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第5章雑談:空山
自分のこと
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「まさか俺に、
あんなに可愛い彼女ができるとは。
実は、これは夢なんじゃないかと
疑うことがある」
「……現実ですよ」
「そうなんだよ。
彼女って言うのは、素敵な響きだけど
怖いものもあるな」
「……何かあったんですか?」
「……部屋を勝手に片づけられた」
「……はい?」
「俺の部屋には
禁断の塔があったんだよ」
「……禁断の塔?」
「禁断のポスターもあった」
「…………」
ああ、そういうことか。
アレな本とか、アレなポスターを
ふっつーに部屋に置いてたんだな、この人……。
「汗かいちゃったから、
シャツを変えるだけのつもりで
なんとなーく部屋に戻ったんだけど、
まさか綾ちゃんがついてきていたとは」
綾、突撃、早っ!!
「昔、部屋にイタズラをされたことならあった。
多分、はるちゃんの仕業だと思う」
「はぁ……」
「だが、着替えているわずかな時間に
綺麗に整列されてしまった
俺の所有物からは、イタズラよりも
不気味な何かを感じた」
「…………?」
「“片づけておきましたね”っていう
笑顔も、なんだか
怖いような気がした……」
「怒らせちゃったのかなぁ……。
“捨てられた”とかなら
分かりやすくていいんだけど、
綺麗に整理してあるから、どう取ればいいのか」
「たぶん、何も考えてないんですよ」
「……は?」
「笑顔が怖く見えたのなら、
それは空山さんが怖がってるからです」
「綾、前言ってました。
おじさん……綾のお父さんとか、
上の弟の部屋を片づけるとき
変なものが結構出てくるけど、
別に気にしないって。
男だしそんなものなんじゃない?って。
きっと、そんな感覚じゃないでしょうか」
「そうなのか……。
怖すぎる感覚だな、それは」
……どこが怖いのか
さっぱり分からないけど……まぁいいか。
「とはいえ、そういう微妙なものを
目に付くような場所に置くのは
もうやめた方がいいと思いますけど」
「ああ、もう片づけたよ……さすがに」
あんなに可愛い彼女ができるとは。
実は、これは夢なんじゃないかと
疑うことがある」
「……現実ですよ」
「そうなんだよ。
彼女って言うのは、素敵な響きだけど
怖いものもあるな」
「……何かあったんですか?」
「……部屋を勝手に片づけられた」
「……はい?」
「俺の部屋には
禁断の塔があったんだよ」
「……禁断の塔?」
「禁断のポスターもあった」
「…………」
ああ、そういうことか。
アレな本とか、アレなポスターを
ふっつーに部屋に置いてたんだな、この人……。
「汗かいちゃったから、
シャツを変えるだけのつもりで
なんとなーく部屋に戻ったんだけど、
まさか綾ちゃんがついてきていたとは」
綾、突撃、早っ!!
「昔、部屋にイタズラをされたことならあった。
多分、はるちゃんの仕業だと思う」
「はぁ……」
「だが、着替えているわずかな時間に
綺麗に整列されてしまった
俺の所有物からは、イタズラよりも
不気味な何かを感じた」
「…………?」
「“片づけておきましたね”っていう
笑顔も、なんだか
怖いような気がした……」
「怒らせちゃったのかなぁ……。
“捨てられた”とかなら
分かりやすくていいんだけど、
綺麗に整理してあるから、どう取ればいいのか」
「たぶん、何も考えてないんですよ」
「……は?」
「笑顔が怖く見えたのなら、
それは空山さんが怖がってるからです」
「綾、前言ってました。
おじさん……綾のお父さんとか、
上の弟の部屋を片づけるとき
変なものが結構出てくるけど、
別に気にしないって。
男だしそんなものなんじゃない?って。
きっと、そんな感覚じゃないでしょうか」
「そうなのか……。
怖すぎる感覚だな、それは」
……どこが怖いのか
さっぱり分からないけど……まぁいいか。
「とはいえ、そういう微妙なものを
目に付くような場所に置くのは
もうやめた方がいいと思いますけど」
「ああ、もう片づけたよ……さすがに」
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