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レイナ洞窟編
第29話 ノア ⓶
しおりを挟むバゴッォォォォオオオオオオオオン
やべっ!クレーター作っちゃった!てへぺろ。てっ!あの竜、俺を目で追えてるんだけど!
あ!でも、爪とかで迎撃するほどには体が追いつかないみたい。よかったぁ、もう三ヶ月戦い続けるのはゴメンだからな。
「あれ?口光ってない?」
あれってブレスだよな。あぁー、俺単体に攻撃を当てられないから広範囲攻撃で全て焼き尽くすのか。結構頭いいね。言葉が通じないだけで人間並の知性があるとかってこと?まぁ、驚き過ぎてブレス打てないだろうけど。
「今だ!ゴジ、第三形態への進化を許可する!」
「グルゴゴゴォォォオオオオオオ!」
瞬間、ゴジのいた方が光ったと思うと、今度は大きな影が顔を覆った。その大きな影の主は他ならぬゴジの第三形態だ。その姿は身長60メートルほどあるボス竜よりも大きい約90メートル、黒い鱗に覆われた体に自分の身長と同じ90メートルほどの尾。まさしく怪獣の王。その証にゴジのステータスを見ると……
ゴジ(種族:地竜)
形態変化:第三形態
第一形態:任意で退化可能
第二形態:任意で退化可能
臨時称号:怪獣の王
怪獣の王:全ての獣の王。その力と威厳は、竜王、狼王、など全ての種族の王おも凌ぐ。
この個体が第三形態の時のみ、付与される臨時称号。
ほら、ちゃんと称号にもなってる。今のゴジはあのボス竜よりも強い。おっ!ボス竜も気付いたか?ブレスが中断してる。
「グガガァァァアアアアアア、ガグッ!?」
「ははっ!驚いたか?ゴジは地竜だ。そして今、第三形態になって『怪獣の王』になった。すごいだろ~。俺が元いた国の竜種みたいなんだよな。って、待てよ?お前も金ピカの竜だし、頭を三つにすれば……これ怪獣決戦じゃねーか!」
「グガガ!?」
何今更俺に驚いてんの?俺さっきからお前の背中に乗ってるよ?お前がブレス中断した時にはもう鱗を登ってたよ?すごいのはわかるけど、そんなに驚くな?それよりも、一撃入れないと!
「んじゃ、いっくよ~! 我流:落雷一閃」
「ガガガァァァァァアアアアアア」
落雷をイメージした、縦斬り技。俺が師匠との戦いで完成させた剣術の最速縦斬り技だ。狙うは翼。全力で飛び上がり、師匠の刀を抜く。そして、流れるような動きで落ちていく。
ジョキッ
そして刀と翼の付け根が触れた瞬間、あっさりと切れてしまった。
「ガガガァァァァァアアアアアア」
竜は苦痛が混じった雄叫びを上げが、そのまま俺はゴジへ戻る。そろそろ気づくはずだ、斬られたのは自分の翼だと。そうなれば今度はあっちが仕掛けてくるのを待つ。攻撃をする時には、隙がある。そこにゴジの全力をぶち込む。
「ゴジ、ブレスの準備をしてくれ」
「グルゴ!」
「竜さぁ~ん、大丈夫ですかぁ~?今、戦闘中ですよぉ~。よそ見してていいんですかぁ~?」
「グガガガッガガッガガガガ!」
おっ!ちゃんと来た。突っ込んでくる。そして、あの口の光はブレス。
「グガァ~ガァァァァァッァアアアアアアア!(竜閃光!)」
「へぇ。さっき放とうとしてたブレスよりも範囲が狭くて、もっと高威力。ゴジ、迎え撃てそうか?」
「グルル!グルルゥゥゥゥゥウウウウウウウウ、グル!(破滅の黒光)」
ボス竜とゴジの口から放たれたエネルギーの流れは二体の間でぶつかりった。その強大なエネルギーは混合し、反応し合い、やがて大爆発となって辺り一帯を眩い光で包んだ。
「眩しいっ!目がぁ~目がぁ~!」
「グルゴ」
「おい!やめろ!俺をそんな冷ややかな目で見るな!ってか、何で今のネタが分かるんだよ!?」
「グルルゴ」
「はいはい。んで、アイツは?」
最後に見えたところでは、ゴジのブレスが押してたように見えたけど、ボス竜のトドメが刺せたか分からない。そう思いながら辺りを見回すと、やっぱりアイツは死んでなかった。ゴジのブレスを一発で瀕死とかやばいだろ?どんだけ強いの、ゴジ?
本家はギ○ラ倒すのでさえ一発でじゃ足りなかったんだよ?もしかして、元ネタよりも強いの?やべやべ、脱線した。さてトドメを刺すか。
ゴジから降りて、俺はボス竜に駆け寄った。
「グガガガガガガ」
「さて、怨みはないけど殺させてもらうよ?俺はいかなきゃいけないところがあるから。」
「グガァァァァァアアアアアアアア!」
「………その目、俺はよく知ってるよ、復讐に燃える目だろ?でも残念、良く見てみろ、俺も同じ目だ。俺はアイツを殺すまで死ねない。だからお前にも殺されるわけにはいけない。お前にはここで沈んでもらう。我流:竜殺剣《バルムング》!」
竜殺剣は竜を狩るのに適した剣術を師匠とイメージして作った。師匠の剣から伸びた斬撃はそのままボス竜の首を切り落とす。
「グガガガガガッガ!」
ゴォォォォオオオオオオオオオ
ボス竜の断末魔と共に扉が開く音も聞こえた。多分出入り口だろう。
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