ行こうか」
「はい!翔太様」
そして遊園地に着いたわけだが‥‥
これはどういうことだ?
この状況を説明しよう。遊園地に店員さん以外の 誰もいない。普通なら客が居て、アトラクションに並んで乗る。それが僕の中での遊園地のはず‥‥
「あ、あの‥‥これは?」
「はい、もちろん今日は私たち2人の貸切ですよ」
いやいやいやいや!!おかしすぎるだろ。貸切ってどこのお嬢様だよ!
‥‥ん?待てよ。今思えばこの人 口調はお嬢様っぽいし、服装だって‥‥ まさか本当に
「も、もしかして仲村さんはお金持ちなの?」
「はい、私というよりは父ですがね」
そういって彼女は微笑むが僕からしたら笑えない。
冗談ならここでネタバラシしてほしいくらいだよ。
「それでは行きましょうか翔太様」
それから僕たちは貸切の遊園地をまわった。思えば貸切も悪くないかもしれない。他の人の視線を気にしなくてもいいし、肩がぶつかったり足を踏まれることもない。そういった部分ではとても満喫することができた。彼女に感謝だな。
そんなこんなしている間に時間はたっていった。
「今日は将棋のことも忘れて楽しむことができた」
「え、何ですか?」
「いや、楽しかったです」
僕が人前で笑顔を見せるのはいつ振りだろうな。自分でもこんな清々しい笑顔ができたんだなと驚く程だ。
しかし、あの時に何故彼女の顔は赤面していたのだろう。僕にはこういう人との付き合いの仕方がイマイチ分からない。今までなら自分から極力避けてきた。
けども人付き合いも悪くないな。何となく今日はそう思えた。
(注意)
・ここからは本編とは関係ありません
詰将棋です。今回も変わらず一手詰めなので是非皆さん試してみてください!
「それじゃあ今度の日曜日にあの公園で待ち合わせね」
と言って帰って行った。
僕はそれから毎日彼女に顔すら合わせられなかった。
~そして日曜日~
「凄く緊張する」
第一声がこんなものでいいのかなんて関係ない。僕は今まで異性との関わりなんてそうそうなかった。あったとしても姉弟子と将棋の話をしたり、対局をすることくらい。
どう接したらいいんだろう。僕はまた彼女を傷つけてしまうのではないかと心底不安を抱えていた。
「お待たせしましたぁ」
そんな可愛らしい声で向かって来るのは1人だけだ。そう、仲村 楓だ。
「大丈夫、そんなに待っていないから‥‥」
あぁ、返事ってこれで大丈夫かなぁ。変なこと言っていたらどうしよ‥‥。
「そうなんですか?」
「うん、そうだよ」
そして、ここで会話が途切れた。
正直ここまで気まずい雰囲気は初体験だ。というか体験すらしたくねえよ。
それよりもこの危機的状態から脱出しないと僕に未来はない。ここで僕が好手を指さないとこの対局に負けて僕はこの雰囲気に押しつぶされるだろう。
「それじゃあ行きましょうか。翔太様」
あ、先越された‥‥。兎にも角にもこの危機的状況から脱出できたことには変わりない。
取り敢えず、感謝する。
「うん、ところでどこに行くの?」
「そういえば言っていませんでしたね。遊園地です!」
「そ、そうなんだ。じゃあ行こうか」
「はい!翔太様」
そして遊園地に着いたわけだが‥‥
これはどういうことだ?
この状況を説明しよう。遊園地に店員さん以外の 誰もいない。普通なら客が居て、アトラクションに並んで乗る。それが僕の中での遊園地のはず‥‥
「あ、あの‥‥これは?」
「はい、もちろん今日は私たち2人の貸切ですよ」
いやいやいやいや!!おかしすぎるだろ。貸切ってどこのお嬢様だよ!
‥‥ん?待てよ。今思えばこの人 口調はお嬢様っぽいし、服装だって‥‥ まさか本当に
「も、もしかして仲村さんはお金持ちなの?」
「はい、私というよりは父ですがね」
そういって彼女は微笑むが僕からしたら笑えない。
冗談ならここでネタバラシしてほしいくらいだよ。
「それでは行きましょうか翔太様」
それから僕たちは貸切の遊園地をまわった。思えば貸切も悪くないかもしれない。他の人の視線を気にしなくてもいいし、肩がぶつかったり足を踏まれることもない。そういった部分ではとても満喫することができた。彼女に感謝だな。
そんなこんなしている間に時間はたっていった。
「今日は将棋のことも忘れて楽しむことができた」
「え、何ですか?」
「いや、楽しかったです」
僕が人前で笑顔を見せるのはいつ振りだろうな。自分でもこんな清々しい笑顔ができたんだなと驚く程だ。
しかし、あの時に何故彼女の顔は赤面していたのだろう。僕にはこういう人との付き合いの仕方がイマイチ分からない。今までなら自分から極力避けてきた。
けども人付き合いも悪くないな。何となく今日はそう思えた。
(注意)
・ここからは本編とは関係ありません
詰将棋です。今回も変わらず一手詰めなので是非皆さん試してみてください!
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